2009年4月23日木曜日

ジーターも驚きの松井秀喜の‘実父ヒット’~ゴジパパが観戦するとゴジラが爆発する~

松井秀喜は昨日のOAK戦で今シーズン初めてのマルチヒットを記録したが、
今日も第2号HRを含む2試合連続のマルチヒットを打った。

別に大騒ぎするほどの記録でも何でもないが、何しろ膝の状態も大いに懸念され
バッティングも本来の調子に無い中では‘快挙’と言ってもいい。

そして‘快挙’の背景にあったのはゴジパパの存在だ。
松井の両親と兄貴夫婦が激励のためにニューヨークにやってきているのだ。
昨日と今日の2試合を観戦している。

短期間でバッティングを上達させる方法としては、誰でもメジャーリーガーになれると
ディレック・ジーターが推奨している‘ZIP HIT(ジップヒット)’が有名だ。

松井の場合は‘実父ヒット’だな・・・(>_<)

この言葉遊びは我ながら傑作だと思うが、‘Zip Hit CM’を知らない人には
まったく通じないのが弱点だ。

今日初めて新ヤンスタでホームランを打ったの!・・・(^。^)

この強力な対抗商品‘実父ヒット’には当のジーターも驚きを隠せず、
松井の完璧な一撃が着弾した位置をガードナーと確認していた。

いや、待てよ
そういえばジーターの両親もしばしば観戦に来ているし、
その時はジーターも良く打っているような印象がある。
彼も‘実父ヒット’の効果については実感しているに違いない。

ガリレオこと湯川准教授にでも言わせれば
‘父親が観ていると打てるというのは物理学的にはまったく論理的ではない。もしそうならば、なぜ球団が全選手の父親を帯同させないのか、さっぱり分からない。’
となりそうだが、そうでないと困る面もある。

ゴジパパはこの2試合だけを観戦して帰国するからだ。

今日はMLB.comにもMatsuiが溢れていた。
HR画像がトップを飾り‘Matsui's knee responding to treatment’という記事もあった。

膝の治療が奏功してDL入りが遠のいたとする内容だが、
それは膝そのものの問題もあるだろうがやはり結果が出てきたからという感じもする。

今日の試合は延長14回とさすがの野球好きでもチョッと疲れる展開。
松井が主役になるのを期待したが、決めたのは7回無死満塁で三振に倒れて
大戦犯候補のカブレラの一発だった。

ホームで出迎える輪の中には普段とは違ってはしゃいでジャンプしている松井の姿があった。

マウンドに現れるだけでブーイングの対象になっていたヴェラスが
今日は圧巻の3.1/3無失点劇で勝ち投手になった。

彼の父親が観戦していたかどうかは確認できてないが、
そもそも‘実父pitch’という商品は存在しないから無関係と思われる。

それにしてもなぜ天下のジーターがあんなに怪しげな商品のCMに出演しているのか、
さっぱり分からない。

2009年4月20日月曜日

松井秀喜が放った今季初のクラッチ・ヒット~結果を出してDL入り歓迎論、不要論を封じるしかない~

松井秀喜の左膝が腫れて先発を外された時私はふたつの意味で大きく衝撃を受けた。
本来ならば松井に関する重大なニュースとして何か書こうとも思ったが、
一種の‘失語症状態’に陥った。

先ずは松井の膝に関する懸念だ。
ジラルディのおとなの発言の陰に松井の近未来が見えてしまったのだ。
これはきっと深刻な状態で、いわゆるDay to Dayから近日中にDL入りさせる魂胆に違いない。
そして松井の選手生命が絶たれる日が来るかもしれない。
やばいことが起こると自己防衛目的に思いっきり悲観的になるのがナリポン流だが、
今回は松井のことだから際限が無い。

もうひとつのショックは現地のヤンキースファンの反応だ。
心配する人は極少数で、大方はDL入りを歓迎しているのだ。
これでDHのポジションをもっと機動的に活用できる。
そして、そもそもマツイはヤンキースにとって完全なliabilityとする不要論が台頭する。
守れない、走れないDH専用でしかも打てない選手をなぜキープする必要があるのか。
一部に今までどれだけ戦力になってきたか考えろという意見もあったが所詮少数派だった。

そういうファンの反応は当然想像できたが、もしこれがディベートだとすると、
私も殆ど対抗する術を持たない。

あの日は代打出場するが三振に倒れる。
ますます不要論者が勢いを増す。

次の日は先発を外されたが、歴史的大敗になったところからBチームの一員として出場。
久々に快音を残すスタンデイング・ダブルを放った。
そのお陰かどうかはわからないが今日は7番で先発した。
ところが、第1打席、第2打席は凡退、結果のみならず内容も印象が悪い。

