2009年2月5日木曜日

名画座通いには青春があった~30数年前に観た‘アメリカの夜’~

世の中のオヤジ達は懐古主義が強すぎて自分の名画座通いには青春があったが、
レンタル屋に通う昨今の若者には青春は無いとでも言いたげだ。
いや、そんな暴論を吐きたがっているのは実はかれこれ10年以上映画館に
足を運んでない私だけかもしれないが・・・。
それでも病人の強みで、去年1年でも恐らく500本以上の映画を観ている。
ソフトを自己調達するのもいいが、名作や旧作にはテレビもかなり使える。
昨夜はNHKのBS2の黒澤特集‘用心棒’はマークしていたが、
深夜にあった‘アメリカの夜’はノーマークだった。
正式な邦題ではその前に‘映画に愛をこめて’とあるのがやや押しつけがましい。

30数年前に一度観たことがあるが鑑賞後ノートに何やら書いている。
トリュフォー作品で期待したのにそれに裏切られたせいなのか、
或いはまさに我が青春の蹉跌の中で何かに焦り苛立っていたのだろうか。


アメリカの夜(DAY FOR NIGHT)

女がアルフォンスと寝たのに
あのロマンス・グレイのジェントルネスとテンダーネスは
もはやひとつの偽善ではないか
3日も絶食した猫はもう既にミルクの飲み方を
忘れてしまったのだろうか
よどみない愛情はまるで夜の急行列車だなんて気障なことを言ったって
君は本当に夜汽車を見たことがあるのかい
夜汽車なんて大嫌いさ
闇の中にあんなに多くの忘れ物をして
窓の外の存在を全く顧みない
夜汽車なんて大嫌いさ

それにどうして消防車から雪が降り
弾丸も出ないのに音だけで人が死ぬのだ
バスが2秒遅れたからって
あの街が生まれ変わる必要なんか
どうしてあるんだ
女に“あそこは俺のもんだ”と言ったところで
どうにかなるとでもアルフォンスは信じていたのだろうか
女が魔物か否かおまえが一番よく分かるのに
どうして同じ質問を続けるんだ

どうでもいいけど
ジャクリーン・ビゼットの鼻が
小川真由美のそれとそっくりで
スクリプター役の無名の女が
榎美沙子にあんなにも似ているのだろうか

(昭和50年5月20日)


内容も言葉も稚拙で晒すには恥ずかしいが、あの頃の迸る感じが自分には懐かしい。
中ピ連の榎美沙子に時代を感じて‘あの人は今’風に調べてみたがどうやら消息不明らしい。

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