2008年12月25日木曜日

本物を知っている者の‘弱み’~人工キャビア‘キャビアンヌ’のお陰で白けた‘ホワイト・クリスマス’~

私はプロフにも書いてあるように大の魚卵好きだ。
魚卵の王様と言えば勿論世界三大珍味のひとつチョウザメの卵、キャヴィアだ。
昔から値段的には手強かったが、乱獲防止のためのワシントン条約発動で益々希少なものとなった。

今年は6月にいつも買っているショップでベルーガの50gを1個、20gを2個購入して
それを2度に分けて食べただけだ。

かつてはもっと頻繁に食べていたし息子にも食べさせていたが、今は未成年者禁止措置を取っている。

50gはまだいいが、20gをおとな2人でシェアするのは何とも食べ応えが無い。
だったら同じような値段で入手可能なバフンウニ250gの方がはるかに喰った気がする。
だからバフンウニは結構な頻度で食べた。

このままでいくと、2008年はもうキャヴィア無しかなと思っていたが、
今月の初めにいつものショップが珍しいことにオークションを行ったのだ。

いつも食べているロシア産のキャヴィア、ベルーガ20gの1ダースだ。
このロシア産は相場的には最も安い部類だが1ダースとなると1個売り(4687円)より
割安とはいえ定価で46,900円する。
まあ、入手不可能のイラン産だと50gでそれ以上するけどね・・・(^。^)

‘合格者’はたったの1名だ。

12個の瓶が並べられている写真にも惹かれて入札することにした。
考えてみると今年は本当に金を遣っていない。
我が家の最大の買い物は以前中国製だったと紹介したパナソニックの食器洗い機の6万3千円。
ワンタイムの出費としては息子の修学旅行の8万が最大だ。

もし落札できた時のブログネタのタイトルが頭に浮かんだ。

キャヴィア1ダースを落札したのが今年最大の贅沢なのは実は淋しくないか?

落札したいがディーラー心理としてはすっ高値も嫌だ。
キャヴィアの2時間前に終了した別の商品の落札額を参考にして
事前に想定していた金額より低めの3万6663円で入札した。
この‘666’がまさにオーメンとなってしまった。
落札者は3万7015円、その差額は4百円足らずだ。

入札者が42名と少ないことから推察するに恐らく次点だったろう。
4万円台だったら諦めもつくがこの差だと取り返しのつかない無念さに襲われた。
こうなると人間の心理は単純だ、どこかで歪むのだ。
その後通常販売でポイント10倍になってももはや買う気はしない。
先月末に食べたばかりなのにまたバフンウニを注文したりする。

いやぁ、ウニの250gだと酒のつまみで2回、ウニ・イクラ丼で1回と楽しめるからいいねぇ~
とか必要以上にバフンウニの肩を持ったりするから面白い。

しかし今回は更に滑稽な行動に走ってしまったのだ。

クリスマスが近づきやはりキャヴィアへの思いが自然に募ったが、
そこで‘キャビアンヌ’という人工キャビアを発見してしまったのだ。

私は一切知らなかったがググってみると今年それなりに話題になったらしい。
テレビでも2度取り上げられ活字媒体の中にはAFPも含まれていたから世界に配信されたかもしれない。

50gで1260円、5000円出すとなんと350gも手に入る。

流石に得体の知れないものをいきなり350g買う気はしなかったが、50gの瓶を購入した。

そしてクリスマス・イブを迎えた。
テーブルの中央に鎮座する50gの瓶といつものキャヴィア専用の小匙。
この日の出番を待って半年間冷凍庫の中で凍死寸前になっていたウオッカ。

年齢とともにクリスマスそれ自体のイベントで胸が高鳴ることは無くなったが、
このキャヴィアを含む光景には少し心が躍った。

蓋を開けて小匙でグィ~ンと口に運んだ。
キャヴィアの醍醐味は何にも載せずそのまま食すこと、それが俺流だ。
普段20g瓶だと遠慮がちなかみさんも今回は小匙でグィ~ン。

ダメだ!
皮が硬過ぎて食感が全然違う、生臭さが足りない。
私は大きくため息をつきながらこう言った。

本物を知ってる者の‘弱み’だな・・・(-_-;)

彼女も頷きながらその‘修辞’に納得の表情をした。
結局半分近くを残して次はパスタで‘粉飾’しようということになった。

メインの骨付きラムはそこそこの出来だったが、スターターの躓きは致命的。

ナンチャッテ・キャヴィアで白けたクリスマス・イブ
これも或る意味‘ホワイト・クリスマス’だな・・・(-_-;)

この開発者兼社長はマスコミ相手に‘過去に3回ほど食べたカスピ海のキャビアが
非常においしかったため、その味を思い出しながらキャビアンヌを開発した’と語ったそうだ。

たった3回かよ・・・(-_-;)

私はシンガポール在住時に高級食材‘燕の巣’の料理を20~30回は食していると思うが、
その味を思い出すことなんて到底無理だし、人工の物があったとしても判別できる自信は無い。
もっとも美味いと感じたことも殆ど無かったが・・・。

キャビアンヌのセールスポイントとして‘低カロリー’を謳っているのも笑える。

本物のキャヴィアは100g当たり230kcalもあるって言われても、
ポテトチップじゃあるまいし、100gも一気に食べられる人なんて世の中超一握りの人だけですから・・・。

死因はキャヴィアの食べ過ぎとか言われてみたいぜ・・・(>_<)

偽キャヴィアのせいで、今は激しく本物のキャヴィアを食べたくなっている。
私は昔から‘大ハズレ’の蕎麦屋とか鮨屋に遭遇すると、その翌日知っている
‘アタリ’の店に行って‘口直し’をしたくなる癖があった。

考えてみると、オークションなんて無ければ素直に1万払って
本物のキャヴィアでクリスマス・ディナーを楽しんでいたんだろう。
いや、オークションの落札がどう惜しくてもそうするのが王道だと気付くべきだったのだろう。

先月またひとつ歳を重ねたが大人になれないまま単にジジイになっていく感じだ。

2008年12月14日日曜日

ツヨカワイイ浅田真央に‘マオラー’感激~アウェイの逆風の中‘逆転の滑走’でキム・ヨナに勝つ~

久々にスポーツ観戦で興奮し、心が躍った。
女子フィギュアスケートの浅田真央だ。
GPファイナルは予想通り、キム・ヨナとの真っ向勝負となった。
今シーズン初の直接対決になったが、今大会が韓国での開催ということから
個人種目でありながら‘日韓対決’の要素も色濃くなったから大変だ。

初日のショート・プログラムの結果を見て‘これは酷い’と思った人も多い筈だ。
採点の細かい方法について知らない素人だが、キム・ヨナの表情から察しても
キムが1位になったことは意外だった。

フィギュアのジャッジは暗黒の歴史から脱却するために新方式が採用になり、
より客観的で透明感あるものに改善されたと信じたいが、それでもやはり‘空気を読む’
暗黙の了解はあるのだろうか。

ただ私はかみさんにこう言った。

この‘誤審’がキムを追い詰めるぞ・・・(^<^)

それは単に希望を込めての一言とも言えるが、スポーツの世界或いは相場の世界、もっと大きく言えば、
今までの人生を通じて学んだ教訓から来ている。

固唾を飲んで真央ちゃんのフリーの演技を見た。
この固唾の程度が即ち自分の入れ込み度になる。
そういう意味では浅田真央のグレードは年々上昇し今や完全にトップグループに加わった。

失敗しても成功しても胸が締め付けられる感じだ。

NHK杯では認定されなかった2度のトリプル・アクセルを成功させたが1度の転倒をしてしまった。

転倒のシーンでは直前に突然音楽の音量を絞った陰謀説もあるが・・・(>_<)

転んでも3アクセルが2回あった分点数は伸びるだろうと思ったが、
得点はNHK杯の時より低い。

これまた‘空気を読まれた’か・・・(-_-;)

キム・ヨナは文字通り見事な滑り出だしを見せた後、構成を変えて守りに入った。
癪だがそれも戦術のひとつ、逃げ切り濃厚だと観念した。

ところがここで前日のVTRを見るようなミスを犯し、なお且つその後のジャンプで転倒した。

言葉を慎重に選ぶ解説の伊藤みどりも‘今日は厳しいジャッジにせざるを得ない’と語った。
‘今日は’の‘は’に前日のジャッジへの疑問が滲み出ていたように感じた。

誰の目にもはっきりと減点とわかるふたつのミスがあると、
プロにしかわからない加点があっても足りなかった。

浅田が合計点で2.2点上回り優勝した。
2位では何の価値もない、お互いそう思っているライヴァル対決を真央ちゃんが制した。

まさに‘逆転の滑走’だな・・・(^O^)/

今年のスポーツ観戦ではろくなことが無かったが、
今回は‘マオラー’のひとりとして心底感激した。

しかし考えてみると私が好きなスポーツ選手の中で浅田真央は或る意味異色の存在だ。
女子で好きなのは、ゴルフの宮里藍、柔道の谷亮子、引退したカーリングの小野寺歩、
そしてソフトの上野由岐子・・・。

先ず競技で言えば、採点競技は無い。
あとはルックス的にはどちらかと言えば松井秀喜タイプだ・・・(>_<)
因みにバトミントンやビーチバレーで騒がれている美人アスリートには全く興味がない。

私生活では女性は容姿端麗か否かで超辛口だが、スポーツ選手は何よりも実力が最優先なのだ。

真央ちゃんは第一印象で可愛い。
フィギュアという競技の性格上ヴィジュアルな面も‘実力’のひとつだ。
その昔、伊藤みどりが登場すると滑る前に芸術点が減点されると揶揄する輩が居た。

確かに‘アグリー・ベティ’のベティが歯の矯正器具を付けたまま円柱の胴体をくるくる回転させたり、
『24』のクロエがあのジト目で軽やかにステップを決めたりしても、
点数は伸びないような気がする。

クロエ似のアメリカ人選手が実際にいたが・・・(-_-;)

浅田真央は顔も可愛いが肩幅の狭さと縦の身体のラインが綺麗で好きだ。
実力も申し分ない。
幼い顔つきからは想像できない精神的な強靭さもある。
そういう強さがなければルックスだけではここまでいれ込まない。

浅田真央はツヨカワイイのだ・・・(^。^)

韓国のキム・ヨナ熱には負けそうだが、日本では今後も‘マオラー’は増殖しそうだ。
来年3月L.A.で開催される世界フィギュアスケート選手権で連覇を果たし
再び感激を味わいたいものだ。
因みにこの大会の初日(3月23日)にはL.A.でWBCの決勝戦が行われる予定になっている。

2008年12月12日金曜日

銀行合併後の1年の特例では中長期の預金は守られないぞ~預金保険機構と金融庁に電話して得たものは~

前回のこの記事の最後で行動すると書いた。

もし新生とあおぞらが合併したら~中長期の定期預金が特例で1年しか保護されないのは預金保険制度の欠陥~

行動すると言っても地方在住の病人ができることは受話器を握ることぐらいしかない。

預金保険機構に電話した。
現行の制度では合併後1年経過すると合併行に対する預金保険の限度額は1000万に戻る。
先ずは書いてある通りのことを一応確認したうえで、
実際に起こりうる中長期の定期に関しての制度の‘欠陥’について指摘した。

先方は‘なるほど’と言いながらも‘欠陥’という言い方には当然ながら不承諾だ。
それでも指摘した問題点については理解を示し‘貴重なご意見’として丁重に扱ってくれた。
だがそれ以上の展開が無い。
相変わらずの長電話で30分近くは話したが、
事前に予想していたとはいえ‘制度化したものの限界’を感じるだけだった。

但しその‘限界’を感じたのは彼女も同様だったのかもしれない。
この‘貴重なご意見’を金融庁にも伝えることを強く勧められた。
わざわざ電話番号まで案内されたらこちらもかけてみるしかない。

‘恋も2度目なら~少しは上手に~♪’じゃないが、2度目だとこちらも要領よく話せる。
担当の女性も極めてシャープで真意は容易に伝わった。
‘銀行に一度預金したら中長期でも合併後満期まで預金保険の仕組みが働くべきという主張ですね’と、
あっさりと総括した。
‘国民の貴重な要望’として耳を傾けてくれ、担当部署に上げてくれることは約束してくれた。
但し現行制度ではどうにもならないということも明言した。

わかっちゃいるけど変えられない♪

預金保険機構の人から金融庁にも電話をしてみてはとサジェストされた経緯を話すと、
実に納得した様子だった。
金融庁の下で動く機構としては当然と言いたかったのだろうか。
私はそれを逆手に取って‘じゃあ金融庁を動かすのは立法府でしょうが他には?’と尋ねた。
‘国民の声、社会的な気運でしょうね’
これまた極めて模範的な答えに対し‘今日の私の声もひとりの国民の声です’と答えるしかなかった。

合計で1時間を費やした‘行動’だが決め手を欠く内容になってしまったのは仕方が無い。
この記事も別段価値ある情報があるわけでもなくつまらないものになってしまう。
それもやや癪なので無理やり捻りだしてみた。

銀行が合併した時に1年に限って‘合併行数*1000万’が保護の対象になる。
常識的には各行1000万にしているケースが多いだろうが、特例では‘総額’を決めているだけだ。
だから1行に2000万預けていて他行はゼロの場合でも保護の対象になる。
それだけではない。
こういうケースを考える場合はどうしても既に口座を持っていることを想定してしまいがちだが、
新規の客が合併による‘拡大枠’を活用して預けても一向に構わない。
合併時の取扱いを読めば‘当然’のことだが、自分ではそういう発想がまったく無く、
意外感があったので紹介しておく。
これは預保の担当者に確認した客観的なことだ。

もうひとつは極めて主観的なことなので注意が必要。
金融庁の担当者との遣り取りの中で私が感じたことだ。

欧米諸国で預金保護を巡って色々な動きがあった頃、日本でも上限の引き上げや
全額保護の議論は生まれたが、最近は話題になっていない。
個人的には安易な保護拡大には反対だ。
ソースがサンプロでの石原伸晃発言しか無いのが弱いが、
現行制度で保護されない口座は全体の‘1%’しかないそうだ。
そんな少数の人の為に制度を変え、資金を使う必要は無い。
日本は10年前に金融危機を経験した‘強み’で、十分な時間を掛けて周知徹底を図り
ペイオフ解禁にこぎつけた。
その1%の口座のホルダーがもしペイオフの対象になってもそれはまさに自己責任。
上限引き上げや全額保護の前に私が問題視している合併後の特例の期間を柔軟にする方が先決だろう。

私が偉そうにこんな持論を展開した後だ。
彼女が飽くまでも個人的な意見という断りを怠らなかったがこういう発言をしたのが印象に残った。

預金保険法は国民の財産を守ると同時に金融機関の財政基盤を整える意味でも大事な法律である。
金融サミットでも金融不安が募れば預金の保護は徹底されるべきという点で一致している。
そういう方向に変われば、今は1000万の‘足枷’がついているがこれも変わりうる。
我々としてはとにかく国民の財産を守るということが‘大命題’ですから。

う~む、揚げ足を取ったり言葉尻を捉えたりするのが大好きなナリポンとしては
この‘足枷’は思わず‘深読み’したくなる。

2008年12月10日水曜日

もし新生とあおぞらが合併したら~中長期の定期預金が特例で1年しか保護されないのは預金保険制度の欠陥~

巷では新生銀行とあおぞら銀行の合併の観測がある。
グーグル検索で‘新生’‘あおぞら’と入力すると候補として‘新生 あおぞら 合併’が第一候補で現れる。

もし新生とあおぞらが合併したらその預金はどうなるか。

預金保険機構の説明ではこう書いてある(Q11)。

金融機関が合併又は事業の全部を譲渡した場合の保険金額の特例について説明してください。

1.  金融機関が合併又は事業の全部を譲り受ける場合(以下「合併等」といいます)には、その後1年間に限り、預金保険によって保護される預金限度額は、全額保護される預金を除き、預金者1人当たり元本1,000万円に合併等に関わった金融機関の数を乗じた金額とその利息等とする特例があります。元本の計算については、合併等の前に預けられたものであるかは問いません。
 例えば、2行合併の場合は元本2,000万円までとその利息等、1行が2行の事業の全部を譲り受けた場合は元本3,000万円までとその利息等が保護されます。
  なお、1年以内に複数回の合併等を行っている場合は、その最後の合併等に関わった金融機関の数で計算します。

2.  1つの金融機関が複数の金融機関に事業譲渡された場合はこの特例は適用されません。

3.  この措置は、「金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法」(組織再編成特措法)に基づく当分の間の特例です。

もし新生とあおぞらが合併の時は合併時に預金は合算されるが、
合併後1年間に限り特例により2000万とその利息が保護対象になる。

特例とあるように合併時点でひとつの銀行になるのだから、
本来1000万しか保護しないところを1年間は‘執行猶予’してあげると言った感じだ。

しかしここで或る問題が生じる。
1年という期間だ。
流動性預金は問題無いし、定期預金も1年物ならば確実にこの執行猶予期間に
満期がくるから対処できる。
対処できると言う意味は合併して生まれる銀行(例として再生曇り空銀行?)に対しての預金額を
預金保険の限度額の範囲内にコントロールできると言うことだ。

但し中長期の定期預金はそうはいかない。
1年の執行猶予期間後にしか両行の満期が到来しないケースがあるからだ。

世の中で円定期預金といえば1年物が主力なのは間違いない。
夏や冬のボーナスキャンペーンで利率を競うのは基本的には1年物だ。

3年より長い期間に積極的なのは、このブログの最大の人気記事である日本振興銀行、
他にはオリックス信託あたりに限定されていた。

ところがこの夏以来新たに新生とあおぞらが極めて積極的に参加し始めたのだ。
新生は3年、4年、5年では飽き足らず10年物まで始めた。
あおぞらは以前は金利が低過ぎて目にも止まらない存在であったが、
夏以降それなりにやる気を見せ始め新生の後を追っている。

両行の預金金利は10月の日銀の利下げにも負けず‘逆行高’となった。

高い金利を払い、期間の長い預金に軸足を移す。
まさに両行の窮状を物語っていると言っていいだろう。

そんな連中に金を貸す気はしないが預金ならできる。
預金保険があるからだ。
景況感から言っても当面低金利が続きそうだから中長期で預けたくなる地合いだ。
しかしここで例の問題が発生する。

例えば新生に5年物を預けた人があおぞらにも5年物を預けたとしよう。
話を簡単にするためにどちらも元本は1000万と仮定する。

そして両行が2009年9月に合併して‘再生曇り空銀行’が生まれたとしよう。
預金額は2000万になるが2010年9月までは保護される。
しかしそれ以降約3年は保護されるのは1000万だけだ。

新生とあおぞらの場合、単に合併しても‘弱者連合’になるだけだから、当然公的資金で資本注入されて、
一旦は健全化されるだろう。
しかしだからと言って、その後も健全性が維持されるかは全くの未知数。

銀行名が‘再生曇り空’だもんね・・・(-_-;)

3年間ペイオフの上限を1000万オーバーしながら安閑としていられるとは到底思えない。
結局安全策を取るなら当初預けた預金を中途解約して残高を1000万に減額することになる。

中途解約利率は勿論定期の約定金利に比べて低い。
新生はまだましな方だがあおぞらは普通預金利率が適用される。

その受け取り利息の差額分その他の不利益は預金者が被るのだ。
これが腑に落ちないのである。

元来は1行1000万で満期まで保護される筈の預金が、預金者が予想し得ない要因である
‘合併’によって面倒なことに巻き込まれる。

どうせなら2行とも破綻してくれた方がスッキリする・・・(>_<)

これは制度の欠陥ではないだろうか。
制度とは特に預金制度は‘これさえ守ればなんの不安もない’状況を国民に提供すべきものだろう。
語弊はあるが預金者が一旦その制度に従えばその後は‘思考停止状態’でも
通用するものでなくてはならない。

あそことあそこが合併しそうだから中長期の定期はやめておくべきだな。
なんて判断を預金者に要求するのは筋違いだろう。
2年~10年の定期預金という商品の販売を許している以上、合併後の猶予期間が1年では
カバーできない。
もっとシンプルに当初の預金契約は合併如何を問わず満期日まで預金保険の範囲内で
保護するようにすべきではないだろうか。

自分では今日書いたことは‘正論’だと思うが、ここで愚痴を言っているだけでは物足りないので、
少し行動してみようと思う。

行動したらまた書くつもりだ。

《追加記事》

銀行合併後の1年の特例では中長期の預金は守られないぞ~預金保険機構と金融庁に電話して得たものは~

2008年10月29日水曜日

パナソニックの食器洗い乾燥機を通販で買ったら中国製が届いた~家電製品のカタログに原産国表示の義務がない不思議~

前回書いたように、我が家では最近食器洗い乾燥機を買い替えた。
パナソニックのNP-TS1というやつだ。

価格や購入にあたってのショップの対応には極めて満足していたのだが、
送られてきた巨大段ボールに書かれた‘中国製’を発見して途端に萎えた。

その事実を知っただけで、樹脂部分の色合いがくすんでいるように見え、
金属部分もチープに見えてくるから、人間は勝手だ。

やや冷静さを失ったせいか、一番に考えたことは当該ショップの安さの秘密が
中国製だからというからくりではないかという疑惑だった。
そこで先ずはパナソニックのお客様相談センターに電話した。

型番を告げて届いた商品が‘中国製’であることに動揺した旨を伝えると、少し待たされた上で
‘えぇ、確かにこちらの製品は中国製です’といとも涼しげに返答された。

‘あの~、カタログにもそちらのサイトの製品紹介のどこにも中国製の表示はなかったのですが~’
と質しても

‘製品や梱包の箱には記載されていると思いますが・・・’
と素っ気ない。

その後もいくつかの遣り取りがあったが特に深まることもなかったので、
翌日その方面に詳しい人から折り返し電話を貰うことを約束して電話を切った。

それは電話の向こうの女性に限界を感じただけでは無い。
自分自身がこの点についての知識武装が全くできてなかったので時間稼ぎが必要だったのだ。

時間稼ぎと言っても今はネット情報が実に容易にゲットできるから大仕事ではない。
思いつくままにそれらしい検索ワードを打ち込めば、それらしい答えは簡単に得られる。

家電製品の表示に関して仕切っているのは‘全国家庭電気製品公正取引協議会’という
社団法人であることが判明した。

どうもこの手の団体は業界の権益を守るために結束するとか、
‘官’と結託して悪さをしている先入観があるよな・・・(-_-;)

そのサイトの規約を読んでみると、確かに原産国の表示義務は製品本体にしか課せられていなかった。

一夜明けて、パナソニックからの電話を待つ間に、候補のひとつだった東芝のDWS-600Cの原産国について問い合わせてみた。
この製品もカタログやメーカーサイトには表示が無かったが‘タイ製’であることが判明した。

結局そこで東芝相手に20分話して、その後パナソニックと30分話したが、どうも合点がいかず、
或る意味、自分でも予想していたように‘本尊’である家電公取協に電話してみた。

いきなり‘おたくどちら’の無愛想な応対には呆れたが、一般消費者担当の人が不在のため
翌日電話させると言われた。

翌日の3時過ぎに電話がかかってきたが、前日のオッサンとはえらい違いで愛想も良く
しゃべりも達者だった。

前日の東芝、パナソニック、そして家電公取協とのやりとりは全部で2時間近かったと思うが、
要約するとこんな感じだ。

《私の質問》
食品だけでなく玩具や食器等にも中国製の問題が及んでいる時代に、
自分の買う電化製品がどこの国で作られたか知りたいと思うのは自然なことではないか。
ところがその原産国がカタログやメーカーサイトを見てもわからないとなると、
購買判断の上で支障をきたすと思うのだが。

