2008年9月29日月曜日

2008年‘ムースのお仕事’はキャリア初のシーズン20勝~引退して2009年はファミリー・マンになる?~

ヤンキースは完全な消化試合モード。
確かに文字通り胃には優しいが、弛緩した気分で観るゲームはやはりつまらない。

ところが今日はちょっと緊張感を持って観ることができた。
ムースの20勝目がかかっていたからだ。
別に彼が過去に20勝を経験していればどうでもいいことだが、今まで1度もない。
マイケル・ケイ曰く‘シーズン20勝を記録していない最強のピッチャー’なのだ。
実際彼は通算で269勝を挙げていて、これは歴代33位の成績なのだが、
シーズン20勝をしていないのは彼だけらしい。
39歳で初めて20勝を達成すれば史上最高齢の記録になる。

本人は20勝に特に拘る気持ちは無いと言っていたらしいが、
あともう少しで何かをミスする自分を知っているのも彼自身だろう。
9回2アウトからパーフェクトを逃したこともあるし、
20勝目の権利を持っていながら9回にブルペンがブローされたこともあった。

私はチームの勝敗が最優先で個人の成績には普段あまり関心が無い男だが今日は違った。

‘健康のためなら死んでもいい’という言い方に倣えば
‘ムースに勝ちがつくならヤンキースは負けてもいい’・・・(>_<)

BOSの先発は雨で流れ、流れての登板となった松坂だ。
手こずったが、エグゼビオ君がライトフェンスのトップ直撃の3ランHRで先制した。
ムースは要所でゲッツーを奪い6回73球無失点でマウンドを譲った。

20勝を手中に収めるには十分すぎる内容だったが、そこからの9アウトが問題だ。

私は突然この瞬間、ムースの勝ちが消されるような気がした。
7回は9月に現れた注目株のひとりコークが無難に抑えたが、
8回はチェンバレンがピンチを作り、結局2失点、1点差になった。
この段階で私は最終回の同点を確信した。

あ~ぁ、こうしてジンクスは守られるんだな・・・(-_-;)

ところが9回表の攻撃で起用に不服気味のパペルボンを攻略して3得点、4点差とした。

保険最大手のAIGが破綻寸前に追い込まれる世の中だが、
これは流石にインシュアランス・ランになるだろう・・・(^。^)

試合は6-2でヤンキースが勝利。
勝った瞬間のムースは満面の笑みを浮かべ、YESのキムのインタヴューにも機嫌良く応じていた。
笑顔は誰でも素敵だが、特に彼の笑顔はいい。
逆に神経質そうに苛立った時は弱々しく見える。

ムースが5月か6月にこんなことを言っていた。
‘登板して25%は自分の好投で勝てる。25%は自分の不調で負ける。50%は勝つか負けるかまったくわからない。’

わからないと言えば、開幕直後1勝3敗でローテから外せという声もあったムースが、
チームの勝ち頭になり、それも20勝するとは誰も思わなかっただろう。

2008年‘ムースのお仕事’はキャリア初の20勝、まさに偉業だった。

但し、試合後のインタヴューその他を総合するとどうやら今年限りで引退、
2009年は家族と一緒に過ごすファミリー・マンになる公算が高いらしい。
奥さんからは5年前から‘引退勧告’を受けているそうだ。

もしそうなると、ヤンキースは今季のチーム勝利数の22%、貯金の69%を稼いだ
‘ARM’を失うことになる。

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