自由に視聴できることだ。
コアなファンを含めてMLBに関して興味を持つ人達は確実に増加しているように思えるが、
それに逆行するように視聴環境は悪化している。
今季からスカパーがMLBから完全撤退した。
これで基本的にはNHK依存になったが中継は数的にも試合の選択方法に関しても
不満を持っている人達が多いのではないか。
大したことではないが日テレが7億円ともいわれるニュース映像の購入を見送ったことも象徴的ではある。
NHKの試合の選び方に関しては人それぞれの‘正論’がありそうだ。
日本人投手の先発試合をやらないとはどういうことだ。
100敗するチームの消化試合を何故毎日放送するんだ。
金満球団だけじゃなくナ・リーグも時にはやれよ。
NHKも彼等なりに機動的に対処しようとはしているのだろうが、
すべての人達を満足させることは難しい。
日本人メジャーリーガーが稀少な時代は何とかなったが、これだけ増えてしまうと簡単ではない。
特にMLB偏重の批判もある中では昔のように1日3試合なんて贅沢はできないのだろう。
視聴環境の悪化を嘆き不満を言っていても何も解決はしない。
本当に観たい気持ちが強ければ自己解決するしかない。
そこで登場するのが今日紹介するMLB.TV Premiumだ。
MLB.comを訪問する人なら知っているだろうか、彼等がネット配信するサーヴィスだ。
私は2005年から3シーズンMLB.TVに加入していた。
そのお陰でヤンキース戦全試合ライヴ観戦が可能になった。
去年は契約せずに、闇の世界で流れるネット中継にお世話になった。
今年再び契約を決意したのは新ヤンキースタジアムで行われたカブス戦2試合を
MLB.TV Premiumで視聴したせいだ。
販促目的のための無料サーヴィスだったが文字通り彼等の術中に嵌ってしまった。
過去のものに比べていくつかの大きな魅力があったのだ。
先ず映像が格段に綺麗だ。
全部ではないがHDクオリティになったものは勿論、そうでないノーマルなやつでも
私が知っている頃と較べると鮮明だ。
それ以上に決断の決め手になったのはHOMEとAWAYの放送を選択できるようになったことだ。
前は基本的にはHOMEの放送しか観られなかった。
これによりヤンキース戦はビジターゲームでもYESの実況で観られる。
YES大好き人間のナリポンには何とも嬉しい話だ。
他にも色々な機能がある。
2画面や4画面にして同時に複数の試合が観戦できる。
ハイライト映像やGAME SUMMARY、BOX SCOREもクリックひとつだ。
年間で約2500試合、1週間で約100試合が観られて、
過去のゲームも自由に好きな時に何度でも観られる。
それで出費はMLB.TV Premium年間契約で今だと$109.95だ。
加入時期と残存期間に応じて今後はディスカウントされる筈だ。
MLB視聴難民なら直ぐに飛びつきたくなってしまいそうだが、注意すべき問題点も少なくない。
1. BLACKOUT RESTRICTIONS
その地域で放映権を持つ権利者を守るために規制がある。
JAPAN AND SOUTH KOREA Regular Season and Postseason Live Blackout: Due to Major League Baseball exclusivities, during the MLB Regular Season and Postseason, all live games will be blacked out in Japan and South Korea. Each game will be available 45 minutes after the conclusion of the game as an archived game (archived games are blackout free).