《彼らの回答》
製品本体には必ず表示されているからそれを確かめればよい。

製品を確かめられない人は電話で問い合わせてくれれば教える。

カタログに一旦記載すると、原産国の変更があったりした時に不都合が生じる。

当社はISO14001の認証を受けているから大丈夫だ。

消費者はメーカーと性能には拘るが原産国には余り拘らない。

どこの工場で作ろうが厳しい社内基準が厳守されて品質管理が行われているから
製品の差は生まれない。

規約の制定にあたっては公正取引委員会と協議し指導を受けているし、
規約は法律で求められている以上の厳しいものを自主的に定めている。


私は彼らの説明に対して当然いつもの調子で突っ込みを入れまくったが、
論理としては自信があるのにどうも今一歩迫力がない。
理由は簡単だ。
自分自身が今まで日本メーカーの家電製品の原産国に強く拘ってきた意識がないからだ。

それが最近の中国産、中国製に対する不信感の高まり、あとは今回買った商品が
食器洗い機というところで,
過敏に反応してしまった節はある。

‘中国製だと中国製の有害食器にも対応しているメリットがあったりするんですか’という
私のブラック・ジョークには担当者も笑っていたが・・・(>_<)

故障の確率が比較的高いなどの問題はあると思うが
日本のメーカーが海外生産した家電製品が何か大きな問題を起こしたことが、
実際にあったか記憶にない。

家電製品は消費者物価指数を押し下げていることで、指数と生活者の実感に乖離が生じ、
今は数字をミスリードする犯人扱いをされているが、実際には価格競争が激しい中で
その恩恵を受けているのは我々消費者だ。

そしてその低価格競争を支えているのが‘世界中の工場’であることは間違いない。

それでも私はやはりカタログやメーカーサイトでの原産国表示は今後義務づけるべきだと思う。

家電公取協の規約にもこう書いてある。

3. 必要事項表示
一般消費者が知りたいことを積極的に表示してもらいたいという要望にこたえて、
必ず表示しなければならないことをきめています。

かつては知りたいと思わなかった消費者の中にも、今は原産国を知りたがる人々はいると思う。
実際、担当者の話でも問い合わせや表示の要望を訴える声が増えてきているのは事実なようだ。

行政的にも消費者庁の設置が現実味をもって検討されている世の中にあって、
家電品の原産国情報をカタログ等で提供するのは時代の趨勢だと思うのだがどうだろうか。

2008年10月26日日曜日

ネットでの情報収集能力があれば地域差による価格差は克服できる~約8万5千が6万3千円になって満悦~

約7年間使っていた東芝の食器洗い機が壊れた。
当地に下野する際に妻の負担を減らそうと死んだ親父が用意してくれたものだった。
3000円以上払ってやってきた東芝の人間には2~3万かければ修理できるかもと言われたが、
買い替えることにした。

流石に私はメーカーや機種の選定に関わる気力が無く妻に任せた。
彼女が家電量販店を3軒回って先ずはどれを買うか決め、
そこから私が登場し安値探しをすることになった。

据え置き型の食器洗い乾燥機の選択肢は極めて限られていて実質的には
パナソニックの2機種、東芝の1機種の3択らしい。

そこで妻が選んだのはパナソニックのNP-TS1という機種だった。
問題は価格で量販店の1度目の値引き価格は8万5千~9万のゾーンと言われたそうだ。

私が価格コムで調べると最安値は6万6千円(その時点)で、価格交渉が好きで
それなりに長けている私も店に赴くガソリン代が無駄だと判断するしかなかった。
量販店でも物によってはかなり競争力のある価格を引き出すことができるが、
逆にやる気のない商品に関してはいくらやっても無駄なことが多い。

幸いにも前の東芝で使っていた分岐水栓がそのまま使用できることが確認できたので、
取りつけも自分達でできそうだ。
ネットで探しまくるとなんと送料込みで6万3千円の店を発見。

約8万5千円が家にいながらにして6万3千円で買えるのか・・・(^O^)/

差額で浮いた分もあるし妻の希望で5年までの延長保証を付けたがこれも2700円と破格だった。
但し、こんなきっと机一つのショップでは、今流行りの‘破綻リスク’があると思ったが、
調べてみると保証は外部の専門会社のリスクになるとのこと。
‘TWGワランティーInc’というアメリカベースの会社で世界最大の延長保証の実績があるらしい。

因みにPCサクセスが倒産した時は、保証サービスを提供していたここが引き継ぎ
保証契約は有効になった。

まあ、AIGがああなる世の中だから何ひとつ安心はできないが・・・(-_-;)

早速発注し確認メールを貰い、直ぐにネットで振り込みを行ったら翌々日には商品が家に届いた。

ネットでの情報収集能力さえあれば、地域差による価格差は克服できる場合が多い。
消費者には何とも便利な世の中になったと満悦だった。

しか~~~~~~~~~~~~し、不必要に大きな段ボールの箱に‘或る文字’を発見して
思わず‘ゲェ’と叫んでしまった。

古典的なじらし作戦にする気はないが、その‘ゲェ’については次回書くと言うことで・・・(^。^)

2008年10月20日月曜日

世の中には2種類の野球ファンしかいない?~ボストン・レッドソックスが好きな奴と嫌いな奴だ~

ヤンキースがプレイオフに進出できなかったことも、すっかり‘過去のこと’になり
穏やかな10月を過ごしていた。

試合を観るのもその時の気分次第で集中力も欠いていた。
弱小球団から大変身したレイズかトーリのドジャースに勝ち上がって欲しいとは思いながらも、
それだって別にどうしてもという強い気持ちがあった訳ではない。

それがALCSのゲーム5で一変する。
レイズが3勝1敗で迎えたこの試合、早々に5点のリードを奪い7回にさらに2点追加し
7-0にした時はシリーズの終了を誰もが確信した筈だ。
ところがそこからレッドソックスは追いつき、9回にサヨナラ勝ちを決めた。
フェンウェイ独特の空気の中で驚異的な強さを見せつけた。
ヤンキースファンとしてはあの3連勝、4連敗のALCSのトラウマが蘇る。

私にも責任の一端はある。
フェンウェイでは8回の表が終わると‘Sweet Caroline’の大合唱があるが、あの曲がいけない。
思わず乗せられて♪Sweet Caroline, oh, oh, oh♪の‘oh, oh, oh’に反応してしまったのだ。
声は出さないが右手は五木ひろしの亜種のように反応していた。
別にいつもやる訳ではないが、何故かあの重要な場面で不覚にもやらかしてしまった。
勿論その後の‘So Good, So Good’は自重したが・・・。

実は昔からこの癖はあって巨人阪神戦を観に行っても‘かっとばせ~掛布’で
メガフォンを叩いていた‘前科’はある。

土壇場で7点差を大逆転して延命したボストンは当然のようにゲーム6を物にして、
所謂‘逆王手’になった。

麻雀ではよく‘早いリーチは追っかけリーチに負ける’と言われるが、LCSの歴史でも
このパターンは7回中6回の高確率で追っかけた方が勝ちあがっているそうだ。
おまけにその6回のうち3回がボストンなのだ。

あ~ぁ、またしてもボストンが劇的なカムバックで勝つんだろうな。
そしてその勢いでワールドシリーズも楽勝か。
観たくね~~~~~・・・(-_-;)

この世の中の野球ファンには2種類しかいない。
ボストン・レッドソックスが好きな奴と嫌いな奴だ。

私は勿論後者だが‘ペドロ嫌’とか‘ユー嫌イス’とかもう大嫌い。
まあ、それだけ手強い選手だと言うことだが・・・。

ファンの喜び方も癪に障る。
一般論で言えば他チームだろうが、真のファンには敬意を払う方だが、
レッドソックスファンだけはどうしてもだめなのだ。

一応フォローしておくと、私を理不尽に苛立たせるほどボストンの存在は大きいと言うことだ。
2003年、2004年のALCSほど興奮させたものは無い。
そもそも大きな存在でなければ世の中を‘二分’させることなんて出来ない。

さて、肝心のゲーム7だが先制されたレイズが逆転し3-1で逃げ切った。
直接の‘当事者’でもない私が終始極度の緊張状態だった。
8回のBOSのチャンスでは絶対に同点、逆転されると恐怖に慄いていた。
ゲームセットの瞬間の歓喜の度合いはレイズファンには及ばないが、
安堵の度合いではいい勝負だったと思う。

それにしてもナリポンを‘誤作動’させる‘Sweet Caroline’の威力は凄い。
映画の中でもよく使われるし、調べてみると各種のスポーツの場で重宝されているらしい。
作って歌ったのはNeil Diamondだ。
彼についてググっていたら、映画のセリフに使われた
‘There are two types of people in the world:
those who like Neil Diamond and those who don't’を発見。
それをパクって今日のタイトルになった。

そう言えば肝心なことを忘れてた。
レイズファンのみんな(ドッカニイル?)、どうもおめでとう。

こうなったら前年30チーム中30位から一気に頂点に駆け上る離れ業で
球史に名を残すのが断然美しい。

2008年10月11日土曜日

‘現役’巨人ファンのみんな、本当におめでとう~原辰徳は確実に名監督への道を歩む~

原巨人が143試合目でリーグ優勝を決め連覇を果たした。

2003年の8月まで40年近く熱狂的な巨人ファンだった私としても、この優勝は実に嬉しい。
しかし、所詮今は‘現役’の巨人ファンではない分‘真の現役’巨人ファンに対してどこか遠慮がある。

これは全力で巨人の単勝を一点買いしている人への敬意とも言える。
私の場合は1位になることを願ってレースは観ているが馬券は買っていない。
コミットしていない分、格段に差があるのだ。

それにしても今年の巨人の戦いぶりをレースに例えると余りにも劇的だ。
いきなりゲートの出に失敗し中団で揉まれ続け、4コーナーを回ってからの驚異的な鬼脚。
単勝馬券を握りしめながらも実際は諦めて、取り敢えず6頭立ての3着に入ってくれと
思っていた人も多かったに違いない。

それだけではないが原監督の突然の解任が私がファンを辞めた直接的なきっかけだ。
だから原待望論が起こり、復帰を果たした時は当然視したものだ。
選手としては超一流とは言えないが、名監督としての道を確実に歩んでいるのではないか。
前にも書いたことがあるが、原辰徳は父であり監督である原貢氏をいつも見て育ってきた。
環境的にもDNA的にも監督の素養には極めて恵まれている。

神宮球場で阪神戦の結果を待った上での胴上げだったが、
選手全員がしっかりと胴上げに参加していたのが好印象だった。
近年はカメラを意識して勝手にジャンプして、胴上げに参加しない不埒な選手が増えたと嘆いていた。
レギュラーメンバーが固定できず、若手を含め数多くの選手達で勝ち取った伝説的勝利だからこそ、
その指揮を執った監督を心底持ち上げたかったのだろう。

各選手の評価については私の出る幕はないが、
ナリポン的には打者で大道、投手で山口に拍手を送りたい。

‘現役’巨人ファンのみんな、本当におめでとう。

‘Yankee-less October’を過ごす羽目になった‘往年’のファンにも応援させて下さいね。


≪関連記事≫

原辰徳が解任されたときに吐いた‘生’言葉~原監督復帰待望論渦巻く~

2008年10月6日月曜日

新聞はイチローに甘すぎる!~週刊文春‘新聞不信’の翼さんが吐いた正論に快哉を叫ぶ~

普段はあまり行かない蕎麦屋に久々に行ってみた。
本山葵をおろして密閉容器に入れて目指すは新蕎麦だ。
そうなのだ、この店はいつも新蕎麦の扱いが当地では一番早い。
今年は電話で確認することをせずに出かけたのだが、残念ながらまだやっていなかった。

新蕎麦は逃したが、ひとつの‘収穫’があった。
注文して待っている間に読んだ週刊文春で興味深いコラムを見つけたからだ。

読みながら私は快哉を叫んだ。
これはまさに正論、普段私が感じていることを見事に代弁してくれている。
そう思うと記事をなんとか保存したい衝動に駆られて、妻の携帯で撮影しようと試みたが、
何しろ2002年生まれの時代物のうえ店内も暗くて話にならない。
やや未練を残しながら店を後にしたが、何のことは無かった。
家に戻って早速ググってみたら一発でヒットした。

新聞不信(週刊文春2008年9月25日号)

新聞はイチローに甘すぎる!


前々から思っていたのだが、新聞のイチロー報道は、少し甘すぎるのでないか。
日本人選手が増えるのに比例して、大リーグの結果が朝刊紙で報道されるのは当然のことだが、「8年連続200安打まであと何本」とイチローの安打数に一喜一憂するがごとき報道が続くのは、長年の大リーグファンとしてなんとも納得しがたい。
たしかに、これは大リーグにあっても大記録なのだろう。それが日本人打者によって達成されるのは喜ばしい。
しかし、はたしてイチローは無謬の打者なのか。
イチローの所属チームは一位から三十ゲーム以上も離され、哀れなほど弱い。
そんなチーム状況をヨソに、イチローは自分の安打を増やすためだけに野球をしているように見える。
むしろ、イチローが自分の記録を優先したために、チームの勝ち星が増えないのではないかとさえ思われてくる。
日本の新聞にそのような視点での報道はない。しかし、アメリカのメディアは、チームメイトのなかにもそういう批判があることを報じているようだ。
実際、九日のゲームでは、第4打席に右足つま先に死球を受けながらも、審判に促されるまで一塁に走らなかったことが報じられている。
チームのために出塁するより、安打を稼ぎたかったのだ。ある夕刊紙は、イチローの「セコさ」と揶揄していたが、まさにその通りだ。ところが一般紙ではこうした批判的な報道は見受けられなかった。
とにかく最近は、「イチロー4安打 200本へ残り10(11日付け朝日夕刊)とか、毎日もこうした見出しのあとに『8合目』・・・・・大きく前進」といった具合で、イチローのコメントを共同配信で伝えていた。例によって“高邁な安打論”である。
レッドソックスの松坂の制球力のなさについては「地元もため息」(10日付け朝日夕刊)と自社の記者の冷静な記事もあるのだから、こうした筆調の記事が、なぜイチローに関しては少ないのか。
イチローの巧妙なメディア戦略で、野球の面白さが封じられているように思う。
死球を受けたら塁出ろよ、自分のわがままを押し通してはいけない、と忠告するのが記者の務めである。

(翼)

私はこの翼さんの言っていることが正論だと思うが、世の中には異論を唱えたい人々も多いだろう。
別にそれで構わないのだ。
松井秀喜の報道を見聞きしてもファンの私が、いやファンであるからこそなおさら
辟易する内容のものも多い。

最大の問題点はこの手のマスコミやメディアのステレオタイプが
受け手の価値観のステレオタイプを招いていることだ。

この問題については去年も書いている。

スポーツニュースは恐い 刷り込まれる<日本人>(森田浩之 著)
~馬鹿マスコミに洗脳されないための一冊になる?~


まあ私のような浅薄な男がこれ以上語っても‘高邁なマスコミ論’にはならないし、
そもそも今日はこの翼さんのコラムをより多くの人に読んでもらうことが純粋な目的なので、
私の妙な‘不純物’はこれぐらいにしておこう。

2008年10月1日水曜日

専門家が賛辞を送り完売だったシティのサムライ債(第24回)の惨事~価格で10円下落、利回りで4%上昇の恐怖~

シティのサムライ債については過去2度書いた。

シティの個人向けサムライ債(3年3.22%)を買うと‘サブプライム・インフルエンザ’に罹る?
~前回発行分(3年2.66%)は大暴落中~


シティの既発サムライ債の暴落を1週間遅れで報道した日経新聞のお粗末
~市場混乱の記事で読者も混乱?~


その後の動きは9月27日の分に‘追記’という形で補足したが、
またまた書きたくなる状況になっている。

そもそもシティのサムライ債(第25回)が発行時点で‘割高商品’だということを暴露する、
もっと生意気に言えば啓蒙する意図で記事にした。

少なくともコメントを寄せてくれた一人が購入を見送った。

それでも豪気(脳天気)な人達は買ってしまうんだろうなと思っていたら、29日の申し込み最終日の後、
アメリカ時間にシティがワコビアを救済買収するというニュースが飛び込んできた。
それを受けて払込日の30日に急遽、第25回債の発行延期が決定した。
投資判断にかかわる経営状況の変化があったと言うのが理由だ。
実際、S&Pとムーディーズが格付けの引き下げを検討するとの報道もあった。

私はこの突然の中止を見て‘入籍直前の価値ある破談’だと思った。

シティにとっては‘割安商品’で資金調達ができなかったことが悔やまれるだろうが、
連中はどうでもいい。
多くの個人が‘割高商品’を買うことから強制的に‘解放’されたことは良かったと感じた。

問題は第24回債を買った人達である。
この暴落については過去2回の記事でも詳しく触れた。
最初の記事では5円の下落を‘大暴落’と大袈裟に書いた。
それがこの3日間でさらに下落したのだ。


9月26日 97円27銭 3.75% 96円47銭
9月29日 95円79銭 4.37% 94円97銭
9月30日 95円08銭 4.68% 90円15銭
10月1日 90円90銭 6.57% 90円10銭

左から日付、証券業協会発表の気配値(仲値)、利回り、日興コーディアル買取単価

週末をはさんだ26日から29日にかけての1円50銭の下落を説明する客観的要因は思い当たらない。
そしてその後の5円下落。

確かにワコビアの買収といった大きなニュース、
それに伴う起債の延期という要因はあったものの5円だよ、5円。
利回りにして2%以上だよ。

ワコビアの買収はFDICに泣かれてその要請に応じた印象が強い。
その代りに、今後何か新たな損が発生しても補填してもらえる条件になっているようだから、
それ自体が大きく信用力を棄損するものではないと思う。

その証拠に株価は例の金融安定化法案の否決騒ぎの中で上昇している。

日興の担当者に電話で訊ねてみたが、どうも要領を得ない。
24回債を保有している客でもないのに、しつこく訊くからいい加減うざいと思われている節もある。

私のディーラー時代の経験から言うと、
買い材料、売り材料がはっきりしていて素直に相場がその方向で動くのは楽だ。
時に材料と正反対に動くことがあるが、これもまた材料の織り込み方の問題等で
説明できない訳ではない。

一番怖いのは理由を見つけられないままに激しく動くマーケットだ。

シティの24回サムライ債で言えば、95円までの下落はなんとなく理解できるが、
その後の90円までの下落が恐怖だ。
同時期に発行されたサムライ債、コモンウェルズやウェストパックは小動きだから、
シティ固有の動きと言える。

持ってもいないのに恐怖を感じるのも変な話だが、実際に持っている人達はどうなのだろうか。

な~に、別に時価評価する必要もないし、利払いがきちんと行われて、
2年9カ月後に無事に償還されれば無問題。

と考えられるタイプは大丈夫だろうが、銀行の破綻のニュースを聞くたびにドキドキして
ストレスを感じる人もいるだろう。

今さら断罪してもしょうがないが、このシティの個人向けサムライ債が発行された時は、
ほとんどの専門家が低金利に喘ぐ個人投資家には魅力溢れる商品だと‘賛辞’を送っていた。
実際、発売4,5日で完売だった。

しかし、ほんの3ヶ月の間に連中が予想できない‘惨事’になった。
価格は100円→90円と10円下落して、利回りは2.66%→6.57%と4%上昇した。

いつも書くことだが自分でコミットしない専門家の言葉は信じるに値しない。

別にデフォルトになった訳でもないのにどこが惨事だ、
と開き直る奴もいそうだが、倍以上のリターンのチャンスを予想できなかっただけで
プロとは言えない。

結果責任を問われないプロフェッショナルなんて存在価値ゼロなのだ。

シティのサムライ債(25回債)の発行は飽くまでも‘延期’だから、何れ発行される可能性はある。
発行できる環境になったとして、どんな条件になるか。

そして世の専門家達はどんな顔をしてどんなコメントをするのか。
そして、そして最終的に個人投資家はどういう判断を下すのか。

2008年9月29日月曜日

2008年‘ムースのお仕事’はキャリア初のシーズン20勝~引退して2009年はファミリー・マンになる?~

ヤンキースは完全な消化試合モード。
確かに文字通り胃には優しいが、弛緩した気分で観るゲームはやはりつまらない。

ところが今日はちょっと緊張感を持って観ることができた。
ムースの20勝目がかかっていたからだ。
別に彼が過去に20勝を経験していればどうでもいいことだが、今まで1度もない。
マイケル・ケイ曰く‘シーズン20勝を記録していない最強のピッチャー’なのだ。
実際彼は通算で269勝を挙げていて、これは歴代33位の成績なのだが、
シーズン20勝をしていないのは彼だけらしい。
39歳で初めて20勝を達成すれば史上最高齢の記録になる。

本人は20勝に特に拘る気持ちは無いと言っていたらしいが、
あともう少しで何かをミスする自分を知っているのも彼自身だろう。
9回2アウトからパーフェクトを逃したこともあるし、
20勝目の権利を持っていながら9回にブルペンがブローされたこともあった。

私はチームの勝敗が最優先で個人の成績には普段あまり関心が無い男だが今日は違った。

‘健康のためなら死んでもいい’という言い方に倣えば
‘ムースに勝ちがつくならヤンキースは負けてもいい’・・・(>_<)

BOSの先発は雨で流れ、流れての登板となった松坂だ。
手こずったが、エグゼビオ君がライトフェンスのトップ直撃の3ランHRで先制した。
ムースは要所でゲッツーを奪い6回73球無失点でマウンドを譲った。

20勝を手中に収めるには十分すぎる内容だったが、そこからの9アウトが問題だ。

私は突然この瞬間、ムースの勝ちが消されるような気がした。
7回は9月に現れた注目株のひとりコークが無難に抑えたが、
8回はチェンバレンがピンチを作り、結局2失点、1点差になった。
この段階で私は最終回の同点を確信した。

あ~ぁ、こうしてジンクスは守られるんだな・・・(-_-;)

ところが9回表の攻撃で起用に不服気味のパペルボンを攻略して3得点、4点差とした。

保険最大手のAIGが破綻寸前に追い込まれる世の中だが、
これは流石にインシュアランス・ランになるだろう・・・(^。^)

試合は6-2でヤンキースが勝利。
勝った瞬間のムースは満面の笑みを浮かべ、YESのキムのインタヴューにも機嫌良く応じていた。
笑顔は誰でも素敵だが、特に彼の笑顔はいい。
逆に神経質そうに苛立った時は弱々しく見える。

ムースが5月か6月にこんなことを言っていた。
‘登板して25%は自分の好投で勝てる。25%は自分の不調で負ける。50%は勝つか負けるかまったくわからない。’

わからないと言えば、開幕直後1勝3敗でローテから外せという声もあったムースが、
チームの勝ち頭になり、それも20勝するとは誰も思わなかっただろう。

2008年‘ムースのお仕事’はキャリア初の20勝、まさに偉業だった。

但し、試合後のインタヴューその他を総合するとどうやら今年限りで引退、
2009年は家族と一緒に過ごすファミリー・マンになる公算が高いらしい。
奥さんからは5年前から‘引退勧告’を受けているそうだ。

