2009年8月26日水曜日

本日のトリヴィア~1回のロードで3度のマルチHRを打ったヤンキースの選手は2人いるが松井秀喜の他に誰?~

このトリヴィアは実際に今日の試合の中で出題されたものだ。
1回のロードと言っても試合数はまちまちだからやや乱暴な話だが、とにかくヤンキースの歴史上
松井を含めて2人しかいないということだ。

答え:ミッキー・マントル

時空を超えた‘MM砲’だな・・・(^_^)

この前フェンウエィで1試合7打点の記録はルー・ゲーリックと松井だけだと紹介したが、
大物がうじゃうじゃいるヤンキースの歴史の中に何気にHideki Matsuiの名前を刻んでいる。

このところHR以外のヒットを打てないのかと一部の関係者から問題視(笑)されていたが、
今日はやっとダブルとシングルを打った。
但しどちらもタイムリーで3打点を稼いでしまった。
つまり最近6本のヒットはすべてRBIがらみという‘問題’は解決されていない。

そもそも今日の試合は爆発した後はタコる法則が心配されたが、昨日試合が無かったので、
そこで法則が‘空発動’してしまったのかもしれない。

試合は9回裏10-5と5点ビハインドだったが、そこから‘日本文理魂’を発揮し、
1点差に迫ってなおも無死1,2塁。
クリーム係のバーネットが準備を覚悟したが、送りバント失敗、遊直ゲッツーでゲームセット。
一部のボストンファンからはため息が漏れた・・・(>_<)

2009年8月24日月曜日

マルチHRの鬼になった松井秀喜があのベケットから2発~ヤンキースがシリーズを制しほぼ決まった?~

先ずはこのボストンとのシリーズの第1戦の7打点についてだ。
あの後色々なところで紹介されていたので知っている人も多いと思うが、
この対決で7打点というのは過去2人いてフェンウェイでやったのは1930年のルー・ゲーリック。
松井はそれ以来ということになるらしい。

‘The happiest man in Fenway’だった訳だ・・・(^。^)

で、翌日はもはやお決まりになっている‘5タコ’に終わった。
それは思い切り想定内だったのだが、あのJapanese Kid相手にチームが負けたのは想定外だった。

3連戦の前は最悪でも1勝すればいいと思いながらも、こうなるとどうしても今日の試合をモノにしたくなる。

マッチアップは最多勝を争う、サバシアとベケットという文句無しのエース対決だ。

ジラルディになって松井がスタメンを外されるのは基本的にレフティのことが多いが、
例外的にベケットの時もしばしば外されていた。

まさか今日も・・・という不安もあったが5番DHで出場。

1打席目、初球を叩き右中間のブルペン越えに22号ソロHR。

へぇ~、やるじゃん・・・(^。^)

と思いながらもHR1本ぐらいだとチームが勝っても、サボり癖がついた私としては
ブログのお休みを決め込んでいた。

試合は1,2戦のワンサイド馬鹿試合とは違って、緊迫感が漂う。
BOSは昨日の14得点の内13点が2アウトからという妙な勝負強さが出てきたので、
2点ぐらいのリードではまったく覚束ない。
5回のA-Rodの2ランHRで4点差になったところで一息ついたが、
その後再び3点差にされるとまたムズムズしてしまう。
そういう流れで逆転された経験をこの対決では何度も味わっているからだ。

そこで再び松井が仕事をする。
この前の2本目とほぼ同じ通称“Pesky Pole”の傍に落下する23号ソロ・ショットだ。

その瞬間ヤンキース関係者のふたりの男が天を仰いだ。
ひとりは4点差になってセーヴ機会でなくなったリヴェラ。
もうひとりはこれでまたブログを書かざるを得なくなったナリポンだ・・・(>_<)

ベケットの1試合5被弾はキャリア・ワースト、その内の2本が松井だ。

今年の松井のマルチHRは4度目だが最近出場した7試合で3度とまさに‘マルチHRの鬼’と化している。

23本のHRを奪った相手にはサンタナ、ハラディ、今日のベケットと錚々たる名前が並んでいる。
最近のHRは‘イッタ~~~~’というよりは‘いっちゃうのか~~’という感じで、
無造作に打っている感じがする。
これだと逆に30本越えも現実味を帯びてきたか。

