2010年4月27日火曜日

松井秀喜がMLBで1000安打を達成、だから何?~彼の野球観を知っているファンは騒がない~

松井秀喜がMLBでのキャリア1000安打を達成した。
しかし、だから何?

所謂マイルストーンに違いは無いが私は結構冷めている。
打者としてより多くの安打を打つのは勿論評価されて然るべきだが、
安打数や打率が万能であるかのような風潮にはうんざりしているからだ。

そんな風潮を作り上げたのは連続200本安打を9年続けているイチローのカウンタダウン商法と
それに安易に飛びつく不見識なメディアだ。
あれだけの露出があれば途轍もない偉業のような錯覚に陥る一般人が量産されても仕方が無い。
特に野球と言うスポーツを理解していない層への影響は甚大だ。
実際、日本を代表するメジャー・リーガーとしてのイチローを知っていながら、
その所属チームさえ言えない連中は私の身の回りも少なからず存在する。
滑稽なのはそのチーム名をヤンキースと間違えたオバサンがいたことだ。

ピッチャーが三振を奪い、打者がヒットを打つ。
その数の多寡は基本的にはチームの勝敗への貢献度と正の相関があると思われるが、
完全ではない。
特にチームの勝敗より個人の記録に執着するタイプの場合はやっかいだ。
本人は好成績でありながらチームの不協和音を招き弱体化させかねない。

松井秀喜の場合は明解だ。
自分が全打席で安打としての完成形であるHRを打ち試合に勝つのが理想だがそうはいかない。
3安打打ってもチームが負ければ表情は厳しい。
逆に1安打直接勝敗に絡むクラッチ場面で打てれば満足気だ。
極端な話自分がタコってもチームが勝てればよしとする。

安打の数だけではなく安打の持つヴァリューを重要視するのだ。

松井の今までの野球人生の中で最も価値のある安打として多くの人の記憶にあるのは
2009年のワールドシリーズ第6戦の先制2ランHRだろう。
彼の野球観で常に最優先されるのはチームとして頂点を極めること、
そしてそれに自分がどれだけ貢献できるかが大問題なのだ。
それをまさに理想的な形として実現させたのだ。
6試合あったワールドシリーズで松井が放った安打はあの先制弾を含む8本に過ぎない。
これは守備に就かなかったことによるものだが、そのたった8本という
本数ではなく文字通りvaluableな打撃の内容だったからこそMVPの座を勝ち取ったのだ。

野球ファンなら当然承知しているだろうが、
あの偉大なる1本は今日達成された1000本の記録には属さないものだ。
まさに記録より記憶なのだ。

だから松井の野球観を理解しているファンなら1000本安打では騒がない。

昨日の報道にはこうあった。

「自分が積み重ねた数字には関心がない。引退したら、ゆっくりと振り返ればいい」と素っ気ない。

いつも通りのコメントだが、読んでその一点の曇りも無い素っ気なさに
益々惚れてしまった。

メディアも節目だから報道しないわけにはいかないだろうが、
十中八九‘単なる通過点に過ぎません’と言うことはわかっている。

どうせなら‘所詮通過点である1000本安打にあと1本と迫っていた松井秀喜は今日の試合で無事通過しました。’ぐらいのことを言えばいいのに・・・(>_<)

因みに現地では昨日の敵方のYESではあと1本と紹介していたが、
今日の地元FSWでは達成した直後に事実を伝えただけだった。
観客はLAAではまだ23本しか打ってない男をスタンディング・オベーションで称え、
松井もヘルメットを脱いでそれに応えた。
記念のボールは回収された。
実に淡々とすっきりとした流れだった。
その後映し出されたのはほぼスペースを占有する日本人記者と日本人カメラマン達の姿だった。