もしそうなると、ヤンキースは今季のチーム勝利数の22%、貯金の69%を稼いだ
‘ARM’を失うことになる。

2008年9月27日土曜日

シティの既発サムライ債の暴落を1週間遅れで報道した日経新聞のお粗末~市場混乱の記事で読者も混乱?~

シティのサムライ債前回発行分(24回債3年2.66%)の暴落について、
私は9月18日に記事にした。

シティの個人向けサムライ債(3年3.22%)を買うと‘サブプライム・インフルエンザ’に罹る?
~前回発行分(3年2.66%)は大暴落中~


最新のGoogleのAnalyticsのキーワード分析で見ると顕著だがベスト10のうちの5個が
‘シティ’や‘サムライ債’関連だ。
検索で辿り着いてこの記事を読んでくれた人が相当数いることが推察される。
恐らくシティのサムライ債を既に保有している人、
或いは今回の25回債の購入を検討している人達が大半だろう。

この暴落を伝えるマスコミは私が知る限りでは存在しなかったが、
今日やっと日経の記事を目にした。

米シティのサムライ債販売、市場混乱で再説明
 
 金融危機の余波を受け米シティグループの円建て外債(サムライ債)を販売している証券会社が投資家への説明に追われている。販売期間中に債券の価値が大きく変わった理由を説明する義務が生じたからだ。通常は購入時に価格変動の可能性などを説明すればよいが、今回はリスクがあることを改めて念押しする珍しい事態となった。

 シティ債は過去最大級となる3150億円のサムライ債。しかし投資家は米金融機関の信用力に神経質になっており、シティが7月に発行した既発サムライ債の利回りはリーマン破綻前の12日の年3.17%から19日には4.32%まで急上昇した。

 今回のシティ債の発行条件は年3.22%。三菱東京UFJ銀行債(3月発行)の1%を大幅に上回り、東京市場で流通している個人向け債券の利回りとしては極めて高い水準にある。金融商品取引法に関連するルールでは販売期間中に債券利回りが0.5%以上変わった場合、リスクを再説明するよう求めており、シティ債を扱う日興コーディアル証券や東海東京証券などは顧客へ説明を始めた。


う~む、やっと記事になったのはいいが、なんでこのタイミングなんだろう。
どう考えてもNewsと呼ぶにはお粗末で古臭い。

記事の中の利回りは日本証券業協会発表の個人向け社債等の店頭気配情報だが、
24回債の最安値は記事中にもあるように9月19日で、価格で95円88銭、利回りで4.32%だった。
因みに買取単価の最安値も同日で95円9銭。

この暴落のことを書くならちょうど1週間前に書けた筈だ。
あの段階で最安値かどうかは判断できないが、募集中の新発債より1%以上利回りが高いというだけで、
十分報じるヴァリューはあるだろう。

その後はアメリカで例の金融安定化策の方針が発表になりリバウンドしている。
逆に今日の記事ならその点にも是非触れるべきだろう。
1週間前の暴落を今さら知らされて、今はどうなっているかを書かないのでは、
市場の混乱を伝えるつもりが文字通り読者を混乱させるだけだ。

26日の気配値は97円27銭、利回りで3.75%、買取単価も96円47銭まで回復している。

もう一点、この記事を読んでいて疑問に感じたことがある。
‘投資家への説明に追われている’‘顧客へ説明を始めた’とあるが、
私が日興コーディアルの人間と直接話して得ていた情報では‘0.5%以上乖離した説明の指示’は
今週の月曜日、22日の朝一番で全店にあったそうだ。

鼻が利くシャープな記者なら、その段階で暴落と併せて記事に出来た筈だ。
経済紙の日経新聞でこのザマだから一般紙は話にならない。
発行が決まった時の垂れ流し記事以降は何のフォローも無い。

世のマスコミがこの体たらくだと傲慢なブロガーが益々生意気になりそうだ・・・(>_<)

シティのサムライ債の締め切りは9月29日の月曜日。
‘割高商品’の正体が暴かれて最終的な販売結果はどうなるか。
完売予想も多く、初日で数百億が売れたという報道もあったが、
リーマンのデフォルト騒ぎの後キャンセルもあるとのこと。

売れ残った場合は証券会社が自己保有するらしい。
それをどう販売するかは未定。
私が話をした担当者は個人的見解と断りながら
‘今回の発行分を既発債として直ぐに売るようなことは絶対あり得ない’
と言っていた。

確かに自己で抱えた分を額面割れで売ると損切りになってしまう。
購入者の多くは満期まで保有するつもりだから売り物は出にくい。

もし本当にそうならば、既発債を買い叩こうと狙っている連中は空振りになる。
シティのリスクを取ってもいいと考えている人は、この割高を承知で買うしかない。

まあ、既発債が市場に出回らなくても、シティがまた無分別に第3弾の新規発行をすれば、
それまでだけどね。
財務省に登録した発行総額7500億にはまだ2500億弱の余裕がある。

今回がシティの‘ラスト・サムライ’になるとすれば、それはシティが
発行体として市場から退場を余儀なくされた時かもしれない。


《追記(9月29日)》

なんと今日の24回債は気配値95円79銭、利回り4.37%、買取単価94円97銭。
9月19日の安値を更新した。
週末で約1円50銭の大暴落だが、その理由がまったく見当がつかない。
日経さん、早速取材して記事にしておくれ。


《追記(9月30日)》

なんと昨日募集を締め切った25回債だが、今日になって発行の延期が発表された。
シティがワコビアを買収したことが理由だが、結果的には割高商品を、
いや超割高商品を売らないことを決定した。
因みに今日の24回債の気配値はさらに暴落して95円8銭、利回りで4.68%になった。
そもそも売れ残りが多かったのかもしれない。
延期というからには新たな条件を設定して、再度起債を目指すつもりだろうが、
それが実現するかどうかも予測不能という状況だ。

まあ、入籍直前の価値ある‘破談’だね・・・(^。^)

2008年9月26日金曜日

ジョー・トーリの‘13番目のツキ’~ ドジャースが地区優勝を決め‘最低勝率’でプレイオフ進出~

ジョー・トーリ率いるドジャースがナ・リーグ西地区の優勝を決めた。

8月29日終了時点では65勝70敗の借金5で、首位のアリゾナに4.5ゲーム差だった。
その後、昨日まで8連勝を含む18勝5敗の快進撃を続け、
今日アリゾナが敗れたことで優勝が転がり込んだ。

プレイオフ進出の全チームは確定していないが、8チームの中でLADが‘最低勝率’になることは確実だ。

トーリはこれでヤンキース時代の12年連続に続き13年連続でプレイオフにチームを導くことになる。

ユーミン的には‘14番目’が美しいがジョー・トーリの‘13番目のツキ’だな・・・(^。^)

因みに9月25日終了時点で言えば、両リーグを通じた30チーム中13位タイの成績だから、
こっちの意味でも‘13番目のツキ’と言える。

ところで競馬の世界では‘馬7割、屋根(騎手)3割’という言葉がある。
学生時代に所謂一口馬主になった‘前科’もあるナリポンは勿論これを知っていたが、
今回ググってみてあることに気づいた。
私は単にレース結果を左右する要素の割合が人馬で7:3ということだと思っていたが、
或る人の解釈では競馬の世界ではそもそも‘騎手の影響が3割もある’という
騎手の重要性を強調するために生まれたというのだ。

強い馬に騎乗して優勝した騎手が謙虚に‘自分は落ちないように乗っかってただけ’と
コメントする時がある。
確かにそういうケースもあるだろうが、総合的には馬の実力だけがものをいう訳ではなく、
騎手の技量が‘3割も’あるということなのだろう。

但し基本的には馬の能力がやっぱり大事で武豊が乗ってもハルウララに奇跡は起きなかった。

何故こんな競馬の話を持ち出したかというと、野球の場合はどうなのだろうかと、ふと考えたからだ。
‘選手○割、監督○割’と敢えて○の中に数字を入れようとすると、どうなのだろうか。
根拠は無いが印象だけで言えば‘8割:2割’といった感じだろうか。
まあメジャーの場合は他にオーナーやGMの要素がかなりあるから、より複雑になりそうだ。

それにしてもヤンキース時代の2005年~2007年といい、今季のドジャースといい
トーリの4コーナーを過ぎてからの‘鬼脚’はファンを惹きつける。
実際早々に優勝を決めたエンジェルズは勝率でも恐らく両リーグでトップになりそうだが、
地元L.A.の人気では‘ブルー’が‘レッド’を制しているようだ。

去年のヤンキースの監督交代の大きな要因は、プレイオフに出てもデイヴィジョン・シリーズで
敗退してしまうトーリに業を煮やしたことだと言っていいだろう。

実際今年のドジャースもそうなるかもしれないが‘A Yankee-less October’を過ごす
ヤンキースファンからしたら、遥かに羨ましいことだ。

ハンク・スタインブレナーはドジャースもトーリも低レヴェルなナ・リーグ西地区の恩恵に
浴しているだけと言いたげだ。
デイヴィジョン制そのものを否定したい様子だが、自チームの惨めな結果が出た後に
どんなに吠えても虚しく聞こえるだけ。
ヤンキースタジアム最後の壮大な儀式においても、ジョー・トーリの存在を歴史から
完全に消し去っていた感じだったが、これも不遜で大人気が無い。

♪あっちのJoeは上手いぞ、こっちのJoeは辛いぞ♪・・・(>_<)

‘辛い’を‘からい’と読むか‘つらい’と読むか、これも問題だ。

2008年9月22日月曜日

Hideki Matsuiの名前がヤンキースタジアムの歴史に刻まれた日~ふたつのファイナル・ディ~

私は基本的には自己主張も強いし自己表現にも熱心な人間だ。
熱心と言えば聞こえは良いが、要するに傲慢だったり尊大だったり独り善がりだったりする。

ところが極めて謙虚になれる時がある。
人でもモノでも何かの存在が無くなる時だ。
喪失感を感じる人といえば何らかのかたちでそれを持っていた人達が主役であるべきで
そうでない人はおとなしくすべきという感性だ。

今日のヤンキースは現在のヤンキースタジアムでの最後のゲームを行い、
The Stadiumは85年の歴史を終えた。
レギュラーシーズンで6581試合、ポストシーズンで161試合が開催されたそうだ。

私がヤンキース戦をじっくり観戦するようになったのは2003年からだから6シーズン、
2005年からは基本的には全試合観戦している。
その前に観たのもあるから通算で400試合強は観戦しているだろうか。

ここ数年のカバー率の高さはNHKのメジャー解説者にも中々いないと思われる。
それなのにこの球場との関わり合いには例の謙虚さが出てしまうのだ。

俺なんか、ひよっこもひよっこ、もっと強い思い、数々の思い出を持ってる人がたくさんいる。
とても敵わない、敵う筈が無い。

私が軽々しくこの球場について語るのは、そういう人達をどこかで冒涜してしまうような遠慮がある。

私を謙虚にさせる理由はふたつある。

先ずはこの球場に実際に行ったことがないことだ。
体感したことがないから空間を語ろうにも実感が湧かない。

もうひとつは長い歴史の中のほんの最近しか知らないということだ。
今日の試合前、延々と行われたセレモニーで紹介された往年の名選手についても知識が乏しいし、
名前は知っていても現役時代を知らない弱みがある。

自分の人生をあらゆる場面でヤンキースと重ねてきた人々とは比較にならない。

私自身がこういう考えの持ち主だから今日の選手起用は是非とも、
この球場における‘年功序列’を重んじて欲しいと願っていた。
そして注目のスターティング・ラインナップが発表になった。

YANKEES

18 Johnny Damon CF
2 Derek Jeter SS
53 Bobby Abreu RF
13 Alex Rodriguez 3B
25 Jason Giambi 1B
22 Xavier Nady LF
24 Robinson Cano 2B
55 Hideki Matsui DH
26 Jose Molina C

46 Andy Pettitte LHP

予想通りのメンバーで、松井秀喜は8番DHだ。
実は昨日の試合の最終回、ジーターが手に死球を受けて退場。
場合によってはDHで出場予定の松井が押し出されて、
スタメンから外れるのではないかと少し心配していた。

結果的にはヤンキースタジアムの歴史的な試合のラインアップに当初の予定通り、
Hideki Matsuiの名前があることを確認できて、安堵し、素直にこれを喜んだ。

セレモニーの最後にスタメンを紹介するボブ・シェパードの声(録音)が響いた。
彼は闘病中だが昨日は残り試合数カウントダウンのレバーを引く役にもビデオ出演していた。
半世紀以上、まさに‘ヤンキースタジアムの声’として君臨した男の声は痺れる。

ディジグネイティド・ヒッター ヒデキィ・マチュイ ナンバーフィフティ・ファイブ

おお、スタンドの声援もまずまずじゃないか・・・(^O^)/

ナリポンの贔屓耳で勝手に判定すると声援の大きさはこの順位かな。

ジーター>>>デーモン>カノー>エー・ロッド>松井>ジオンビー>アブレイユ>ネィディ>モリーナ

まあ声援比べだったら、ちょっと太めのバーニーが断トツだったけどね。

そう言えば今日の試合はESPNの全米放送だったが、
その中の一部では‘YESの声’マイケル・ケイに実況を任せる粋な演出もあった。

試合はヤンキースが7-3で勝った。
ベーブ・ルースの初HRで始まった球場の歴史を締めくくったのは
伏兵ホセ・モリーナの決勝2ランHRだったようだ。
正直相手チームのBALもやりにくいところがあったに違いない。
もし負けていればBOSのプレイオフ進出が決まるという‘tragic number 1’だったが
それは阻止した。
久々の実戦になった松井もチームの初ヒットを打ち‘きっかけの松井’が健在なことを証明した。
3打席を終えた後交代させられたが、この歴史的なゲームで1安打できてホッとしたのではないか。

今まで何度となく耳にした試合終了後のNew York NewYork♪だが
今日のフランク・シナトラは一段と情感に溢れた歌い方だった。
エンドレスで繰り返される歌声はまるでこの終焉を拒んでいるようにも聞こえた。

ヤンスタにとってのファイナル・ディは松井の2008年シーズンにとってのファイナル・ディでもある。
明日にも左膝の手術を敢行する予定だ。

ニューヤンキースタジアムでの開幕戦は来年の4月16日、
その時のラインアップにHideki Matsuiの名前があることを望んでやまない。

2008年9月18日木曜日

シティの個人向けサムライ債(3年3.22%)を買うと‘サブプライム・インフルエンザ’に罹る?~前回発行分(3年2.66%)は大暴落中~

リーマン・ブラザーズの破綻の後、AIGがすんでのところで一命を取り留めたが、
金融市場の不安は払拭されるどころか一層深まっている。

そんな中というかこの一連の混乱の前から、海外で資金調達が困難になった外国企業、
特に金融機関が日本を狙っている。
サムライ債と呼ばれる円建ての外債の発行だ。

その中でも特に目立つのはシティ・グループの個人向けのサムライ債。
個人向けなので100万から購入できる。
6月に3年物(2.66%)で1865億発行したが、たったの4日で完売したそうだ。

それで気を良くしたのか、一層の資金調達を余儀なくされる状況に陥ったのか、
今月またまた発行するのだ。

シティグループ・インク 第25回円貨社債(2008)

金額は3150億円で、サムライ債発行史上で最大の規模だそうだ。
利率も前回より0.56%も高い3.22%だ。

おいおい、前回買った連中は涙目じゃないか・・・(>_<)

今回の発行条件が決まった瞬間、前の債券価格はその金利差を反映させる形で下落する。

でも逆に考えれば、前回手を出さなかった人の中には、この差をサービス分だと喜び、
かつ3%台というのもインパクトがあると感じる人もいる筈だ。

いつものことだが御用学者のようなアナリストのコメントも人気沸騰を予想していた。

しかし待てよ、冷静になろうぜ。
こんな短期間に金をねだりまくり、しかも金利も上げてくるような奴に金を貸して大丈夫なのか?

最後はトイチの萬田金融に走るかもしれんぞ・・・(>_<)

猜疑心に溢れたナリポンは絶対手を出さないが世の中では相変わらず人気があるらしい。

実際にどんなセールスが行われているかどうかはわからないが、

‘あのシティですよ、格付けは日本の国債と同じですよ、もし万が一何かあっても
あんなに大きな銀行を国が潰すわけないじゃないですか。’
とやられたら、ほぼ預金感覚でイチコロの人も結構いそうだ。

ナリポン的には‘あのシティですよ’の解釈が‘真逆’だ。

ブランドで勝負することの意味の無さは、かつては超一流だったファニーメイやAIGの凋落で思い知った。
シティは90年代の危機的状態を市場参加者として知っているからもともと一流とは思ってない。

格付けについても見通しがネガティヴである限り、現在のレーティングを鵜呑みにするのは自殺行為だ。
何しろ最近は4,5段階は当たり前、一挙に10段階下げといった‘スーパーE難度格下げ’もある。

かつての論理で言えばシティは‘Too big to fail’(大き過ぎて潰せない)の
好事例になるだろうが、その辺もどうだろうか。
今や‘Too big to bail out’(大き過ぎて救えない)が議論され、
将来それがスタンダードになるかもしれない。

実際にリーマンは破綻してそれに伴い発行済みのサムライ債はデフォルト。

平和な3年間ならいいが、カオスの入り口から入る3年間はそれこそ何があるかわからない。

途中でヤバイと思ったら一応売却は出来る。
発行幹事証券の日興コーディアルが買い取ってくれる。
因みに前回発行の24回債の買い取り価格は95円30銭(9月18日現在)で、
3ヶ月足らずで5%の下落は安全志向の人間には‘大暴落’と言っていいだろう。

これは今回の利率の差のみならず、シティの信用リスクの増大分が反映されている。
いやシティに限らずサムライ債に対する信頼はここ数日で大きく失墜した。
実際発行を予定していたドイツ銀行やソシエテ・ジェネラルが見送る事態に追い込まれた。

滑り込みで発行にこぎつけたシティにとってはこの条件で売れれば、超ラッキーということになる。
換言すれば買う人間にとっては発行時点でこんな‘割高商品’は無いということになる。
100円で買った翌日には大きく額面割れになることが予想される。

個人的に勝手な絵を描くと、
この商品はサブプライム問題で激しく病んでいる玄人筋が性懲りもなくというか、
自分の生命維持の為に健康で無垢な素人衆に菌をばら撒いているような感じだ。

個人向けサムライ債を買うと‘サブプライム・インフルエンザ’に罹ってしまうぞ・・・(-_-;)

病理学的にも‘サブプライム’を解剖すると‘サムライ’の4文字が隠れているのが象徴的だし、
この4文字を除くと残るのは‘ブ’と‘プ’でこれは音声学的に臭い・・・(>_<)

私のように積極的なリスクを取らない人間にとって3年3%台は確かに捨てがたいが、ここはじっと我慢。

武士は買わねぇーぞ、高金利・・・(^。^)

*3年後に‘おまえの記事を読んで買わなかったけどちゃんと償還されたじゃないか’
と言われないために、そこんとこは自己責任、自己判断で‘夜露死苦’

≪関連追加記事9月27日≫

シティの既発サムライ債の暴落を1週間遅れで報道した日経新聞のお粗末
~市場混乱の記事で読者も混乱?~

2008年9月16日火曜日

Bloody Sundayは虚業化した金融の自業自得~‘信用偽装マネー’が世界を席巻しWall Streetの壁を破壊~

私が20年間身を置いた金融業界を離れて8年が経った。
家では日経新聞の購読もやめた。
会社で読むことがルーティンとなっていたFinancial TimesやWall Street Journal、
或いは高価な情報料を払っていたReutersも、今や簡単にネットで記事を読むことができるのに
アクセスすることは少なかった。

そんな私が昨日から必死に色々な情報を集めた。

日本の一般ニュースでもトップで伝えられたが、リーマン・ブラザーズの破綻、メリル・リンチの買収、
AIGの資金繰り難に関してのものだ。

2001年の9.11でWTCが崩壊する時に味わったものと似た感覚があった。
WTCはまさにアメリカの金融関係者にとって象徴的な構造物だった。
それがテロにより破壊された。
私の知っている5人の人間が命を奪われた。
歴史に残る悲劇的事件だった。

そして今回アメリカの或いは全世界の金融界にとって新たな悲劇が生まれた。
歴史も長く大手の一角のリーマンが何らかの形で救済されるだろうと思っていたが‘No rescue’だった。
現地ではこの9.14を早速‘Bloody Sunday’と名付けた。

だが個人的にはこの悲劇は自ら招いたものとすべき部分も多いと考える。

今回の悲劇を招いたのはいわゆるサブプライムローン問題の深刻化だ。
この‘サブプライム菌’は世界中にばら撒かれたが、ばら撒いたのは彼ら自身だった。

サブプライムとは何のことは無い、今の日本語で言えば‘下流層’だ。
マスコミは‘低所得者向けローン’と言い直すがこれは‘美辞麗句’に過ぎない。

単に返済能力の無い人々に金を貸したのだ。
不動産価値の上昇を前提にした‘試算’を裏付けに担保しているが、
借り手の収入にはまったく見合ってない。
おまけに最初の数年は返済額が著しく少ない‘ゆとりローン’にしている。
すべては右肩上がりを大前提にしているのだ。

本来リスクの高いローンも様々な方法でその信用を‘偽装’して、証券化された。
恐らく相当な人気商品だったのだろう。
‘信用偽装マネー’は世界を席巻した。
自分で投資判断できない投資家も人気に釣られて購入したかもしれない。

但し‘サブプライム菌’が少しでも入っていれば腐る。

投資銀行はデリバティブを利用し金融テクノロジーを駆使して、
この手の商品開発を行うことで莫大な収益を上げる。

デリバティブ(derivative)は、これまたワンパターンで‘金融派生商品’と訳される。
‘派生’するためには本来の商品が存在するのだが、今やその量的な立場は劇的に逆転している。

一本の木に無数の枝が伸び、数えきれない葉っぱのせいで、木が見えなくなる。
幹が腐っていたら実も実らない。

古典的な金融の最大の機能は信用創造だ。
しかし、今の金融は古典的な創造方法には飽き足らないらしい。
その開発能力やスキルの優劣が金融機関の優劣と看做され、
個人レヴェルでもその優劣によって収入が決まる。
時には顧客を巻き込んで損をさせても自分たちが儲かればG.J.とされる哲学さえ感じられる。

小泉政権下の竹中平蔵は日本の金融の劣後を批判し、米系の投資銀行、証券を礼賛していた。
アメリカナイズされた市場原理を尊重し‘競争力の無い会社は市場から退場していただく’が口癖だった。

今回はあいつの言う通りになったな・・・(^。^)

私が古いタイプのディーリングしか経験していないせいか、或いは現場を離れて岡目八目的に
なったせいか、今回の悲劇は虚業化した金融業界の自業自得と考えてしまう。

かつての5大証券の内の3社の名前がこの短期間に消えた。
Wall Streetの‘壁’が壊れている感じだ。

金融不安を望む気は一切ないが、リーマンの救済にtaxpayers moneyを使わなかった意義はある。
だって連中は自分たちの金儲けのために勝手に商品を開発、販売して、儲かればみんなで山分け、
やばくなったから金融不安を人質に救済してくれじゃ、どう見てもアンフェアだろう。

私が現役時代、何桁も違うインセンティヴ・ボーナスの話は色々と聞こえてきた。
彼らの場合ストックを絡めた話が多いが、そのストックの価値も今は様々だ。

自分は雀の涙だったがキャッシュで貰っていたのは正解だったかもと思いながらも、
あれだけ痩せた雀じゃやっぱり比べるべくもないか・・・(-_-;)

