2009年11月5日木曜日

ヤンキースでの‘最終年’に自らMVPに輝き、夢のワールドシリーズ制覇を叶えた松井秀喜~こんなに泣ける悲願達成はない~

ヤンキースがゲーム6でフィリーズを降し2009年のワールドシリーズを制した。
この日がやって来ることを前提に推敲を重ねて予定稿を用意することも可能だったが、
そんなことをすれば徒にマーフィー君を刺激しそうで自重した。
松井秀喜&ヤンキースネタがメインのブロガーとしてはビシッと決めたいところだが、
思いがいっぱいあり過ぎてどんなに言葉を選んでも足りない感じが否めない。

素直に大いに喜ぶべきことなのに、松井は笑顔なのに涙しか出ない。
これほど1日中イモーショナルになることも少ない。

松井秀喜が2003年からヤンキースでプレイを始めた。
もしあの年のワールドシリーズを制していたなら単純に大喜びしていたと思う。
ところが、あれから6年の月日が経っているのだ。
この通算7年の歳月が悲願という言葉の‘熟成期間’となり味わい深いものにしている。
おまけに松井にとってはヤンキースでの‘最終年’に巡ってきたチャンスだ。

松井がピンストライプに拘っていることは昨年の旧ヤンスタの最終試合に先発出場するために
珍しく我が儘を通したことでもわかる。

松井はピンストライプを着てワールドチャンピオンになりたいのだ。

もしこのシリーズがゲーム5で決まっていたなら、松井はラインアップに名を連ねることもなく、
ビジターのユニフォームを着て1打席限りの代打でヤンキーとして野球人生を終えていただろう。
それが運良く順当負けして、ホームに戻ってのゲーム6が実現した。
マスコミは‘Godzilla returns.’と題して松井がDHとして出場できるヤンキースが有利だと書きまくった。
チームメイトのコメントも載せ余りの期待の大きさにこちらが委縮してしまった程だ。
しかし、そんな私の弱気の虫を松井は完全に無視した。

いきなり先制の2ランHR,続いて2点タイムリー、さらに2点追加するダブル。
7得点のうち6得点を叩きだしたのだ。

この大舞台で松井の一人舞台だな・・・(^。^)

自然発生した場内のMVPコールでもわかるようにヒデキマツイは衆目の一致するMVPに選ばれた。
チャンピオンリングだけではなくMVPのトロフィーまで手にしたのだ。

ヤンキースはWSを制覇し、松井はポストシーズンで爆発、ALCSとWSで
MVPに選ばれる。
それでもヤンキースは再契約をせず、それが逆に松井伝説を生みヤンキースの歴史で、
記録より記憶に残る選手として深く名前を刻まれ未来永劫語り継がれる。

これは私がシーズン当初、描いた理想的なシナリオだったが、
これとほぼ同じ形で実現するとはまさに壮大なるドラマトゥルギーを感じる。

ところでテレビのインタヴューやその他で‘誰それの活躍を見て元気を貰いました’という人々がいるが、
個人的には余り好きな表現ではない。

個別にはわからないから単純には言えないが、大半は、特に街頭で答えている連中は
一方的に元気を奪い取っているだけに見えてしまうからだ。
本当のファンは自分のエネルギーも大いに消耗して対象に向かい合っている。
私も松井秀喜に関しては筋金入りのファンとしての自負がある。
自分が注ぎ込んだものも無いくせに安易に元気を貰う奴等の元気なんてその場限りに過ぎない。
まあ、こんな目出たい時に何もここまで熱くなる必要も無いと言われそうだが、
それがなりぽんらしい心の狭さであり拘りなのだ。

そういう意味ではこのブログの読者は松井秀喜あるいはヤンキースに寄せる思いに
溢れた人達が大半だろう。
松井が何か活躍した日のアクセス数が如実にそれを物語っている。
姿は見えないが確実に松井を愛する人達と何かを共有できている感覚は、
基本はベッド暮らしの私にとって実に有り難く頼もしいことだ。

一時期は数多くのコメントを寄せてくれたのに、
いつの間にか完全に姿を消してしまった常連さん達が相当数居る。
ブロガーとしては残念なことだが、それはこのブログに魅力を感じなくなっただけで、
松井秀喜は引き続き応援し続けているに違いない。

何れにせよ松井を愛する我々にとって今日は最良の日になった。
他人事ではあるが私の人生の忘れられない1日となったと言ってもよい。
このメジャーリーグ最高のステージで驚異的な活躍をして主役を演じ、
MVPに名を刻んだこの男を改めて誇りに思う。
特に近年はWBC不参加のせいで珍妙なナショナリズムが台頭し、
松井もファンも微妙な立場に置かれていた分、
私と同様に溜飲を下げた人もいるだろう。

さあ、みんな、溜飲を下げてきれいになった胃袋で祝杯を挙げよう。
私はこの日のために冷蔵庫で待機していた最後のキャヴィアとウォッカだ。

冷蔵庫といえば今日の朝食は予告通りに決勝弾を放ったゲーム2と同じ北菓楼のシュークリーム。
このゲン担ぎが大当たりだった。
ここのシュークリームは何種類もあるが、私が食べたのは『夢不思議』という商品だったのも、
何かの暗示だったのかもしれない。

それにしてもこれだけの大きな‘置き土産’をした松井に対してヤンキースは
本当に今年を‘最終年’にするのだろうか。
新ヤンスタの歴史の1年目をチャンピオンでスタートさせたヒーローに2年目は無いのだろうか。
FOXのMVPインタヴューの最後では松井もあの場に相応しい言葉で賢くアピールしていたが・・・。
何れにせよFAの松井の就活としては訴求力十分だった。

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