エース、ベケットで落としたレッドソックス。
試合後、ジラルディやロングは明言しなかったが、
今日は‘早いカウントで狙え指令’が出ていたらしい。

確かにジーターも松井を初球HRだった。
リーグで四球が2番目に多いチームが今日はゼロという‘珍事’もそのせいだろう。

これでBOSとNYYのゲーム差は7.5となった。
常識的には‘ほぼ決まった’と言っていいだろう。
あさってからのTEX戦ではBOSファンもNYYを応援するに違いない。

それにしてもこの好カードはまさに‘全米的イヴェント’だ。
第2戦はFOXがそして第3戦はESPNが中継した。
松井的には‘7打点試合’をやって欲しかっただろうが、今日のベケットからの2発も
十分に‘訴求効果’はあるだろう。

2本目は帳尻と言う人もいるだろうが、実は貴重な1点だったのだ。

このシリーズの‘得失点’を計算すればその‘価値’が分かる・・・(@_@;)

2009年8月22日土曜日

乱獲歓迎、帳尻上等、就活大変~松井秀喜がBOS戦で2HRを含むキャリア・ハイの7打点の活躍~

今日からヤンキースはレッドソックスと敵地での3連戦。
6.5ゲーム差とほぼ安全圏にいるがそれでも直接対決は独特の緊張感がある。
そんな中、先攻のヤンキースは早速1死満塁のチャンスを迎える。
ここで打席に松井秀喜だが2ストライクと追い込まれる。
実況のケン・シングルトンが松井はこのシチュエーションは強い男だが
今シーズンは失敗が多い、とコメントした直後、見逃しの三振に倒れる。
今日の球審のJoe Westはストライクゾーンが広くコールが遅い。
広くてもゾーンが一定していれば文句は無いがそれも怪しいから評判が悪い。
松井の最後の外の球も実況はしきりにボール臭いと騒いでいたが、
どうなるものでもない。

いきなり松井が戦犯候補だな・・・(-_-;)

そこを救ってくれたのが2アウトから先制の2ラン・シングルを放ったポサーダだ。
ある意味この試合の最大の殊勲打といってもいいかもしれない。

しかしヤンキースはそれを忘れさせてしまうくらい得点を重ねる。
パーティーに乗り遅れていた松井も5回の(1度目の)打席で3ランHRをBOSのブルペンへぶち込む。
そして同じ回に(2度目の)打席が満塁で回ってくる。
マイケル・ケイだけでなく誰でも思い描く1イニング7打点の夢は叶わなかった。

7回には先頭のA-Rodが2006年5月以来のトリプルを放った。
そこで松井は本来の得意技のゆるい1塁ゴロで1打点追加した。

よしよし、大技と小技で4打点か・・・(^。^)

しかし今日の松井にはさらなるドラマが・・・。
9回の第6打席、ランナーを2人おいて初球を叩くと、ライトポール際に飛び込み、
今日2本目の3ランHRとなった。

3+1+3=7

1イニング7打点は夢に終わったが、1試合7打点を達成、これはキャリア・ハイだ。

2本のHRで節目の20本をクリアして21本。
打点は一挙に66打点に跳ね上がった。

この試合のスコアはESPNがまるでNFLみたいだと揶揄した20-11。

終始リードを保った展開での松井の7打点はよく私がエロを批判する時に使った
帳尻っぽい印象がある。
まあ全部なければ13-11の接戦になるから単純に帳尻とも言えないが・・・。
しかし、今の松井は来季に向けての‘就活’もしなければならない。

乱獲歓迎、帳尻上等、就活大変なのだ・・・(^。^)

この前の4安打2HR5打点を記録したSEA戦の時にこんな記事が有った。

The series against Seattle could be an audition for Matsui. The Mariners have used Ken Griffey Jr. and Mike Sweeney as their designated hitters this season. Griffey has hit only .226 with 12 home runs and Sweeney .228 with four homers. Both are on one-year contracts.