2008年9月14日日曜日

ヤンキースも4位の分際じゃ‘目の上のタンパベイ’とも言えない~Devilを取ったらAngels並みに強くなったRays~

‘目の上のタンパベイ’は勿論‘目の上のタンコブ’をもじった言葉遊びだ。
文字にするとイマイチ伝わらないが、何度か口にすると段々似てくる。

さあ、みなさんもご一緒に!
おちょぼ口にするのがコツです。
ほ~ら、段々それっぽく聞こえてくるでしょ・・・(^。^)

この‘目の上のタンパベイ’だが、ナリポンの構想では早ければ7月中に遅くても9月の初めには
日の目を見る筈だった。

BOSのポジションはともかく、ヤンキースとタンパベイは1ゲーム差に接近、
まさに‘目の上のタンコブ’になり、そしてヤンキースが追い越す。
そんな絵を描いていた。

‘目の上のたんこぶ’の辞書的な意味は‘とかく気にさわるものやじゃまになるもののたとえ’だが、
当然のことながら目とたんこぶの位置的なものや距離感が関係してくる。

然しながらア・リーグ東地区首位のタンパベイと4位のヤンキースのゲーム差はなんと11ゲーム。
‘目の上のタンパベイ’なんて畏れ多くて洒落にもならない距離感だ。

無理して言えば‘アゴの上のタンパベイ’だが、
もっと現実感を出せば‘へその上のタンパベイ’といった感じだろうか。

それにしても球団発足以来ほぼ毎シーズン地区最下位が指定席だったチームの豹変には驚くしかない。

去年のシーズン終了後、チーム名を‘Devil Rays’から‘Devil’を取って‘Rays’に変えた。
文字通り‘Devil’(悪魔)が消えたら‘Angel’が現れたのか、
LAAとメジャー両リーグの最高勝率を争っている。

そういえばこの改名の時にこんな記事を書いている。

MLBのチーム名を○軍(○にはカタカナ一文字)と表記するマスコミの不見識
~さあ、大変!デ軍が名称変更でレ軍が4個になったぞ~


今のままだとふたつの‘レ軍’がプレイオフに進出する・・・(-_-;)

去年までのNYYにとってTBのイメージはシーズン開幕当初は取りこぼすことがあるが、
プレイオフ進出がかかる大事な終盤になると確実に勝たせてくれる貴重な‘お客さん’。
実は不甲斐ない成績に終わる今年も対TBでは今日の2試合を終えて10勝7敗、
明日の1試合を待たずに勝ち越しが決まっている。
強いタンパベイが負け越しているのはNYYとCLEだけだそうだ。

それにしても目標を失ったチームや選手には当然だが覇気が感じられない。
現スタジアム最後のカウントダウンという大イベントはあるが、
レギュラーシーズンで終了する寂しさが鳩の後ろ姿にも漂う。
ゲーリックの安打数に並び追い越すことが確実のジーターだけが、
ひとりモチベーションを持った強みで張り切っている。
松井も全然打てなくなってしまった。

2008年9月8日月曜日

Hope for the best, plan for the worst~来季一塁手挑戦にまで言及した松井秀喜~

昨日の試合前にヤンキースの公式に‘Matsui looks ahead to his future’という記事を見つけた。
来季の松井の役割を本人のコメントを交えて紹介していた。

こういう記事が出ること自体がヤンキースの実質的なシーズン終了を物語っている。

記事の中身を読んで少し驚いたのは、松井が一塁手への挑戦を口にしていたことだ。
球団からの要請がある訳でもなく、ジラルディもDH松井のイメージしかないと
言っている中での松井の発言だった。

折角松井の記事があったからブログで取り上げようかとも思ったが、
何しろこちらも完全終戦モードで気分が乗らないからスルーすることにした。

一方、昨日はwowowで‘ジェイソン・ボーン’シリーズ3部作の一挙放送があった。
過去に全作観ているが、巨人戦が雨で中止になったせいもあって少し覗いてみた。

シリーズの最終作‘ボーン・アルティメイタム(The Bourne Ultimatum)’の冒頭だった。

CIA長官の台詞が気になった。
正確を期するために字幕サイトで調べてみた。

My number one rule is "hope for the best, plan for the worst. "

‘Hope for the best, plan for the worst’
(最上を望み、最悪に備えた計画を立てる)

特に痺れるほどの名言でも何でもないが、何しろ松井のあの記事を読んだ直後だけに
妙に心に響いた。

これって松井の人生観、野球に対する哲学そのものだな・・・(^。^)

順境の時も逆境の時も基本的には不変だが、現実的には‘the worst’の程度が違うから
‘plan’も変わってきて当然だ。

一塁手以外の内野手もやる用意があるという非現実的な発言も一つの布石だろう。
シーズン・オフには行われるであろう左膝の手術を含めて、
松井がこの‘Hope for the best, plan for the worst’を実践してくれるだろう。

少し気になるのは、この台詞を口にしたCIA長官の結末が彼にとっては‘the worst’だったことと、
タイトルにある‘ultimatum’の意味が‘最後通牒’‘最終提案’だということかな・・・(>_<)

そうそう主演の‘Matt Damon’の名前を見ても‘Matty’と‘Damon’と重ねてしまうのがナリポン。
二人とも来年が4年契約(金額も同じ$52M)の最終シーズンとなる。

2008年9月2日火曜日

仕組み預金を売り過ぎた新生銀行が改心?~5年物定期預金1.7%(1.8%)の‘自由自在’は隠れた魅力~

なりぽんブログと言えば、書く方にとっても読んでくれる人達にとっても主役は、松井秀喜とヤンキース。

実際に松井やヤンキースに何か起きた時のアクセス数は記事の有無、良し悪しに関わらず増加する。

ところがである。
私はこの3月から楽天ブログのバックアップの意味もあって、
GoogleグループのBloggerサービスを利用し始めた。
この中には私の理解力を遥かに超えたアクセス分析をしてくれる機能が備わっている。
Google Analyticsと呼ばれるものだが、これをわからないなりに見ていると色々なことが見えてくる。

どこの検索を使い、どんなキーワードで、どの記事にアクセスしてきているのか。
極めてショックだがそこにはヤンキースも松井秀喜もいないと言っていい。
開設以来圧倒的な強さで上位を占めているのは‘日本振興銀行’である。
ペアになっている関連ワードがなんとも‘それらしい’が・・・(>_<)

1. 日本振興銀行 詐欺
2. 日本振興銀行 問題
3. 日本振興銀行 定期

そうなのだ、楽天ブログでは私のポエム(笑)と同じくらい反応の薄い、
金融ネタというか定期預金ネタだが、Bloggerではダントツの1位だ。

という訳で、今日は新生銀行の定期預金のお話。

新生銀行と言えば‘仕組み預金’という印象が強い。
‘仕組み預金’とは何かということをナリポン流に面白可笑しく無責任に解説するとこんな感じだ。

見た目は化粧美人の女性とお付き合いできる権利を持った男がいるとする。
2,3年は順調なデートが保障されていて、更に年数が進めばもっとディープな交際が
可能だと夢が膨らむ。
ところが3年後からは1年毎に女が男と別れたくなったら、いつでも別れられる権利を持っている。
女の気持ちひとつで男はいつでもポイされてしまうのだ。
逆に男が他にもっと素直でスッピンでも魅力的な女性を見つけたので、
もう別れたいと申し出ても基本的には別れられない。
どうしてもと願い出ると、女の方から‘化粧品代その他の費用’を請求されてしまうのだ。
それも男が聞いたことのないような高価な化粧品で男は完全に涙目状態。

って、かえってわかりづらい説明になってしまったかも・・・(>_<)

何れにせよ客にろくに説明しないままに表面上の高金利を強調し、いざ中途解約となると
元本を大きく割り込む場合が多く、その販売方法については当局も動いた経緯がある。

その仕組み預金の雄である新生銀行がなんと改心したのか9月1日から、
素直な定期預金で高金利キャンペーンを開始したのだ。

今までも1年物、2年物では高金利定期があったが、今回は3年、4年、5年が登場した。

‘実りの特別円定期’

6ヶ月 0.7%、1年 1.0%、2年 1.1%、3年 1.3%、4年 1.5%、5年 1.7%

2年までの金利は他行でも同水準のものがあるが3年以降はライヴァル行も限られている。
高金利のために気持ち悪がられている日本振興銀行で3年 1.5%、5年 1.7%だが
9月16日以降金利引き下げの予定だ。

オリックス信託銀行は預け入れ金額で利率が違うが、3年 1.0~1.3%、5年 1.3~1.5%だ。

う~ん、新生の3年以降は極めて魅力的だな・・・(^。^)

そこで迷うのは3年~5年のどれにするかという問題だ。
予測不能なりに金利の見通しも気になるし、人生のキャッシュフローも考えなければならない。

しかし実は迷う必要はないのだ。

男も女も黙って5年物をやればいい・・・(^。^)

何故かというと下記の中途解約利率を見るとわかる。
我ながらこの発見はGJだと自負している。

預入期間が5年の場合

6ヵ月未満・・・解約日における普通預金の利率
6ヵ月以上1年未満・・・約定利率×30%
1年以上1年6ヵ月未満・・・約定利率×40%
1年6ヵ月以上2年未満・・・約定利率×50%
2年以上2年6ヵ月未満・・・約定利率×60%
2年6ヵ月以上3年未満・・・約定利率×70%
3年以上4年未満・・・約定利率×80%
4年以上5年未満・・・約定利率×90%


3年以上の中途解約金利は1.7%の80%で1.36%、4年以上だと1.53%になる。

そうなのだ、ストレートの3年物(1.3%)、4年物(1.5%)より高い。
おまけに好きな時に下ろせる。
勿論無事に5年間預け続けることもできる。

繰り返しになるが3年以上を考えている人は迷わず5年物を選べばいい・・・(^。^)

仕組み預金は顧客にチョイスがなかったが、これは逆に客の‘自由自在’だ。

性悪女が突如とんでもなく素直で従順になった・・・(^。^)

この定期預金は総合口座の中での作成になるから、定期の元本の9割か最大500万まで
いわゆる当座貸し越しもできる。

当座貸し越し金利だが、大昔は+0.25%が一般的だったが、
今は+0.5%以上、或いはそれ以上になる一本レートにしているところが多い。

新生の場合は一本レートで現在は1.88%だ。
5年物定期だと+0.18%のコストで一時的に融通することができる。

なお新生には‘プラチナサービス’というのがあり、
月末残高で一定の条件をクリアすれば翌月からメンバーに認定される。
今回のキャンペーン定期では金利もすべての期間で通常より0.1%高く、5年物では1.8%となる。
但し500万以上とかの条件もあるので注意。

キャンペーンは10月末まで続くが、金利は予告なく見直しされる場合があるのでこれも注意。
5年物の国債は1.0%ぐらいなので1.7%は‘高所恐怖症’だ。

因みに中途解約金利の‘隠れた魅力’については、記事にする前に確認する意味もあって、
サポートセンターに電話をかけてしまった。

コンファームできたのはいいのだが、いつもの悪い癖で
‘私がそちらの側の人間だったら即刻見直しますね’とヒントを与えてしまった。

最後にお決まりなので書いておくけど、この記事に書いてることの真偽とか、
定期預金作成は飽くまでも自己判断、自己責任で‘夜露死苦’・・・(^。^)

≪追記≫

偶然アクセスログ(直近50件を表示)をチェックしたら新生銀行からのアクセスが
2008-09-03 15:13:33 *.shinseibank.co.jpを皮切りに10件近くあるのを確認。
記事の対象となった関係者のドメインを発見することは珍しくないが、
まさかこれで魅力あふれる‘中途解約利率’の見直しになったりしないことを願う。

2008年8月29日金曜日

絶望と情熱のあいだ~今日の‘do-or-die game’を制したことで10月のヤンキースがあると信じている人がいる~

BOSとの3ゲームシリーズ、ヤンキースが全勝することがプレイオフ進出の可能性を
残すための必須条件だと考えていたのに逆に2連敗。

今日も負けて‘全焼’したら完全に終戦だと誰もが認めざるを得ない状況だった。

ムースが踏ん張っていたが2点先行され、オフェンス陣はレスター相手に沈黙。
絶好のチャンスにも‘Boo-Rod’が‘最低の仕事’をして点差以上に敗色濃厚ムードが漂う。

それを一変させたのが先発を外され代打で登場したジオンビーだ。
岡島から同点の2ランHRを放ち、9回にはパペルボン相手にサヨナラヒットを決めた。

3勝すべきシリーズを、最悪でも勝ち越すべきシリーズを、何とか最後に一矢報いた。

単に死亡認定を少しだけ遅らせる延命行為とも思えるのだが・・・(-_-;)

Daily Newsのオンライン投票でも流石に7割の人はもう諦めムードだが、
逆に言えば3割の人は今日の‘do-or-die game’を制したことで望みを持ち続けているのだ。

観客席にも‘WE BELIEVE IN A YANKEE OCTOBER.’と掲げたファンの姿があった。

何と楽観的なんだろうとも思えるが、恐らく本心は‘絶望と情熱のあいだ’なのだろう。

絶望的な状況だからこそ、より強い情熱を持って応援するファンの鑑とも言える。

私はどうかと言えば、勿論‘冷静と情熱のあいだ’だ・・・(^。^)

朝の5時半、ネットでライブ観戦していた時のサヨナラの瞬間は
手遅れの1勝に興奮することもなかったのに、BS1の録画放送で同じシーンを観た時は、
選手達の喜ぶ姿にしみじみ感動してしまった。

2008年8月24日日曜日

松井秀喜9号HRで保健室仲間パヴァーノの勝利を後押し~低打率でも長打で好印象をキープ~

松井秀喜は復帰後3試合目のTOR戦で8号3ランHRを打った。
松井がHRを打ってブログで取り上げなかったのは過去に例がなかったように思う。
あの日は既に‘上野ジャンパン’の金メダルの記事を書いていたのが第1の理由だが、
余りにも‘空砲’過ぎたのも大きな理由。

好投手ハラディから奪った松井秀喜の3ランHRでヤンキースは10点差に‘肉薄’し、
完封負けを‘見事’に回避しました。

これじゃーね・・・(-_-;)

しかし、その‘空砲’も復帰後の松井の印象作りには一定の効果があったようだ。
試合後の戦評には松井のコメントが数多く採用された。

昨日のBAL戦の初戦、YESのケン・シングルトンが松井に関してコメントした。
彼はTOR戦はオフだったがテレビで観戦していて、打点を稼げる松井が
55試合欠場したのが大きな痛手だったと再認識したらしい。
同時にBOSとの比較でも語っていた。
オルティーズがDL中にはそれをカバーするように、ユーキリス、ドリュー、ペドロイアが活躍したが、
ヤンキースにはそういう選手が現れなかった。
だから松井の穴が開いたままだったと言うのだ。

まあ、普段から松井シンパのイメージが強い彼らしいコメントだが、
ファンの間でも結構そういう感じなのだ。
昨日の松井は2個の四球はあったが、全出場野手の中でひとりノー・ヒットだった。

それなのに今日のラインアップが発表になると、ジオンビー・バッシングの一環とも思えるが、
松井5番待望の声が相変わらず多い。

今日の松井は2打席凡退。
3打席目に入る時、マイケル・ケイが復帰後16-2だと紹介した。

打率にすると0.125か・・・(-_-;)

実はこの打率0.125で思い出したシーンがあった。

北京五輪の野球準決勝の日韓戦。
イ・スンヨプが打席に入った。
すると実況の戸崎貴広が嬉々とした声で‘なんと打率は0.125まで落ちてしまいました’
私はかつてWBCの時にTBSの無能・絶叫アナ‘世界の松下’について批判記事を書いたことがある。
この戸崎は松下の弟分的存在、状況を把握できてないのに、絶叫するし、偏向するし、
悪いところを見事に継承している。

打率0.125の紹介のトーンは明らかに‘偏向’していた。

そして、そのスンヨプが星野ジャパンを地獄に落とす決勝2ランHRを放つのである。

復帰後の打率0.125松井もこの第3打席で右中間に第9号のソロHRを放った。
メジャー通算500打点になるマイルストーン弾だった。
試合展開の上でも1点リードを2点差にする価値あるインシュアランス・ランになった。

ヤンキース番記者もHRの直後、
Nice having a real hitter like Godzilla in the lineup, isn’t it?

ファンも
Godzilla attacks!

GODZILLA returns!!!

クラッチ・ヒットを打った時はMatsuiだがHRだとGodzillaになる・・・(^。^)

日本のテレビもHRを打つと必ずその映像を取り上げる。

松井の復帰後の打率は0.167と低いが5試合で2本のHRで好印象をキープしている。
というかもう1本のヒットもスタンディング・ダブルだ。

これって松井が膝のことも考えて意識的に長打狙いに徹してるとか・・・(^。^)

今日の勝ち投手はあのカール・パヴァーノだ。
今季初登板、2005年に‘転校’してきたが、途中から殆ど‘保健室’に引き篭もりだった。

その間松井も何度か‘保健室組’になったが、
今日は仲間パヴァーノの勝利を後押しすることができた。

ヤンキースの巨大不良債権と呼ばれるパヴァーノだが、
今の先発ローテを考えればシーズンの残りをしっかり働いて貰うしかない。

それにしても、向こうの書き込みにもあったが
ヒューズ+ケネディの勝ち星<パヴァーノの勝ち星
になるとは誰が予想したことだろう。

2008年8月22日金曜日

いま日本中のオヤジが最もメシを奢りたい女、上野由岐子~五輪は冬のカーリング、夏のソフトボール~

冬のカーリング、夏のソフトボール。
これがナリポン流のオリンピックのツボだ。

カーリングはトリノのチーム青森が出現するまでは完全にマイナーだった。
ソフトボールは勿論日本人なら人生のどこかで自らプレイする機会もあるスポーツだが、
観戦となると話は別で、国内リーグの試合を熱心に観ている人は極めて少ない。
どこかB級感覚がある。

奇しくもこのふたつの種目にはページシステムというのが採用されていて、
今回の日本チームはこのシステムを利して初めての金メダルを獲得した。

金メダル獲得で日本中が大いに沸いているが、感動の渦を一層大きなものにした最大の要因は
エース上野由岐子の2日間での3連投だろう。
7イニング*3=21イニングならまだ無理をすれば想像の範囲内と言えなくもないが、
その内の2試合がタイブレイカーで、通算で28イニング、球数は413だ。

私は一部ヤンキース戦と被って2画面だったが、この3試合をすべてテレビ観戦した。
1日2試合21イニングは観ているだけでも大いに疲れた。
その中選手達はプレイをし、上野は投げ続けた。
鍛えているとはいえ、心身ともに異常な消耗だったに違いない。

上野は超一流のピッチャーなのだが、この3連投は違う次元の強靭な精神を感じさせた。
大きなピンチを抑えるかと思うと、あと1アウトというところで同点被弾したりする。
そこがまた人間的である訳だが、兎に角黙々と投げ続ける姿は胸を打つ。

あの姿を見た日本中のオヤジがこんな衝動に駆られた筈だ。
ナリポンもそのひとりだ。

あ~、上野にメシをたらふく奢ってやりたい・・・(^。^)

女が若い男の旺盛な食欲をみて好ましく感じるように、オヤジもこのエネルギーを消費しきった
若き女性アスリートの胃袋を満たしてやりたいと感じてしまうのだ。

但し、ソフトボールはチームスポーツだ。
上野ひとりという訳にはいかない。
でも全員を例えば焼き肉屋に連れて行って、思う存分喰わせたらこっちの財布が悲鳴を上げる。

そうだ、食べ放題の店に行けばいいんだ。

みなさん、今日は私の奢りです。
食べたいだけ、遠慮しないで食べて下さい。
但し、時間は2時間です・・・(>_<)

あ~、上野くん
君はこっちのメニューから好きなのを選んでいいんだよ。
ここの極上ネギ振り塩カルビは一皿3150円もするけど絶品だよ。

すると上野がこう答える。

あの~、自分もみんなと同じ食べ放題2980円の方がイイっす。

オヤジの妄想は尽きない。

2次会は、スナック宇津木だな。

オリンピックの時は酒ですっかり喉を遣られたような声で解説をしていたけど、
いやあれは解説じゃないな。

オーケィ、あぁ~あ゛、ヨシ

自分でも認めてたけど結果論ばっかり言ってたしね。
でも、優勝決定の時には声を詰まらせ涙声、あれですべて免罪だな。

さあ、‘上野ジャパン’はゴールドメダルに輝いたが、
‘星野ジャパン’は何色になるか。

2008年8月21日木曜日

復帰2試合目の松井秀喜は4度の快音、1本のダブル~世が世なら全打席RBI?~

昨日の復帰初戦は3タコ、DHなので打つしか仕事のない松井はベンチで自らに対して不満そうだった。

今日は第1打席、第2打席ともセンターへディープなフライボール。
第3打席はセカンド・ゴロに倒れた。
凡退を悔しがり、ベンチでもやや悶々とした表情だ。

対戦する投手が違うせいもあるが、私には昨日のバッティングに比べたら
今日の3打席はいずれも快音を発し良い感じに思えた。

実際4打席目に入る松井をマイケル・ケイは今日は3度とも‘hit hard’だったとコメントした。

そしてついに復帰後の初ヒットが生まれる。
センター左を破るスタンディング・ダブル。
8回表5-1とリードしている場面、代走の起用も考えられなくもなかったが
そのまま松井が塁上に残った。

待望の初ヒットが出たせいなのか久々のベースを踏んだ松井は笑顔を見せた。

その後のカノーのファースト・ライナーで飛び出してしまいダブルプレイを食らってしまい、
点には通じなかった。
チームの勝利には直接的には貢献していない。

ファンとしては早く松井のRBIシーンを見たい。
実に勝手な話だが今日だってもし‘Man on 3rd, <2 out’だったら、
文句なしの犠飛2発、多分大丈夫な2ゴロ、綺麗なRBIダブル。

世が世なら全打席でRBIを挙げたていたな・・・(^。^)

今朝、朝食を片付けにやってきた妻がテレビに目をやると無死満塁で打席にはA-Rod。
浅いライトフライに倒れると‘つかえねー奴’と言って部屋を去って行った。

ヤンキースは5-1で勝利したが、試合が決まりベンチに戻る連中をハイタッチで迎える
松井の表情もやっと明るくなった。
特に最後モリーナと談笑しているシーンは、地味にモリーナ好きのナリポンが
益々彼を好きになる理由を見つけた瞬間になった。

MINとCWSは勝ったが、TBとBOSは負けた。
‘だから何’と言われればそれまでだが一応直接対決も残っているし・・・(^。^)

2008年8月20日水曜日

8.19松井秀喜復帰すれども‘復活の日’にはならず~チームもダメを押される敗戦~

松井の復帰の日を前にして昨日から私はややナーバスになっていた。
思い起こせば松井のメジャー・デビューもトロントだった。
初打席でハラディからレフト前のヒットを放ちジーターを迎い入れ
2003年のヤンキースの初得点を叩き出した。

縁起の良いトロントで復帰を飾ってくれ!