バーネット対パヴァーノで少しハンディをあげたくなるマッチアップなのに
1-3とリードを許す展開も苛立つ。
7回1アウト満塁のピンチを凌いで何となく良い流れになりそうな裏の攻撃。
先頭の好調カノーがダブルで出塁し、打席に松井だ。
試合の行方のみならず松井のこの先の起用法にとっても重要すぎて息が詰まる。
マイケル・ケイが過去の対戦成績が2-2と紹介した直後だった。
快音を残し鋭いライナーがセンター左に飛んだ。

やったー、タイムリーだ・・・(^。^)

観客の大歓声が沸き、それを聞いた私は少し震えた。

松井秀喜今季初のクラッチ・ヒットだな・・・(^O^)/

その良い流れの中で、代打ポサーダが逆転2ランHR(ビデオ判定)で一気に逆転した。
ヤンキースの巨大なliabilityだったパヴァーノが立場を変えてまたliabilityになるのを
阻止できてファンも大喜びだ。

松井不要論を唱えていた例の現地掲示板を後でチェックしてみた。

ゴジラがまた起きたぞ
やった、ゴジラ
マツイ、俺が馬鹿だったと分からせてくれて有難う
よかったね、マツイ

何という節操の無さと言えばそれまでだが、結果を出せば逆にこうなるのだ。
我々だって稀代の大打者を何千回?ショボリゲスと呼んでいることか。

言い方を変えれば基本的には結果を出さなければプロではないという
極めて単純な論理が働いているだけだ。

個人的には今日の勝利が今シーズンの中で最も嬉しい。

松井のバットの振りはまだ安定しているとは決して言えないが、
打席でのボールの見極め方は良くなってきていると思う。
シングルトンも驚いていたが、打率と出塁率が瞬間的には0.20近く乖離していた。

思いっきり悲観していた男が1日で楽観する訳もないが、
真っ暗な闇の中で一筋の光明は差してきたかもしれない

2009年4月17日金曜日

新ヤンキースタジアムの開幕ラインアップになんとか名を連ねたHideki Matsui~10日間でここまで追い詰められるとは~

去年、旧ヤンキースタジアムでの最後の試合について書いた時、
‘ニューヤンキースタジアムでの開幕戦は来年の4月16日、
その時のラインアップにHideki Matsuiの名前があることを望んでやまない。’
と結んだ。

2009年のレギュラーシーズンが開幕した4月6日、Hideki Matsuiの名前は4番DHにあった。

このまま新ヤンキースタジアムの初戦も松井が4番かもしれないぞ・・・(^。^)

ところがその後の10日間で状況は一変する。
一向に調子の上がらない松井は打順を7番に落とされただけでなく、
2試合連続でラインナップから外された。
いや、実際はテシェイラの手首負傷がなかったらもっと外されていた。

ポサーダが2試合連続でDHになったレイズ戦の時だ。
今年は松井に対して好意的に転じた感のある現地番記者がブログで
‘Let’s be honest, Hideki Matsui looks helpless.’
と書いた。

私は4月2日にこう書いている。

ヤンキースの4番を務めることではしゃぐのは、
結婚を‘めでたくゴールイン’という安易さと似ている。
実際に幸せになれるかどうかはその後で決まる。

我ながら素晴らしい読みだが‘その後’が1週間を意味し、
実際ここまで不幸になるとは全く想像できなかった。

出場して凡打の山を積み上げる松井、先発を外されベンチで所在なげにしている松井。
出るも地獄、出ないのはもっと地獄。
ファンとしてはどちらも見たくない松井だ。

‘投打’に大活躍しその陽気なキャラでファンに大人気の新4番スウィッシャーとは
文字通り明と暗の存在に見えた。

このまま松井は居場所を無くしてしまうのだろうか・・・(-_-;)

そんな弱気がしきりに心を過る。
自分が病人であることには十分に慣れている筈なのに、社会的な露出が極めて限定的なことで、
精神的なポートフォリオにヴァリエーションが少ない。

簡単に言えば松井依存度が高く、それによって1日の精神状態が大きく左右されるということだ。

当然落ち込む毎日が続いたが、一方で松井が不調であればあるほど松井がより身内のような存在として感じられた。

新ヤンキースタジアムのオープニング・ゲームのラインアップに松井が選ばれるかどうか、
まるで自分の子供の合格発表を待つ気分だった。
不動心を誇る松井だが、今回もし‘不合格’になったら少なからぬダメージがあるような気がした。

