2008年12月12日金曜日

銀行合併後の1年の特例では中長期の預金は守られないぞ~預金保険機構と金融庁に電話して得たものは~

前回のこの記事の最後で行動すると書いた。

もし新生とあおぞらが合併したら~中長期の定期預金が特例で1年しか保護されないのは預金保険制度の欠陥~

行動すると言っても地方在住の病人ができることは受話器を握ることぐらいしかない。

預金保険機構に電話した。
現行の制度では合併後1年経過すると合併行に対する預金保険の限度額は1000万に戻る。
先ずは書いてある通りのことを一応確認したうえで、
実際に起こりうる中長期の定期に関しての制度の‘欠陥’について指摘した。

先方は‘なるほど’と言いながらも‘欠陥’という言い方には当然ながら不承諾だ。
それでも指摘した問題点については理解を示し‘貴重なご意見’として丁重に扱ってくれた。
だがそれ以上の展開が無い。
相変わらずの長電話で30分近くは話したが、
事前に予想していたとはいえ‘制度化したものの限界’を感じるだけだった。

但しその‘限界’を感じたのは彼女も同様だったのかもしれない。
この‘貴重なご意見’を金融庁にも伝えることを強く勧められた。
わざわざ電話番号まで案内されたらこちらもかけてみるしかない。

‘恋も2度目なら~少しは上手に~♪’じゃないが、2度目だとこちらも要領よく話せる。
担当の女性も極めてシャープで真意は容易に伝わった。
‘銀行に一度預金したら中長期でも合併後満期まで預金保険の仕組みが働くべきという主張ですね’と、
あっさりと総括した。
‘国民の貴重な要望’として耳を傾けてくれ、担当部署に上げてくれることは約束してくれた。
但し現行制度ではどうにもならないということも明言した。

わかっちゃいるけど変えられない♪

預金保険機構の人から金融庁にも電話をしてみてはとサジェストされた経緯を話すと、
実に納得した様子だった。
金融庁の下で動く機構としては当然と言いたかったのだろうか。
私はそれを逆手に取って‘じゃあ金融庁を動かすのは立法府でしょうが他には?’と尋ねた。
‘国民の声、社会的な気運でしょうね’
これまた極めて模範的な答えに対し‘今日の私の声もひとりの国民の声です’と答えるしかなかった。

合計で1時間を費やした‘行動’だが決め手を欠く内容になってしまったのは仕方が無い。
この記事も別段価値ある情報があるわけでもなくつまらないものになってしまう。
それもやや癪なので無理やり捻りだしてみた。

銀行が合併した時に1年に限って‘合併行数*1000万’が保護の対象になる。
常識的には各行1000万にしているケースが多いだろうが、特例では‘総額’を決めているだけだ。
だから1行に2000万預けていて他行はゼロの場合でも保護の対象になる。
それだけではない。
こういうケースを考える場合はどうしても既に口座を持っていることを想定してしまいがちだが、
新規の客が合併による‘拡大枠’を活用して預けても一向に構わない。
合併時の取扱いを読めば‘当然’のことだが、自分ではそういう発想がまったく無く、
意外感があったので紹介しておく。
これは預保の担当者に確認した客観的なことだ。

もうひとつは極めて主観的なことなので注意が必要。
金融庁の担当者との遣り取りの中で私が感じたことだ。

欧米諸国で預金保護を巡って色々な動きがあった頃、日本でも上限の引き上げや
全額保護の議論は生まれたが、最近は話題になっていない。
個人的には安易な保護拡大には反対だ。
ソースがサンプロでの石原伸晃発言しか無いのが弱いが、
現行制度で保護されない口座は全体の‘1%’しかないそうだ。
そんな少数の人の為に制度を変え、資金を使う必要は無い。
日本は10年前に金融危機を経験した‘強み’で、十分な時間を掛けて周知徹底を図り
ペイオフ解禁にこぎつけた。
その1%の口座のホルダーがもしペイオフの対象になってもそれはまさに自己責任。
上限引き上げや全額保護の前に私が問題視している合併後の特例の期間を柔軟にする方が先決だろう。

私が偉そうにこんな持論を展開した後だ。
彼女が飽くまでも個人的な意見という断りを怠らなかったがこういう発言をしたのが印象に残った。

預金保険法は国民の財産を守ると同時に金融機関の財政基盤を整える意味でも大事な法律である。
金融サミットでも金融不安が募れば預金の保護は徹底されるべきという点で一致している。
そういう方向に変われば、今は1000万の‘足枷’がついているがこれも変わりうる。
我々としてはとにかく国民の財産を守るということが‘大命題’ですから。

う~む、揚げ足を取ったり言葉尻を捉えたりするのが大好きなナリポンとしては
この‘足枷’は思わず‘深読み’したくなる。

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