2010年4月24日土曜日

松井秀喜に代走が出るとホーム生還率100%チーム勝率10割~だんだんNYYが憎き敵に思えてきた~

今日からNYYを迎えての3連戦。
5連勝の後1点差で2連敗中のLAAとしては手強すぎる相手でやや恐怖していた。

前回ヤンスタで行われた時は例の感動的なリング・セレモニーもあったせいか、
文字通りお客さん感覚で1勝2敗でも仕方が無いかといった感じだった。
だが今日の試合では心からNYYが憎き敵に思えてきて、絶対勝ちて~という気持ちで一杯だった。

試合展開だけでなく他の要素もあったのも事実だ。
去年までは敵地にいるヤンキースファンの姿を何気無く目にしていたが、
ジーターの同点ダブルで大歓声が沸いたときは‘裏切り者’の多さにやや腹が立った。
そして決定的だったのはてテシェイラのホームでの激突騒ぎだ。
今日がキャリア初のスタメンだったキャッチャーのウィルソンに不必要なアタックをして負傷させた。
この球場に来ると相変わらず打席に入るたびに激しいブーイングを浴び、
死球騒ぎもあったから何となくやっちまったのかもしれないが、
私が持っているテシェイラの印象とはかなり違うので驚いた。

A-Rodなら当然視するけどね・・・(>_<)

このシリーズの残りで‘遺恨’となるかどうかは別として、
あの一件で絶対負けたくない雰囲気になった

4回を終わって4-4の同点だったが8回にモラレスの勝ち越し2ランHR、
2日前に不甲斐ない復帰劇となったフェンテスがクローズしてLAAが勝利した。

松井はと言えば、かつて‘Man on 3rd, < 2 outs’のキングだったのに
去年から成功率が異様に低い印象がある。
外野へのフライや内野への緩いゴロで確実にランナーを還していたのに、
それができないのだ。
今日の1、2打席目もこのシチュエーションだったのに打点は稼げなかった。
松井に達成して欲しい目標を打点100に掲げている私としては何んとも勿体ないことだ。

それでも8回の裏の先頭として出塁し、その後の決勝2ランHRを呼び込む仕事はしたが・・・。

松井はHRも自己最速のペースらしいしダブルも多いが打点はコツコツなので意外に伸びてこない。
もっとひどいのが得点だ。
HRを4本打って6得点しか挙げていない。

ただこれにはカラクリがある。
松井がゲーム終盤で出塁すると状況に応じて代走が送られる。
再チェックしていないが私の記憶では今日を含めて代走と交代したのは今季3回。
その3回ともピンチランナーがホームに生還しているのだ、100%だよ、100%。

おまけにその3試合はチームが全部勝利しているのだ。
勝率5割のチームがこのケースでは10割だよ、10割。

サンプル数は少ないがこういうジンクスは大事にしたい。
こう書いたことでマーフィー君出動になりそうだが・・・(-_-;)

しかし選手にとってもファンにとってもチームの勝利は最大の御馳走だ。
モラレスの打球を見ながら‘いけ~’と叫び、入った瞬間ナポリと喜ぶ松井の笑顔。
それをみて喜び和む自分、おかげで心地良い土曜の午後になった。

因みに現地のNYYファンでもテシェイラのプレイは問題になっていて
こんなコメントがあった。

Bobby Wilson was the only thing Teixeria hit all night.

スロースターターとはいえ打率が1割ちょっとだとこんな風に揶揄されるのも仕方が無いか。

2010年4月21日水曜日

LAAにはお天道様も味方してくれる~1966年以来アナハイムで雨天中止になったのは何試合?最後はいつ?~

折角LAAが5連勝しあの絶望的なスタートで抱えた借金を完済し、めでたく貯金生活に突入したのに
しょうもない写真を貼って何を考えているのかと言われそうだ。

この写真は今日の現地夕方5時時点のものだ。
シーツで覆われているのは勿論雨のためだが試合は予定通りに開始され
途中で雨が降っている様子も無かった。

実はLAAの開幕日、前日の天気予報では降水確率が90%だった。
実際は何もなかったように試合が開催されたがその時或る記事を読んで驚愕した。

それが今日のタイトルにある質問に繋がる訳だが・・・。

1966年にアナハイムに移ってきてから雨天中止になった試合は
なんとたったの9試合に過ぎない。
そして最後に中止になったのは1995年6月16日だそうだ。

松井秀喜が21歳になりたての頃だな(←イミナイ)・・・(>_<)