NHKは北京五輪の陰で細々とBS-hiを利用してメジャー中継をしているが、
まるで松井の復帰を予見していたように今日と明日のTOR戦を組み入れていた。
放送が始まると試合開始前の松井の姿をカメラがとらえた。

子供の頃、夏休みが終わって久し振りに級友と顔を合わせるとどこか照れ臭かった。
日焼けで真っ黒になった奴、身長がのびた奴、髪型が変わった奴、可愛くなった奴、
休み前に知っている印象と違い別人に見えることがあった。

約2ヶ月振りに松井秀喜を見てそんな少年時代を思い出した。

松井は顔も身体も少しふっくらしているように見えた。
髪も長すぎる。
全体的に緩い感じだ。

復帰初戦ということもあって打順は7番、勿論DHだ。

2回に初打席が回ってきた。
実況のマイケル・ケイが‘clutch player’‘professional hitter’のマツイを紹介した。
結果は当てただけのレフトフライ。
その後もセカンドフライ、見逃しの三振と凡退した。

アル・ライターもいきなりリーグ有数の好投手バーネットを相手にするのはタフだと同情気味だった。
実際チーム全体で14個の三振を喫した。

ヤンキースの先発ラズナーも頑張って投手戦になったが、
1-1からデーモンの今日2個目の痛い落球絡みでリードを許しそのまま2-1で敗戦。

松井の復帰でフルタイムCFに指名されたデーモンがいきなりフェイタルなことをやらかし、
チームもクリティカルな負けを喫してしまった、

チームの勝利に貢献したいと言っている松井は何もできないままon deckでゲーム・オーバー。

8.19松井秀喜は復帰したが‘復活の日’にはならなかった。

2006年の9.12では自ら4打数4安打でチームも大勝したのとは極めて対照的だが、
これが今年のヤンキースなのだろうか。
上位にいるライバルチームはみんな勝って完全にダメを押された感じだ。

私も私なりにゲン担ぎの朝食メニューで努力はしてみたが今回は功を奏しなかった。
松井のプレイが観られればいいや、今季はどうせ終戦だから、
と気持ちを楽にしようとしているが、松井の居るヤンキースの敗戦はやはり堪える。

ところでいつものようにNY紙の電子版をチェックしていたら、NY Postのトップに‘Hideki’の文字があった。
えっ、と思ったらHideki Irabuの暴行事件の記事だった。
10年前の‘fat pussy toad(太ったヒキガエル)’にはいまだにニューズ・ヴァリューがあるらしい。

2008年8月18日月曜日

今のヤンキースは‘$200 million car with no clutch’~とは言えclutch松井の復帰に期待が過大すぎる件~

KCとの第2戦、延長13回でなんとか勝利をものにしたが、
4回の無死満塁で無得点に終わった攻撃を見て、Daily NewsのBill Maddenが
‘The Yankees are like a $200 million car with no clutch’という記事を書いた。

無死満塁でA-Rodとジオンビーの合計$51コンビで無得点。
まあこれに限らず今季のヤンキースのここぞと言う時の1本が出なさは異常だ。
RISPで打てないだけでなく、いわゆる‘最低限シチュエーション’の
‘Man on 3rd, <2 out’でも点にならない。
こいつら意図的に点を入れないようにしているとしか思えない時もたびたびある。

それほど成功率が低いのだ。

北京五輪の日韓戦の9回、2点差に追いついて無死2,3塁で一瞬ときめいた時もそうだが、
結果的に無得点に終わると人は大いに失望し憔悴してしまう。
或いは怒りを覚える。

そんな中、リハビリ試合をこなした松井秀喜が早ければ火曜日からのTOR戦で
復帰することが報じられた。

松井ファンのナリポンとしてはまさにグッド・ニューズだが、驚いたのは現地の声だ。

チームの監督としては主力選手の復帰は当然歓迎するものだが、
あのジラルディが言うとやり過ぎと感じる松井への高い評価。

"It's a big bat to get back in the lineup," Yankees manager Joe Girardi said. "Hideki has obviously been an integral part of this lineup the last four or five years. He'll be a welcome addition."


てめー、本当にそう思ってたら松井はスタメンじゃないとかいわねーだろ、
開幕8番にもしねーだろ・・・<`ヘ´>

まあジラルディも監督としての立場もある訳で、それはそれだが、
さらに驚いたのは現地のファンの書き込みだ。
正直普段は松井の話題で盛り上がることは殆ど無い。
ほんの一部を抜粋してみた。

Matsui - wow, what a difference that can make down the stretch if he’s the #5 hitter

Would be huge to get Matsui back.

Godzilla is a warrior! Can’t wait for him to be back

I have to tip my cap to Matsui. What a huge lift it will be when/if he returns on Tuesday.

Good news on Matsui. Hope that he is ready to come back on Tuesday. That would be a big boost for the line-up since he always seems to get runners in.

Go Matsui!! that’s a huge bat to get back in the line-up

There have been warnings of a possible Godzilla attack in Toronto!

Matsui has never been given enough credit for his contribution to the team.
He has been our best clutch hitter, always has good ABs when it counts, & has been the glue of the batting order.
The whole team hits better in the clutch with him setting the tone.
I am so tired of watching these overpaid guys not only not produce when it counts,
but have horrible non productive ABs while doing so.


えーと、ですね、一体なんて書いてあるかと言うとですね。
一言で言えば

clutch Matsui kita━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

もうちょっと詳しく勝手に独断でまとめると・・・。

松井が復帰することによってチーム力は確実にアップするね。
打順は絶対5番だね、これでA-Rodも打てるようになるし全体の打線が繋がるようになる。
なんてたって松井は我がチームのbest clutch hitterでどうやれば点になるか知ってる奴だよ。
貰い過ぎの連中で何の為に打席に立ってるかわからんことをする奴等にはうんざりしてたからね。
でも松井って俺は敬意を払っているけどチームに貢献している割には評価されてないよね。
と言う訳で、トロントにはゴジラ出没警報発令だな。

おいおい、何か北京五輪でNHKが読むFAXみたいにマンセー過ぎないか。
‘最低限の仕事’も出来ない拙攻を毎日見せつけられて、松井が恋しくなったのか。
松井ファンとしてはこういう‘現地の生声’は素直に嬉しいが、ここまで書かれると逆にビビってしまう。
期待通りの働きをすればいいが、2か月近く戦列を離れているし、
膝だって問題を抱えたままだから内野ゴロはゲッツーになりやすいし・・・。

小心者ナリポンとしては過大な期待の反動も懸念してしまうところだ。

まあ所詮終戦モードの中だからそれほど気にすることもないし、もしこの復帰が起爆剤になって
‘松井効果’でミラクルが起こったらそれはそれで歴史に名を残すと考えればいいかな。

‘松井効果’と言えば、今日のヤンキースに早くも現れて、
貰い過ぎの連中も、松井の代わりの降格候補達も大当たりで大勝した。

2008年8月16日土曜日

ついにヤンキースの墓石まで登場?~プレイオフ絶望の敗戦の日に松井秀喜はHR始動~

今日から始まったKC戦でスィープすることが‘must’だったヤンキースは、
チャンスを点にできないいつもの‘持ち味’を遺憾なく発揮し、
同点では‘無類の弱さ’を誇るリヴェラで勝ち越しを許し、
最後のチグハグ攻撃で同点、逆転の夢を粉砕し、
ファンのフラストレーションは最高潮に達した。

これで地区1位のTBには口にするのも憚れる10.5ゲーム差、WCでは7ゲーム差。
もはや上を見るより下を見た方が現実的だ。

試合後、いつも愛読している番記者のブログを覗くと一枚の写真が・・・。

墓石かよ・・・(-_-;)

tombsone

NEW YORK YANKEES
2008 SEASON
REST IN PIECES


あれ、待てよ。
‘安らかに眠れ’ならば‘in peace’だよな。
なるほど、これはこの記者の意図的な言葉遊びだな。

in pieces
粉々に, 砕けて;(計画などが)だめになって;打ちのめされて, 取り乱して

ヤンキースが実質終わった日に動き始めた男がいる。
リハビリ中の松井秀喜は1Aタンパのダブルヘッダーに出場。
第一試合では決勝のHRを放ち、第2試合ではエラーで出塁した後、
シングルヒットで1塁から3塁までの走塁を見せた(と思われる)。

2008年8月14日木曜日

北京五輪一色の中でひっそりとフェイドアウトするヤンキース~5人に4人はプレイオフに進出できないと予想~

世はまさに北京オリンピック一色である。
時差が1時間しかないので睡眠不足をもたらすパターンではないが、逆に言えば日中はほぼ独り占めだ。
放送に最も熱心なのは勿論NHKだがオリンピック番組の途中で
‘それではここで10分間ニュースをお送りします’と言いながら、
実はそのニュースも大半が五輪関連だからやや呆れてしまう。

為政者は何かにつけてオリンピックを‘利用’すると言われるが、確かに人々の関心が一点に集中し、
軽いユーフォリアに陥っていると言えるかもしれない。

まあ私のようなスポーツ観戦大好き、ノンポリ人間は単純に4年に1回のボーナス・ステージと考えて、
五輪を堪能している。

では、その間‘本業’でありルーティンでもあるヤンキース観戦はどうしているのだろうか。
6月22日を最後にして‘松井秀喜のいないヤンキース’になったが、
それでも‘一応’全試合観戦は続けている。

‘一応’と但し書きがつくのは、2試合は結果を知らないようにして録画放送を観たのと、
数試合は睡魔に襲われて、何イニングかを見逃したからだ。

2005年シーズン以来続けていた全試合完全ライヴ観戦は終焉した。

オリンピック期間中はNHKもMLB関連はハイライトも含めて一切やらない。

そんな五輪一色の中で、ヤンキースはひっそりとフェイドアウトしようとしている。
後半戦開幕8連勝の時は一瞬明るい未来が見えたが、その後は低迷する。
何人かの‘転校生’もやってきたが、エグゼビオ君が活躍しているが他はイマイチ。
大物パッジ君は毎試合球場一番乗りで努力をしているらしいが、何かに呪われたように
‘負のオーラ’が漂いまくっている。

8月13日終了時点で、地区トップのTBには9ゲーム差、WCトップのBOSには6ゲーム差だ。

残りは41試合、プレイオフ進出は‘impossible’ではないが‘highly unlikely’と考えるのが穏当だろう。

実際Daily Newsが実施中のアンケートではこういう結果になっている。

Will the Yankees' 13-year playoff run finally come to an end this season?

Yes, this team just doesn't have it 77%
No, never count out the Yanks 23%


同時に実施されているチェンバレンの離脱に関しての結果はこれだ。


Without Joba Chamberlain, how far would the Yankees advance?

World Series 5%
ALCS 1%
Division champs 2%
Wild card 8%
Miss playoffs 85%


ふたつの結果を踏まえて言えば、5人のうち4人がヤンキースがプレイオフに進出できないと
予想していることになる。

過去の同様の投票だとファンらしい期待を込めた数字が多かったが、今年はやや冷めているのか。
或いはこの数字自体がその点を加味しても20%が精一杯という客観情勢なのか。

ポサーダは翻意して手術を行ったが、松井はリハビリを続け実戦練習をする段階まできた。
ただ首尾よくチームに復帰できても、チームは終戦状態の可能性が高い。

オリンピックという壮大な‘祭りの後’の寂寥感に‘後の祭り’の虚しさが加わるだけかもしれない。

但し、こうして4年に1回のチャンスに賭けるアスリート達を目にしていると色々と考えてしまう。

シーズン162試合も戦うチャンスがあるのなら、その結果には従順になるしかないだろう。

YESの実況で聞いただけで裏を取ってないが、ヤンキースは過去にシーズン終盤で
26勝7敗という離れ業を演じたことがあるらしい。
まあ、最近の戦いぶりを見ると、ファンダメンタルな欠陥が有るからとてもそんな奇跡は望めないが。

それにしてもアスリートにとって故障はなんとも無念なことだ。
女子マラソンの野口みずき、アテネの時はそれほどファンではなかったが、
ある駅伝で見せた圧倒的な強さ、NHKが開幕に合わせて作ったドキュメンタリーに乗せられて、
北京では心底応援しようと思っていたのに・・・。

2008年7月22日火曜日

A tough cookie~松井秀喜が自分で膝の手術の‘執行猶予’を決断~

松井秀喜が左膝の手術をせずに治療を続け復帰を目指すことになった。

実は手術を敢行することを前提にした‘予定稿’を準備していたのである意味面喰ってしまった。

手術によって松井秀喜の2008年が終了することを素直に嘆き悲しむ内容だったが、
だからと言って今日手術回避の一報を聞いて喜べるほど事態は単純ではなさそうだ。

膝の状態は一時に比べればやや改善しているかもしれないが、
客観的には手術を実施するのが‘穏当’なのだろう。
それを松井が自身の意向を強く主張して‘執行猶予’に持ち込んだ印象が強い。
言葉は悪いが‘ゴリ押し’と言ってもいいかもしれない。

キャシュマンGMのコメントにこう言うのがあった。

‘Matsui is one tough cookie.’

‘tough cookie’ってどんな意味なんだろう。

英和だと
((略式))不屈の(荒っぽい)男, したたかな人.

英々だとこんな感じだ。

・A tough cookie is a person who will do everything necessary to achieve what they want.

・someone who is very determined to do what they want and who usually succeeds even in difficult situations.

この場合のやりたいことが実際にプレイをしたいことを指すのか、手術回避を指すのか。

野球に対する真摯な姿勢なら評価していると解釈できるが、手術を断固として拒絶するという意味だと、
首脳陣を困らせていることになる。

何れにせよチャレンジというよりはギャンブルと呼んでいい程、確率の低いことを狙っている。

手術の方向で完全に外堀を埋められて、松井もそれに不承不承従うと思っていたが、
最後の段階になって松井の本心が見えてきた。

それがどんな結果になろうが自分で決めたことなら本人もファンも納得しやすい。
松井秀喜の野球選手としてもヤンキースの一員としても厳しいステージが続くが、
ファンはひたすら祈るしかない。

2008年7月13日日曜日

又々・林美雄を忘れない~年に一度はミドリブタの美声と懐かしさに浸る~

人はいろいろな形で1年という時の経過を体感する。
一般的には正月だろうし、個別では誕生日だろうか。
年々一層とビミョーになっていく夫婦もそれを結婚記念日に認識するかもしれない。
これらはすべて変化のある1年だ。

命日だと話が違う。
思い出す相手が既に変化のない存在になっているからだ。
新たな関係を作り出すことはできない。

今日7月13日は林美雄の命日だ。
丸6年だから、仏教で言えば七回忌ということになる。
年に1度確実に故人を思い出す。
リアルな世界で思い出されない関係の人よりは重い存在だ。

林美雄、ミドリブタ、約35年前、パックインミュージックという深夜放送で彼がクリエイトした世界は、
自我の確立にもがく青年にはまさにバイブルのようなところがあった。
林美雄を思い出すことは自分の青春時代を思い出すことだ。

多くの人がそうであるように年を重ねて記憶力が鈍っても、
何故か青春時代の思い出は鮮明に思い出せる。
今は2日目前に何を食べたか忘れているのに、30年前に食べたモヤシそばの大盛りは覚えている。

だから1970年代の林美雄を頭の中で思い出すのはそれほど難しいことではない。
2005年に3日連続で追悼記事を書いた時に、或る方からアプローチがあり貴重な当時の音源を頂いた。
昨夜はその一部を聴き、その美声と懐かしさに浸った。

1996年の8月に、私は小林千絵ちゃんの紹介で林美雄氏と3人で
六本木の俳優座の傍の焼鳥屋で飲む機会があった。
まさに真夏の夜の夢が叶った2時間半だった。

今思えば、あの時なぜミーハーと思われても一緒の写真を撮らなかったのか、
或いはその飲んでいる時の会話を録音しなかったのかと悔やんでいる。

そもそも私は基本的に写真を撮ることに積極的ではなかった。
絶対忘れられない人間との思い出や旅先での風景は自分の脳内のハードディスクに
しっかりと刻まれて永久保存されると信じていた。
忘れてしまうようなものは所詮その程度のもので淘汰されて然るべきだと考えていた。

それは哲学としては成立しうるが、50歳を過ぎて劣化の著しい自分の脳内ディスクに唖然とすると、
単に大いなる過信だったと気づく。

ミドリブタとナリポンは干支が同じで、一回り上の兄貴分だった。
年の差は常に平行移動するから埋まらないと思っていたが、相手が先に逝ってしまうと
線が1本になってしまう。

12歳の違いが今は或る意味6歳になってしまった。
今後その差をさらに詰めて、上手く健康を維持できれば追い越してしまう。
これは正直、妙な感覚だ。

私が林美雄について書いた記事は今日で5つめになる。

林美雄を忘れない~あの夏の光と影は何処へ逝ってしまったの♪~

続・林美雄を忘れない~愛はいつも束の間、今夜遠く旅立つ♪~

続々・林美雄を忘れない~それは小林千絵ちゃんのお陰だった~

又・林美雄を忘れない~あれから5年、命日には線香一本、花一輪~

このタイトルのつけ方は、團伊玖磨のエッセイ‘パイプのけむり’にあやかっている。
シリーズは全部で27巻、まだまだ余裕一杯だ。

林美雄を語る時に感じるのは、彼をリアルタイムで知らない人に
彼の魅力を伝えることができないもどかしさだ。
遺作と呼べるものが存在しない。

‘そもそも林美雄って何者?’
と聞かれると、大袈裟に
‘彼がいなかったらユーミンは埋もれたままだった’と答えることにしている。

2008年7月8日火曜日

イエスとノー、その二つの間には何もないのだろうか~二階堂のCM‘文字のかけら’が心に沁みる~

何ということだろう。
折角ヤンキースが連勝し、それも2試合ともドラマティックと呼べる終わり方をしたのに、
ブログの更新を怠ってしまった。

厳しく出席も取り絶対落とせない必修科目の授業をサボった感じだ。
或いは、大切な人との待ち合わせを何を思ってかすっぽかしてしまったイメージだ。

気持ちが宙ぶらりんで、書く気力が湧かなかった・・・(-_-;)

大分の麦焼酎に二階堂というのがある。
飲んだことはなくても、ここのテレビCMは知っている人が多いのではないか。
私はここの一連のテレビCMが気に入っていて、2005年10月にもブログで取り上げている。

大分むぎ焼酎二階堂の詩情100%のCMに酔う

学生の頃、真剣にコピーライターになりたいと考えていた私にとっては、
この二階堂が発する‘言葉の群’はまさに‘理想の仕事’と言ってもいいかもしれない。
30年前の良きサントリーのCMを彷彿とさせる。
いや、別に今のCMが劣っているという意味ではなく、単に私の好き嫌いの問題だ。

今流れているのは‘文字のかけら’篇だ。

イエスとノー。
その二つの間には、
何もないのだろうか。
筆を走らせたのは、
宙ぶらりんの想いでした。
想いのかけらは朽ちることなく、
ざわざわと心を揺らします。


ここをクリックするとYouTubeで実際のCM映像が見られる。
コピーも素晴らしいが絵も音楽もナレーターの声も正統派だ。

このCMは会社の発表では2007年バージョンとしているが、私が初めて目にしたのがいつかは忘れた。
もう楽に100回以上は見ていたと思う。
見る回数が増えると鮮度を失っていくのが世の常だが、
最近になってこのCMがより鮮やかに心に沁みるようになった。
受け手の私の心境の変化によって、そもそも絶対的な価値のある作品が、
相対的に輝きを増しているのだと思う。

ナレーションの他に映像に字幕で現れるコピーもある。
‘時代という言葉が少し耳ざわりです。’

なんとも耳に心地よい言葉ではないか・・・(^。^)

ついでに2006年の‘未知の力’篇も久しぶりに見てみた。

逆らいながら
奪われて…
流されながら
見失う。
誰もがその戸惑いの
中から学ぶのだ。
ああ、
本当の私に
帰っていきます。


YouTubeはここ
字幕のコピーは
‘そこから未知の力が湧き出している。’

このCMだって過去に何度も見たのに、今こうして改めて言葉をかみしめると極めて味わい深い。

好きな音楽もそうだが、その時々の聴き手の心の在り処に応じて変化する。
そして、残念なことだが、多くの場合人は弱った時に感動しやすい繊細さを増す。

今の私を繊細にさせているのは勿論‘あの男’だ。
繊細というよりは意識過剰といった方がいいかもしれない。

>イエスとノー、その二つの間には何もないのだろうか

これが‘あの男’の今後の選手生命について問いかけ、
嘆いている自分の声のように聞こえてしまうのだ。

2008年7月3日木曜日

NHKのMLB中継にエース竹林宏が帰って来た~北京五輪の野球実況も担当~

プロ野球交流戦の巨人-ソフトバンク戦@東京ドームでベンチレポートをしていたので、
もしやと思っていたが、NHKのスポーツアナウンサー竹林宏氏が3年の大阪勤務を終えて
東京に戻ってきた。

私は彼の実況が好きで2007年の2月にもこのブログでラブコールを送っている。

NHKは盛り上がり必至のMLB中継にエース竹林宏を投入すべきだろう~っていうか是非お願い~

NHKのスポーツアナ竹林宏が好きだ。

どれ位好きかと言えば、ほとんど興味の無い都道府県別女子駅伝を
彼が実況しているという理由だけで観てしまう程好きだ。

彼はずっとMLB中継を担当していたが、2005年の途中で大阪局に異動になった。

MLB中継は外れて地元甲子園で行なわれる阪神戦や高校野球、
駅伝や花園のラグビーを実況するようになる。

彼の声質が気に入っている。
基本は冷静な中、程よく興奮するのも良い。
金メダルアナとして有名な刈屋富士雄に較べるとミスも少なくない。
実際wikiにはトリノ五輪のノルディック複合で‘日本が4位から5位に上がった’と実況した
‘失態’が記されている。

ただ彼がミスをした時の訂正の仕方、謝罪の仕方も好きだ。
無反省でもなければ卑屈でもない。

要するに何をやっても好きってことだね・・・(^_^.)

