2009年1月28日水曜日

人は最後の雑炊を堪能するためにふぐのコース料理に大枚を叩く?~雑炊>白子焼>唐揚げ>刺身>ちり鍋~

今年最初の飲み会はとらふぐのコース料理だった。
前にも一度食べて一同が納得した味と値段の店だったが、
今回は私の強い要望で白子焼を加えてもらった。
いつも幹事役をやってくれる友人が‘黒子’となって交渉し、単品で3000円は覚悟のところを
コースに1000円追加で盛り込んでくれることになった。

かなり厚みのあるふぐ刺しに続き、どことなくココリコの田中に激似と評判の女将が白子を持って現れた。

‘こちら天然のとらふぐの白子で大変貴重なものでございます’

‘天然’を声高に強調していたが確かに天然物は稀少だ。
さすがにかなり小粒だったが4年ぶりに味わう白子焼に舌鼓。
みんなは白子を喰いたいと主張したのが私だと知っていたので、やや気を遣った感じで
‘う~ん’とか‘うまい’とか言いながら食べてくれていた。

次は唐揚げが登場。
骨付きの身の他にとらふぐではない(ショウサイは不明←ナンチャッテ)大きな白子もあった。

そしていよいよ鍋の出番。
他にふぐの握り寿司2貫も運ばれてきた。

参加メンバーは全員年齢はタメで、50を過ぎると‘少飲少食’になるとか話すと‘俺も’‘俺も’状態になる。
実際鍋の段階になるとペースが落ちていた。

その昔江戸でそれなりに喰い道楽をしていた頃、仲間と議論したことがある。
‘○○づくし’のコース料理で飽きないのはどれか。

先ず○○に入るものは何か。
鰻、豆腐、鳥、鯨、鮪、蟹、牡蠣、松茸、鯛、鮭、鮎、貝・・・・
他にも色々と出たと思うが、結論は‘○○づくし’は基本的に‘絶対飽きる’だった。

そんな中‘ふぐは別格、あれは飽きない’と主張する男がいた。
彼はその後グルメライターに転身したことで証明されるように
味覚も鋭く、食に関する知識も豊富で一目置かれる存在だったから妙に納得した。

単にふぐは飽きるほど喰ってないというのが実情だけど・・・(>_<)

但し今回は、握り2貫のところでかなり飽きてしまった。

鍋をなんとかやっつけてココリコ女将が雑炊を作って、小鉢に盛って配った。
すると全員が一口食べた後に異口同音に‘うま~’を連発し始めたのだ。
顔もまさに雑炊を堪能している満足感に溢れている。

雑炊は‘別腹’よ・・・(^。^)

とでも言わんばかりにみんなでお代わり。
私ともうひとりは3杯目も平らげた。
初めはそのままの淡い味わいを楽しみ途中からポン酢を加えたりして変化をつける。

‘まるで雑炊というゴールを目指して今までの料理を食べてきた感じ’と私が言うと、
女将も‘そんなふうにおっしゃるお客さんも多いですね’とフォローした。

食べ始める前にはみんなにふぐコースの中で食べたい順は
‘白子焼>唐揚げ>雑炊>刺身>ちり鍋’と言っていた私だが
食後の印象で言えば‘雑炊>白子焼>唐揚げ>刺身>ちり鍋’にチェンジしていた。

今は低価格路線のふぐ屋もあるが、私が江戸で試していた店はやはりそれなりの覚悟を
持って行かなければならない価格帯だった。
それに比べれば当地の場合は約半分だが‘大枚を叩く’ことには違いない。

人はあの最後の雑炊を堪能するためにその大枚を叩くのだ・・・(^。^)

じゃあだからといって2000円でふぐ雑炊だけを食べれば幸せかと言うとそれは違う感覚だろう。
雑炊が鍋から出る滋味を遺憾なく吸収してその旨さを出すように、
喰い手もふぐコースを食す満足感の集大成として雑炊を味わっている。

家ではスーパーで売っているふぐ刺しを食べるだけで、身欠をつかうことは極めて稀だ。
4年前には楽天のオークションで活とらふぐ1kgを安値で落札して、
白子だけじゃなく‘肝’まで食べたことがあったが・・・。

恐らく、再びふぐのコースを食べるのは1年後だろう。
その時また雑炊が1位を確保できるかどうか・・・。

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