今日の2本目のHRはまさにフェンウェイのライトにある‘スウィート・スポット’だったから、
少しは売り込みになったかも・・・。

帳尻とはいえここまで派手に乱獲すると完全にヒーロー扱いされる。
NHKの映像で試合終了後松井が呼ばれて、通訳のロヘリオもスタンバイする姿が見えた。
そこでNHKの映像が切れたのですぐさまMLB.tvで確認したが、今日のYESのインタヴューは
松井ではなく、密かなスランプ状態から脱したエロだった。

但し試合後の記事や写真、ビデオハイライトでは‘Matsui’‘Godzilla’が文句無しの主役だ。

出場機会が制限されている松井だが、もしかして30HR、100打点の夢が叶う
チャンスもゼロではなくなってきた。
ただ、チームが独走態勢になると9月の途中からは若手を起用したりするかもしれない。

な~んて期待しすぎるとまた大反動がくるので程々にしましょうか。

2009年8月18日火曜日

イチローの記録はすべてまやかし?~米ウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)が指摘~

イチローが間もなく9シーズン連続の200本安打を達成しそうだ。
これに関してBen Austenという人が8月15日付の米ウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)で
こんな記事を書いている。


Are Ichiro's Stats All Smoke and Mirrors?

Some time in the next few weeks, Ichiro Suzuki of the Seattle Mariners will likely outrace a second baseman's throw or guide a low line drive into right field to collect his 200th hit of the season, making this the ninth consecutive year he has reached the milestone.

Mr. Suzuki already holds the record for most base hits in a single season (262) and is a hair behind the Cardinals' Albert Pujols for the highest career batting average among active players (.333).

But as prolific as he's been, Ichiro is a significantly less productive hitter than other players with similar batting averages. Of his 1,974 hits with Seattle, an astounding 81% have been singles, a higher proportion than any modern-era player with at least a .320 average. More remarkably, nearly one in four of his hits never left the infield. The problem: singles don't translate into runs as well as other kinds of hits. And when he's not hitting, he very rarely walks. Despite leading all batters in hits this season, Ichiro ranks No. 25 in on-base percentage and No. 39 in runs scored.

Thanks to a combination of formulas created by statisticians like Gary Gillette and Pete Palmer, it's possible to compute how many extra wins a hitter creates for his team per season. By that measure, Ichiro has averaged two "batting wins" a year during his career. Mr. Pujols, who leads the majors in on-base percentage, averages six.

We're not saying it's Ichiro's fault that the Mariners have lost more than 90 games in three of the last five full seasons. But maybe the wizard of the one-bagger isn't quite as valuable as he seems.
—Ben Austen


私が理解できる範囲で内容を要約してみる。

イチローはシーズン最多安打の記録も持っているし、
現役選手の中では通算打率もプホルスに迫る。
但し、ヒットは量産しているがその生産性は低い。
1974本のヒットのうちなんと81%がシングルヒット、おまけに4本に1本は内野安打。
フォアボールを選ぶことも稀だ。
だから今シーズンも打率で首位争いにいながら、出塁率では25位、得点でも39位だ。
打撃での勝利への貢献度を数値化する"batting wins"というのがあるが、
プホルスは1シーズンで6なのに対し、イチローは2に過ぎない。
マリナーズが過去5シーズンで3回も90敗以上しているのが、
それがイチローのせいだという気はない。
ただ‘シングルヒットの魔法使い’はそれほど役立っていないのかもしれない。


記事のタイトルにある‘Smoke and Mirrors’というのはマジシャンが客の目を誤魔化すために
使うことから、‘人の目を欺くような行為・物、まやかし’という意味。
‘the wizard of the one-bagger’と呼応させている感じだ。

一方で日本のマスコミは相変わらず‘200安打カウントダウン狂騒’を続けている。
‘あと49本となりました’
‘今日はノーヒットで足踏み状態ですが大丈夫でしょう’
‘ついにあと25本となりました’

こんなことを毎日やっているのである。
勿論あちらでもマイルストーンに関しての報道はある。
歴史が長い分より多くの記録がある。
但し、カウントダウンは精々あと1~3個に迫ってからだ。
特に通過点に過ぎない記録の場合は達成された時にその事実を伝えるだけだ。

別にあちらが常に正しくてこちらが間違っていると言うつもりはないが、
私からみれば異常としか思えない。

‘イチローが連続試合安打を‘4’に伸ばしました’
テレビのニュースの限られた時間のスポーツコーナーでこんなことを平気でやる神経がわからない。
安打製造機のイチロー様に対して‘4’だよ、たった‘4’だよ。

'If a dog bites a man, that's nothing, but if a man bites a dog, that's news.'