ネィディの突然の故障で合格の確率は高まったと思ったがそれでも不安だった。
いつもの番記者のブログを早々にチェックすると、どうやら開幕戦前日に既にジラルディはメディア向けには発表したようで、それの公表解禁が午前10時だということがわかった。
さらに調べると某USATODAYが掟破り?で既に公表していた。

おぉ、7番DHだ・・・(^。^)

安堵しながら、何故こんなことで喜んでいるのか、
たった10日間でここまで追い詰められたことを改めて実感した。
もしネィディが元気だったらライトを守り、DHはスウィッシャー、松井の出番はなかったかもしれない。

実際に発表になったラインアップはこれだ。

YANKEES

Derek Jeter SS
Johnny Damon LF
Mark Teixeira 1B
Nick Swisher RF
Jorge Posada C
Robinson Cano 2B
Hideki Matsui DH
Cody Ransom 3B
Brett Gardner CF

Pitching today: LHP CC Sabathia


去年のファイナルゲームでは8番DHだったから‘昇格’したとも言える。
旧球場の古い黒板に代わるラインアップ表の写真が欲しかったが見つけられなかった。

開幕セレモニーが終わり、選手紹介へ。
控えの選手に続き先発メンバーが登場。

久々に松井の晴れ晴れとした表情を見た。

今のCLE戦はボーナスステージかと思いきや、同点の7回にブルペンが大崩壊で初大ブーイングの嵐。
メッツ同様新球場の開幕戦を飾ることはできなかった。

密かに初HR、初グランドスラムを期待した松井は彼らしくない内野安打で一応Hは記録。
他に3個の四球を選んで5打席中4回出塁した。

バーニーをはじめとして客人が多く、実況がないがしろだったYESだが、
その中でケン・シングルトンが
‘今の低迷する松井にはこういう四球や出塁はきっかけになるかも・・・’と言っていた。

何れにせよ、何かをきっかけに復調して欲しい気持ちで一杯だ。
10日間で急落した松井株が10日間で急騰することだってある。

2009年4月14日火曜日

MLB.TV Premiumの魅力と問題点~MLB視聴環境は自分で整える時代~

MLBファンにとって最もシンプルな願望は自分が観たいチームの試合、観たい選手のプレイを
自由に視聴できることだ。

コアなファンを含めてMLBに関して興味を持つ人達は確実に増加しているように思えるが、
それに逆行するように視聴環境は悪化している。

今季からスカパーがMLBから完全撤退した。
これで基本的にはNHK依存になったが中継は数的にも試合の選択方法に関しても
不満を持っている人達が多いのではないか。
大したことではないが日テレが7億円ともいわれるニュース映像の購入を見送ったことも象徴的ではある。

NHKの試合の選び方に関しては人それぞれの‘正論’がありそうだ。

日本人投手の先発試合をやらないとはどういうことだ。
100敗するチームの消化試合を何故毎日放送するんだ。
金満球団だけじゃなくナ・リーグも時にはやれよ。

NHKも彼等なりに機動的に対処しようとはしているのだろうが、
すべての人達を満足させることは難しい。
日本人メジャーリーガーが稀少な時代は何とかなったが、これだけ増えてしまうと簡単ではない。
特にMLB偏重の批判もある中では昔のように1日3試合なんて贅沢はできないのだろう。

視聴環境の悪化を嘆き不満を言っていても何も解決はしない。
本当に観たい気持ちが強ければ自己解決するしかない。

そこで登場するのが今日紹介するMLB.TV Premiumだ。
MLB.comを訪問する人なら知っているだろうか、彼等がネット配信するサーヴィスだ。

私は2005年から3シーズンMLB.TVに加入していた。
そのお陰でヤンキース戦全試合ライヴ観戦が可能になった。
去年は契約せずに、闇の世界で流れるネット中継にお世話になった。

今年再び契約を決意したのは新ヤンキースタジアムで行われたカブス戦2試合を
MLB.TV Premiumで視聴したせいだ。
販促目的のための無料サーヴィスだったが文字通り彼等の術中に嵌ってしまった。

過去のものに比べていくつかの大きな魅力があったのだ。
先ず映像が格段に綺麗だ。
全部ではないがHDクオリティになったものは勿論、そうでないノーマルなやつでも
私が知っている頃と較べると鮮明だ。
それ以上に決断の決め手になったのはHOMEとAWAYの放送を選択できるようになったことだ。
前は基本的にはHOMEの放送しか観られなかった。
これによりヤンキース戦はビジターゲームでもYESの実況で観られる。
YES大好き人間のナリポンには何とも嬉しい話だ。

