2009年1月11日日曜日

明治生命の遣り口はあとは野となれ山となれの‘原野商法’~更新型保険料が1万から5万になるなんて聞いてないぞ~

明治安田生命とグーグルに入力すると関連ワードの1番手に登場するのは‘金融庁’である。
1年で2度の業務停止処分を受けるという前代未聞の不祥事を起こしたのだから自然なことだ。
業界最古が売りだったが今や業界の‘暗部’を象徴する存在として‘確固’たるポジションを確立した。

別に近年になって変質したのではないと思われる。
歴史が長いということはそれだけより多く人間を巻き込んでインチキ商売を続けてきた訳だ。

恥ずかしいことに私も旧明治生命の餌食にされた一人だ。

明治は90年代初頭、大卒の女子で構成する軍団を立ち上げ丸の内界隈の外資系の職域工作を行った。
私は既に2社の生命保険に加入しており余力は無いと断っていたが、
執拗に証券番号を教えるように迫られた。
本体との為替取引の関係もあったので結局根負けした。

彼女はそれをもとに関係者になりすまし解約返戻金を聞きだした。
そして私が邦銀時代に作った安田の解約を提案してきたのだ。
解約してそのお金を一時金として納めると、同じ掛け金で2000万の保証が倍の4000万になり、
満期時の受取も100万から200万になる。
料率が見直されたからそんな神業が出来るとの説明だった。

やるっきゃないですよ・・・(^。^)

実際そうならばWhy not!と思い契約をした。
解約すると当初の見込み額より数万多い金額を手にすることができた。

同じ保険料で保証は倍になるし、手元にお小遣いも入るし万々歳だった。

ところがこれが後に顔を引き攣らせる‘更新型’だったのだ。

契約書をよく読まなかったお前が悪いと言う人もいるだろうが、
10年毎の更新に伴い保険料がどうなるかという具体的な数字は一切無い。
加入時点で健康であれば更新時に病気になっていても続けられるメリットを
強調はしていたような記憶はある。

とにかくいいことだけを並べてハンコを押させる。

普段から慎重で疑り深い私としては情けない話だが、逆に言えばそれほど何の説明もされなかったのだ。

その後数年してから、その販売方法についての問題を本社の然るべき部門の人間と話したが、
のらりくらりと交わされてしまった。
売った張本人は円満退職していた。

10年後保険料は1万から2万4千円に跳ね上がった。

無職には辛いがその2年前に急性心筋梗塞を起こし、身体障害者にも認定された病人としては、
死亡確率の高さに‘賭けて’みたくなる。

ドラを大量に抱えて上がれない麻雀の手のように、保険金を呼ぶ込むことなく月日が流れた。

そして去年の12月に今まで一度も会ったことの無い自称・担当者が訪問してきた。

次の更新で保険料は4万8千円になりますので、よろしくお願いします。

余りにも脳天気な言い草に呆れて怒る気にもなれず、色々なケースを想定した質問をぶつけた。
入社2年目の女性は質問内容を理解できているかどうかも怪しい程の低レヴェルで、
宿題として持ち帰りになった。

ところがその後2週間経っても音沙汰が無い。
そこで私は支社に電話するのではなくコールセンターを通じて事情を説明し、
本社の人間から当地の責任者に電話させる作戦に出た。
所長とその上の組織の部長に連絡がいったから効果覿面。
但し、残念ながら所長もあの女性社員に相応のレヴェルだった。
蕎麦屋の出前のような言い訳でさらに墓穴を掘り収拾がつかなくなったが、
もう年の瀬だったから電話での謝罪で終わり。

年が明けて宿題の答えを持ってふたりがやってきた。
ふたりとも旧安田の人間だったが、旧明治の私への販売は現在ならば
法令違反に該当すると‘断言’した。

さて、このケチのついた保険をどうするかが問題だ。

実は私は第一とニッセイにも加入している。
前の晩かみさんには‘払い過ぎ’と叱られて、‘誰のためだと思ってるんだ’と一悶着あったが、
明治をどうするかは既に方針を決めていた。

具体的な数字は細かくなるので省くが、5個のケースを試算させた中から選ぶことにした。
と言っても選ばせたのは彼らふたりにだ。
会社的に最も困るのはどれかと質した。
海外ドラマや映画で目にするがは悪者が‘人質の選定’をする時に用いる手法だ。

答えは一致した。
全解約ではなく毎月2300円払い続けて終身で死亡保険金200万を確保するのが
客にとっては最も賢明な選択だ。

早速手続きをすることにしたが、そうなると気になるのがマーフィー君の動向だ。

まさか4000万を200万に減額した途端に逝っちゃったりしないだろうな・・・(-_-;)

不払いキングの明治を喜ばせるようなことは‘死んでも’阻止しなくては・・・(>_<)

ナリポン家的には心筋梗塞の時に死亡していれば100万→4000万で大勝だったが、
それでは私の人生が淋し過ぎる。
ここは70歳まで生き延びて、もし継続したら支払う約1000万の保険料が‘不発’になる絵が最も美しい。

明治生命からは90年代後半、外資系銀行の資金為替部の責任者だった私に別のアプローチもあった。
うちの社員に会社が勝手に保険を掛けて、それを資金取引として鞘稼ぎをしませんかという勧誘だった。
その収益は私の部門のものとして計上される。
法律的に不透明なことが多かったし、そもそも自社の逆ザヤ取引を故意に拡大させて、
個人的にその成果をポケットに入れる社員がいる不健全性に疑問を感じて断った。

私が知る限りでも欧州の大手数行が取引をしたらしいが、問題無く満期を迎えたのであろうか。

社員がもし死んだり退職したりした場合についてもノー・プロブレムと主張していたが、
本当はどうなのだろうか。

私の個人的印象で言えば、明治生命の遣り口は売ってしまえば、
あとは野となれ山となれという‘原野商法’なのだ。

明治安田生命は合併直後松井秀喜をCMに起用したが、
松井のイメージを貶めるような不祥事テンコ盛りは実に遺憾なことである。

先日、大手生保の保険料は原価の3倍ということがネット系生保によって暴露された。
私も含め保険好きと言われる日本人だが、1世帯の生涯払い込み保険料は平均で2000万を
超えるとも言われているから驚きだ。

今後は様相が大きく変わってきそうだが、安心の‘美名’のもとにエグイ商売は通じなくなるだろう。
買い手も私のような事例を他山の石として賢くなる必要がある。

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