100年前のイギリスの新聞王Northcliffeの言葉だが、
中学?の英語の教科書で読んだような記憶がある。
かつてはマスコミ論の巻頭にでもあって、一般人でも知っている有名な話だが、
昨今のマスコミ関係者はそんな古臭い発想には興味が無いのだろうか。

上で紹介したWSJの記事をどこかの日本のメディアが取り上げるか待っていたが、
今のところ発見できなかった。
日経新聞でもやればいいと思うのだが・・・。

かつて現役ディーラーの頃は、WSJの早刷りの記事で相場が大きく動き翻弄されたものだ。
今回の記事の影響?
まったく無いだろうな。

奇しくもこの記事の指摘はいまやイチローに気味が悪いほどのデレデレ振りを見せる張本が、
かつてイチローを批判する時に言っていたものと似ている。
何とも皮肉な話と思えるが、安打数、打率という‘単純な数字’は単純な一般大衆の心を
捉えるには有効な武器となるということなのだろう。

確かに今のマスコミの手口は‘単純化’かもしれない。

2009年8月14日金曜日

4番松井秀喜に盆と正月が一緒に来た~4安打、2HR,5打点、4得点、YESのお立ち台~

ヤンキースは今日からマリナーズとの4連戦。
昨日の延長サヨナラ勝ちの後、ロングフライトでシアトルにやってきてお疲れモード。
おまけにA-Rodやポサーダ、ジーター、リヴェラが軽い故障を抱えている状態だ。
その故障とは関係なく予定通りにディ・オフになったエロに代わって
今日は久々の4番を務める松井秀喜。
昨日は今季初の3番だったが、結果も散々、表情にも覇気が無かったように感じた。

しかし今日は一転した。

1打席目はリードオフシングルをレフトに打ち、先制のホームを踏んだ。
2打席目は3塁にランナーをおいてライトへ弾丸ライナーの2ランHR。
3打席目は一塁ゴロに倒れるが、4打席目はライト前にRBIシングル。
そして5打席目は右中間にぎりぎり飛び込む2ランHR。

5打数4安打、2HR,5打点、4得点という文句なしの結果を出した。

かつての日本のメディアではNYY-SEA戦を松井とイチローの日本人直接対決という、
アホな表現が横行した。
わたしは機会が有ることにそれを批判していたが、連中もさすがに打者同士に使うのは
おかしいことに気付き、最近は減ってきたように思える。

しかし、敢えて言おう。
松井秀喜とイチローの‘直接対決’は存在すると・・・。

それは松井のヒッティング・チャートに関係する。
今日の4安打のうち3本がイチローのエリアだ。
弾丸ランナーは彼の頭上を越え、ライト前は文字通りイチローが処理。
圧巻は2本目のHRでイチローが忍者のようにフェンスに駆け登り、
あわやキャッチというプレイになった。

これぞ‘直接対決’だろう・・・(>_<)

勿論松井は左打者だから自ずとライト方向への打球が多くなるのは必然だが、
イチローがセンターを守っていた時はセンターを狙い打ちしていた記憶がある。

試合は11-1のスコアでヤンキースが圧勝した。
10点差の試合で2HR,5打点の荒稼ぎはまるでかつてのA-Rodのようだが、
まあたまにはこういう数合わせで存在感を示すのも必要だ。
‘かつての・・・’と書いたのは実は最近のエロ、特に今年は終盤の僅差のゲームで、
同点弾、勝ち越し弾が多くクラッチ・ヒットが得意になってきているからだ。

松井は試合後のYESのインタヴューにお呼びがかかった。
今季2度目だが、前回はあのサヨナラ弾ではなく、5月のTEX戦で2打席連続弾を放った時だった。
以前書いたことがあるが、松井やカブレラ、王建民を呼ぶには通訳が必要になるので、
局側としてはできれば避けたいらしいが、今日は松井しかいなかった。
サバシアの好投も資格十分だが先発投手は基本的にほとんど呼ばれない。

因みに去年と今年、松井のお立ち台が実現したのは、なぜかマイケル・ケイがオフの時で、
実況がケン・シングルトンの時に限っている。

記事の見出しにも‘Matsui’‘Godzilla’‘#55’の文字が躍る。

時あたかも世界中?で‘Obon’の真っ最中だが、
今日の松井秀喜にはまさに盆と正月が一緒に来た感じだった・・・(^。^)