他にも色々な機能がある。
2画面や4画面にして同時に複数の試合が観戦できる。
ハイライト映像やGAME SUMMARY、BOX SCOREもクリックひとつだ。

年間で約2500試合、1週間で約100試合が観られて、
過去のゲームも自由に好きな時に何度でも観られる。
それで出費はMLB.TV Premium年間契約で今だと$109.95だ。
加入時期と残存期間に応じて今後はディスカウントされる筈だ。

MLB視聴難民なら直ぐに飛びつきたくなってしまいそうだが、注意すべき問題点も少なくない。

1. BLACKOUT RESTRICTIONS

その地域で放映権を持つ権利者を守るために規制がある。

JAPAN AND SOUTH KOREA Regular Season and Postseason Live Blackout: Due to Major League Baseball exclusivities, during the MLB Regular Season and Postseason, all live games will be blacked out in Japan and South Korea. Each game will be available 45 minutes after the conclusion of the game as an archived game (archived games are blackout free).

日本はこのブラックアウトの対象エリアだ。
従ってLive中継を観ようとするとこのメッセージが表示される。
ではLive視聴が無理かと言うと方法はある。
対象国以外のproxy(プロキシ、串)を設定することで回避できるのだ。
詳しく書きたい気もあるが、ややグレイな領域なので勘弁。
中国串がお手頃だと思う。
プロキシって何という人はググって勉強して欲しい。
実は私も用語としては聞いたことがあったが4年前にこの目的のために
初めて実践的に利用した。

上の説明を読むと試合終了45分後には、ブラックアウトの規制が外れ
アーカイブで試合が観られると謳っているが現状はそこまでいっていない。
当初はフォーラムに‘45 minutes or 45 hours?’という怒りのスレッドがあったが、
今は改善されてアーカイブ化される時間は短縮された。
3,4時間経てば串無しで観られることも多くなった。

2.PCに関する知識

私自身PCに関する知識は平均よりチョイ上程度だが、
何しろ1日で関わっている時間は多いのでそれなりの経験値はある。
今回はMLB.TV Premium固有のソフトであるNexDefをインストールするだけで
他は何もする必要が無かった。

但し人によってはそれ以外に必要なソフトや設定がなされていないと
観られない可能性もある。

英文だがSystem Requirementsを読んで(眺めるだけでもいい)みるといいと思う。
ついでにSubscription Access FAQもどうぞ。

3.PCのスペックの問題

上のSystem Requirementsを読むと必要最低限のPCのスペックが書いてあるが、
実際はスペックによってかなり映像に差がある。
私が試したWin XP2台と悪名高きVista1台の3台では雲泥の差がある。
最も高スペックのVistaマシーンはほぼ完璧。
映像も鮮明だし途中で停止することも殆ど無い。
ところがXPの2台だと高画質に耐えられずに画質を落とさないと安定しない。
特にフルスクリーンにすると固まることが多い。
通信環境は同じだがPCによってかたやBSハイビジョン並み、
かたやアナログ映像以下という現実がある。


4.運営のいい加減さ、英語の問題

上の方で触れたが試合終了後45分後には・・・と謳っていながら、実際は現状では実現されていない。
この点に関してメールで質問しても答えはテンプレが届くだけ。
過去にも月毎契約で誤請求のケースがあったが$5を奪還するのに
何度メールの遣り取りが必要だったことやら・・・。
米国内ならフリーダイヤルがあるが、日本からだと電話代が必要。
$5のためじゃ割が合わない。
それでも泣き寝入りは絶対嫌なので場合によってはそれも考えたが・・・。

日本で受けている色々なサーヴィスのスタンダードは世界的に見れば実に高い。
同じような感覚で考えると駄目。
ヤンキース戦のリンクが別の試合で3回の途中まで直らなかったこともあった。

サーヴィスの質が低いのに商売は熱心だ。
手続きの画面を進めていくとデフォで自動更新になってしまうので、
その気の無い人はチェックを外すこと。
キャンセルをするには昔は電話のみだったが今はメールでも可能。
但し勿論全部英語だ。
英語が苦手な人には厄介な事になる。

以上、MLB.TVの魅力に触れながら寧ろネガティヴな面を強調し過ぎた感じもないではない。

折角契約しようと思っていたのにこの記事を偶然読んで考え直したくなった人も
或いはいるかもしれない。

それは正直私の性格のせいだ。
金の問題もあるがそれ以上に、例えば何かのフリーソフトをインストールしようとして
それに失敗すると異様に苛立つ。

契約したのに試合がまったく観られない、アーカイブは観られるがライブはロックがかかる。
いや一応全部観られるけど画質が酷い。
画質はいいけど紙芝居みたいで動画にならない。

