新銀行東京、通称石原銀行に関しての議論と報道が白熱化している。
石原慎太郎の顔つきにもいつもの‘強さ’は感じられない。
まあ政治的な側面は別として、この銀行に預金をしているひとりとして
コールセンターに電凸してみた。
10時過ぎにかけたが、さすがに‘大人気’の様子で待たされること約20分。
私が預けているのは‘開業1 周年特別金利キャンペーン定期’で、
2006年夏から2009年までの3年物1.5%だ。
元本はもちろん預金保険の範囲内だ。
以前日本振興銀行の定期預金について書いた時にも触れたが、
1000万以下の人は基本的に右往左往する必要はない。
そのための預金保険制度だ。
それでも先方がどう答えるかを試すために質問してみた。
‘1000万以下であれば元本と約定金利分は保証されます’との模範的な回答。
ただチョッと気になったのは‘その日までの約定金利分’という表現で、
これだと本来の満期日ではなく‘破綻基準日?’みたいなものを指している印象だった。
前も書いたように破綻処理の仕方には2種類あって、前例に倣えば資金援助方式が一般的だ。
受け皿銀行がその預金を引き継ぎ、本来の定期預金満期まで有効になる。
‘その日まで’という表現は預金保険機構が直接支払う方式を想起させる。
‘破綻銀行に預けていた経験が複数ありますが、その場合は継承銀行が満期日まで預かってましたよ’と突っ込んでみると
‘もちろんそういう場合もあります’
要するに約定金利が保証されているということを言いたかっただけなのかもしれない。
恐らくそういう問い合わせが多いのだろう。
ナリポンのように破綻に‘耐性’があればいいが、1000万以内なら大丈夫と言っても
不安だから全額出金したい人の場合はどうか。
そもそもこのキャンペーン定期には条件があった。
・中途解約(全部解約および一部解約)のお取り扱いはいたしません。
・当社がやむをえないものと認めて本預金を初回満期日前に全部解約することに応じる
場合には、預入日から解約日までの期間については利息は付されません。
解約につきましては、口座保有店の店頭窓口のみのお取り扱いとなります。
‘当社がやむをえないと認めた場合’というのが問題になる。
本来ならば銀行側にその裁量権がある印象だが、今の事態は‘主客逆転’イメージがある。
答えとしては‘中途解約に応じる’そうだ。
中途解約は店舗窓口限定という条件も緩和されて‘郵送による手続き’も可能にしたとのこと。
原則不可だった中途解約に応じ、その手続きを郵送でも出来るようにしたのは、
現在の状況を考えて‘柔軟な対応’をしたことになるが利息に関しては従来通りだそうだ。
つまり利息は1円も貰えない・・・(-_-;)
まあ1000万以下の人は色々と選択肢があるから先ず問題ないと言っていいだろう。
最大の問題は1000万以上預けている場合だ。
‘日本初のペイオフ発動か?’と言った報道がされている中、預金者がビビるのは当然だろう。
というか個人的には大いにビビるべきだと思う。
上述したように、中途解約に応じているのは‘朗報’だろう。
解約分の利息が貰えないのは‘癪’だろうが、元本の一部がぶっ飛んでしまう可能性に比べたら
‘小さなヤラレ’と思って諦めるしかないか。
技術的に言えば、どう預けているかが問題になる。
例えば2000万を1口で預けている場合、部分解約には応じていないから、
1000万だけ解約するということは出来ない。
だから2000万分の経過利息(1.5%で1年半だと36万円)が‘ヤラレ’になる。
小さいとは言えないな・・・(>_<)
何口かに分けている場合は取り敢えず超過分を解約すればいい。
このキャンペーン定期にはこういう規定もある。
・本商品は、総合口座の担保としてご利用いただけます。
なお、貸越利率は、担保とする定期預金の利率に年率0.5%を上乗せした利率となります。
限度額は確か500万だった筈だ。
そこでこんな質問をしてみた。
‘もし1500万まで1口で預けている人がいたら、この貸し越しで1000万以上の部分を借りればいいのでは?ペイオフの時は債権と債務は相殺されますよね。全額中途解約して利息ゼロになるより遙かにマシでは?’
‘お客様は大変お詳しい方で・・・ええ、そうですね・・・・’
理論的には納得したようだが‘裏技’として使えるかどうかは明言を避けた感じだった。
まあ私自身には関係ないけど、もしそういう人がいたら検討する価値はあるだろう。
なお今日書いたことは、飽くまでも私がやっているキャンペーン定期についてだ。
新銀行東京の商品には私の知らないものもあるだろうし、私の解釈や情報が間違っている
可能性もあるので、その点はどうか斟酌願いたい。
当然のことだが、最終的には自分で確認し判断し行動すべきだ。
それにしても、何かのリスクが発生した時、可哀そうなのは‘情報弱者’だ。
1000万以上預けていて、中途解約は出来ないと思い込んで放置している人がいるとすれば、
そういう情報を周知させていない銀行側にも問題がある。
3月12日現在、新銀行東京のサイトの少なくとも目立つ場所にはなんの情報もない。
400億の追加出資が決定されるまでは‘プチ・取り付け騒ぎ’を誘発する情報なんて
公開すべきでないという‘深謀’があるとすれば、それこそ小賢しい役人根性丸出しだろう。
逆に、中途解約に積極的に応じれば、目標としている預金の削減もできるし、
それより何より解約分については結果的に‘コズトゼロ’の資金になる訳で悪くないのではと
考えるのはディーラー根性丸出しかも・・・(^。^)
2008年3月12日水曜日
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