2009年11月7日土曜日

9年間のニューヨーカーの渇望を潤したヤンキースの優勝パレード~MVP松井秀喜は風格溢れる花道を飾った?~

ヤンキースがワールドチャンピオンの優勝パレードを行った。
LIVEで見たくてググったら直ぐにヒット、実に便利な世の中になったものだ。
FOXはパレードが始まる数時間前から沿道に続々と集まるファンの姿を映し出していた。
空からのヘリ映像だと護送車のように見えるバスが次々と到着し関係者が登場し歓声が沸く。
そしていよいよパレードのスタートだ。

松井秀喜は選手の中では先頭車両に乗車。
ヒンスキーをボディガードにして、一段高いお立ち台に立ちファンに手を振る。
実況も松井の雄姿を追い続け、しきりにマツイ、ゴァッジラを連呼する。
期せずしてMVP、MVP、MVPの大合唱が起きる。

改めて松井が大仕事をした実感が沸いた。
いまだにあのゲーム6の映像を見ると込み上げてくるものがある私だが、
パレードは余裕を持って晴れ晴れとした気分で見ていた。

次々と選手を乗せた車が現れるが組み合わせが中々面白い。
バーネットはやっぱりモリーナーを指名した。
デーモンとスウィッシャーはちびっこギャングのようでもあり、
ロッカーのようでもあった。
ジーターはポサーダと一緒で生え抜きコンビ。
そして最後の車に乗っていたのはリヴェラ、流石クローザーだ。

ドレスコードがどういうものだったのかわからないが、各人の服装はかなり微妙。
A-Rodの格好を見て実況はCHAPEAU 、CHAPEAUと散々冷やかしていた。

パレードの終点のシティ・ホールに到着しセレモニーが始まった。
簡潔なスピーチの後‘Key to the city’と呼ばれる鍵が3選を果たしたばかりの
ブルームバーグ市長から選手、コーチ、スタッフに手渡された。
松井もマイケル・ケイの紹介で立ちあがった。

おおぉ、さすがMVPだけあって歓声、拍手もいい感じだ。
その後、なんと松井の通訳で現地ではロジャーと呼ばれている
Rogelio Kahlon(ロヘリオ・カーロン)の名前も告げられた。
しかもかなりの声援を受けていたのには驚いた。
最後はジラルディ、ジーターの順で授与された。

パレードが始まってから3時間、その前も含めると5時間以上付き合ってしまった。
マンハッタンの紙吹雪の舞うパレードと言えば私が子供の頃白黒の映像で見た記憶がかすかにある。
それが何のパレードだったのかも全く覚えてないが、地方住まいの少年には
何かとてつもないスケールのものとして心に刻まれた。

今回実際にLIVEでパレードの全容を目の当たりにした。
事前の期待が大きすぎたせいかトイレットペーパーを使った紙吹雪の感じがイマイチで
やや拍子抜けした。

それでも沿道の数多くのファンの歓声やインタヴューを聞いていると、
やはり熱気や興奮が伝わってきた。
松井軸で言えば7年という歳月だが、ヤンキースファンやニューヨーカーにとっては
もっと長い9年の年月が流れていた。
まさにヤンキースのワールドチャンピオン、それを祝福するパレードを渇望していたのだ。

そんな人達の喉を潤すことがやっと今年出来た。
しかもだ、その最高の立役者として活躍したのがMVPの松井秀喜なのだ。
2年に1回優勝していたら優勝自体が‘ルーティン’になっていただろうが、
9年の空白が‘スペシャル’なものにしたのは間違いない。
そう考えるとHideki Matsuiの名は極めて名誉あるものとして
ヤンキースの歴史に刻まれるに違いない。

去就問題が盛んに云々されているが、今日の松井の姿をみてこの1マイル足らずのパレードが
或る意味ヤンキーとしての花道になるのではないかという思いがある。
松井の悲願の世界一、しかもMVPのタイトルも獲得するという完璧な形での結末。
本人は残留を強く希望しているが、この結末は今までの松井の努力だけではなく、
残留できないことへのコンペンセーションを含めて野球の神様が仕組んだような気がするのだ。

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