2010年2月28日日曜日

宮里藍が冬季五輪開催中に南国で2個の‘金メダル’を獲得~賞金王&Player of the Yearは現実的な夢~

多くの人々がバンクーバー冬季五輪に気を取られている中、宮里藍が南国で大爆発している。

先週タイで行われたLPGA今季開幕戦(ホンダLPGA)では最終日6打差から大逆転。
最終ホールのチップイン・バーディが決まり米ツアー通算2勝目を挙げた。
世が世なら大騒ぎだが五輪ネタが優先される地合いは仕方が無い。
それでもスポーツ紙の数紙の一面を飾ったようだ。

そして今週は場所をシンガポールに移してのHSBC女子選手権だ。
最終日を首位タイで臨んだ。
BS12(TwellV)でLIVE観戦。

実は2年前にこの大会に関してブログで取り上げている。

藍ちゃんシンガポールで今季初賞金~宮里を心から応援していたら‘里心’がついた~

そこで書きたいことは全力で書いたので今日は流すが、自分が5年と17日住んでいたシンガポール、
自分がプレイしたことがあるゴルフコースで大のお気に入りの宮里藍が優勝した。
感慨が一入となるのも極自然なことだ。

日本国内でプロのトーナメントに利用するゴルフコースをラウンドしたこともいくつかあるが、
やはり海外の分少し感覚が違う。
金融に身を置いていた者としてはスポンサーが銀行間取引相手の常連のひとつだった
HSBCだというのも親近感がある。

それにしても強かった。
先週は最後に鬼脚を発揮して驚異の追い込みが決まったが、
今日は先行する団子状態から終盤にかけて難なく抜け出した。
米ツアーに参戦してから悲願の1勝を挙げるまでは苦しんだが、
その間に蓄積したことが一気に結実している感じだ。
テレビの実況が例えていたが、大型ジェット機は離陸まで長い助走期間が必要だが
一旦上空に飛んで安定飛行に達すると気持ちよく空を舞う。
今の藍ちゃんはそんな境地に達しているのかもしれない。

日本は冬季五輪では金メダルゼロだったが、その開催中に宮里藍が南国で2個の金メダルを獲得した。
賞金王とLPGA Player of the Yearを狙うと公言している藍ちゃんだが、
夢でもなんでもない実現可能な目標だ。

さて、忘れてならないのは藍ちゃんと松井秀喜の波動はシンクロするというナリポン理論だ。
実際、去年彼女が悲願の初優勝を果たした7月の時点で、
私は松井秀喜の悲願であるワールドチャンピオンの達成を御託宣としたが見事に的中した。
さすがにMVPまでは予想できなかったが・・・。

ということは、今年も‘うふふ’になるぞ・・・(^。^)

それにしても藍ちゃんの英語での優勝インタヴューは堂々としていた。
野球選手も見習わなきゃ。

因みに米ツアーは4週間のお休みだからその間はクイーンの座は安泰。
来週は日本の開幕戦であるダイキンオーキッドに参戦する予定だ。
故郷に錦を飾るとともに3週連続の金メダルを狙う。

2010年2月26日金曜日

浅田真央を見ていると何故いつも泣けてくるのか~父性本能も母性本能も刺激する存在~

フィギュアスケートが特に好きなわけではないのに、浅田真央には特別な思い入れがある。
何故だかわからないが彼女の演技を見ていると必ずと言っていいほど泣きたくなってしまうのだ。
それも失敗した時よりも成功した時に込み上げてくる。
普通スポーツ観戦をしていて何かがうまくいった時はガッツポーズをしたり
拍手をしたり大声を出したりするものだが、真央ちゃんに関しては泣けてしまう。

卑近なサンプルで余り意味は無いが、私がお気に入りの3大スポーツ選手は
‘松井、藍ちゃん、浅田真央’で、かみさんは何かと浮気者だが今は‘マー君、遼くん、浅田真央’だ。
ふたりに共通するのが真央ちゃんなのだ。

真央ちゃんは母性本能も父性本能も刺激する存在なのかも・・・(^。^)

これだけ自己鍛錬ができていて強靭な精神を持つ人間を相手に保護したいというのも変な話だが、
あの健気で曇りの無い愛らしい表情を見ていると守ってあげたいという気持ちに自然に駆られる。

その真央ちゃんが今回初めてのオリンピックに出場した。
やや苦手なショート・プログラムを無事に演じ2位のポジションを確保し、
いよいよメダルをかけてのフリー・プログラムの日がやってきた。

SPで1位のキム・ヨナが彼女の前で完璧に演じ、巷間色々と言われている要因も加わってか、
男子も真っ青の高得点を獲得した。

これだと真央ちゃんがパーフェクトでも逆転は無理だな・・・(-_-;)

