2009年4月20日月曜日

松井秀喜が放った今季初のクラッチ・ヒット~結果を出してDL入り歓迎論、不要論を封じるしかない~

松井秀喜の左膝が腫れて先発を外された時私はふたつの意味で大きく衝撃を受けた。
本来ならば松井に関する重大なニュースとして何か書こうとも思ったが、
一種の‘失語症状態’に陥った。

先ずは松井の膝に関する懸念だ。
ジラルディのおとなの発言の陰に松井の近未来が見えてしまったのだ。
これはきっと深刻な状態で、いわゆるDay to Dayから近日中にDL入りさせる魂胆に違いない。
そして松井の選手生命が絶たれる日が来るかもしれない。
やばいことが起こると自己防衛目的に思いっきり悲観的になるのがナリポン流だが、
今回は松井のことだから際限が無い。

もうひとつのショックは現地のヤンキースファンの反応だ。
心配する人は極少数で、大方はDL入りを歓迎しているのだ。
これでDHのポジションをもっと機動的に活用できる。
そして、そもそもマツイはヤンキースにとって完全なliabilityとする不要論が台頭する。
守れない、走れないDH専用でしかも打てない選手をなぜキープする必要があるのか。
一部に今までどれだけ戦力になってきたか考えろという意見もあったが所詮少数派だった。

そういうファンの反応は当然想像できたが、もしこれがディベートだとすると、
私も殆ど対抗する術を持たない。

あの日は代打出場するが三振に倒れる。
ますます不要論者が勢いを増す。

次の日は先発を外されたが、歴史的大敗になったところからBチームの一員として出場。
久々に快音を残すスタンデイング・ダブルを放った。
そのお陰かどうかはわからないが今日は7番で先発した。
ところが、第1打席、第2打席は凡退、結果のみならず内容も印象が悪い。

バーネット対パヴァーノで少しハンディをあげたくなるマッチアップなのに
1-3とリードを許す展開も苛立つ。
7回1アウト満塁のピンチを凌いで何となく良い流れになりそうな裏の攻撃。
先頭の好調カノーがダブルで出塁し、打席に松井だ。
試合の行方のみならず松井のこの先の起用法にとっても重要すぎて息が詰まる。
マイケル・ケイが過去の対戦成績が2-2と紹介した直後だった。
快音を残し鋭いライナーがセンター左に飛んだ。

やったー、タイムリーだ・・・(^。^)

観客の大歓声が沸き、それを聞いた私は少し震えた。

松井秀喜今季初のクラッチ・ヒットだな・・・(^O^)/

その良い流れの中で、代打ポサーダが逆転2ランHR(ビデオ判定)で一気に逆転した。
ヤンキースの巨大なliabilityだったパヴァーノが立場を変えてまたliabilityになるのを
阻止できてファンも大喜びだ。

松井不要論を唱えていた例の現地掲示板を後でチェックしてみた。

ゴジラがまた起きたぞ
やった、ゴジラ
マツイ、俺が馬鹿だったと分からせてくれて有難う
よかったね、マツイ

何という節操の無さと言えばそれまでだが、結果を出せば逆にこうなるのだ。
我々だって稀代の大打者を何千回?ショボリゲスと呼んでいることか。

言い方を変えれば基本的には結果を出さなければプロではないという
極めて単純な論理が働いているだけだ。

個人的には今日の勝利が今シーズンの中で最も嬉しい。

松井のバットの振りはまだ安定しているとは決して言えないが、
打席でのボールの見極め方は良くなってきていると思う。
シングルトンも驚いていたが、打率と出塁率が瞬間的には0.20近く乖離していた。

思いっきり悲観していた男が1日で楽観する訳もないが、
真っ暗な闇の中で一筋の光明は差してきたかもしれない

0 件のコメント: