2007年8月3日金曜日

松井秀喜の初の月間MVPに思うこと~さあ、次は‘10月’のMVPを目指そう~

私にはひとりの松井秀喜ファンとしての自負がある。
松井秀喜の野球観を十分理解していると勝手に思っている。

個人の記録やタイトルを自己目的化させることなく、
常にチームの勝利を最優先に考えるこの男の美学に惹かれている。

自分自身が確固たる信念を持って松井秀喜を見ているからブレは無いと言いたいが、
実はそうでもない。

日本のマスコミは信用できないが、現地のマスコミやファンがどういう風に
松井を扱っているかはかなり気になる。

松井にエー・ロッドやジーター、ジオンビのような存在感は無い。
どちらかと言えば地味で縁の下の力持ち的な存在だ。

派手ではないが、強く信頼されている松井に誇りを感じている。

ただ私のような考え方は一方で、狭い世界に松井秀喜を置いて
勝手に自己満足しているというそしりを免れない。

7月の松井は大爆発した。

現地マスコミでも松井の称賛記事が頻出するようになった。

前半戦のチームの低迷の準戦犯扱いされていた松井が、
逆にヤンキースの奇跡を起こす立役者になりうる。

MatsuiがGodzillaだのmonsterだのと言われ、実況ではon fireと絶叫される。

7月の松井に関して再三目にし、耳にしたのはpowerという言葉だ。

大多数の日本人のファンは松井にHRを期待する中、私はそうでもない。
ホームラン・バッターと言うよりはクラッチ・ヒッターと呼ばれる松井が好きだ。

そんな私が思わず苦笑してしまうほど7月の松井はHRを打った。
そして、私も改めてホームランの醍醐味に魅了された。

7月の松井の活躍はノー・ダウトだが、それが今日オフィシャルに認められた。

自身初めてのア・リーグの月間MVPに選ばれたのだ。

そうそうたる名前が並ぶリストにHideki Matsuiの名も刻印された。

4月からコンスタントに活躍していれば、7月末時点での数字は可能だったかもしれない。
それを平均的に実現したのではなく、7月の大ブレイクによって達成した。

私はコンスタントな松井も好きだが、人々は劇的な方を好むのも事実だ。

平均的であれば獲得できなかった月間MVPを獲得し、
多くのファンに存在感を鮮明にアピールできたのは松井にとっても大きかったかもしれない。

もっとも、受賞の報を聞いても松井秀喜は松井秀喜らしいコメントに終始したが・・・。

今季のア・リーグ月間MVP、過去4ヶ月で3回もMVPを輩出したヤンキースだが、
これでプレイオフに進出できないという悲劇は、いくら野球はチームスポーツとはいえ悲しすぎる。

ヤンキースがどうにかしてプレイオフに進み、そこで松井がシリーズのMVPに輝く。

‘10月’のMVPこそが松井秀喜の究極の夢の実現だろう。

うだるような暑さの中、そんな真夏の夜の夢を描いてみた。

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