こんな不満を持つ人がみんなの中に絶対出てきそうだからその辺の注意を喚起したいだけだ。
私自身は極めて満足している。

楽観的になる方法もある。
$109.95と言えば今の為替レートだと1万1千ぐらいだ。

そうだ、定額給付金で加入すればいいんだ・・・(^。^)

えっ、待てよ、それだと日本国内の消費にならないぞ。
震源地はアメリカですから、臭いにおいは元から断たなきゃダメってことで・・・。

因みに契約後5日以内だと返金に応じると一応謳っている。

MLB.com Subscription Product Refund Policy:
MLB.com will honor any refund request for any MLB.com yearly or monthly subscription product made within five(5) days of the purchase.


《追加関連記事》(2009年7月17日)

日本がMLB.TVのblackout規制の対象外になったぞ~これで串刺し無しでライブ視聴が可能に~

2009年4月12日日曜日

ヤンキースは地力を発揮して3連勝、問題は絶不調の松井秀喜~持ち味の‘最低限の仕事’もできず~

いきなり2連敗して今季のヤンキースは絶望的だとした連中もいたが、
その後は地力を発揮して3連勝。
先発投手3人で失点合計はわずかに3、先発に勝ちが付く正統派の戦いっぷりだ。

打撃面ではニック・スウィッシャーがこの世の春を謳歌している。
どこかアクターズ・スクールにでもいそうなキャラだが、自分でも好調過ぎて恐ろしがっているらしい。

事故死したLAAのNICKと大当たりのNYYのNICKでは好対照だ。
打数は少ないがチーム内3冠王どころかほかの打撃成績も殆ど彼がトップだ。
確かにややラッキーな面もあるが、それもきちんとバットを振っているからだろう。

ポサーダも肝心なところでは打点を挙げて存在感十分。
去年の4月は打率1割台で低迷したカノーも今年は好調。
ヒットを打つだけでなく、あれほど我慢できずに何でも振る男が早くも四球を‘量産’している。
他の打者もそれなりに活躍し始めてきたので、著しく不調な4番松井秀喜が殊更目立つ。
一応今日は今季2本目のヒット(左中間ダブル)を放ったが、
目の前でスウィッシャーが掃除した後で打点にもならない。
後続の好調2人も凡退したので点数に絡まない虚しい一打になってしまった。

素人目にも明らかにバランスが悪い。
外のボールを追いかけながら下半身が引けている。

ヒットが打てないだけでなく、お得意の‘productive out’もできない。
昨日は無死2塁で、解説のフラハティが松井は最悪でも楽にランナーを3塁に進めるだろうと
お墨付きを与えたのに三振。
今日はスウィッシャーがヘッドスライディングで1アウト3塁の状況を作ったのに、
点にならない2ゴロで‘最低限の仕事’ができなかった。

マイケル・ケイの‘NOT JOB DONE’を聞くと、まるで自分が責められているように感じて
溜息が出る。

3試合目に予想外のスタメン落ちをした松井だが、
今の調子だと首脳陣が起用に消極的になるのは当然と言える。

いつまで続くかわからないが、お調子者スウィッシャーの名前をどこかに入れようとするだろう。

今日のラインアップは当初デーモンがお休みでレフトにスウィッシャーの予定だったが、
テシェイラが左手首を痛めて急遽変更になった。
特にシリアスではないので長引かなそうだが・・・。

YESの中継の中で今年からの企画で‘TOYOTA TEXT POLL’というのがある。
毎試合4択の設問で視聴者アンケートをやるのだ。

今日のやつは故障から復帰した4人の選手の中で活躍が期待される人は誰という問いだった。
結果は

1.ポサーダ 63%
2.A-Rod   22%
3.王建民  11%
4.松井秀喜  4%


目の前の調子に影響されやすい刹那的な数字だろうと思いながらも、
まあ仕方がないかな・・・。

もうひとつ、新ヤンキースタジアムのこけら落としのカブス戦(2戦目)の時に実施したのは
ヤンキースの中で誰が最もHRを打つかだった。

1.テシェイラ 55%
2.A-Rod    34%
3.松井秀喜  6%
4.その他   5%


これだけ期待されていないと逆に開き直ってしまえと言いたくなるが、
ともかく結果を出して実績を積み重ねスタメンに相応しい信頼を得るしかない。

2009年4月9日木曜日

ここは大人になって‘上原君、メジャー白星デビューおめでとう’と言っておこう~勝てないヤンキース、打てなかった松井秀喜~

ヤンキースの負け試合は基本的には書かないのだが、今日はBALの上原のデビュー戦。
おまけに松井秀喜は5タコLOB4、一発出れば同点の場面で凡退し最後の打者になるという
戦犯イメージだったので一応書いておく。