日本はこのブラックアウトの対象エリアだ。
従ってLive中継を観ようとするとこのメッセージが表示される。
ではLive視聴が無理かと言うと方法はある。
対象国以外のproxy(プロキシ、串)を設定することで回避できるのだ。
詳しく書きたい気もあるが、ややグレイな領域なので勘弁。
中国串がお手頃だと思う。
プロキシって何という人はググって勉強して欲しい。
実は私も用語としては聞いたことがあったが4年前にこの目的のために
初めて実践的に利用した。
上の説明を読むと試合終了45分後には、ブラックアウトの規制が外れ
アーカイブで試合が観られると謳っているが現状はそこまでいっていない。
当初はフォーラムに‘45 minutes or 45 hours?’という怒りのスレッドがあったが、
今は改善されてアーカイブ化される時間は短縮された。
3,4時間経てば串無しで観られることも多くなった。
2.PCに関する知識
私自身PCに関する知識は平均よりチョイ上程度だが、
何しろ1日で関わっている時間は多いのでそれなりの経験値はある。
今回はMLB.TV Premium固有のソフトであるNexDefをインストールするだけで
他は何もする必要が無かった。
但し人によってはそれ以外に必要なソフトや設定がなされていないと
観られない可能性もある。
英文だがSystem Requirementsを読んで(眺めるだけでもいい)みるといいと思う。
ついでにSubscription Access FAQもどうぞ。
3.PCのスペックの問題
上のSystem Requirementsを読むと必要最低限のPCのスペックが書いてあるが、
実際はスペックによってかなり映像に差がある。
私が試したWin XP2台と悪名高きVista1台の3台では雲泥の差がある。
最も高スペックのVistaマシーンはほぼ完璧。
映像も鮮明だし途中で停止することも殆ど無い。
ところがXPの2台だと高画質に耐えられずに画質を落とさないと安定しない。
特にフルスクリーンにすると固まることが多い。
通信環境は同じだがPCによってかたやBSハイビジョン並み、
かたやアナログ映像以下という現実がある。
4.運営のいい加減さ、英語の問題
上の方で触れたが試合終了後45分後には・・・と謳っていながら、実際は現状では実現されていない。
この点に関してメールで質問しても答えはテンプレが届くだけ。
過去にも月毎契約で誤請求のケースがあったが$5を奪還するのに
何度メールの遣り取りが必要だったことやら・・・。
米国内ならフリーダイヤルがあるが、日本からだと電話代が必要。
$5のためじゃ割が合わない。
それでも泣き寝入りは絶対嫌なので場合によってはそれも考えたが・・・。
日本で受けている色々なサーヴィスのスタンダードは世界的に見れば実に高い。
同じような感覚で考えると駄目。
ヤンキース戦のリンクが別の試合で3回の途中まで直らなかったこともあった。
サーヴィスの質が低いのに商売は熱心だ。
手続きの画面を進めていくとデフォで自動更新になってしまうので、
その気の無い人はチェックを外すこと。
キャンセルをするには昔は電話のみだったが今はメールでも可能。
但し勿論全部英語だ。
英語が苦手な人には厄介な事になる。
以上、MLB.TVの魅力に触れながら寧ろネガティヴな面を強調し過ぎた感じもないではない。
折角契約しようと思っていたのにこの記事を偶然読んで考え直したくなった人も
或いはいるかもしれない。
それは正直私の性格のせいだ。
金の問題もあるがそれ以上に、例えば何かのフリーソフトをインストールしようとして
それに失敗すると異様に苛立つ。
契約したのに試合がまったく観られない、アーカイブは観られるがライブはロックがかかる。
いや一応全部観られるけど画質が酷い。
画質はいいけど紙芝居みたいで動画にならない。
こんな不満を持つ人がみんなの中に絶対出てきそうだからその辺の注意を喚起したいだけだ。
私自身は極めて満足している。
楽観的になる方法もある。
$109.95と言えば今の為替レートだと1万1千ぐらいだ。
そうだ、定額給付金で加入すればいいんだ・・・(^。^)
えっ、待てよ、それだと日本国内の消費にならないぞ。
震源地はアメリカですから、臭いにおいは元から断たなきゃダメってことで・・・。
因みに契約後5日以内だと返金に応じると一応謳っている。
MLB.com Subscription Product Refund Policy:
MLB.com will honor any refund request for any MLB.com yearly or monthly subscription product made within five(5) days of the purchase.
《追加関連記事》(2009年7月17日)
日本がMLB.TVのblackout規制の対象外になったぞ~これで串刺し無しでライブ視聴が可能に~
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