7年間NYYのファンとして雨や時には雪に踊らされてきた身としては
信じられない事実だった。
ヤンスタでは雨で開始が遅れその後に中断が複数回入るなんてことも平気であった。
シーツを器用に処理するクルー達も見慣れた存在だった。
もちろん早々に雨天中止が宣告されることも何度も経験した。

確かにLAの天候・気候を調べてみると

‘乾燥した半乾燥気候帯に含まれ、年間を通して温暖な、乾燥した気候になる。特に春から夏にかえた5-9月は、ほとんど雨が降る日がない。’

とあった。

個人的には出張で2度行ったことがあるが10月、11月だったせいか、
マリブのビーチもどんよりとしていた記憶しかない。

LAAはレギュラー・シーズンでの移動距離が全球団で最も長いというハンディキャップがあるが、
少なくともお天道様は味方してくれそうだ。

‘天気晴朗なれども浪高し’

まあいくら天気が良くても勝たなきゃ意味無いわけだがいきなり立ち込めた暗雲は
ひとまず去って少しだけ光が見えてきた。

松井秀喜も最低限の仕事はしくじってもここぞと言うところでの
有効なヒット(特に最近はダブル)は頼もしい。

ここ数年はNHKでNYYの中継がある週末に限って雨で中止になったり
松井がスタメンから外されることが多く、週末しか観戦できない堅気衆が
嘆いていたような気がする。

それがLAAでは少なくともホームでは雨の心配は無いし、
松井も基本的にスタメン出場。
その内ローテーション的なオフの日はあるだろうが、開幕以来ずっと出場している選手が
2人しかいないチームでそのひとりが膝に不安を抱える松井というのも去年のNYYでの
起用方法と比べるとエライ違いだ。

勝利を呼び込むマツイサマの存在が必要不可欠なのは当然だけどね・・・(^。^)

2010年4月16日金曜日

敵方の松井秀喜に先制弾を打たれて前代未聞のオベーションをするヤンキースファン達~弱いゴジラも赤いゴジラも見たくない?~

NYYとLAAの3連戦、今日はその最後の試合だったが、
2回の表に松井秀喜が打席に入る時の拍手と歓声はひと際大きかった。

実況のマイケル・ケイは松井がヤンキース相手にはこのシリーズ9-0と
全く打っていないのもその一因と言いたげだった。

実況や解説者が何か言ったのがきっかけになって、
その逆のことが起こるのは日米ともによくあることだ。

松井の打球はセンター右へ飛び込む先制弾。

‘See Yah!’マイケル・ケイお得意の表現のお出ましだが
彼の口調は飽くまでも敵に打たれた時のヴァージョンでノリの悪い方だ。

しかしここでヤンスタのファンがとんでもないことをする。
或るNYY番記者によれば球場の約半数の観客がスタンディング・オベーションで
松井のHRを称えたのだ。
長いNYYの歴史で過去にそういうケースがあったかどうかはわからないが
少なくともESPNの記者は試合後の記事で前代未聞と書いていた。

マイケル・ケイはそれをstrangeと言った。
確かにほぼ勝負が決した場合ならわからない訳でもないが、
チーム状態が最悪のLAAとはいえ一応先制点を奪われる場面では異様といえる。

それほどマツイは愛されているのか・・・(@_@;)

私の勝手な解釈だが愛されているというより去年のWSのヒーロー松井が
このままノー・ヒットに終わるのをファン達は望んでいなかったのではないか。

このシリーズはゴジラがブロンクスに戻ってくると言って騒いでいた。
NYYを徹底的に破壊するゴジラを見たくはないが、
同時に弱いゴジラも見たくない。
多くのファンがそんな心理だったから自然に拍手喝采できた気がする。

松井のNYY残留という議論ではそれぞれのファンが色々な意見や考えを持っているが
コメントの最後は必ずと言っていいほど、‘All the best!’か‘Good luck!’だ。

中には
It’s always painful to watch Matsui in another uniform.