こうなるとNY紙の1面登場にも大いに期待したいところだが、ロード、特に西海岸の場合は
締め切りの問題もあってか軽く扱われることが多い。

‘盆と正月・・・’の表現は奉公人が休めるのがこの時期しかなかったことに由来する。
松井秀喜が来季シアトルで‘奉公’していても驚かないと書いていた番記者がいた。

ナリポン的には絶対嫌だよ。
この時間帯の試合だと数少ない楽しみである外での昼飯が難しくなる。

2009年8月8日土曜日

メジャー・デビューの田澤には荷が‘重いで登板’~自己ワーストのホーマー・レスA-Rodにサヨナラ弾を浴びBOS連敗~

BOSベケット、NYYバーネットのマッチアップは両者スコアレスの好勝負。
その後のリリーフ陣もその空気を引き継いでなんと延長14回を終わっても0-0のまんま。
YESのマイケル・ケイが‘大変だ~、スコアシートが15回までしかない’と
騒いだのが効いたのかどうかはわからないが15回裏に2アウトランナー1塁で
A-Rodがサヨナラ2ランを放って試合が決着した。

14回から投げていたメジャー・デビューの田澤が負け投手。
今日メジャーに緊急昇格したばかりで10日の先発要員の可能性があったのだが、
延長突入で‘最後のひとり’になって登板となった。

14回もピンチを迎えたが、好守備とギリギリのファウル・ボールに救われた。
但し運もそこまでだった。
15回、自己ワーストの72打数ノー・ホームランのエロが格の違いをみせる一撃。
打球が飛びこんだのが文字通り‘無人のブルペン’だったのが象徴的だった。

まあメジャー・デビューには荷が‘重いで登板’だったな・・・(>_<)

田澤は名前しか知らないが、ここで思い出したのが桑田真澄のメジャー・デビューだ。
その時にはこんなことを書いている。
試合展開は違うが似ている部分も多い。

桑田真澄

かつて熱狂的な巨人ファンだった私は‘さすが桑田’も‘どうした桑田’も数え切れないほど
味わってきた。
グラウンド外での言動には疑問を感じることもあったが、
フィールドの中の桑田は好きだったし、ある種の敬意を払っていた。
ピッチングが駄目でもフィールディングやカバーリング、
そしてバッティングで煌く野球センスは抜群だった。
その桑田が巨人を戦力外になりメジャーに挑戦。
実現性には疑問を感じながらも密かに応援していた。
その桑田がメジャー昇格を果たし、そのデビューをヤンキース戦で飾った。
ヤンキースファンの‘驕り’と思われるかもしれないが、デビュー戦がヤンキース、
それもヤンキースタディアムというのは桑田にとっても‘夢舞台’だったのではないだろうか。

大差のついた負け試合、これが桑田登板の条件だと思っていたし、
それは私の利害とも一致する。
だからボンバーズが爆発すればいいのだ。
そうやって桑田真澄(実況はマシュミ・クワァタ)がマウンドに現れた。
1イニング目は下位打線で見事に三凡、但し2インニング目はトップからだ。
2アウトをとったあと、アブレイユを歩かせるとエー・ロッドが2ランHRを浴びせた。

悔しいだろうが美しい・・・(^_^.)

日本のマスコミは相変わらず、桑田と松井の対決に興奮しているが、
そんなものは昔の巨人の紅白戦で観られたものだ。
ジーターを三振に仕留める。
現在のHRキングのエロの一発を浴びる。
それがメジャーリーガーになった‘実感’だろう。

桑田が将来自分の野球人生を振り返る時には‘価値ある一発’として蘇ると思う。


桑田の場合はまさに‘思い出登板’になった。
田澤も長い目でみれば‘良い思い出’になるかもしれないが、
BOSファンにしてみればそんな悠長なことを言ってはいられない。
ベケットで落としたのは痛いだろう。
昨日は‘Red Alert’の見出しがあったが、今日は‘Pushed to the limit’になっていた。

因みに今日勢いで観戦した3試合(ヤンキース戦、マリナーズ戦、巨人戦)は
すべて延長サヨナラHR決着だった。

A-Rodがサヨナラの主役になれたのは前回の松井のヘルメット・トスを
カブレラから強奪したからだな・・・(^O^)/

2009年8月7日金曜日

ヤンキースが‘9試合に1勝を得る’~今年の鬼門‘靴下(赤)’を克服~

今年のヤンキースにとって‘靴下’は鬼門だ。
‘赤’相手に8連敗、‘白’相手にも3連敗した後やっと1勝しただけだ。
今日から始まった‘靴下(赤)’の4ゲームシリーズ。

