2009年4月2日木曜日

ヤンキースの4番松井秀喜で開幕を迎える興奮と期待と重圧~A-Rodの代役ではなく自分のスタイルで主役になれ~

2009年の松井秀喜はヤンキースの4番として開幕を迎える。
1年前を覚えているだろうか。
開幕のラインアップに名前があるかどうかも最後まで確定せず
結果的には名前はあったものの打順は8番。

個人的にはそれほど打順には拘りはなく、先発に残ったことに安堵したが、
多くの人はこの打順を‘屈辱的’と考え、ジラルディ新監督の蒙昧さを指摘する声も聞かれた。
しかし6試合目には5番に昇格。
堂々とチーム内三冠王を争い、5月にはア・リーグの首位打者争いに参加していた。

さて2009年はどうだろう。
オフに膝の手術をしてSTの実戦に加わるのも遅れ、その経過や調子次第では
開幕に間に合うかも懸念されていたのはある意味1年前と同じだった。

3月の初めに漸く実際の試合に出場したが、その頃ヤンキースの4番A-Rodに故障が発生し、
手術を敢行する事態になった。

エロ‘亡き’あとの4番は誰だという一見大問題が浮上したが、実は答えがすんなり出た。
‘ヒデキも当然候補者のひとり’という監督発言がそのまま‘確定’に近い形で
報じられるようになっていくのだ。
桁違いの年俸総額、タレント集団と言われながらも実はA-Rodが抜けると
代わりの4番候補がいそうでいない。
新戦力のテシェイラやポサーダあたりも候補だが、前者を3番に固定することを既に決めていたし、
ポサーダは肩の手術明けとなる不安要素がある。
そんな中、取り敢えずはDH専用になる松井が有力になったのか。
それほど積極的ではなく謂わば消去法で無難な選択をしたのだろうか。

松井は怪我をしてから戦力として劣化していることは間違いないが、
それでも全盛時に刷り込んだイメージとして‘clutch’と‘RBI machine’がある。

こういった印象作りに貢献しているのは所謂‘最低限の仕事’だ。
先日その辛口記事を紹介したNY POSTのJoel Shermanもその点ははっきりと認めている。

One of Matsui's strongest assets in building value is his run production. You know as a fan how it drives you crazy when a hitter cannot drive in a runner from third with less than two outs. Well, Matsui has succeeded at that 137 out of 189 times in his career. That is 72.5 percent. Among active players who have been in that situation at least 100 times in his career, Matsui is second in the majors to Cleveland's Victor Martinez (74 percent).


以前にはMLB歴代プレイヤーの中で1位という報道もあったが今は抜かれて2位らしい。

松井にはファンがここで1点は確実と言う場面でまさに確実にその1点を計算できる安心感がある。
A-Rodはこのシチュエーションが苦手だ。
簡単に犠飛ぐらい打てそうなもんだが、何も起こらない三振や内野ポップフライに倒れ
ファンの大きな溜息を誘う。
そのかわり、エロには2アウトランナー1塁でガツンとHRを決める強さはあったりする。

何れにせよ実績からいえばエロの打撃の方が松井を凌駕しているのは歴然たる事実。
だからこそ松井にはA-Rodの代役ではなく自分のスタイルで主役になって欲しい。

カモメはカモメ、エロはエロ、そして松井は松井なのだ・・・(^。^)

1試合で10打点なんて無駄な派手さはいらないから、勝敗を決する貴重な1打点が見たい。

‘堅実’‘確実’‘時々ハデ’でいいじゃないか・・・(^。^)

ヤンキースの4番を務めることではしゃぐのは、結婚を‘めでたくゴールイン’という安易さと似ている。
実際に幸せになれるかどうかはその後で決まる。

ただ、クリーンアップがひときわ注目されるスポットであり、戦犯にもヒーローにもなり易いことは事実だ。

ひとつのプレイに対しレヴァレッジがかかって評価の対象になる。
NY紙の一面カバー率が異常に高いA-Rodが不在だから、そこに登場する機会も増えそうだ。
特に結果が出せないケースでのバッシングは強烈だろう。
新球場完成で盛り上がる中、チームとして2年連続の失敗は許されない。

STの試合で4番を打ち続けてきた松井は3本目のHRを放ったが、
2割打者が本当に4番でいいのかという不安もある。

でもいいではないか。
転がってきたチャンスだが松井の真価を問うには絶好とも言える。
今季は契約の最終年、来季以降の再契約はかなり微妙な状況だ。
何となく出場して、何となく評価されて、何となく未来を決められるよりは、
はっきりと‘白黒’を付ける方がいい。

例年スロースタートなヤンキースが、4番松井のお陰で開幕ダッシュに脚質転換。
な~んてことになって‘ミスター・エイプリル’‘ミスター・メイ’とか呼ばれる展開が
美しいのだが、さてどうなることやら・・・。

理由は無いがエロは予定より早く復帰しそうな気がする。
あいつはそういう奴だ。

因みに去年の開幕戦は2-2の同点から松井の決勝2ゴロでヤンキースが勝利した。

今日は努めて冷静に書こうとしているが、それは実は自身に言い聞かせている部分もある。
開幕が目前になり‘4番の重圧’はファンである自分にもひしひしと伝わってきている。

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