といったように赤いゴジラを見たくないファンもいる。

そういうファンの心境を見事に代弁していたふたりのキッズがスタジアムに居た。
ボードの表裏は日本語と英語で書いてある。

Now you’re red
and we’re so blue
Like all Japan
the Bronx missing you

GOOD LUCK, HIDEKI MATSUI

An Angel in Red
with a halo above your head
Good luck out West
cause you’re the best!

GO! HIDEKI MATSUI

2010年4月14日水曜日

リング・セレモニーの主役を奪った松井秀喜~演出したヤンキースも暗躍したジーターも一流~

LAAの松井秀喜がNYYのホーム開幕戦のためにニューヨークにやってくることは
NYメディアも大きく取り上げていた。

松井の心境はどうだろうか。
今慣れない土地でストレンジャーをやっていることよりも、
馴れ親しんだニューヨークにビジターとしてやってくることで
自分がもはやニューヨーカーでないことを実感しているのではないかと
勝手に思いをはせた。

ところで去年のヤンキースの優勝パレードに関して私はこう書いた。

去就問題が盛んに云々されているが、今日の松井の姿をみてこの1マイル足らずのパレードが或る意味ヤンキーとしての花道になるのではないかという思いがある。
松井の悲願の世界一、しかもMVPのタイトルも獲得するという完璧な形での結末。
本人は残留を強く希望しているが、この結末は今までの松井の努力だけではなく、残留できないことへのコンペンセーションを含めて野球の神様が仕組んだような気がするのだ。


そして野球の神様がまた動く。
ヤンキースのホーム開幕戦で行われるチャンピオンリング・セレモニーに
対戦相手のエンジェルスの松井が参加できるように計らってくれたのだ。
ワールドシリーズ制覇の大ヒーローに対するご褒美でもあり、
結局は残留の希望が叶わなかったことへのコンペンセーションでもあるようだ。

ヤンキース関係者への授与が終わり一瞬の間が空いた後に松井の顔が大写しになった。
口元の様子は何か込み上げるものを必死に抑えているようにも見えなくない。
マイケル・ケイがひと際大きな声で2009年ワールドシリーズMVPのヒデキィ・マツイを紹介する。
場内は騒然と言って良い程のスタンディング・オベーションで松井を迎えた。
今日紹介された誰よりも、あの人気者ジーターより大きな歓声だ。

松井が完全に主役を奪ったな・・・(^。^)

ジラルディにリングの入った箱を渡され、ヨギ・ベラとホワイティ・フォードと軽くハグした後松井は赤いキャップを取り場内の観客に手を振って応えた。

そこで整然と並んでいた選手達が一斉に松井をめがけて集まってくるのだ。
まるでサヨナラを決めた瞬間のようだ。
目立ちたがりのA-Rodを筆頭に次々とハグを交わす。
リヴェラやポサーダ、カノー等の元チームメイト達の表情が実に嬉しそうだ。
最後にジーターと長いハグを交わしてとお互いのベンチに戻った。

それまでは胸で感動していた私もあそこで堪えられなくなった・・・。・゚・(ノД`)・゚・。

9年振りのリング・セレモニーでいくらWSMVPとはいえ今は外様の松井秀喜。
そんな彼をまさに主役として演出するヤンキースは一流と言わざるを得ない。
現地のファンの書き込みでもclassとかcoolという表現が目立っていた。

試合が始まって松井の第1打席、やはりここでもスタンディング・オベーション。
何気に空気を読んでマウンドを外したペティットの気遣いにも感謝だ。
ヘルメットを取って声援に応える松井を観ながら、あの時のシーンを思い出した。

あれから4ヶ月、松井秀喜の‘9.12’~Godzillaが味わった‘2種類’のオベーションこそフィールド・オブ・ドリームズ~

そう、2006年9月手首の怪我から復帰した時だ。
松井自身一生忘れられないと言っていたが今日の2度のオベーションも
あれ以上に忘れられないものになったに違いない。