NYYとBALの第2戦は王建民と上原のマッチアップで、
かつてアテネ五輪で投げ合ったことがある。
ヤンキースの松井と上原がかつてのチームメイトだということもあって、
現地のメディアもこのアジア人対決に注目し細かく紹介していた。

かつては‘き’が付くほどの巨人ファン、いや長嶋巨人ファンだった私は
当然上原には一定の愛着を持っていた。
多くの人がそうであったようにプロデビューイヤーの上原にはその成績だけでなく
‘雑草魂’を唱える人間性にも惹かれたものだ。
その後は必然的に‘華のある存在’になってしまい、2005年以降は成績もパッとしなくなった。
それでも国際試合には強く、2006年のWBCの準決勝の好投は、決勝の松坂より印象に残っている。
メジャーへの憧れは強く持っていて、FA取得後晴れてBALへの入団が決まった。

上原との対戦に関して松井秀喜は‘やっつけたい’と彼らしからぬ‘不規則発言’があった。
仲の良さからくるものだったと思うが、あの時点で嫌な予感がした。
実際直接対決で3タコだっただけでなく、RISPで打てず5タコLOB4。
9回には5点差を2点差にしてベンチの上原が貧乏ゆすりを始めた。
松井に一発が出れば同点となり上原の勝ちが消える場面でも凡退してしまい、
上原の勝ちを‘確定’させる最後の打者となった。

あのまま5点差で大敗していたら目立たなかったのに、完全に戦犯イメージになってしまった・・・(-_-;)

まあしかしここは精一杯大人になって
‘上原君、メジャー白星デビューおめでとう’と言っておこう。

ヤンキースは連敗、ジーターは‘It’s two games, just two games.’と言っているが、
一部のファンは既にパニック状態で‘The end of the world’の空気が漂う。
松井も打率0.100でテシェイラ(0.111)に抜かれた。

明日は個人的には先発ローテ5人の中で最も勝てそうな気がするバーネットに期待する。

ところで今日の現地実況はきちんと‘ウエハラ’と発音していたが、
スペイン語圏の人達はどうなのだろう。
昔、スペイン人の部下が‘ジョジョギウエアラ’と言うので何だと思ったら
‘代々木上原(YOYOGI-UEHARA)’のことだった。
連中は‘h’を発音しないから‘ウエアラ’になるみたいだ。

明日の‘イデキ’の出来はどうだろうか・・・(?_?)

2009年4月7日火曜日

開幕4番の松井秀喜2ラン追撃弾も虚しくヤンキース大敗~新戦力サバシア撃沈、テシェイラ不発~

ヤンキースの負け試合は基本的には書かないのだが、今日は開幕戦。
おまけに4番DHで出場した松井秀喜は7回の第4打席で1点差にする2ラン追撃弾を放ったから、
一応書いておく。

巨漢サバシアが5回持たず6失点、BBは5個でKはゼロ。
高額年俸から言えば大きな誤算なのだが、実は去年も4月までに6試合に投げて
1勝4敗ERA7.88だから,大型車らしくエンジンのかかりは悪い

新ヤンキースタジアムで対カブスの2戦目、連続HRを度肝を抜く弾道でかっとばした
テシェイラも開幕戦は4タコ。
彼も実はスロースターターなのだ。

メディアは新戦力2人を戦犯扱いしたがるだろうが、今日の試合はみんなが何かしら
やらかしての敗戦だった。

でもね~、あの松井の2ランで流れはこっちのものになったと思ったんだけどね。

8回の1アウト3塁で、今日3安打のジーターが最低限の仕事ができなかったのが致命的。

同点を逃したことで流れがあっちに行き4失点、試合は再び壊れた。

あのまま1点差で9回松井からの攻撃ならまだチャンスは大有りだったのに・・・。

今日はYESではなくESPNの実況で観戦していたが、
逆に私の知らない人の松井に関してのコメントは新鮮だった。

ゴジラは日本にいる時は火を吹いていたが、メジャーに来てからは火を吹いてない。
状況に応じた打撃をするRBIマンと紹介。
そして打った瞬間HRと判る当りを放った時も、その完璧な一撃を褒めるのではなく、
7回、3点差、ランナー1塁のいうシチュエーションで何をすればいいか理解している点が
素晴らしいと強調していた。
確かトーリの言葉を引用していたと思う。