但しこの記事を書いた時点と今とでは私の視聴事情はかなり違う。

MLB中継では基本的には日本語音声は聞かない。
先ず、実況アナも解説者も不勉強でプロと言うにはほど遠いレヴェルなのが気に入らない。
それ以上にヤンキース戦に限って言えば専門局のYESの実況が極めて優れていて
大のお気に入りだからだ。

2005年以降はヤンキース戦を全試合観戦、ネット観戦の割合も増大したお陰で
英語実況を聞き取る力も格段にアップした。
野球に無関係な馬鹿話で爆笑している時は理解不能のことも多いが、
それ以外は殆ど分かるようになった。

YESのエース、マイケル・ケイとNHKのエース、竹林宏を比べるのはさすがに酷だ。

ヤンキース戦とマイケル・ケイは不可分の存在だからだ。

しかしヤンキース戦以外なら日本語音声にすることも無くはない。
或いは主・副を併用することもある。

幸いにも竹林宏復帰第一弾はNHK総合でのBOS-TBの首位攻防戦。
2画面にして音声は適宜スイッチした。

明日からのBOSとの4ゲームシリーズでは第3戦・4戦の実況が竹林だ。

スポーツ観戦は現場に居てこそ味わえる生の醍醐味も捨てがたい。
一方、より状況把握が楽になり感動を増幅させる実況放送ならではの魅力もある。

名シーンの名実況で永遠に歴史に名を残す例も多い。

竹林宏は北京五輪の実況アナにも選ばれていて、担当は陸上と野球だそうだ。

星野ジャパンがオリオンピック史上最後の金メダルを決める瞬間を彼の実況で聞けたら最高だ。

但し、エース扱いしているのは私の勝手な価値判断に基づくもので、
年功を重んじるNHKだと同じく野球を担当する工藤三郎が決勝戦を実況する可能性が高いか。

工藤氏はNPBの実況では野球への造詣の深さを感じさせるヴェテランの味わいがある。
長野五輪ではあの‘立て、立て、立てぇ、立ってくれ~!・・・・立った!’をやった男だ。
実力的に異論を唱える気は毛頭無い。

それにしても金メダル実況アナの誉れ高き刈屋富士雄の名前を確認できないのは残念だ。
非合理な領域とは言えこの手のジンクスは武器になると思うのだが・・・。

《追記》
刈屋氏は北京五輪では実況は担当せず、東京のスタジオ担当になるそうだ。
彼の人気を考えれば納得の配置だがゴールドメダルパワーが広く浅くなってしまいそうだ。

2008年6月28日土曜日

注目された松井秀喜の‘D’の後は‘H’ではなく‘L’~ DL may change the world.~

ヤンキースの番記者のブログでラインナップの‘早刷り’をチェックするのは、
もはやルーティンになっている。

ただ普段は気紛れなタイミングでチェックするのに今日は一体何度リロードしたことだろう。

そしてやっとメンバーが発表になったのを確認した。
DHはジオンビーだ。

その瞬間、松井のDL入りを確信した。
記者も第1試合終了後、ポンソンの枠を確保するために松井のDL入りをほぼ確実視する
コメントを書いていた。

松井秀喜の‘D’の後は‘H’ではなく‘L’か・・・(-_-;)

松井ファンとしては大きな溜息が出そうだが、実はそうでもなかった。

ブログにも書いたがレッズ戦の走塁を見た時にこの日を予感し、
その後の耳や目に入ってくる情報で覚悟を決めていたからだ。

去年は痛みを抱えながらも強弁していた松井も、今回は休むことの重要性に言及していた。
メッツ戦にDHで出場できればいいいがそれが‘the best interest of the team’か
どうかはわからないと発言した。
それを聞いて体調がどれだけシリアスなのかを容易に再認識できた。

相場の世界でロスカットの重要性は誰でも知っている。
それでもロスを確定させることは容易ではない。
人はこのままポジションを抱えていれば何とかなるかもしれないと考えたがるものだ。
そして多く場合、どうにかできるところでは動かず、何とかなるどころか
どうにもならないところに追い込まれてロスカットに走る。
マネージできるロスで留めていれば、次のチャンスはいくらでもある。

松井も試合に出たいに違いない。
ファンも試合に出ている松井を目にしたい。
出場のチャンスがあるオールスター・ゲームも難しくなるかもしれない。
規定打席をクリアできないことになるかもしれない。

しかし目先の小さな不幸に耐えることが、将来の大きな幸福につながると考えよう。

DL may change the world.・・・(>_<)

2006年はシーズン中に復帰できるかどうかわからない松井を4ヶ月も待っていたではないか。
それに比べたら、今回なんてへっちゃら、へっちゃら。

と日記には書いておこう。

2008年6月26日木曜日

Joba Rules、試合を支配し勝つだけ~チェンバレン先発初勝利はfist pumpも必要ない安定した投球~

監督も唖然とした前夜の惨敗から一転、ヤンキースはパイレーツに10-0で大勝した。
素直に主役は‘5度目の正直’で先発初勝利を挙げたジョバ・チェンバレンだろう。

‘5度目の正直’と書いたが、そもそも今までの4回は厳格すぎる球数制限があった。

今日のジョバ・ルールは文字通り試合の上で‘Joba rules.’を実現することだけだ。

7イニングをきっちり投げ終えていれば美しかったが、
今は敵に回ったミンケイビッチの邪魔に合い、62/3で降板。
球数は114、被安打6も無失点の内容に文句をつける人はいないだろう。

デビュー以来常にスポットライトを浴び‘ジョバ・ルール’と称して色々な制限を受けてきた。
時には‘fist pump’(ガッツポーズ)までやり過ぎだと批判されてきた男が、
今日は純粋にマウンドの上で、自分の実力を遺憾なく発揮することに専念すればいいだけだった。

相手チームの実力がどの程度のものかは正直実感が湧かない部分はある。

‘海の物とも山の物とも知れず’かというと、そこはパイレーツだから‘海の物’だよね・・・(^。^)

ただ、今日の好投は次回以降に夢を持たせるものと考えていいだろう。

今日はピンチらしいピンチも無かったから‘fist pump’の必要もなかった。
今後、完投勝ち、完封勝ち、或いはノー・ヒッターの時は遠慮なくやればいいし、
大ピンチを切り抜けた時は好きにやればいい。

かもめはかもめ、ジョバはジョバなのだ・・・(^_^)

ただ1イニングを全力勝負するセットアッパーやクローザーと違い、
スターターはそこまでの場面は少ないかもしれない。

そう言えば、前回のジョバ登板時に、マイケル・ケイが
‘全米オープンのタイガー・ウッズのガッツポーズは称賛されるのに、
ジョバにはケチをつけるのはおかしくないか’
と疑問を投げかけた。

これには普段、超が付くほど素直で温厚なフラハティも
‘あっちは全米オープンのあのシーンだよ、比較にならない’と一蹴した。

ジョバがパーフェクトを達成したらあのタイガー並みのガッツポーズが見られるかも・・・(^。^)

2008年6月25日水曜日

試合前に不敗神話のスモールが降臨するもヤンキース惨敗~松井秀喜に続きデーモンも守れない人に~

今日、ヤンキースが勝っていれば、私は嬉々として記事のタイトルを‘スモール不敗神話健在’に
できたのだが、それは残念ながら叶わなかった。

今日からパイレーツのホームでの3連戦となったが、試合前のクラブハウスには、
あの2005年のヒーロー、10勝0敗のアーロン・スモールの姿があったそうだ。

市内の子供たちを集めて教会が主催する野球教室に参加するために、
偶々ピッツバーグに居合わせたらしい。

まさに‘Small World’だな・・・(^。^)

普段住んでいるのはテネシー州のLoudon郡でやはり教会が主催する野球教室で野球を教えながら、
家族と引退後の人生を楽しんでいるとのこと。

スモールは極めて信心深く、社会的な貢献にも熱心だというのは前にも読んだことがある。

さて、今日のヤンキースの先発はラズナーだ。
私がほぼ1ヶ月前に書いた記事だ。
ダレル・ラズナーは無傷の3連勝で2005年のアーロン・スモールになれるか

その後は思惑とは違い中々勝てなかったが、今日はゲーム前にスモール先輩とも話をして
“I’m proud of you. Keep doing it.”と励まされた。

その‘スモール効果’を期待したがまったく効き目がなかった。

途中YESの放送(正確にはmy9)の中で‘ラズナーは第2のスモールになれるか’という
視聴者アンケートがあったが、その質問自体が虚しく響く内容だった。

やはりスモールの後にスモール無しなのか。
いや、ダン・ガイスに期待しよう。

ヤンキースは12-5で惨敗した。

予想された通り松井秀喜はスタメン落ち。
ケン・シングルトンも試合前の様子は余り芳しくなく、アイシングをしていたと話していた。
膝の痛みの他に首にも張りを感じていたらしい。

松井が守れないのはチームにとってもある意味想定内のことだったが、
想定外のことが起こって首脳陣は慌てた。

デーモンが左足の土踏まずに激しい痛みを感じたのだ。
日曜日にはまったく動けなかったそうだ。
本人はDL入りの可能性を否定しているが、どうなることか。
急きょ、トリプルAからクリスチャンという選手を引き上げた。
今日は初エラーもしたが2安打、2打点と活躍した。
世間ではガードナー待望論の方が強いが、相手先発投手にレフティが続くことを考慮したとのこと。

結局、代打の場面は2度あったが、モリーナとベテミットだった。

明日は先発初勝利を目指すジョバが登場する。

2008年6月23日月曜日

髭を濃くしたジオンビーが蘇生してヤンキース勝利~松井秀喜は価値ある1安打を放つも気になる痛々しい走塁~

ヤンキースは4-1でレッズを降し、スウィープを免れた。
本当はこっちがスウィープ、少なくとも勝ち越しできる相手だったとも言えるが、
そこは勝負の難しさ、面白さだ。

先発のペティットは6回無失点、19イニング連続無失点となり、連敗ストッパーの面目躍如。

オフェンスで目立ったのは何と言ってもジオンビーだ。
3打数3安打、2打点、2得点、おまけに盗塁1のオマケ付きだ。

パドレス戦で1試合2HRを打ってから、ミニ・スランプに陥っていたが見事に蘇生した感じだ。

どうみてもきっかけは濃くした髭だろう・・・(^。^)

YESが前日と今日の髭写真を並べて比較していたが明らかに色が濃くなり、
両サイドが伸びていた。

監督になれなかったマッティングリーの髭に似ているは何かの暗示だろうか。

試合後もご機嫌なジオンビーは口も冴えていて、HRと盗塁に関しても大目標を設定した。

"I might go 40-4 this year," he joked.・・・(^。^)

しかしそのMr. Mustacheに繋げたのは松井だった。
6回裏、雨の中断再開後の攻撃で、先頭のジーターが出塁しながら、後続なく2アウトになったところで、
貴重なライト前シングルで3得点に繋げた。

今日の松井はこの価値あるヒット1本の他は、三振、三振ゲッツー、1塁ゴロ併殺と散々だったが、
なーに値千金の1本があれば問題は無い。

問題は走塁だろう。
1塁からの生還はまだしも、併殺打の時の1塁への走塁は明らかにおかしかった。
いや、実際に痛みを抱えているからおかしくて当然なのだが、その深刻さを想像させる感じだった。
どうせアウトだったから、無理しなかっただけだろうが見ていて痛々しい。

明日はオフでその後はナ・リーグのホームが6日間、途中変則ダブルヘッダーが
ヤンキースタジアムであるが、その試合を除くと先発出場は難しいかもしれない。

それにしても約1時間中断した直前の6回の表だが、
どうせ中断必至なのにあの強風、雷雨で強行するかね。

マウンドにエドワー・ラミレスがいたら風でどっかに飛ばされていたに違いない・・・・(>_<)

2008年6月22日日曜日

ダン・ガイス、唯一の‘失投’は2塁への悪送球~観客はなぜこの負け投手をスタンディング・オベーションで迎えたか~

ヤンキースはレッズに連敗した。
今日のヤンキースの先発投手はダン・ガイス、王が故障したために空いたスポットに
ある意味実験的に当てられた男だ。

年齢は31歳、スターターは初舞台だ。
6回までは完璧、投球数は62、被安打2、無四球、無失点だ。
相手を封じるだけでなく見ているものを完全に魅了した。

個人的にこの男に注目し、
~ジョバの‘付属品’ダン・ガイス(Dan Giese)のメジャー初勝利を祝す~
を書いている私は勿論虜になった。

YESのフラハティもスモールの再来を期待していた。

7回表、先頭のK.グリフィJr.を出塁させてしまう。
次のバッターはピッチャーゴロ、マイケル・ケイが‘should be two’と軽やかに実況した。

ところがあああああああああぁ、ガイスが2塁へ悪送球。

おいおい、あれだけホームへは良い球を投げていたのに、
慌てる必要もないタイミングだったのに・・・(-_-;)

その後エロの緩い守備もあって1アウト2,3塁のピンチ。
しかしここで三振を奪う。
マイケルが‘Big out!’と絶叫する。

そして次のバッターも2ストライク、ノー・ボールに追い込むと、
球場は三振を求めて大歓声が起こる。
この大歓声は後押しというより妙なプレッシャーになったかもしれない。

そして歓声は、打球がレフト前に飛んだ瞬間ため息に変わった、2失点。

Big Outの後によくある光景だな・・・(-_-;)

そこでジラルディがマウンドに向かい、ガイスは降板となった。

ベンチに戻る彼にファンはこれでもかというスタンディング・オベーションだ。

心から讃えたいピッチング内容だった。
無死満塁を含め4イニング連続で先頭打者出塁しながら、
1点の援護も出来ないオフェンスの不甲斐なさ。
それに同情するファンの気持も込められていたに違いない。

試合は結局後続のピッチャーも失点し、終わってみれば6-0の完敗。

こうしてガイスの先発初舞台は自責点ゼロの負け投手で幕を閉じた。
唯一の失投は2塁への悪送球と言ってもいいかもしれない。

スタンドには奥さんとふたりの子供たち、実と義理の親父さんもいたそうだ。

今日のピッチングは勿論高い評価を受け次回メッツ戦での先発も決まった。
問題は今日の初舞台が一世一代の好投だったかどうかだ。

処女作が結果的に人生の最大傑作になる場合も世の中少なくない・・・(>_<)

2008年6月21日土曜日

ふたつの4-2~ヤンキースは敗れたが、松井秀喜は打った~

4-2でヤンキースは敗退、連勝は7で止まった。
左膝痛で2試合欠場していた松井秀喜は‘復帰後’の初戦で4-2だった。

いつもは松井の成績よりチームの勝敗を優先するが、今日はやや例外的な気分。

それにしてもたった2試合、松井の姿を見られなかっただけなのに、
今日その雄姿を拝めた時は自分が想像していた以上の感動があった。

やはり‘会えない時間が愛育てるのさ~♪’は正しいのだ・・・(^。^)

トレンドが持続するためにはマイナーなコレクションが必要だし、そっちの方が健全だ。
明日から再び‘常勝’トレンドへ。
その流れを個人的に応援したいガイスに期待しよう。

2008年6月20日金曜日

Run & Run、足で稼いだ2 Runsを死守してヤンキース7連勝~ジラルディが明日の松井秀喜先発出場を示唆~

昨日と今日の対パドレス戦ではヤンキースらしからぬ光景が見られた。
それは盗塁だ。
2試合で8個成功、失敗は1個だけだった。
71試合でチームの盗塁数が33しかなかったことを考えるとこの2試合8個は異様だ。
普段は足で‘凌辱’されることはあっても逆はない。

今日の2得点にはどちらにも盗塁が絡んでいた。

特に同点にした1点は1アウトからカブレラが歩き、走って2塁へ、さらに走って3塁へ。
そこでモリーナがきっちりとセンター犠牲フライ、ノーヒットで挙げた得点だ。

決勝点になった1点も、ジーターの盗塁を活かしたものだ。

Run & Runでゲットした文字通り2 Runsを投手陣が死守した。
先発はチェンバレン、2回の無死満塁を無得点で逃げ、4回1点を失った後の1アウト2,3塁も凌いだ。

ピンチの時は三振を取れるピッチャーは魅力的だな・・・(^。^)

同点のまま6回2アウトになったところでジラルディがマウンドへ向かう。
私もおいおいと思ったが観客も大ブーイング。
ジラルディはブーイングにめげることもなく(空気を読むことなくとも言う)、
マウンドに到着する前にブルペンに指示。

ベンチへ戻るジョバに観客は絶大なオベーション。

球数はちょうど100球、今日の球数制限は私が読んだ記事では105球となっていたから、
あと1アウトだしランナー無しだし投げさせてもいいと思ったが、打者が粘った場合途中で
代えるわけにもいかないから早目に動いたのか。

しかしこの采配がマーフィー君を目覚めさせ、その裏ヤンキースが勝ち越した。

ほら、ジョバを投げさせていたら先発初勝利になったのに・・・(-_-;)

ブーイングをしたファンの多くがそう思ったに違いないが、
マーフィー的には続投させていたら多分勝ち越し点は入らなかったと思う。

さあ勝ち越したのはいいが、1点をジョバなきブルペンで守り切れるか。

昨日はラミレスとファーンズワースが被弾したが、今日はベラス、ファーンズワース、リヴェラで完封リレー。
このシリーズ3連投になったリヴェラは圧巻の3連続K〆だった。
実はこのシリーズに入る時点で、リヴェラのセーブは通算で461個、一方パドレスのクローザー、
ホフマンは539個、2人合わせてちょうど1000個という別に記念すべきでもなんでもない数字遊びが
あったが、リヴェラが2個増やしたのに対しホフマンは出番すらなかった。

ジョバの先発転向を巡っては賛否両論があったが、王が長期離脱し、懸念されたブルペンも
むしろ良化している現在、ジョバは先発に不可欠の存在になったと思っている人が大部分だろう。

これでヤンキースは7連勝、貯金7とまさにチャート分析以上の大ブレイク中だ。

さて試合に勝ったのはいいが、肝心の松井秀喜はどうか。

今日もスタメンは外れ、代打はavailableという感じだったが出番はなかった。
ベンチにいるのも確認できず、試合終了時のハイタッチシーンでも発見できなかった。

ただESPNの記事を読むと‘Girardi expected Matsui to return Friday.’と
明日の先発出場を示唆している。

明日はNHKのBS1で中継がある。
‘松井秀喜出場予定試合’というのは機械的にやっているだけで裏は取ってないだろうが、
かといって‘未定試合’にする訳にもいかないか・・・。

ゲェ、解説はナリポンが嫌悪している高橋直樹じゃないか。
まあ、どうせ副音声しか聞かないけどイニング間は無理やり切り替えられるんだよね。

因みに長いことMLB実況をやっていた森中直樹は名古屋に転勤になったらしいので、
もう‘W直樹の悲劇’は実現しないと思われる。

2008年6月19日木曜日

嗚呼ショック!松井秀喜に再び試練~‘consistently inconsistent’なヤンキースの中で最も‘consistent’だったのに~

今朝もいつも通りにラインアップの‘早刷り’をチェック。

あれ、松井がいない。

サイ・ヤング投手ピービーとの対決を楽しみにしていたが、彼はレフティだっけ?
慌ててチェックするが右投げだし、過去に対戦していない。

好調ジオンビーの守備疲れを軽減するためなのかなと無理に自分を納得させようと思ったら、
なんと松井に関しての記述があるじゃないか。

ゲェ、左膝の腫れ?代打は可能か・・・(-_-;)

それから再び寝て8時前にチェックしたら松井の続報が2つあった。

が~~ん、今日1日じゃない、医者が来て水抜き、MRI検査?・・・(-_-;)

ヤンキースの公式にも同じような記事があった。

必死に字面を読みながら同時に行間も読もうとした。
医者でもないのに症状の程度を推測しようとする虚しい行為以上に、
我慢強い松井が発した言葉の真意を探ろうとした。

怪我については松井を含めて選手達は嘘吐きが多いからだ。

昨シーズンのような強い痛みではないと言っているが、
去年だってシーズン中は‘大丈夫’を繰り返していたような気がする。

それが今回は自ら申し出ているのだ。
実はもっと前から自覚症状があったのではと疑ってしまう。

嗚呼、ショック!松井に再び試練か・・・(-_-;)

記事の中にこういう一文がある。
‘Matsui has been a consistent contributor to New York's offense’

そうなのだ、今年の松井を形容するときに至る所で使われるのが‘consistent’だ。
ノーヒットの試合が少なく、出塁率も高く打率も一旦3割を割っても直ぐに再浮上。

ヤンキースの勝率が5割付近を行ったり来たりでピリッとしないころジーターがこんなことを言っていた。

‘We’re consistently inconsistent.’

この表現自体は平凡といえば平凡だが、実際に最近のヤンキースがまさにこの通りだから
妙に説得力がある。

落ち込むこともあるが巻き返すこともあり終わってみれば95勝前後に落ち着く。

そんなチームの中にあって、松井はここまでは実に安定していたのだが、
これからは不安定になるのだろうか。

4タコで嘆くのもスタメンを外されて嘆くのも、松井が基本的に元気であればこそだ。
身体の状態が野球をするのに耐えられないを嘆くのとはまったく次元が違う。

今日のパドレス戦は雨のために開始が遅れた。
一時は雪と見間違える程の大きな雨粒が落ちていたが、
直にきれいな虹が出て(レフト方向?)1時間ちょっと遅れて始まった。

松井の膝もあの天気のようになってくれればいいが・・・(^。^)

試合は後半ブルペンが乱れて危うくなった場面もあったが逃げ切り、久々にラズナーに勝ち星がついた。

ベンチが映し出されると必死に松井を捜したが姿は無かった。

YESの実況席もマツイはピンチヒッターの出番はありうるという広報の発表以上のことは言わなかった。

ところでTBSのJスポという番組で槙原の‘マイナスオーラ・ジンクス’というのがある。
松井が2006年に骨折した時も槙原が渡米して取材をしていたらしい。
そしてこの前のヒューストンにも奴が現れたのだ。

その日の松井はベンチスタート、代打に出て2ゴロゲッツーに倒れた。

そして翌日には王が負傷した。
ヒューストンでレフトの守備についたことが今回の膝の問題の発端かもしれないとジラルディが言っている。

槙原の‘マイナス・オーラ健在’とか脳天気にやっているのをみると、
因果関係なんて無いのを承知の上で、大人気もなくTBSや槙原を恨んでしまう。

2008年6月18日水曜日

祝ヤンキース5連勝だが楽勝すぎで書く気になれない~‘谷間のまっちゃん’存在感無し~

ヤンキースは今日からホームにパドレスを迎えての3連戦。
私のチャート分析通りに今日も勝って5連勝、貯金5、おまけに2試合連続の完封勝ちだ。

何度か劇的な逆転勝ちをした時に、もっと普通に勝つ試合の方が価値があると主張した私だが、
さすがに連続でこういう大勝、楽勝だと観ていても弛緩してしまう。
松井が何かしてくれればまだ何とかなるが前後のA-Rodとジオンビーの
‘谷間のまっちゃん’で存在感無し。
久々に廻って来た1アウト3塁のチャンスでも‘最低限の仕事’さえできなかった。

3塁のエロが突っ込めば打点がついたかもしれないのに・・・<`ヘ´>

8-0なのに最終回リヴェラが調整登板、3者連続空振りの三振〆を見せてくれるが心踊らず。

あ~ぁ、今日は余りに楽勝過ぎてまったく書く気にならない・・・(^。^)

番記者もブログに
‘ヤンキースがナ・リーグに行ったら161勝1敗?それは言いすぎだが140勝22敗だな’
と書く始末。

まあ日本シリーズの加藤舌禍事件もあるから調子に乗らない方がいいと思うけど・・(>_<)

そういえば、5月のサブウェイ・シリーズの時に6月のシリーズにはランドルフ監督はいないかもと書いたが、現実になった。

遠征先のLAAで勝った試合の後、ニューヨークのとんでもない時間に発表し、
記者会見ではGMのOmar Minaya(オマール・ミナヤ)が‘マスコミに追い込まれて解任した’
とやってしまったから大変だ。

もともと解任そのものを支持していた世論は過半数を超えていたが、
fireのタイミングについては9割近くが不適切だとしている。

やっぱり地元でしっかりメディア対応するのが筋だよな・・・(-_-;)

ランドルフは過去11シーズンに及ぶヤンキースでのコーチ経験がある。
将来的には何らかの形で関わるかもしれない。

今年は何かとメッツのゴタゴタネタでニューヨーク紙の一面が支配されることが多かったから、
それが正常化して個々の試合のヒーロー(戦犯)が一面を飾る流れになるといいのだが・・・。

2008年6月16日月曜日

ヤンキース大勝で呵呵大笑するはずが王建民故障で騒然~チャート的には貯金4で上抜けか~

ヤンキースはアストロズ相手に13-0と大勝、シリーズのスウィープに見事に成功した。
オフェンス陣はカブレラ以外大当たりで呵呵大笑だった。

ところが6回の攻撃中に大変な事件が起きたのだ。
1アウト1,2塁で打席にはピッチャーの王建民、そうDH制のないナ・リーグホームならではの風景だ。
当然送りバントを試みるが、素直すぎたのと2塁ランナーがポサーダのため3塁で余裕の封殺。
1塁でゲッツーになるかもと思われたが王もよく走ってセーフ。
続くデーモンの内野ゴロで終了かと思ったが、テハダが落球し、半ば諦めていた王が2塁でセーフ。
2アウト満塁でジーターが彼らしい右打ちでライト前へタイムリーヒット。

3塁ランナーカノーに続き、王もやってくるが3塁を回ったところで動きがおかしくなり、
途中からは右足を引きずりながらのホームイン。
なんとも痛々しい‘生還’となってしまった。

カノーが王を支えながら手招きするが、ジラルディとトレーナーが直ぐに駆け寄り、
王はふたりに両側を支えられてベンチへ戻る。

ちょうど3年前、私を半ベソにさせたカーディナル戦の松井秀喜の負傷とかぶる。
メジャーはああいう場面で必ず監督が出てくるのは素晴らしい文化だと思う。

試合はその後も加点して勝利が確定したこともあって、王の故障のショックがファンたちにとっても
最大の関心になった。

私も早速フォーラムを覗いてみたが、あるある、あるある。
王を3塁で制止させなかったコーチャーを解雇しろという‘暴論’もあれば、
ナ・リーグがDH制を採用していないからこんなことが起こったという‘そもそも論’まで噴出。

そして次の土曜日には誰が代わりに投げるのかという議論になり、
‘死んでもKei Igawaはやめて’という叫びもある。
王の長期離脱を予想する向きはサバシアを獲得するしかないと騒いでいる。

今年はムースの予想外の頑張りで‘実’は譲っているが、王は過去2シーズン19勝で
‘名実’ともにヤンキースのエースと呼ばれるピッチャーだ。

その王を欠くことは当然深刻な問題だ。

王はニューヨークに戻って検査を受ける。
松井の時も負傷した翌日はオフで、結果的には連続出場記録をキープするどころかHRをぶっぱなす
離れ業を見せてくれたが、王が何もなかったように次の登板が出来るとは考えにくい。

ところでヤンキースは今日勝って貯金を4にした。
まだまだ貯金の数として‘中流’の域に達しただけだが、
いわゆるチャート的には上抜けしたと見ることができる。

今年のヤンキースは本当に5割近辺をウロチョロするだけで、4月23日に貯金2を記録して以来、なかなかそれを抜けることができなかった。

例えば高騰した原油価格で言えば、1バレル70ドルとかをやっている時の目標が100ドルだとする。
それに向けて上値トライをするがそこで抵抗にあい反落を繰り返したとする。
但し100ドルをいったんクリアーに上に抜けると今度は100ドルが下値のサポートになる。

要するにヤンキースは貯金2の壁をクリアーしたことにより、上昇トレンドが鮮明になり、
今後何かで下落しても貯金2は‘死守’されるという解釈だ。

もちろん王の長期離脱のような‘ファンダメンタルズ’を揺るがすような要因があれば、
そのインパクトの方が大きいが、逆に言えば王の穴を埋めるような救世主が現れて、
チャートが守られるある意味‘本末転倒’なことも少なくとも相場の世界ではよくあることだ。

ベンチで泣きを見る野手がひとりいて、慣れないバッターとして登場する投手にアクシデントが発生する。
普段DH制に慣れているチームにとっては辛いことだが、まあその分勝ち星を稼げるという現実もある。

2008年6月15日日曜日

Matsui draws the short straw in the NL park~松井秀喜に貧乏くじを引かせる名采配的中でヤンキース今季最多の貯金3~

今朝6時前に一旦目覚めた私はいつもの番記者ブログでラインナップをチェックした。

ゲェ、松井がいないじゃん・・・(-_-;)

今日はアブレイユがベンチだと思っていた私の予想は大外れだ。

そこから二度寝&不貞寝をした。

8時前に再び起きて例のブログをもう一度読んでみた。

Melky Cabrera is 1 for his last 21 and is hitting .197 against lefties. … Matsui is hitting .342 against lefties but draws the short straw in the NL park.