名実ともにライヴァルを相手に8連敗は悲惨なことだが、
これでもヤンキースが2,5ゲーム差で地区首位を確保しているのは逆に素晴らしいとも言える。

数学は零点なのに総合点では1番だ・・・(^。^)

そして今日ヤンキースは今季初勝利を挙げた。

これが‘9試合に1勝を得る’ってやつだね・・・(>_<)

別に数学が不得意なわけではない。
両チームの最近の対戦成績だが、NYYが負け越したのは1回だけ、
あらためて見ても惚れ惚れするほどの好勝負をしている。

2008 9-9
2007 10-8
2006 11-8
2005 10-9
2004 8-11
2003 10-9
2002 10-9


今日勝ったとはいえまだ1-8だ。
これをイーブンに持っていくためには今後8-1が必要。
さすがにそれは無理っぽいと考えるのが常識的だが、
こういう歴史的に裏付けのある数字は思わぬ帳尻合わせを演出することもある。
卑近な例を挙げると、5回終了時点で1時間しか経ってない試合が終わってみれば
いつも通りに3時間を超えることはしばしばある。

因みに現地実況my9の今日の視聴者アンケートは



観たいのはどっち?

1.BOSとのALCS
2.LADとのWS


ん、これって両方観るのがベストじゃん
と突っ込みたくなったが・・・(^。^)

ただ、もし私がBOSファンだとしたら生来の弱気の虫が騒ぎ始めて
そもそもポスト・シーズンに進めるかどうかもかなり心配な状態に陥っているに違いない。
下からレイズが迫ってきているし、それ以上に少し前までは東地区で決まりと思われていた
ワイルドカードが西地区の台頭で混沌としてきたからだ。

今日の試合は‘打たれるピッチャー’と‘歩かせるピッチャー’の戦いで
途中からはグダグダになったが、やっぱりボストン戦はテンションが上がる。
ポサーダの本塁憤死のシーンではひとりテレビの前で
‘ったくポサ公は・・・’と舌打ちしていた。

松井秀喜は1安打だったが打点3はお見事。
ああいうレフトへのアタリと引っ張ってHRというのを器用に
打ち分けることができれば鬼に金棒なのだが・・・。

嬉しいことに今日のNY紙2紙が松井の‘背中’を採用した・・・(^O^)/

松井秀喜が好投手ハラディから奪った通算4号HR~その雄姿がNY紙DailyNewsの1面を飾っていた~

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松井秀喜が現地8月4日の対TOR戦で放ったセンターバックスクリーンのテレビカメラ直撃弾。
9回表4-3とリードする中で2点差にする一撃だった。
試合の流れ的には1面を飾るほどのものではないと思ってチェックを怠っていたが‘甘かった’。

なんとその雄姿が堂々とNY紙DailyNewsのスポーツ1面を飾っていた。
この1本で対ハラディからは通算4号となったが、これはヤンキースの中では最多となる。
あのA-Rodでさえ実は1本しか打っていない。
打率は0241と良くないのだが何故かこの好投手相手にHRを‘量産’しているのだ。

松井秀喜のメジャー人生が始まったのも彼が相手だった。
7月末が期限のトレードの目玉だったが結局成立しなかった。

さて、来年このふたりの対戦はどういう形で実現するのだろうか・・・(>_<)

2009年8月4日火曜日

焼き鳥のハツモトが美味すぎる~自宅で焼けば安い、美味い、数量限定なし~

飲みに行く時に焼き鳥屋というのはひとつの有力な候補だ。
貧乏学生しかり、サラリーマンしかり、お洒落系の店ならばカップルもアリだ。
私もそれぞれの人生のステージで数多くの焼き鳥屋に通った。
憧れの人、故・林美雄と一回だけ飲んだのも六本木の焼き鳥屋だった。

それが心臓を病んで東京を離れ当地にやってきてからは、飲みに行くという習慣がなくなった。
一時は1週間に4~5回は飲みに行っていた男が今や年間で4~5回しか機会が無い。
タバコの煙が漂う空間に耐えられないのだ。
但し家では毎日‘浅酒’を楽しんでいる。
当然、自宅が居酒屋化するが妻の負担は案外軽い。
食べる量や種類が以前とは比較できないほど減った。
それ以上に彼女を楽にするのは昼飯を食べに行った後に、運動のためにスーパーとかに一緒に行って、
そこでメニューを決めてやることだ。