不動心が売りの松井でも流石に今日は試合前に消耗したのか打席では散々だった。
第1打席で三振を喫した後ポサーダと衝突したのが象徴的だった。
注目のリヴェラとの対決も実現したがまさに儀式は松井に始まり
試合は松井で終わる展開になってしまった。

新天地の西海岸で好スタートを切った松井がニューヨークに戻って妙な里心がついて
調子を崩すようなことが無いといいのだがどうだろう。
私もYESの実況には里心がついてしまった。

因みに松井へのハグ攻めを提唱したのはどうやらジーターのようだ。
それで終わらないのがジーターのいいところで他で暗躍していたのだ。
実は最初に渡したリングはスズで出来たレプリカだった。
言い草が振るっている。
‘マツイの側では誰とも比べようがないからわからないだろ’
ふたりとも互いに認め合う関係だからこそできる悪戯だ。

他では弄られキャラのスウィッシャーがリヴェラに同様のことをされた。

まあこの辺を含めてヤンキースもジーターも一流だね・・・(^。^)

おかげで松井秀喜の野球人生でかけがえの無い晴れ舞台になった。

2010年4月11日日曜日

松井秀喜がサヨナラ安打を決めたぞ!~と歓喜するより5連敗を阻止できて胸をなでおろす感じ~

松井秀喜がサヨナラタイムリーヒットを放ちLAAが今季2勝目を挙げた。
何のことは無い、どちらも松井が決めたことになる。
松井ファンの私はさぞかし上機嫌だろうと思いきや実はそうでもないのだ。

とにかくこの4連敗中の気分は最悪だった。
今までの人生で数えきれないほどの野球の試合を観てきたが、
これほど不機嫌で辛かったことは久しくない。

松井の移籍に伴ってLAAファンになれるかどうか疑心暗鬼だったが、
いざ公式戦が始まったら本性が現れた。
松井が打ってもチーム勝たなきゃ意味が無い。
戦力の低下は否めないが所謂ソーシア野球とは対極にある粗雑な試合内容に憤りを禁じ得なかった。

それはチームの勝利を至上とする松井の表情にも見て取れた。
自分がチャンスで打てなかった時は勿論だが、3安打を放ってもHRをかっ飛ばしても、
チームの敗戦はすべてを無にするのだ。

自分でも言っているようにもし10タコでもチームが勝ち続ければ、
それはそれでよしとするのが松井の野球観だ。
個人の記録も成績もすべてはチームの勝利に貢献して意義がある。

プレイオフに進出しワールドチャンピオンになる可能性のあるチームに所属することを
最優先にしてそれに資するLAAを選んだ。
そのチームがこの体たらくではどうしようもない。

まだシーズンは始ったばかりだと或る人は言うだろう。
実際NYY時代だってスロースタートは何度も目にしてきた。
私がLAAに慣れてないだけかもしれない。
何れにせよ不機嫌だったのは動かしようの無い事実だ。
私だって病に冒された心臓を抱えている身としてはなるべくストレス・フリーにしておきたいのだが、
どうしようもなかった。

今日の試合も流れ的には逆転負けを食らっておかしくなかった。
そこでクラッチ松井が仕事をした。
決めたのが松井だったという喜びより5連敗を阻止できたことに胸をなでおろした。

私がやや屈折した感覚なのに対しLAAのチームメイトやファンはストレイトに
松井を受け入れているだろう。
NYY時代に比べると他にライヴァルがいないせいもあって松井は実に大物だ。
昨日の試合、HRを打つ直前に映し出されたカードを持って踊っていた3人娘は非アジア系で驚いた。
今日のサヨナラを呼んだ打席に入る時に期せずして湧き起こった
Matsuiコール(一部にはMVPコールと言う説も?)も印象的だった。

新天地でいきなり結果を出しファンの気持を鷲掴みしている姿は頼もしいが、
チームの力としては松井以外の選手がヒーローになることも必要だ。

ヒーローが出るということはチームが勝つということなのだから・・・(^。^)

