2008年2月3日日曜日

さあ、病理検査結果はどうフェイタルか~シロかクロか灰色か~

予想外に早いタイミングで無事手術を終えたのを素直にラッキーと思いながらも
いざそれが叶うと次が気になって仕方がない。

ポリープを切除することは大事だがそれ以上にフェイタルなのは
こいつがどう蝕んでいるかという病理的な分析結果だ。

私が集めた情報では、この病院の場合10日から2週間で結果が出るらしい。
ところが私の担当医は週に1回しか外来の診察を受け持っておらず、13日後の23日では
結果が出ていない可能性があるとのこと。
そこで念のために1週延ばして30日の予約にされた。

この念の入れ方は患者にとっては余計なお世話というものだ。

確実に13日間で結果が出るように内部的に連携するのではなく、
無用の6日間の忍耐を患者に強いる選択をするのである。

制度的に可能かどうかわからないが結果が出たら詳細は後日でいいから、
受験の合否のように電話かメールでシロかクロか教えてくれればいいのに・・・。

ところで手術、退院後の生活には注意点がある。
酒や辛い物は1週間控えるようにとあった。
直接的には関係ないが一番長い禁止事項は温泉で3週間、血行を良くするのがいけないらしい。

普段は自主判断で軽く掟破りをする場合もあるが今回は忠実に守った。

守ろうが破ろうが病理検査の結果には影響ないのに、
行儀を良くした方が好結果が出るのではという小心者らしい感性だった。

2週間が経過してからの1週間が長かった。
世が世なら既に結果を知ることができていると思うとどこか被害者感覚らしきものもあった。

寝ていても珍しい人物が登場する夢をみたりした。
どちらかと言えば会いたい人間ではなく避けたい人間の夢が多かったような気がする。

大腸癌に関する耳学問も再び深めた。

医者の説明に対してどういう質問をしたらいいかもあれこれと想定した。

そして愈々30日がやってきた。

朝食は過去に松井秀喜が復帰する時に食べると縁起の良かった鮭だ。

実は12月に胃の内視鏡検査も受けていた。
全く問題なしだったが、その時と同じヤンキースの‘シロ’のフリースを着て病院に向かった。

9時過ぎに到着しコールされたのは10時45分。
その間もまるで試験前の学生のようにプリントアウトした資料を読んでいた。

診察室に入室する前にヴォイスレコーダーのスイッチもオン。

医師の説明は簡潔だった。

3個の小さなポリープは良性。
問題の大きな方は癌化の途上にあったが癌にはなっていない。
もし放置していれば確実に癌化していた。
良いタイミングで切除できて良かった。
今回はこれでお仕舞いで通院の必要なし。
ただポリープの出来やすい体質と思われるので2年後を目途に再検査が必要

おぉ~~、なんというベスト・シナリオ・・・(^。^)

さすがに涙は出なかったが泣きたいぐらい素直に嬉しかった。

せっかく積み上げた大腸癌に関する知識は披露できなかったが・・・(-_-;)

検査を受けた時のベスト・シナリオは異常がないことだ。
ポリープが発見された時のベスト・シナリオはそれが良性なことだ。

ところが少し捻くれた感覚としては、今回のように放置していれば確実に癌化してたものを
一歩手前で未然に防ぐことができた方が‘やったー感’が有りシナリオとしても充実感がある。

クロは嫌だが全部シロも単純すぎる。
灰色を阻止できたのが嬉しい。

今回のポリープ騒ぎを知っていたのは数少ない身内とふたりの友人だけだ。

検査結果を知らせるとみんな安堵しながらも、どこか物足りない様子でもあった。
気持ちがわからない訳でもない。

私も4日連続でこの話題について書いてきた。
まるで性質の悪い連載漫画のように勿体をつけたティージングになってしまったかもしれない。

‘な~んだ、結局単なるポリープだったんだ。心配して損した。’

そんな声が聞こえてきそうだ。

私は最終的にセーフだったことを知った上でどんなに怯えていたかを書いた訳だが、
飽くまでもこの50日間の自分の心の浮沈を忠実に表現したかっただけなのでご理解頂きたい。

‘健康な魂なんて退屈なものだ’という文学的な世界もあるだろうが
やはり人は健康な心身を素直に歓迎すべきだ。

(終り)

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