2005年2月16日水曜日

ソル de スリ

マドリードといえば1998年の会議に出席した時スリ被害にあった。
5日間にわたる会議が終了した翌日の土曜日買い物に出かけた帰りだった。
レアル・マドリードのレプリカユニホームや革製品等を買って両手に紙袋を持っていた。
繁華街の中心、ソル(太陽の門という意味のプエルタ・デル・ソルPuerta del Sol)を
歩いていた時だ。

ニューススタンドに日経新聞を見つけ、その見出しを読みながら買おうかどうか迷っていた。
1部500円以上するが、10月に長銀が実質的に破綻し、次は日債銀だと噂されてた時期で
関心は高かった。

その時だった。
私の足元にコインをばら撒いて(これは後から判ったことだが)一人の男がまとわりついてきた。
その瞬間、背後から二人の男が私のズボンの後ろポケットを物色、一人がまんまと分厚い財布を
ゲットし、そのまま全速力で逃げていった。
初めての経験だったが、咄嗟にヤラレタとわかった。

咄嗟と言えば、そのコインを撒いてた野郎である。
無意識のうちに私は彼に足払いをして右手を締め上げていた。
それでも懸命に逃げようとする彼を更に締め上げる。
二人の格闘(と言っても一方的に私が優勢だったが)の周りに輪が出来て多数の人々が
見ていたが、誰一人として手を貸そうとする者はいなかった。

おいおい、おまえらラテンの割には随分冷たいじゃないか。

私は武道や格闘技の経験など皆無の単なるデブだったが、幸いにも相手は
ナイナイの岡村のような小男だった。
後から思えば、奴が何か凶器を持っていた可能性もあった訳で・・・。
おまけに当時の私は重い腰痛に悩まされていた筈なのに、いざとなると痛みを全然感じなかった。

手は貸してくれなかったが、何人かが「policia?????、policia?????」と叫んでパトカーを呼んでいた。
ソルは大繁華街なのでそもそもパトカーや騎馬警察が常駐している。
警官が野郎を後ろ向きに壁に押し付け、後ろ手に手錠をはめた。

それと同時に周囲から大歓声と拍手が起こった。
おいおい、みんな遠巻きに見てた根性なしの癖に調子よすぎじゃないか。
日本人だけじゃなく面倒な事には巻き込まれたくないってことか。
‘電車男’はスペインにはいなかった。

犯人グループの一人は自力で確保したが、肝心の財布はどうなってしまったのか。
パトカーに乗るのは人生で初体験の私は地元警察署へと向かった。

                         To be continued.

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