開幕初戦で改めて所謂空砲の虚しさを実感してしまったが、
いきなり‘チーム内2冠王’になった4番松井の今後は楽しみだ。

2009年4月4日土曜日

ニュー・ヤンキースタジアムのライトポールに歴史を‘刻んだ’松井秀喜~讀賣の広告も松井シフト?~

いよいよニュー・ヤンキースタジアムのお披露目だ。
カブス相手に2連戦、今日は朝から雷雨に見舞われて中止の予想もあったが
お天道様も空気を読んだのかなんとかプレイボールにこぎつけた。
松井秀喜は予想通りの4番DHでの出場。

‘非公式’試合とはいえ、誰でも考えるのはHRを含めて新球場での‘初モノ’狙いだ。
その初HRはカノーに奪われた。
第1打席はピッチャーゴロに倒れた松井の第2打席。
今季からリードオフマンになったジーターが先頭出塁したが、その後の2人が凡退した。
松井は2球目を叩くとライト線を急襲するが判定はファウル。

審判がボブだったらダブルになってたな・・・(^。^)

その後3-1からエンドランでジーターが走り、松井は空振り。
あのままジーターが走っていたら完全にアウトだったが1塁へ出戻ってセーフ。
フルカウントになって強振した松井の当りはライトへ・・・・。

マイケル・ケイもボールの行方を追いながらの懸命の実況。
言葉を溜めながら最後まで見極めていたから‘It …is…….gone!’で
お得意のキメ台詞‘See Yah!’は無かった。

ボールはライトのファウルポールを直撃していたのだ。

審判がボブだったらダブルにされてたな・・・(-_-;)

2-3と1点ビハインドで放った逆転2ランHR,クリーンアップとしては
まさに責任を果たす価値ある一発だった。
残念ながらその後同点にされるが、勝ち越しの3ランHRを打ったのは
エロの代役のランサムだった。

そしてこれが何とレフトのファウルポール直撃弾だったのだ。

審判がボブでも何もできなかったな・・・(>_<)

こけら落としのゲームで左右のポール直撃弾が生まれた。
おまけに打ったのはA-Rodの代わりに4番を務める松井と、3塁を務めるランサムというのも面白い。

試合後のMLBのスタジオ・ニュースを見ていたら、松井がぶつけたポールが大写しになったが、
その部分の黄色のペンキがはっきりと‘剥落’していた。

松井はニュー・ヤンキースタジアムのライトポールに歴史を‘刻んだ’な・・・(^。^)

‘非公式’で打てないとそれはそれで心配だが、打ってしまうと‘公式’に取っておきたいと感じてしまう。

ボーリングの練習ボールがストライクだったり、ゴルフのスタート前の練習で
ロングパットが決まってしまったりした時の感情に似ている。

左右のポールは既に‘ヴァージン’ではなくなった。
次に狙うのはバックスクリーンと新設されたその上のガラス張りのレストランか。

フィールドそのものは旧スタジアムを再現したようだが、広告のボードは微妙に違っている。

ライトアッパーデッキのKOMATSUは経営環境が厳しい中なんとか予算を捻出して、
松井のHRボールを待っている。

ライトフェンスの世界のSONYはライン際のダブルを待っている。
そのソニーの左隣には漢字で‘讀賣新聞’が・・・。
左中間から移動してきたが、これは松井がDH専任となったと判断した上での‘松井シフト’なのか。

讀賣がやると機動的なのか日和見なのかわかんないな・・・(-_-;)

今でもレフトフェンスで外野手としての松井を待っているCanonが健気に見えてしまう。

恐らくデータ的に最も効果的なのはセカンド付近の芝生にCGだよね(コラコラ)・・・(>_<)

確かに内野ゴロは多いが、一方でHRを打つ時は簡単に打っている印象がある。
ダブルAでの1本を含めてすべてランナーがいる時に打っているのも効率的だ。

今年は思いのほかHR数が伸びるかもしれない。

試合は7-4でヤンキースが勝利したが、得点はすべてHR。
8イニングで3度の‘Man on 3rd, < 2 outs’のチャンスがあったが全滅だった。

松井のコピーロボットが必要だな・・・(^_^)

2009年4月2日木曜日

ヤンキースの4番松井秀喜で開幕を迎える興奮と期待と重圧~A-Rodの代役ではなく自分のスタイルで主役になれ~

2009年の松井秀喜はヤンキースの4番として開幕を迎える。
1年前を覚えているだろうか。
開幕のラインアップに名前があるかどうかも最後まで確定せず
結果的には名前はあったものの打順は8番。

個人的にはそれほど打順には拘りはなく、先発に残ったことに安堵したが、
多くの人はこの打順を‘屈辱的’と考え、ジラルディ新監督の蒙昧さを指摘する声も聞かれた。
しかし6試合目には5番に昇格。
堂々とチーム内三冠王を争い、5月にはア・リーグの首位打者争いに参加していた。