そんな空気が流れる中彼女は懸命に滑った。
持ち味のトリプル・アクセルは2度とも成功させたが、それ以外ではミスもあった。
ステップはいつも以上に鬼気迫るまさに迫力十分なものだった。

但し今まで失敗しても成功しても泣きそうになる私が今日は妙に淡々としていた。
正確に言えば淡々とするしかないほど追い込まれていた。

まずまずの得点で暫定2位をキープ、結局そのまま銀メダルを獲得した。

そこで彼女の滑走直後のインタヴュー映像が流された。
普通に答えたのは一瞬でその後の真央ちゃんは言葉を失った。
今までも涙をみせたことはあるが今日ほど崩れたことは無かったと思う。
当然だがその姿を見て私も込み上げてしまった。

結局今日も浅田真央には泣かされた・・・(-_-;)

‘4分間は長かったけどあっという間だった’と言う真央ちゃんの言葉には、
我々が軽々に論じることができない重みがある。

今シーズンの出だしの不調を考えれば、その後見事に復調して初のオリンピックで
堂々の銀メダルに輝いたことは称賛されていいし喜ぶべきことだ。
金メダルが大本命のキム・ヨナになったことも順当な結果だし、
あれだけ大きな点差があれば惜しくも無い。

それでもその‘惨敗’に悔しい気持ちを滲ませ、銀メダルという結果に満足していない
浅田真央には未来がある。

これからもまた私を泣かせ続け、4年後には是非感涙に咽ぶ瞬間を与えてくれ。

あの涙から数時間後、テレビ局回りをして生出演をしている真央ちゃんは落ち着きと笑顔を取り戻し、
銀メダル獲得を素直に喜んでいた。

どちらも浅田真央だがやはり今日はあの涙のインタヴューが忘れられない。

2010年2月19日金曜日

カーリング人気を支える‘声の功労者’は小林宏さん~彼の名解説に時間差で一喜一憂~

4年前のトリノ五輪で私はカーリングに夢中だった。
ブログでも色々な面から取り上げた。
カーリングを愚弄する武田薫という悪玉スポーツライターがいたことでさらに燃えた。

今回のバンクーバー五輪でも勿論注目しているが4年前に比べるとやや熱が冷めた感じだった。
カーリングがメジャー化したことで誰もが口にするようになったのが一因かもしれない。
妙なエゴイズムと言われればそれまでだが人間にはそういう感覚があるのも事実だ。

自分の行きつけの店が‘誰にも教えたくない隠れ家的存在の名店厳選20軒’といった
タイトルだけで矛盾に満ちた特集で紹介されて、突然混雑しはじめ白けてしまうのと似ている。

ところが実際にカーリングの試合を見始めるとやはり夢中になってしまった。
競技としての面白さそのものもあるが、個人的にはもうひとつの要素があった。

解説を務める小林宏さんの存在だ。
トリノでも解説をしたが何とも頼もしく愛に満ち魅力的なのだ。
4年前はカーリングに関して実況アナも含めて我々視聴者も全くのド素人、
深い闇を明るく照らす唯一の光が小林さんだった。
彼の‘OKです’を耳にしてみんなが安心する、そんな状態だった。
観戦を通じて我々の知識レヴェルもそれなりに向上した。

今回の初戦の対アメリカ戦で小林さんの解説を耳にして、その懐かしい声に感激した。

やっぱり、この人は最高だな・・・(^。^)

カーリングを熟知していて、戦況の分析、次の作戦の予想が的確なだけではない。
基本は日本を応援する立場だが相手を誉めることも自然体でできる人だ。
選手を‘~さん’とさん付けで呼ぶのも、同じことをしている松岡修造とは全然印象が違う。
それでいて勝負どころになると思わず‘目黒’と言ってしまうのもメリハリがあっていい。

しかしカーリングは氷上のチェスと呼ばれるだけあって難しい。
感覚的には70%ぐらいはわかっているつもりだが、残りの30%が問題だ。

‘ナイスショト’
‘完璧’
‘パーフェクト’
‘う~~ん’
‘ミスですね’

結局は殆んどの場合小林さんの発する声に時間差で一喜一憂している。
頼りの彼が一瞬無言になってしまう時は大体が悪い状況だが、
実況アナが恐る恐る訊ねるとそうでもなかったりする。

カーリングはコミュニケーション・スポーツと言われるが、選手間だけでなく、
解説者と視聴者という意味で小林さんとコミュニケーションをしている人も多いのではないか。

カーリング人気が軽薄で移り気なメディアの餌食になって、一時的なブームに終わることなく、
こうしてしっかりと根付いてきている。
競技そのものの魅力も勿論だが小林宏さんは‘声の功労者’と言ってもいいだろう。