松井が今日のインタヴューでも言っていたではないか。
‘自分が打ったということよりもチームが勝てたことの方が良かった’

松井とは徹底的にそういう男なのだ・・・(^。^)

《番外編》
今朝のサンデーモーニングの張本の節操の無さにまたまた激怒。
実は密かにバック・ヴァリューでこんな記事をアップしているので
興味のある方はどうぞ。


日本プロ野球に、日本国に何してくれました?~サンデーモーニングで松井秀喜を全否定した張本勲の品格~

2010年4月10日土曜日

ヤンキースタジアム開幕戦で松井秀喜に直接チャンピオンリングが渡される?~スタンディング・オベーション間違い無し!?~

松井秀喜がNYYからLAAへの移籍を決めた時に誰もがその偶然に驚いた。
何の因果か2010年のNYYのホームでの開幕戦の相手がLAAなのだ。
それだけではない。
その試合前に2009年ワールドシリーズ制覇のセレモニーが行われるのだ。
WSのMVPとしてまさに‘当事者’になった松井は奇しくも同じ空間にはいるが
ピンストライプを着ていない‘部外者’だ。

松井にチャンピオンリングはどうやって渡されるの?

私を含めそんな疑問を抱いた人は多いと思う。

ヤンキースが公式にそのセレモニーの内容を発表した。
リングを渡すのはお馴染ヨギ・ベラとホワイティー・フォードのふたりの殿堂入り選手。
ゲームの始球式はバーニー・ウィリアムスだ。

で、松井はどうなるの?

プレスリリースではいっさい触れてないが、NorthJersey.comというマイナーなメディアの記事にこんなのがあった。

It is anticipated that World Series MVP Hideki Matsui, now with the Angels, would be presented his ring in the ceremony.

飽くまでも観測記事だが松井にも直接リングが渡されるとしているのだ。
或いはヤンキース側としては‘腹案’として持っているが、当日のサプライズを狙って
公表していないとか・・・(^。^)

何れにせよこれが実現すれば良識あるNYYファンのスタンディング・オベーション
間違い無しだと思うのだがどうだろうか。

そしてその後の3連戦は松井に痛いところで打たれてブーイングの嵐というのが
理想的なのだが今のLAAにそんな力は感じられないな。

2010年4月6日火曜日

クラッチ・ヒッター松井秀喜がLAAデビュー戦で魅せた真骨頂~今季達成して欲しい目標は100打点~

2010年新天地LAAでの松井秀喜の野球人生が始まった。

いきなりだが今季松井に達成して欲しい目標をひとつだけ挙げるとすると何か。
人によって違うだろうが1番人気はホームランの数だろうか。
キャリア・ハイを超える35~40本、贅沢な人は更に上のHRキングを狙って欲しいと考えるかもしれない。

個人の成績とは直接関係無いが2年連続のワールドチャンピン・リングの獲得も目標としては申し分ない。
ここでも夢多き人は松井の2年連続WSMVPを願っているだろう。

ただ私が松井に今季必ずクリアして欲しい目標は100打点だ。
HRやヒットは基本的には自力だが、打点は状況に左右されると言う意味では
他力本願なところもあるから計算しづらい。
100という数字もハードルとしては決して高くは無い。
それでもこの目標を確実に達成して欲しいのだ。

NHKが制作した松井特番「スポーツ大陸」の中でのソーシアのコメントが気に入っている。

‘松井はヤンキースでは過小評価されていたが本当はチームの土台だった。大リーグ屈指の勝負強い打者で状況に応じた打撃もできる。’

確かにNYYでは役者が多すぎて活躍しても縁の下の力持ち的存在に留まっていた。
しかしここLAAでは否応なく主役になってしまう。
オフの補強は最悪と言われ新戦力としての目玉になった松井は色々な意味で注目の的だ。
ゲレーロ・シンパからは厳しいチェックを受ける。
そういう中で松井が確実にクレジットを積み上げていくためには打点が鍵になると考える。

