NYメディアも大きく取り上げていた。
松井の心境はどうだろうか。
今慣れない土地でストレンジャーをやっていることよりも、
馴れ親しんだニューヨークにビジターとしてやってくることで
自分がもはやニューヨーカーでないことを実感しているのではないかと
勝手に思いをはせた。
ところで去年のヤンキースの優勝パレードに関して私はこう書いた。
去就問題が盛んに云々されているが、今日の松井の姿をみてこの1マイル足らずのパレードが或る意味ヤンキーとしての花道になるのではないかという思いがある。
松井の悲願の世界一、しかもMVPのタイトルも獲得するという完璧な形での結末。
本人は残留を強く希望しているが、この結末は今までの松井の努力だけではなく、残留できないことへのコンペンセーションを含めて野球の神様が仕組んだような気がするのだ。
そして野球の神様がまた動く。
ヤンキースのホーム開幕戦で行われるチャンピオンリング・セレモニーに
対戦相手のエンジェルスの松井が参加できるように計らってくれたのだ。
ワールドシリーズ制覇の大ヒーローに対するご褒美でもあり、
結局は残留の希望が叶わなかったことへのコンペンセーションでもあるようだ。
ヤンキース関係者への授与が終わり一瞬の間が空いた後に松井の顔が大写しになった。
口元の様子は何か込み上げるものを必死に抑えているようにも見えなくない。
マイケル・ケイがひと際大きな声で2009年ワールドシリーズMVPのヒデキィ・マツイを紹介する。
場内は騒然と言って良い程のスタンディング・オベーションで松井を迎えた。
今日紹介された誰よりも、あの人気者ジーターより大きな歓声だ。
松井が完全に主役を奪ったな・・・(^。^)
ジラルディにリングの入った箱を渡され、ヨギ・ベラとホワイティ・フォードと軽くハグした後松井は赤いキャップを取り場内の観客に手を振って応えた。
そこで整然と並んでいた選手達が一斉に松井をめがけて集まってくるのだ。
まるでサヨナラを決めた瞬間のようだ。
目立ちたがりのA-Rodを筆頭に次々とハグを交わす。
リヴェラやポサーダ、カノー等の元チームメイト達の表情が実に嬉しそうだ。
最後にジーターと長いハグを交わしてとお互いのベンチに戻った。
それまでは胸で感動していた私もあそこで堪えられなくなった・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
9年振りのリング・セレモニーでいくらWSMVPとはいえ今は外様の松井秀喜。
そんな彼をまさに主役として演出するヤンキースは一流と言わざるを得ない。
現地のファンの書き込みでもclassとかcoolという表現が目立っていた。
試合が始まって松井の第1打席、やはりここでもスタンディング・オベーション。
何気に空気を読んでマウンドを外したペティットの気遣いにも感謝だ。
ヘルメットを取って声援に応える松井を観ながら、あの時のシーンを思い出した。
あれから4ヶ月、松井秀喜の‘9.12’~Godzillaが味わった‘2種類’のオベーションこそフィールド・オブ・ドリームズ~
そう、2006年9月手首の怪我から復帰した時だ。
松井自身一生忘れられないと言っていたが今日の2度のオベーションも
あれ以上に忘れられないものになったに違いない。
不動心が売りの松井でも流石に今日は試合前に消耗したのか打席では散々だった。
第1打席で三振を喫した後ポサーダと衝突したのが象徴的だった。
注目のリヴェラとの対決も実現したがまさに儀式は松井に始まり
試合は松井で終わる展開になってしまった。
新天地の西海岸で好スタートを切った松井がニューヨークに戻って妙な里心がついて
調子を崩すようなことが無いといいのだがどうだろう。
私もYESの実況には里心がついてしまった。
因みに松井へのハグ攻めを提唱したのはどうやらジーターのようだ。
それで終わらないのがジーターのいいところで他で暗躍していたのだ。
実は最初に渡したリングはスズで出来たレプリカだった。
言い草が振るっている。
‘マツイの側では誰とも比べようがないからわからないだろ’
ふたりとも互いに認め合う関係だからこそできる悪戯だ。
他では弄られキャラのスウィッシャーがリヴェラに同様のことをされた。
まあこの辺を含めてヤンキースもジーターも一流だね・・・(^。^)
おかげで松井秀喜の野球人生でかけがえの無い晴れ舞台になった。
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