松井秀喜の‘不動心’も流石に揺らいでいたのではないだろうか。
自分がタコって負けて、代打出場すると三振。
7番に降格され、自分が一本打っていれば勝てたチャンスのある接戦を落とし、
完全休養するとチームの打線が爆発して大勝。
先発復帰して一応マルチヒットは記録したがチームは勝てず。
自分の不調もそうだが、チームの命運が自分と関係の無いところで決まっている。
チームの勝利が最優先の野球観を持つ男にとってはかなり堪える状況だったと思う。
昨日の試合の2本のヒットで打撃が修正されたとする日本のマスコミの浅はかさを証明するように、
今日は三振スタートで2打席目はお決まりの2塁ゴロだ。
素人目には何も修正されていないし、スランプが長引きそうな印象しか持てなかった。
ところが第3打席は、初球をぶったたくとライトへ一直線。
‘No doubt’のHRだった。
前の日のダブルもフェンス直撃で、あとほんの少しでスタンドに入りそうだったが、
打撃フォームも打球もまったく比較にならない。
試合の流れで言えば3-0でリードしている中でのソロ・ショットだった。
本来HRは誰でも殆どの場合そうなのだが、何度見ても完璧だ。
ただ今年の松井の場合、スランプの中でも突然飛び出すから実に奇妙に感じる。
そしてHRを打った後はまた低迷する傾向にあるから復活宣言もできない。
言葉は悪いが一種の‘徒花’のようなもので満開には繋がらない。
勝てそうな試合展開の中で出たHRを喜びながらも、私は直ぐに次の心配をしていた。
松井の第4打席、YESの番組内では協賛しているLand RoverのDrive of The DAYに
松井の第6号HRが選ばれたことが紹介された。
するとフル・カウントからまたまたHRを放ったのだ。
無死2塁だったからRBIがあればいいなと思っていたところで出た2打席連続弾。
ヤンキースの得点なのに場内の歓声がかなり大きい。
実際、アウェイなのにNYY関連のものを身につけている人達も結構目立つ。
私の心配を余所に松井は‘のうのう’と打ちやがった・・・(^。^)
ベンチに戻った松井を3-3で自分が主役だと思っていたジーターがややジト目で迎える。
ジラルディが手を伸ばしてくるが、松井がそれを華麗にスルー(これホントの話)。
ジラルディと言えばスランプに悩む松井に直接叱咤、激励の言葉をかけたらしいが、
松井のように組織に対してロイアルティの高い人間には一定の効果があったかもしれない。
試合は最後王建民がパーフェクト2イニングでしめて終了。
選手を迎えに出てくる松井をカメラが捉え、監督以下多くの連中が松井に握手を求めてくる。
松井を主役にしたカメラワークを証明するように、
YESのキム・ジョーンズのヒーロー・インタヴューに呼ばれたのは松井だった。
私の記憶では去年のバースディ・グランドスラム以来の‘お立ち台’(台は無い)である。
以前書いた
松井秀喜の‘perfect English’~オフに広岡勲氏に提言したYESでの‘単独’ヒーロー・インタビュー~
は実現しなかったが、言い方をかえれば通訳を使うハンディを考慮しても今日の試合は
松井をヒーローにしたかったということだ。
そういえばサヨナラ男、メルキーもスペイン語通訳を介して応じていた。
今日の勝ちでヤンキースはBOSと並んで地区首位にたった。
TORが9連敗するという‘暴落’にも恵まれたが、2.5週間でまさかここまで這い上がるとは・・・。
ヤンキースは故障者が多い割に健闘している。
14試合連続ノー・エラーだそうだ。
このまま首位争いに絡んでいけそうだ。
チームが首位に立ち、松井秀喜は2連発で今季初のお立ち台に立った。
ファンとしては‘ダブルおめでた’で何とも嬉しい1日、いや明日はオフなので余韻にも浸れる。
ひたすら、試合のあるBOSを‘逆応援’していればよいだけだ。
但し、松井秀喜に関しては今日の2発で完全復活などと言える気分ではない。
基本的に、今年の松井に対する相場観がbearish(弱気)なのだ。
まあ、ナリポンがヘボ相場師であることを願っている・・・(>_<)
因みに、ロードに出る前に髪を切れという私の進言は通じた。
松井がインタヴューで言っていた‘アジャスト’とは髪のことだったかも・・・(^。^)
う~む、残念
密かに期待していたNY紙の一面は、ビデオ判定勝利のメッツが独占だった。
2009年5月28日木曜日
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