スポーツは現場で観るのが一番だが、彼の解説無しで会場に身を置いても
困惑するだけだろう。
カーリング観戦に関しては恐らく一生独り立ちすることは無理なような気がする。

今後も頼むぜ、小林さん・・・(^。^)

2010年2月4日木曜日

松井秀喜の置き土産のトロフィーを手土産にアジア行脚するヤンキース首脳~礼賛、美辞麗句に潜む偽善と狡猾さ~

松井秀喜がヤンキースに残留できないことは既定の路線だった。
個人的にもシーズン中からそれを覚悟していたし、可能性がalmost zeroなのは
いわゆるチーム編成上仕方が無いことだと納得していた。

それでも松井は引き続きヤンキースでプレイしたい気持ちを素直に吐露していた。
松井の希望が叶うことをファンとして望みながらも、それが絶望的なことも承知していた。

実際にヤンキース側の動きは冷淡と言ってもよい程鈍く、それを感じ取った松井側は
エンジェルスのファーム・オファーに飛びつくことを決断した。
結果的にはその後のFA市場の動きをみれば、まさにグッド・デシジョンと言えるものになった。
松井の最大のプライオリティであるワールドチャンピオンを目指せるチームに加わることが出来たし、
あそこで決断をしなかったら現時点で‘無所属’の可能性も十分にあったからだ。

私の中では松井とヤンキースとの訣別は所謂想定内の出来事として決着がついていた。
松井自身も気持ちの切り替えは上手く出来たようだ。
結果的にはファーム・オファーを出さなかったヤンキースに対しても、
恨みや未練がましいことは一切口にしなかった。
むしろ7年間の恩義だとか愛着を強調していた。
ヤンキーとしてワールドチャンピオンになるという悲願を最終年に達成し、
それに松井自身がWSMVPという最高の形で貢献できたことで、
踏ん切りをつけやすかったのかもしれない。

ファンとしての私にはそういうひとつの実績、歴史、伝説が生まれたことで
明らかにある種の余裕がある。
その余裕のせいなのかヤンキースの決断を批判する気持ちも特段無かった。

ところが今頃になってカチンときたのだ。
ヤンキースの首脳がワールドシリーズのトロフィーを持ってアジア行脚にやってきた。

松井の‘置き土産’を手土産かよ・・・<`ヘ´>

去年の秋‘偽物’が飾られたMLBカフェでイベントが開催された。

世が世なら当然松井も大ヒーローとして参加してたよな・・・(-_-;)

まあ、それは既に決着のついたことだからどうでもよい。

問題はキャッシュマンGMとレヴィン球団社長の松井に対する言葉だ。
彼等は最上級の言葉をかき集めて、松井を礼賛した。
美辞麗句のオン・パレードだ。
ファンとしては松井が誉め讃えられることは本望の筈だ。

ところが、どういう訳か彼等が松井を賞賛すればするほど反感を持ってしまったのだ。

世の中でそれぞれのポジションにある人はその場に応じてそれらしい発言をする。
社交辞令、外交辞令、リップサービスも当然必要な場面では駆使する。
自分は本音派でそういうことを極力しないタイプだが、
それをとやかく言う程大人気無い人間ではないと思っていた。

ところが今回はダメなのだ。
連中の言葉が偽善的に感じてしまうのだ。
アジアでのマーケティングの最初の国である日本、一応井川がいるが松井のいないヤンキースが
今年ファンを失うことは避けられない。
そのために必死になるのもわからなくないが、だからと言ってこのレヴィンの言い方は無いだろう。

"We love Hideki," Levine said. "Hideki Matsui is always going to be a great Yankee. He's a great person, there's nobody of better character, and we're going to miss him.

"Unfortunately the timing didn't work out. He had an offer from another team, we were focusing on the pitching end first trying to get Andy Pettitte and a few other things internally done, and Hideki decided to go."

何が‘Unfortunately’なのか。
自分達のシナリオ通りに首尾よくことが進んだじゃないか。
おまけにまるでヒデキが勝手にヤンキースを去ったようなニュアンスにしている。
自分達が追い出した悪者ではないと印象付ける狡猾さがみっともない。

まあこれも全部ビジネスだから割り切るしかないと言えばそうなのだが、
どうも釈然としない。

連中はメディアを相手に言葉を発している。
それが仕事なのだ。
ヤンキースを去ることになった松井に直接言葉を掛けてはいないだろう。
それが慣習上できないのかどうかわからないが、人間味も愛も無い世界だ。

今回彼等のこれだけの誉め言葉を間接的に聞いた松井は一体どんな心持ちだったのだろうか。