数字はそのまんまだから問題ないが‘draw the short straw’の意味が分からない。

早速調べてみると‘貧乏くじを引く’という意味だ。
長さの違う藁を使って一番短いのを引いた人がみんながやりたくないことをやらされる。

藁ではないが、紙やマッチ棒で私も似たようなことをやったことがある。

去年までは松井に何があろうと‘ヤンキース勝て’という心境だったが、今年は若干違う。
こちらも予想できるような松井の欠場の時はまだいいが‘えっ、なんで松井がいない’という場合は、
応援が手抜きになる。

いやもっと正直に言えば‘負けてもいいぞ’‘負けてしまえ’という時さえある。

アブレイユは5タコだったが、6番に入ったカブレラは5打席で2-2、3BB、2RBIと活躍した。

一方松井は代打出場し、なんと2ゴロ併殺だった。

対左3割半ばの打者を休ませ、2割未満の選手を起用した名采配が的中したな・・・(>_<)

いわゆる伏兵達の活躍もあり、相手の敬遠策が大きく裏目に出て、8-4で完勝だった。
これでヤンキースは今季最大貯金の3となった。

先発のムースもこれで10勝目、リーグ最多タイだ。
そうそう先発のメンバー表を見て‘ムースが6番目に良いバッターに見える’という名言を
吐いた現地のファンがいた。

今や松井秀喜の‘肩書き’は外野手ではなく指名打者なのだから、
DHが使えない時は外されるリスクが高い。
ファンとしてもその現実を認識しなくてはいけないのは承知しているつもりだが、
実際はそう簡単ではない。

まあ、今日はお陰で1個英語のイディオムを覚えたが、別にどうでもいいことだ。

2008年6月14日土曜日

ジョバ先発転向の‘decision’が正しかったことを証明した‘no decision’~決勝HRはもう直ぐ34歳のキャプテン・ジーター~

ヤンキースは今日からHOUSとの3連戦。
DHが使えないので誰がベンチスタートになるか注目されたがデーモンが‘落選’という勿体なさ。

ピッチャーのマッチ・アップは写真だけみると‘Prison Break’の出演者と勘違いしそうな、
チェンバレンとチャコーンだ。

試合開始前にあった地震のせいか、それより昨日のインパクトのあった試合のせいか、
今日は実に淡々とした気分で観戦した。

試合は2-1でヤンキースの勝利。

3度目の先発となったジョバは6回1失点と初めてのQS、タイスコアのまま降板したので‘no decision’となったが先発転向の‘decision’が間違いでないことを証明した。

ジョバ不在で不安になると懸念されたレイト・イニングのブルペンも最近好結果を残して信頼を得ている
ベラスが2イニングをピシャリ。

不安図の代わりに育てているのかと思いきや、1点差リードで9回に現れたのはそのファーンズワース。

リヴェラが直近6試合中5試合も投げていたからノー・チョイスだった。

先頭打者を出塁させ‘劇場化’が懸念されたが相手の拙攻もあって2006年9月以来のSVを記録した。

8回に勝ち越しのソロのHRを打ったのはジーターだった。

昨日34歳のバースディ弾を打った松井に刺激されたか・・・(^。^)

因みにジーターは6月26日に34歳になる。

地味だが着実な野球で得た1勝、今季最多タイの貯金2になった。

あすのHOUのピッチャーはレフティ。
デーモンが連日休む訳はないので誰が‘落選’するか。
ローテ的にはアブレイユのような気がするが・・・。
その場合は今日しぶとく2安打した松井がライトを守るか。

最近5試合で21-1と悲惨なカブレラを休ませる発想はないのだろうか・・・(-_-;)

明日勝てば‘未知の領域’の貯金3になる。

2008年6月13日金曜日

34歳になった松井秀喜の初仕事は逆転のグランド・スラム~ケン・シングルトンの‘タンジョウビ・・・’四段活用?を堪能~

どこもかしこも6月12日の松井秀喜の誕生日で大騒ぎだ。
日本のマスコミは日本時間で12日の昨日から盛んにやっていたが、
本人にとっては飽くまでも現地12日が誕生日だ。
おまけに今は西海岸での試合だから日本との時差は16時間。
松井が何時に生まれたか分からないがひょっとしたら34歳と1日経過していたかもしれない。

ただ毎年こうして誕生日で盛り上がるのは、恰も毎年幼稚園児のイモ掘りをネタにする
ローカルニュースのようでもある。

ラインナップを見ると5番DH、誕生日にスタメンを外れるという悲劇は避けられた。

1回の表に早速松井の第1打席が回ってきた。
2アウト1,2塁の先制のチャンスだ。

マイケル・ケイがいないYESの実況はケン・シングルトンとジョン・フラハティだ。
ナリポンの個人的印象では二人とも松井シンパで、特にレギュラーのケニーは
かなり松井を評価している。

松井の誕生日を知っていて、打席に入る時には‘Birthday Boy’と紹介し、
その後には何処で仕込んできたのか‘タンジョビオメデト’と日本語で祝福した。

松井にフレンドリーな彼ならではの健気な努力に少し感激した。

驚いたのはYESが松井の過去の誕生日の打撃成績(14-4、0.286)まで紹介していたことだ。
他の選手の時にもやっているかは余り記憶にない。

しかし、34歳になった松井の初めての打席は巷では‘伝家の宝刀’とも揶揄されるセカンドゴロ。

2回の裏にOAKに1点先制される。

松井の第2打席は4回表1アウト1塁の場面だ。
シングルトンは再び‘タンジョウビオメィデトウ’

さっきと微妙に違う・・・(>_<)

ストライクゾーンの判定が不安定な今日の球審は松井を福福する気も全く無いらしくあえなく三振。

う~ん、33歳最後の方のミニスランプを引っ張ったままだな・・・(-_-;)

そして松井の第3打席、フラハティが松井への‘nice perfect present’と称した
ノーアウト・満塁のチャンスが回ってきた。

だがここでナリポンの弱気の虫が騒ぐ。

今年の松井は‘Bases Loaded’では弱いんだよな・・・(-_-;)
(後で調べてみたが6タコだった。)

最低でも打点1を挙げて同点にしないと戦犯確定、最悪の誕生日になってしまいそうだ。

松井は1-1からの3球目、高めの球を打った。
快音ではなかったが外野に飛んだ、と思ったらなんと途中からもうひと伸びして
右中間のフェンスを越えたのだ。

実況のシングルトンも一呼吸置いてから慌てて‘・・・Gone!’
そして今日3度目の‘タンジョウビオメビト’

段々遠ざかってるし・・・(-_-;)

フラハティは松井からファンへの‘great birthday present’と称賛した。

このところジオンビーの豪快な1発を見せつけられながら、HRの出そうな予感が一切しなかった松井が
誕生日に逆転となる(4-1)グランド・スラムとは驚いた。
そして最近冷めていた私も久々に熱くなった。

松井をホームで待っていたのがジーター、アブレイユ、A-Rodというのもなかなか絵になる。
今季は1試合のRBIは最大で2だったのが一挙に4というのも100打点を目指す意味では大きい。

34歳になって成長した松井秀喜は今シーズン苦手の満塁も克服したな・・・(^。^)

勝ちに飢えていたペティットもこの逆転をきっかけに締まった投球を見せる。

8回の第4打席、松井の名前がアナウンスされると歓声とOAKファンのBooが入り混じった。
オークランドはヤンキースファンも多いらしく、だからこそ移動を前にしたシリーズ最後の試合を
営業上の目的でナイト・ゲームにしたらしい。

結局、ペティットは8回1失点、9回はリヴェラが抑えて4-1のままヤンキースが勝利した。

松井がグランド・スラムを打った時に絶対勝ちゲームになってくれと思いながら、
他の選手が目立たないように全打点松井も捨て難いと思っていたが、まさにその展開になった。

試合が終了した瞬間、数多くのチームメイトやコーチにハイタッチを求められる松井、
その後方に広岡広報の姿があったのでNHKのインタヴューが来るかと思ったが、
なんとその行き先はYESのキンバリー・ジョーンズだった。

松井が呼ばれる実際の映像を見たのは初めてだ。

インタヴューの最後、ケン・シングルトンが日本語で誕生日を祝福しようして苦労していたという
話になると、松井は‘もっと日本語を勉強するように・・・’とコメント。

典型的な‘楽屋落ち’だがこれがキムに馬鹿ウケ、話を振られたケニーが苦笑いをしながら再び挑戦。

‘タンジョウビオデメド’

完全に混乱してドツボにはまったな・・・(@_@;)

結局ケン・シングルトンの4度の‘タンジョウビ・・・・’は全部違った。
そして、この‘四段活用’を耳にする私の心境もその都度異なっていたが結果が結果だけに堪能できた。

本来なら誕生日には松井にプレゼントをあげなくてはいけない立場だが、
逆に大きなプレゼントを貰ってしまった。
但し真のファンなら恐縮する必要もないと思う。

真のファンは誕生日に限らず常に情熱をもってこの男を応援しているではないか。
それが松井にとってはなによりのプレゼントになるに違いない。

2008年6月11日水曜日

何とも‘他人事’に感じた完勝~‘時差ボケ’だし、松井秀喜もマイケル・ケイもいないヤンキース戦なんて・・・~

ヤンキースは昨日の痛い敗戦の後、西海岸へ飛び今日からOAKとの3連戦だ。

試合開始は現地西部時間の夜7時、こちらの午前11時だ。
SEAファンには馴染み深い時間だろうが、私には不慣れな時間帯だ。

特にKCとの最後の3試合は連続でデーゲーム、こちらの夜中の2時スタートだったから、
9時間も違うと一種の‘時差ボケ’に襲われた感じだ。

この時間帯が好きでないの理由は他にもある。
夜出かけることは最近では年に5回もないが、逆に昼飯は週に3~4回は外で食べるのが私の日常だ。
それが‘禁足’される。

そして早々に手に入れたスターティング・ラインアップに松井秀喜の名前が見つけられなかった。

確かに直近は15-2と大スランプだ。
松井が止まっているだけでなく、他が6月のチーム打率が0.325と爆足で走っているから、
‘相対速度’で言えば、松井はまるで‘逆走’しているようにすら見える。

試合が始まった。
ハイ・ビジョン放送なので映像は極めて美しい。

ところが副音声が聞こえてくるとまたまたショック。
‘YESの声’とも言うべきマイケル・ケイがこのシリーズはお休みなのだ。

マイケル・ケイの実況がないヤンキース戦なんて・・・(-_-;)

身体が慣れてない時間帯、松井もいないし、マイケル・ケイもいない。

この段階で私はかなり冷めてしまった。

病人のナリポンにとってMLB開催期間の6~7ヶ月は、ヤンキースの勝敗、松井の成績が
基本的には毎日の‘メイン・イベント’だ。

淡々とした試合展開でヤンキースが3-1と完勝だった。
1か月以上勝ちがなかった王に伝家の宝刀のシンカーが蘇り‘ゲッツーはピッチャーの友’を具現した。
同点以外では完璧なリヴェラが無事セイヴを稼いだ。

試合時間2時間58分。

ヤンキースが勝ったのに、これだけ‘他人事’と感じたのも覚えがないことだ・・・(>_<)

明日は‘松井此処にあり’と思わせる活躍をして‘自分事’と痛感出来るヤンキースの快勝を望む。

今月後半はDHの使えないインターリーグ戦が数多くある。
誰を‘sit’させるか、直近の好不調も大きな判断材料になるのは当然だ。

2008年6月9日月曜日

ヤンキース今季3度目の野手最強布陣で順当勝ち~ジョバの‘付属品’ダン・ガイス(Dan Giese)のメジャー初勝利を祝す~

これが今日のヤンキースのラインアップだ。

Damon DH
Jeter SS
Abreu RF
Rodriguez 3B
Matsui LF
Giambi 1B
Posada C
Cano 2B
Cabrera CF


打順やポジションを無視すれば実によく見なれた9人だ。

しかし実はこの9人が揃い踏みをするのは、今日を含めてたったの3度しかない。
63試合中3試合ということになる。

A-Rodとポサーダの長期離脱を含めた怪我人の影響だが、やっと最強布陣が整った。

このオフェンスで負けたらしょうがないな・・・(^。^)

今日の先発ピッチャーはスターター2度目のチェンバレンだ。
球数制限75前後で臨んだ。
4.1/3をポサーダのパスボールと昨日から打ちまくっているギーエンの2ランHRで3失点。

マウンドを降りるジョバに観客は拍手を送っていたし、YESの解説のパーフェクト男デービッド・コーンも
今日のピッチングを評価していたが、私のような素人目には物足りなさがあった。

ジョバの後を受けて登板したのはDan Giese だ。
Gieseのカタカナ表記は色々あるが、私は自分の耳を信じてダン・ガイスとしておく。

彼は31歳、メジャー経験は2007年にSFで8試合にリリーフ登板しているだけだ。

ジョバ先発転向計画の中でその2番手を務めるロング・リリーバーとして昇格し、
前回は3.2/3を投げて1失点、負け投手になってしまった。

彼は所詮ジョバの‘付属品’扱い、100球投げられるようになったらお役御免になるのかな・・・(-_-;)

そう考えると、妙にこの男を応援したくなった。

この時点でヤンキースは2-3と1点リードされていた。

5回の裏の攻撃の先頭は昨日6-6だったデーモンだ。
今日はそれまでノー・ヒットだったが、ジョバが降りた直後いきなりレフト線にトリプルを放った。

ジョバの先発転向を疑問視しているデーモンの‘言行一致’だな・・・(^。^)

ここで同点に追いつき、6回にジオンビーのソロHRで勝ち越し、
その後もA-Rodの3塁暴走付2ランダブルで加点。

ジョバの後のピッチャーは無失点に抑えて6-3で順当勝ちした。

最近は‘不必要に’劇的な勝ち方しかしてなかったが、こういう安定感のある勝ち方こそが
長いシーズンを戦うには必要なことなのだ。

これで久々に貯金1、ガイスはメジャー初勝利を挙げた。

思いっきり表舞台を歩くジョバの陰で地味な1勝だが、勝ちが近づくとベンチで笑顔を見せ、
勝利が決まってみんなから祝福されている姿は美しかった。

それぞれの人生にそれぞれの一瞬がある・・・(^<^)

今日の最強メンバーが記入されたラインナップカードとリヴェラがクローズしたウイニングボールは
ガイスにとって一生の記念になったに違いない。

個人的にはロング・リリーバーとしてしばらくブルペンに置いていいと思うが・・・(^。^)

決勝HRを打ったジオンビーだが守備でもひとつ見せ場があった。
強烈なライナーを横っ飛びでナイス・キャッチ。
その後は、五輪出場を決めた直後の男子バレーの植田監督のように大の字に倒れた。

ナイス・キャッチと言えばKCのセンター、ガスライトだ。
ポサーダ、カノー、そして松井が彼の‘餌食’になった。
特に松井の打球をダイブして捕球したシーンは何度もVTRで流していた。

同時にガスライトがSTで1塁へ走る途中で野手と交錯し、野手を‘飛び越えて’行くシーンや、
地下駐車場で助走をつけて車を‘空中横断’するシーンが流された。

あの身体能力じゃ諦めるしかないな・・・(-_-;)

明日は4ゲームシリーズの最終戦、明日も順当に勝って
今季最多タイの貯金2(サビシイ)にしようではないか。

2008年6月8日日曜日

ジョニー・デーモン、髭剃って靴下上げれば6-6~ヤンキースが馬鹿試合を目出度く逆転サヨナラ劇で制す~

2日前の代打逆転サヨナラ劇を‘今季のベスト・ゲーム’だと認定したジラルディは
今日の試合をどう表現したのだろうか。

今日は2度も4点リードされながら追いつき、1点勝ち越しされたその裏に逆転してサヨナラで
勝った訳だから、こっちのほうが‘ベスト・ゲーム’に相応しいかもしれませんぞ。

‘この試合’を観戦しながら、私は‘あの試合’を思い出していた。
覚えているだろうか、私を激しく打ちのめした5月27日の対BALの敗戦。

ヤンキースが2度も4点リードしながら同点にされ、延長に入って松井が勝ち越し打を放った裏に
逆転サヨナラ負けを喰らった試合だ。

今日のKC戦はある意味まさにあの試合の‘雪辱’になった。
BAL戦で凹んだ分、凸っていい筈だ。
ところが観ていた私は勝ったのは勿論目出度いと思ったが、実はどこかで確実に冷めていたのだ。

点の取り合いと言うより‘点の取られ合い’のイメージが強い馬鹿試合だった。
去年のペテイットは勝ち星に恵まれない不幸を乗り越えて仕事をする頼もしい奴という印象があったが、
今年はここぞという時に当然のように打たれる。

ナリポンが個人的に推奨しているラズナーが、昨日の試合で8回2失点の好投をしながら
負け投手になってしまったことへの‘哀悼’の意識もある。

あとはヒルマンに悪いが相手がリーグ最低勝率をSEAと争っているKCだということだ。

こっちだって地区最下位チームだから大きなことは言えないが、
今の状態のKC相手にこれだけ苦戦するのが情けない。

5割をキャップにしてピリッとしない巨人だって交流戦の対ロッテはきっちり4連勝したじゃないか。

今日のヒーローは文句なしにデーモンだろう。
固め打ちの得意な男だが6打数6安打4打点、最後の逆転タイムリーを決めたのも奴だ。

2日前のジオンビーに続きまた‘ミスター髭’がサヨナラを決めたと思いきやそうではない。

昨日のデーモンは5タコで連続ヒットも14でストップした。
多分、そのせいだと思うが今日は髭を剃って登場した。

その分ソックスを上げてクラッシック・スタイルで臨んだのだ。
2003年の松井も同じ方法をして5-4(1HR、3ダブル)だった。

モンデシーからメールでも貰ったのかね・・・(>_<)

デーモンは勿論偉いが、個人的には9回裏に同点HRを打ったポサーダも偉い。
9回表に勝ち越しソロHRを浴びたリヴェラは、4月のTB戦で負け投手になったことがある。
あの時は淡々とした感じだったが今日は明らかに神妙な表情だった。

マイケル・ケイが‘shocking home run’と言ったように一瞬にして球場内が静まり返った。
それがポサーダの同点弾で歓声が戻り、サヨナラへの流れを生んだのだ。

今日の松井はスタメンを外れた。
8回には‘代打・松井’を促すようにYESのカメラがしきりに松井の大顔面を捉えるが、
結局この‘wild party’に参加することは無かった。

私が今日の勝利に妙に冷めているのはそのせいもあるかもしれない。

2008年6月6日金曜日

The Giambino~代打の一振りで‘9二死一勝’を得たヤンキース、救われた多くの戦犯候補~

9回裏8-6でTORが2点リード、マウンドにはBJライアンが上がった。
ヤンキースの攻撃は2番ジーターからだから打順的には悪くは無いが、
慌てて対戦成績を調べて唖然とした。

ジーター(0.167)、アブレイユ(0.250)、A-Rod(0.000)、松井(0.095)

確かに苦戦しているイメージは強いがここまで悲惨だったとは・・・(-_-;)

あっさり2者凡退した後、エロが三遊間をしぶとく‘抜ける’ヒットで出塁、
すかさずdefensive indifferenceで2塁へ進む。

ここでバッターは松井だが今日のヤンキースはRISPで10-1、そのうち3回の失敗は松井自身だ。

あ~あ、これで松井が凡退してゲームセットだと辛い1日だな・・・(-_-;)

しかしそこは松井も意地を見せてセンター前にRBIシングルを放ち1点差にした。

マイケル・ケイが‘Yankees still alive.’と叫びながらも、
9回表にファーンズワースが失った1点を恨めしそうに語った。

ここで登場したのが代打のジオンビーだ。
今日スタメン復帰したポサーダが代走を出されて、その後キャッチャーを務めていたモリーナの代わりだ。

ライアンとの対戦成績は14-2(0.143)と厳しいがHRを1本打っている。

1球目は超フルスイングの空振り、2球目は1塁線へぎりぎりのファウル。
そして3球目だった。

思いっきりのスイングで弾けたボールは文句無しの角度でライトスタンドへ飛んだ。
問題はフェアなのかファウルなのか。

実はボールがどこに飛んだか私にはよくわからなかった。
頼りにしたのはマイケル・ケイの実況だったが、彼の‘癖’から判断すると最後は
‘Foul’で溜息を吐くパターンだと思った。

