2009年3月1日日曜日

Forbes Global 2000でみる‘一年先’は闇~AIGに続きランキング5連覇のシティグループも政府の管理下に~

マスコミが犯罪者について近所の人の評判を集めている場面で、しばしば耳にする決まり文句がある。
‘顔を合わせるといつも挨拶をするし、まさかこんなことをする人とは・・・’

おいおい、挨拶をするかしないかだけで犯罪者になるかどうかわかるのかよ・・・(>_<)

世の中には陽気で愛想が良い犯罪者もいる訳で、この決まり文句の単純さを馬鹿にしていながら、
一方でお隣さん達に会うと‘いざという時’に備えて必要以上に丁寧に挨拶をしてしまう
自分がいたりするから面白い。

挨拶を基準にしての‘まさかあの人が・・・’というのは余りにも根拠が希薄だが
こっちの‘まさかあの会社が・・・’はどうなのだろうか。

有力経済誌フォーブス(Forbes)は世界の富豪のランキングを発表することで有名だが、
世界の企業についてもForbes Global 2000というランキングを公表している。
経済誌と言えばフォーチュン(Fortune)も有力で古くからアメリカ国内外の企業ランキングを
発表しているが、こちらは単純に総収入をベースにしている。
一方フォーブスの方は売上高、利益、資産、市場価値の4つの要因に基づいて決められているので、
企業の実力をより的確に反映させている印象がある。

Forbes Global 2000の発表を開始したのは2003年だが、
栄えある初代第1位はシティグループだった。
そしてなんとシティは2007年まで5連覇するのである。
さすがに2008年は急降下するがそれでもしぶとく24位にとどまっている。

AIGはどうだろうか。
3位→3位→3位→4位→6位→18位

AIGは昨年のリーマン破綻直後に資金繰りに行き詰まり破綻寸前に追い込まれたが、
膨大な額のCDSを人質にして政府に救済され公的管理下に置かれた。

シティグループもついに株価は1ドル台に下落、政府が株式の36%を取得する形で
政府の管理下での再建を目指すことになった。

‘まさかあの会社が・・・’なんてもんじゃない。
世界に冠たる超優良企業であった筈の2社が凋落も凋落、まっさかさまの地獄行きだ。

まさに‘一年先’は闇だな・・・(>_<)

こんなことになるとフォーブスの担当者も顔色無しだろう。
ランキングが指標として軽視される可能性もおおいにある。

いや、意地の悪い見方をすればデスノート的指標性はあるかもしれない。
予備軍のひとつに目されているバンク・オブ・アメリカだが、
5位→6位→4位→3位→2位→3位とAIG,シティの後に続くには遜色無い順位を確保している。

資本主義の権化であるアメリカにおいて‘国有化’という言葉はやはりどこか馴染まない。
それに伴うコストも膨大なものになるだろう。

近い将来‘まさかあの国が・・・’という事態があるかもしれない。

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