先月の或る日、私が選んだのが鶏のハツだった。
昔は、うなぎ屋に行くと‘肝焼きありますか’と訊くように、
焼き鳥屋では‘ハツありますか’と訊く癖があった。
特に大好物というほどではないが、どちらも数が限定されていることが殆んどなので、
これを注文するすると通を気取る事ができるような錯覚をしていたのかもしれない。
或いは‘すみません、おわっちゃいました’と相手に言わせることで、
ある種の負い目を感じさせられるという打算があったのかもしれない。

ハツは心臓のことだ。
英語のheartsが語源だと思っていたが、一部にはドイツ語のHerzから来ているという説もある。

私の人生を激変させたのは2000年の心筋梗塞、それによって心筋の約70%が壊死したが、
これが再生する可能性は無い。

そんな欠陥心臓を抱えていると否応なく心臓という言葉に関心は高まる。

‘ハツを食べると心臓にいいぞ’とベタに誰かに言われても、
‘おっ、わかってる、常識だよな’と返事をしたくなる。

だが焼き鳥屋に最後に行ったのはもう5年前ぐらいで、ハツには縁遠かった。
そこで急に食べたくなったのだ。

実は大昔、健康だった頃一度家でチャレンジしたことがあったが、
あの時はぽっこりしたあのまんまを焼いて大失敗、全然美味しく感じなかったことがある。

そこで今回は私が検索して焼き方を調べた。
本当に便利な世の中になったものだ。
何個か読んだが、このサイトが簡潔で写真も鮮明で気に入った。
問題の下処理についても分りやすく書いてある。
プリントしてかみさんに渡そうとしたが、そこであるものが目に留ったのだ。

ハツ元
ハツをきれいに切りそろえた際の切れ端を一体どうするつもりなんだ。 
もしかして捨てる気かっ!
そんなもったいないことしません。 それも串に丁寧に刺して焼き上げます。 
酒飲みにはたまらないハツ元という串が出来上がるわけです。

ハツモトというのは過去に聞いたことが無かったが、こんなキャッチーなことを書かれたらやるっきゃない。
というか気分的にはこの謎のブツの方が突如主役になった。

ハツの元の方で、白い脂身がまとわりついている。
調べても確信は得られなかったが、心臓に繋がる大動脈らしい。

そしていよいよ夕食。
ハツは捌いたことにより、プロの店のようなハート型になっていた。

う、うまい・・・(^。^)

そして件のハツモトだ。

なにこれ、超うめ~、美味すぎる・・・(^。^)

脂分が実に良い感じで、食感も独特だ。
ハツと交互に食べると変化が有って良い。

砂肝大好き、レバーは駄目なかみさんと息子もこの‘初物’は気に入った様子だった。

ここ2週間で昨夜は4度目の‘ハツ・パーティー’になったが、
ブログで取り上げるのなら自ら経験してみようと、久々に厨房に入った。
ハツを上下に切り分け、ハツの方は包丁を入れて裂き、水で洗って血抜きをする。
その後氷水に入れた。
血といっても実は‘血栓’だった。

これを取り除かないと、また梗塞系の病気を発症しそうだな・・・(>_<)

ハツモトの方も同様に水洗いする、細かい血管が見える。

思いの外あっさりと仕事を終えたが、久々の厨房は楽しかった。
これでも学生時代は時に手料理を女性に振る舞う腕が有ったナリポン。

この‘ハツ・パーティー’の材料費は約150円。
店によってはレバーと一緒にモツとして売っているが、ハツやハツモトを堪能するには
ハツ単体のパックを探した方がいい。

鶏一羽から1個しか取れない心臓だけに焼き鳥屋では貴重なハツ、ハツモトはもっと稀少だ。
一部店で提供しているところもあるようだが勿論数量限定。
メニューには載せず‘裏’で常連だけに出しているところもあるみたいだ。

それが自宅でやると、安い、美味い、数量限定なし。
前に紹介したふぐ白子焼きと違って通年で簡単に手に入るのも勝手が良い。

味付けはやっぱり塩だ。
これだけ何度もやってるから1本ぐらいタレにして‘試食’してもいいのだが、
そんな気がまったく起きないほど相性が良い。
一味や七味も不要。
強いて言えば、ハツの方には柚子胡椒か。
ハツモトの方は先ずは絶対素の味を楽しむべし。