ところが‘Gone! See Yah!’だったのだ。

9回2アウトランナー無しからの見事な逆転劇だ。

こういうのを‘9二死一勝’を得ると言うんだよな・・・(^。^)

ホームでジオンビーを迎える選手達、負け試合だったら明らかに戦犯扱いされていた面々がズラリといた。

そうなのだ、今日のヤンキースは投げてもダメ、打ってもダメ、そして5失点につながったカブレラの
致命的な守備のミス、戦犯候補だらけだった。

ファンとしては目にしたくないプレイをこれでもかと見せつけられてヘトヘトっだったが、
それに耐えて最後まで観戦した者だけが味わえた歓喜の勝利だった

マイケルは‘the best win of the season’と絶叫していたが、本当にそうだろうか。
土壇場で負けを勝ちに変えたという意味では確かにそうかもしれないが、
dramaticではあるがbestとは言えない気がする。

‘勝ちゲームに戦犯はいない’は私の口癖だが、ファンダメンタルな部分で
反省すべき点は大いにあるゲーム内容だった。

‘The Giambino’とはベーブ・ルースの愛称‘The Bambino’を真似たジオンビーの愛称だ。
彼の今日の一振り、あの打球はさすがHRバッターだと唸らせるものがあった。

最近のジオンビーには別のニックネーム‘Mr. Mustache’もある。
口髭を生やし始めてから打撃が好調になった。

それにあやかったデーモンはまさに絶好調だ。
2003年の松井のソックス上げじゃないが、何がきっかけになるかわからない。

鬚を生やして成績が上がるならみんなでやってみようか、先ずはカノーだな・・・(^。^)

借金2になるところを再びイーブンにした。
もう借金生活には戻りたくない。

2008年6月5日木曜日

‘大貧民仲間’の松井秀喜、ムースが今や‘大富豪’~革命的にふたりそろってオールスター出場?~

数年前の報道だが、松井秀喜はチャーター機で移動するとき機内でトランプの‘大貧民’に
興じているというのがあった。

メンバーは広岡広報や通訳だが他にムッシーナも常連らしい。

MLB随一の金満球団の機内で‘大貧民’というのもラブリーだな・・・(^。^)

その‘大貧民仲間’の松井とムースが今や‘大富豪’なのだ。

松井はア・リーグの首位打者、ムースは今日の勝ち星でア・リーグの1位タイとなる9勝目を挙げた。
松井も2安打したが2安打目は貴重なインシュアランス・ランになるRBIシングルだった。

開幕前の松井はスタメンも危うい‘大貧民’、開幕時は打順が8番で‘貧民’だったが、
他の‘平民’達が不調で押し出されて‘平民’に昇格。
その後はまさに結果を残すことで、不動の中軸を打つ‘富豪’になった。

そしてついについに5月の初めにはリーグ首位打者に躍り出て‘大富豪’になった。
但しその後すぐに陥落し、終値ベースで一時0.345の高値を記録した打率が2週間後には
0.297まで続落した。

まあ結局は、居心地のよい0.290~0.310に収斂するのか・・・(-_-;)

ところがそこから見事なV字回復、5月末には首位打者に返り咲き、日々アップダウンを繰り返しながら、
今日現在では首位をキープしている。

一方、ムースは先発ローテ3番手の‘平民’スタートを切るが、いきなり1勝3敗と負けが先行して
‘貧民’に陥落。

ところがそこからの盛り返しが凄まじかった。

BAL戦で初回ジーターのエラーに足を引っ張られて自責点1、失点7、1回持たずに2/3で降板する負けはあったが、それ以外の8回の登板ではすべて勝利を収めているのだ。

前回の8勝目で松坂他と並んで勝ち星でトップ、昨日ソーンダース(←相場師的には最悪の名前)が
9勝目を挙げて一歩リードしたが、今日再び並んだ。

こうしてムースは‘貧民’から‘大富豪’に順調に昇格したのだ。

おまけに、このふたりの‘大富豪’は‘最期’のヤンキースタジアムで開催される
オールスター・ゲームに出場できる可能性も高まってきた。

松井はBOSの黒豚君のDL入りで‘繰り上げ当選’が濃厚だし、
監督が選ぶ投手陣もムースが今の位置をキープすれば‘当確’らしい。

大貧民というゲームのルールの中に同じ数字の4枚のカードを出すことによって、
強弱の秩序を逆転させることができるものがある、その名も‘革命’だ。

言いすぎかもしれないが、今の松井とムースはまさに‘Revolution’だ。

シーズン前にこのふたりが、タイトル争いを演じ、
オールスター出場を果たすと予想できた人は皆無に近いだろう。

日程の3分の1強を終了して‘大富豪’の地位にいるのを目の当たりにしても、
終了時に‘大富豪’でいられると予想する向きは極めて少ないに違いない。

私も例外ではないが、むしろそっちの方が良いかもしれない。

ダークホースは少しでも本命視された瞬間、価値も魅力もなくなるものだ・・・(^。^)

2008年6月4日水曜日

Joba Mania~チャンバレンのスターター転向に伴う熱狂と試練と代償~

ヤンキースのジョバ・チェンバレンの初めての先発登板を巡って
現地では‘Joba Mania’という言葉が生まれるほど熱狂していた。

或る者はThe Beatlesがアメリカにやって来た時以上の大騒ぎだとジョークを飛ばしていた。
ニューヨーク・メッツのペドロ・マルチネスの復帰登板と重なるこの日を‘Super Tuesday’と
一面で扱ったところもあった。

それほど人気のあるジョバだが先発転向へのファンの支持は意外と冷静な数字だった。

セットアッパーの役割を続けるか先発転向をするか、シーズン前からファンの投票をやっていたが、
いつも50:50の近辺をうろついていた。

ジョバの先発転向の方針が公になった後でもそれを支持するファンは私が知る限りでは
高々55%だった筈だ。

セットアッパーとしてのジョバからクローザー、リヴェラへの盤石リレーを好むファンが
根強くいたということになる。

別にジョバに代わるセットアッパーがいればいいのだが、ファーンズワースでは無理だと
ファンは知っているのだろう。

実際、ジョバがブルペンから実質外れた後のファーンズワースの成績は良くなかった。

昨日の試合では同点の場面で登板して案の定敗戦投手になってしまった。

根がペシミストで何かと物事の流れを読みたがるナリポンとしては昨日のあの段階で、
今日のジョバの失敗を予想するのが至極当然のことだった。

If anything can go wrong, it will.

いとも簡単にマーフィーの法則が発動したのだ。

65球という球数制限があったから勝ち負けの対象になる5イニングは難しいと思ったが、
2.1/3(62球)での降板は自責点が1点とはいえ大きく期待を裏切った。

実際にオンライン投票の5段階評価ではこんな感じだ。

What grade would you give Joba Chamberlain for his first start?

A 1%
B 5%
C 27%
D 39%
F 28%


せめて昨日か今日の試合に勝っていればまだしも、連敗してしまったから
代償を伴うシーズン中の‘実験’を批判する向きもある。

スプリング・トレーニングじゃねーぞ・・・<`ヘ´>

ハンクが夢見るようにジョバはヤンキースを担うエースとしてこの先15年間チームに
貢献するかもしれない。
その可能性は十分あるし長期的には望ましい絵だ。
そう考えれば今日の1試合も試練に過ぎない。

ただスターターとしての価値がセットアッパーとしての価値をいつになったら上回るのか、
そういう短期的な問題もある。

昨日打たれたファーンズワースに関してはこの先も不安が大きい。
セットアッパーとしての力が足りないから、ジョバに任せていたのだ。
そのジョバがスターターになるからと言ってセットアッパーに戻しただけで急に機能する筈もない。

かもめはかもめ、不安図は不安図なのだ・・・(>_<)

去年の今頃のヤンキースもある熱狂に包まれていた。

そう‘Rocket’ことクレメンスだ。
調べてみたら、6月9日のシーズン・デビュー戦で勝っている。
スコアは今日と同じ9-3でチームの成績は29勝31敗、借金2というのは
今日終了時点の成績と同じだ。
但し去年はこのクレメンスの登板を挟んで9連勝していて、借金2も最大借金8からの
盛り返し過程であり、今とはモメンタムが全然違う。

‘Joba Mania’のmaniaには医学用語で‘躁病’という意味もある。

このまま弱いヤンキースが続けば間違いなく熱狂は冷めて‘鬱状態’に突入だ。

今日の松井はね~、第1打席はマイケル・ケイが‘big’を何度も連呼するほど
価値あるヒットだったんだけどね~。

2008年6月1日日曜日

ヤンキースは連日の1点差ゲームを制す~首位打者松井秀喜の打率に‘連動’する我が体温?~

昨日はヤンキースが接戦を制し、松井秀喜も3安打2打点の活躍でブッチギリの首位打者キープ。
嬉々として記事のアップがあって当然な地合いだったし、実際アクセス数も多かった。

無駄足を踏ませてしまって大変申し訳ない。
実は金曜の夜からやや体調を崩していた。

このところ何気に好調だったので、久々に病人のidentityを回復した感じだが、
別に心臓ではなく、どちらかというと風邪に似た感じだ。

最近の松井の記事を読んでいると‘heat up’とか‘redhot’とか‘on fire’とかの文字に
ぶち当たってしまうから、その影響で熱っぽくなってしまったのかもしれない。

それでも勿論ヤンキース戦は観戦。

ただダンカンのいきなりのエラーを見せられ悪寒が走り、松井の2打点目の内野安打でワクワクし、
ヴェラス投入でヒヤヒヤし、不安図が被弾して背筋が寒くなり、リヴェラが最後ピシャリとやるまでは
大変だった。

相手選手の名前もマウアーだのモルノーだけじゃなくモンローまで出てきて、
やや‘朦朧’とした意識に襲いかかる。

野球を最後まで見守る体力はあったが、その後は泥のように寝てしまった。
起きても頭はさっぱり動かず書くのはあっさり断念した。

松井の打率は3割3分9厘か、俺の体温に連動すれば3割8分も狙えるな・・・(^。^)

ここでナリポンの発熱時の‘三種の神器’が登場。

‘CCレモン(自分で果汁を搾る)’‘鍋焼きうどん’‘ハーゲンダッツ(カップ)’

CCレモンは普段は飲まないのだが、病気になると無性に欲しくなる。
ビールの中ジョッキに氷をどっと入れて、レモン果汁を搾る。
その昔、正月に高熱にうなされた時に威力を発揮した記憶が残っているせいか、
いまだに‘ご利益’があるような気がする。

昼あれだけ寝たのに、病気の時はいくらでも寝られるし、寝た分それなりに快復する。

さすがに寝過ぎで今朝は早めに起きたが熱は幾分下がっていた。

う~ん、これはヤバイ、松井の打率も下がりそうだ・・・(>_<)

8時過ぎからネットでライブ観戦開始。
松井はいきなりあわやHRのダブルをレフトへ放った。

おや、俺の体温に逆行してるじゃん・・・(^。^)

試合は相手に2点先行されるが、3回の相手エラーにつけこみ逆転した。

2アウト2,3塁、バッターはA-Rod、世が世ならあっさり歩かされてもおかしくない場面だが、
リーディングヒッター松井が‘背後霊’になり勝負せざるを得ない。
これがエロのタイムリーに繋がったとも言える。

その後、点の取り合いになり6回を終わって6-5の1点差のリード。
最後はリヴェラがいるとは言え‘Joba-less’のブルペンは辛い。

そして唯一信頼できるラミレスが同点弾を浴びてしまう。
今季初失点だ。

但し、そこから奇跡のヴェラス、不安図リレーで無失点、延長戦に突入する。

10回裏、打たれた瞬間目を覆いたくなる大きなフライがライトを襲うが‘フェンスGJ’でHRではなく、
トリプルになり結局は無失点に抑えた。

12回表についに勝ち越したヤンキースがその裏リヴェラのあっさり‘1-2-3イニング’で勝利。

連日の1点差ゲームを制した。

試合時間4時間35分、
病人には長過ぎたが、まあ勝てばどうってことは無い。

と言いながらも相変わらず頭は動いていないので駄文にて失礼。

松井は6打席4打数1安打1得点2四球で打率は0.337、首位打者は余裕でキープも
打率はやや下げた。

う~む、俺の体温に連動するならここは身体を張るしかないかな・・・(@_@;)

因みに今日の試合で最大の‘癒し系’はジオンビのタッチアップシーン。
両手を思いっきり高速で左右に動かして、前進するのはピョコピョコ、ドタドタ・・・(^。^)

2008年5月29日木曜日

ヤンキースが勝って松井秀喜が首位打者に返り咲いたのに・・・~いまだに昨日の‘一敗’で二日酔い状態~

昨日のヤンキースの逆転サヨナラ負けを観た後に思ったことがある。

‘この試合を観られなかった人々は幸いである’

今年のヤンキース観戦で昨日ほど打ちのめされたことは無かった。
リアルタイムで観て、途中1時間チョッとの中断があって、試合展開に心を揺さぶられて、
そして最後は木端微塵。

結果が出るまではあれこれと言うが、結果が出たら一種の従順さを持っていると自負しているが
昨日はまるで違った。

負けという結果がどうしても許しがたい・・・<`ヘ´>

ヤンキースがサヨナラ逆転負けを喰らっただけでも十分に悲劇なのに
一旦は勝ち越しのタイムリーを放って大ヒーローになりかけた松井の活躍も消されて
‘Wの悲劇’になった。

向こうの掲示板でもファンが大荒れだった。

直接的には最後逆転されたホーキンスに対する非難が最も大きかったが、4点のリードをあっさり
ブローしたケネディとオーレンドルフ、随所に集中力を欠いていたジーター、ノーアウト満塁で結果的には
併殺に倒れたA-Rodも叩かれていた。
勿論、恒例だが監督のジラルディとGMのキャッシュマンをFireせよの声も上がっていた。

私は誰がどうというより、もっと漠然としたチームそのものに溜息をついていた。

3度も勝てると思ったのに最後は負けてしまったことが大きかった。
8-0をジワジワと追い上げられて逆転されるのとは違うのだ。

でも、そんなこと野球ではよくあるじゃん・・・(^。^)

と言われそうだ。

ところがいろいろなところを‘散策’して見つけたが、4点以上のリードを1試合で2度ひっくり返されて
負けたのは1939年以来だそうだ。
やはりそう滅多にあるものではない。

だから自分が見たうちで‘worst game’と断言しているファンもいた。

まあ、どう負けようが1敗は1敗なわけで、今日の試合を勝てば取りあえずその分は消せる。
昨日の接戦をものにしても、今日普通に負けたら同じじゃないかと言われればその通りとしか返せない。

で、今日のヤンキースは無難に勝った。
このシリーズ負け越しはしたが‘SWEPT’は避けた。
今日も‘きっかけの松井’は健在で、2本のダブルで2度生還した。
打率も3割3分にして、めでたく首位打者に返り咲いた。

それでもどうしてもいまだに、昨日の1敗が埋められないのだ・・・(-_-;)

まるで学生時代に安い酒を‘一杯’飲んで二日酔いに襲われた時のようだ。

因みにその後のナリポンは大酒飲みになったが、二日酔いとはほぼ無縁だった。
物理的には毎日欠かさず飲んでいたから‘二のN乗酔い’状態が続いていた筈だが、
そこは酒量を知った大人、時間をかけてじっくり飲む人生で切り抜けた。

明日はヤンキースの試合が無い。
この‘休肝日’を利用して正常な心理状態に戻したいと思う。

2008年5月26日月曜日

ヤンキースは‘ビタミンSEA’のお陰で元気回復、5割復帰~松井秀喜が‘非存在’でみせた存在感~

案の定、松井の名前はラインアップに無かった。
それはそれで淋しいが、逆にチョッと嬉しいこともある。
松井が先発を外れるとそれを惜しんだり監督批判をする書き込みが現地のファンからもあるのだ。

・いくら対戦成績が悪くても絶好調のマツイのほうがダンカンよりはいいだろう。
・マツイが中軸にいないと打線が繋がらない。

松井がいなくても今なら勝てるだろうと思っていたが、終始リードされる展開。
7回に2点失って3点差になると、さすがに真夜中の観戦はしんどくなった。
それでも寝なかったのはA型体質と松井の代打待ちのせいだ。

そして8回裏のヤンキースの攻撃で目の覚めるようなことが起こる。
四球で出たジーターがアブレイユのダブルで先ず1点。
エロが歩き、ジオンビが際どい判定で三振に倒れると代打松井の登場だ。

状況が状況のせいか、松井が好調なせいか、或いは単に私の‘贔屓耳’のせいか、
観客の歓声が今日一番の大きさに聞こえる。

ここで3ランHRを打ったら間違いなくカーテンコールだな・・・(^。^)

そんな夢もあっという間に砕かれた。
プッツの初球をひっかけてゴロが転がった。
私だけでなく恐らく観客も溜息をついたに違いない。

YESのマイケル・ケイは‘could be a tough play’と冷静だった。
ソフト・グラウンド・ボールが余りにもソフトだったために、
プッツの‘死のダイブ’を呼び、慌てた彼は1塁へナックル悪送球をする。
記録は内野安打、送球エラーで1点が入りなおも1アウト1,3塁のチャンスが続く。

おお、なんというラッキー・トシヨリ・・・(^。^)

ここでヒットは打っても‘最低限の仕事’は下手なカノーがセンターへ文句無しの犠牲フライ。
3塁のエロは勿論だがここで1塁の松井がタッチアップをする。

普段はセーフティな判断しかしない松井が何とも果敢な走塁だ。
イチローにとっても全く想定外だったに違いないが、実はエロも慌てた。
自分がホームインする前に松井がアウトになると得点にならないから急遽加速した。

勝ち越しのランナー松井が2塁へ進んで、外野は浅目の守備を取らざるを得ない。
モリーナの打球はそのイチローの右を襲うダブルになり、松井が楽々と生還し勝ち越した。
イチローが定位置にいれば捕れた可能性は高かった。

イチローは不用意に松井の2進を許してしまったことで、若干混乱していたかもしれない。

1点のリードをリヴェラがいとも簡単に守り、このシリーズ‘4度目’のニューヨーク、ニューヨーク♪
が場内に流れた。

鮮やかな逆転劇だったが、7回以降ひっくり返したのは今季初だそうだ。
そう言えば、この前の初サヨナラ勝ちも松井のウイニング・ランだった。

私がよく口にすることだが‘存在しないことで存在感を出せる人は少ない’

人は自分がいなければ会社は困るだろうと考えたがるが実際は何とかなる。
自分がいない飲み会は盛り上がらないだろうと考えたがるが実は普段より盛況だったりする。

‘非存在’による存在感といってもいいだろうか。

今日の松井は‘非存在’によって存在感を示し、かつ途中出場で文字通りの‘存在感’を示した。

あんなショボイ当たりでそんな風に考えるのは松井ファンの妄想だと思う人もいるだろうが、
そうでもないのだ。

昨日の記事で紹介した松井に辛口の記者は今日はオフだったが、試合後ひとつだけ記事を書いていた。
タイトルは‘Matsui plays a key role in win’

Matsui is not very fast. But he’s one of the smartest players in the game.

人間変われば変わるもんだ・・・(^。^)

私は‘取りこぼし’という言い方に潜む安易さが嫌いだ。
勝率が6割あれば御の字のスポーツで絶対的優位なんて当てにならない。
ましてや今のポジションにいるヤンキースにとって‘取りこぼし’を口にするのは驕りそのものだ。

それを承知のうえで敢えて言うが、今のSEAに負けるのは‘取りこぼし’だ。

昨日の勝利でスウィープを確信した私はある言葉を思いついた。

‘ビタミンSEA’だ・・・(^。^)

ビタミンは人を元気にするものの比喩としてよく用いられるが、
まさにヤンキースはこの‘ビタミンSEA’のおかげで元気を回復して、勝率を5割に戻した。

問題はOAKにスウィープされたBOSが明日からこのビタミンを服用できることだが、
是非‘取りこぼし’を願いたいものだ。

最近のNY紙の一面は毎日がランドルフのFIREネタばかりでヤンクスファンにはつまんない。
SEAの監督はどうなのだろうか。
まだ1年経っていないから議論の対象になっていないのか。
勝ち越し監督を解任するという暴挙が結果としても証明されたかたちになっているが、
その裏にいたとされる説も根強い鈴木君はどうも情緒不安定に見えた。

2008年5月25日日曜日

松井秀喜のトレードを主張していたヤンキース番記者が自分の非を認める~I was really, really, really wrong.~

それは松井秀喜が今日の第1打席で左中間にグラウンドルール・ダブルを放った直後だった。

‘The Journal News’でヤンキースの番記者をしているPeter Abrahamが自分のブログに
次のようなコメントを書いた。

A few weeks ago I wrote that Matsui was a spare part and could be a trade candidate.
It would seem that I was really, really, really wrong about that.
(数週間前にマツイは余剰人員でトレード候補だと書いたが、それはどうやらとんでもない間違いだったようだ。)


いつものことながらナンチャッテ訳なのでそこは勘弁ね・・・(^。^)

それにしても‘reallyの3連発’だ。
素直に見れば自分の非を認め、大いに反省している感じだがどうだろう。

前に書いたというのは4月4日のことでこれを指していると思われる。

I think the next trade the Yankees make could be Hideki Matsui for prospects after the season. Godzilla has become a spare part, especially if Shelley Duncan shows he can DH every day.
(ヤンキースの次のトレードは今オフにマツイでプロスペクトを獲得することになるだろう。ゴジラは余剰人員になっている、特にダンカンがレギュラーでDHができることがわかったらなおさらだ。)


2月9日にはこんなことも書いている。

If Hideki Matsui shows he’s healthy this spring, the Yankees should trade him. Matsui is a guy who played literally every day for years. He’s not going to be effective as a part-time DH and occasional left fielder. Let Jason Giambi DH. As a bench player, Matsui is fairly useless beyond having some pop. He can’t run, bunt or play much defense.
(もしマツイの体調がこの春大丈夫だったら、ヤンキースは彼をトレードすべきだ。マツイは何年間も文字通り、毎日プレイしてきた男だ。日替わりでDHをやったり時折レフトを守ったりでは効果的ではない。ベンチに置いておいてもポップフライを打つぐらいで役には立たない。走れないし、バントもできないし守備要員になれない。)


この記者が一貫して松井のトレードを主張しているのがはっきりわかる。

そもそも彼は松井に対して辛口だ。
連続安打を記録していた時も‘毎試合1本ずつ点にからまないヒットを打っても意味がない’
といったような趣旨のコメントを書いていた。

辛口だけならまだ許容できるが、松井が大活躍してもこの記者はそれを軽視、
或いは無視するのは頂けない。
イチロー好きは自分で公言しているから、逆に松井は嫌いなのかもしれない。

その男が‘really3連発’で自分が間違っていたと認めたが、この3連発は、
まさに松井秀喜の予想を遙かに超えるパフォーマンスが生み出したと言っていいだろう。

普段彼のブログには大変世話になっているので‘ザマーみろ’とは言わない。

He who makes no mistakes makes nothing.
(過ちのない人間は何も作り出さない)


開幕直後松井に8番や7番を打たせた監督もいたが、彼も悔い改めたではないか。

そう言えば昨日私に間違いを晒された森中直樹も今日の放送では‘2005年まで’と言っていたらしい。