今日LAAの4番DHとして開幕を迎えた松井だが本人にとってもチームにとっても
そしてファンにとっても最高の形での勝利になった。

同点から勝ち越しとなるタイムリーヒット、1点差で息詰まる展開で勝利を確実にしたソロHR、
クラッチ・ヒッター松井秀喜の真骨頂だった。
まるで5ヶ月前のMVPモードの松井がそのまま違うユニフォームを着てプレイしているようだ。

無論今日の1試合だけで浮かれてはいけない。
ただノー・ヒットに終わりチームも敗れて‘まだ始まったばかり’という
常套句に逃げていることを想像するとどれだけ気持ちの良いことか。

やっぱり松井ファンは堪えられないぜ・・・(^。^)

因みになりぽんの今日の朝食はゲン担ぎの鮭だったこともお忘れなく。

2010年4月5日月曜日

2010年のMLBが開幕~NYY-BOS戦を所詮他人事として観戦している不思議な感じ~

いよいよ2010年のMLBが開幕だ。
といっても恒例だが今日は1試合だけでそのカードはNYY-BOSだった。

勿論ライヴで観戦したが実に不思議な感覚だった。

何この所詮他人事のような感じ・・・(>_<)

過去7シーズンNYYの勝敗がその日の気分をほぼ支配する生活を送ってきた。
相手がBOSだと一喜一憂度も5割増し、特にフェンウェイで今日のような展開で
試合を落としたらマジ切れで立ち直れなかったものだ。
実際今日の試合終了後はもはやヤンキースファンでないことにホッとした感じだった。

2006年松井が怪我で4ヶ月の離脱をした時もすべての試合を観戦した。
世の中に私より熱い松井ファンは幾らでも居るだろうがあそこまで熱心に
ヤンキースを応援し続けた人は少ないだろう。
そんな自負があったから自分は本物のヤンキースファンだと思っていたが、
どうやら勘違いだったらしい。
要するに松井の所属するチームに熱狂的になっていただけなのだ。

ヤンキースのベンチには新顔もあったが多くは良く知った面々だ。
今でも個人的に魅力を感じたり興味を持ったりする選手はいる。
但し松井のチームメイトとして見ていた去年までと違ってどこか余所余所しい。

明日は松井秀喜にとっての開幕となる。
MIN-LAAでNYY-BOSと合わせると昨シーズンのポストシーズン進出組4強が
今季の開幕戦で戦うことになる。

LAAの25人の内半分は顔と名前が一致しないかもしれないが、
それでも全員松井のチームメイト。
素直に心から応援できそうだ。

2010年4月3日土曜日

これぞ‘バリア55’~松井秀喜が守っていると打球が飛んでこない~

今日の対LAD戦では4番レフトで先発した松井秀喜。
これでこの春守備に就いたのは4試合目だ。
DHと違って観ている方も謂わば‘表と裏’を味わえる訳で、
どんな守備をしてくれるか興味津々だ。
LFで先発した試合はMLB.tvの映像が無い時もラジオ放送を聴いていたが、
これが何とも期待外れに終わった。

4イニング+4イニング+7イニング+6イニング=21イニング

これで守備機会はたったの2回しかなく、それもイージーフライだった。

これじゃあ、松井にとって実戦練習にもならないし、首脳陣も守備力の評価が出来ない。

イチローの守備範囲に関しては‘エリア51’という表現があるが、
松井秀喜の場合は打球を寄せ付けないという意味で‘バリア55’だな・・・(^。^)

但し少し調べた感じではそもそも外野手の守備機会はそれほど多くない。
多い選手でも21イニング換算で5~6回が精々の計算になった。

勿論打球の行方とは関係なく投球ごとに身構える訳で、目に見えない負担はある。
シーズン中、インターリーグ以外ではどんな頻度で松井が守備に就くかはわからない。
相場的な発想で言えばSTでRSIがボトムに張り付いた反動で、
本番では松井の周りにポンポン打球が行きそうな気がするがどうだろう。
或いはまさに‘バリア55’が機能してLF松井の存在価値となるのだろうか。