さて2009年はどうだろう。
オフに膝の手術をしてSTの実戦に加わるのも遅れ、その経過や調子次第では
開幕に間に合うかも懸念されていたのはある意味1年前と同じだった。

3月の初めに漸く実際の試合に出場したが、その頃ヤンキースの4番A-Rodに故障が発生し、
手術を敢行する事態になった。

エロ‘亡き’あとの4番は誰だという一見大問題が浮上したが、実は答えがすんなり出た。
‘ヒデキも当然候補者のひとり’という監督発言がそのまま‘確定’に近い形で
報じられるようになっていくのだ。
桁違いの年俸総額、タレント集団と言われながらも実はA-Rodが抜けると
代わりの4番候補がいそうでいない。
新戦力のテシェイラやポサーダあたりも候補だが、前者を3番に固定することを既に決めていたし、
ポサーダは肩の手術明けとなる不安要素がある。
そんな中、取り敢えずはDH専用になる松井が有力になったのか。
それほど積極的ではなく謂わば消去法で無難な選択をしたのだろうか。

松井は怪我をしてから戦力として劣化していることは間違いないが、
それでも全盛時に刷り込んだイメージとして‘clutch’と‘RBI machine’がある。

こういった印象作りに貢献しているのは所謂‘最低限の仕事’だ。
先日その辛口記事を紹介したNY POSTのJoel Shermanもその点ははっきりと認めている。

One of Matsui's strongest assets in building value is his run production. You know as a fan how it drives you crazy when a hitter cannot drive in a runner from third with less than two outs. Well, Matsui has succeeded at that 137 out of 189 times in his career. That is 72.5 percent. Among active players who have been in that situation at least 100 times in his career, Matsui is second in the majors to Cleveland's Victor Martinez (74 percent).


以前にはMLB歴代プレイヤーの中で1位という報道もあったが今は抜かれて2位らしい。

松井にはファンがここで1点は確実と言う場面でまさに確実にその1点を計算できる安心感がある。
A-Rodはこのシチュエーションが苦手だ。
簡単に犠飛ぐらい打てそうなもんだが、何も起こらない三振や内野ポップフライに倒れ
ファンの大きな溜息を誘う。
そのかわり、エロには2アウトランナー1塁でガツンとHRを決める強さはあったりする。

何れにせよ実績からいえばエロの打撃の方が松井を凌駕しているのは歴然たる事実。
だからこそ松井にはA-Rodの代役ではなく自分のスタイルで主役になって欲しい。

カモメはカモメ、エロはエロ、そして松井は松井なのだ・・・(^。^)

1試合で10打点なんて無駄な派手さはいらないから、勝敗を決する貴重な1打点が見たい。

‘堅実’‘確実’‘時々ハデ’でいいじゃないか・・・(^。^)

ヤンキースの4番を務めることではしゃぐのは、結婚を‘めでたくゴールイン’という安易さと似ている。
実際に幸せになれるかどうかはその後で決まる。

ただ、クリーンアップがひときわ注目されるスポットであり、戦犯にもヒーローにもなり易いことは事実だ。

ひとつのプレイに対しレヴァレッジがかかって評価の対象になる。
NY紙の一面カバー率が異常に高いA-Rodが不在だから、そこに登場する機会も増えそうだ。
特に結果が出せないケースでのバッシングは強烈だろう。
新球場完成で盛り上がる中、チームとして2年連続の失敗は許されない。

STの試合で4番を打ち続けてきた松井は3本目のHRを放ったが、
2割打者が本当に4番でいいのかという不安もある。

でもいいではないか。
転がってきたチャンスだが松井の真価を問うには絶好とも言える。
今季は契約の最終年、来季以降の再契約はかなり微妙な状況だ。
何となく出場して、何となく評価されて、何となく未来を決められるよりは、
はっきりと‘白黒’を付ける方がいい。

例年スロースタートなヤンキースが、4番松井のお陰で開幕ダッシュに脚質転換。
な~んてことになって‘ミスター・エイプリル’‘ミスター・メイ’とか呼ばれる展開が
美しいのだが、さてどうなることやら・・・。

理由は無いがエロは予定より早く復帰しそうな気がする。
あいつはそういう奴だ。

因みに去年の開幕戦は2-2の同点から松井の決勝2ゴロでヤンキースが勝利した。

今日は努めて冷静に書こうとしているが、それは実は自身に言い聞かせている部分もある。
開幕が目前になり‘4番の重圧’はファンである自分にもひしひしと伝わってきている。