ヤンキースは8-0でMINに連勝した。
試合後のヒーローインタヴューは4回に2ランHRを放ったカノーだった。
今日の2回の裏の攻撃、フィリップスのセンター前ヒットで1塁のアブレイユが
果敢に3塁を狙いセーフになった。
敵のセンターは言わずと知れたハンターさん、リスクを冒しても1アウト1,3塁に
しようとした好走塁だった。
そこでバッターはカノーだ。
実況のマイケルが‘でもこういう状況でカノーはグレイトじゃないんだよな’と言った直後
‘案の定’1塁ファウルフライ。
好走塁を生かすことは出来なかった。
そこでマイケルがポール・オニールへ質問した。
‘ランナー3塁、1アウト以下で最も成功率が高いのは誰でしょう?’
ポールの答えは‘ジーター’
‘ブブ~ハズレです、正解はマツイです。18回中15回成功です。’
ナリポンが名付けた‘最高の最低限男’たる所以だ。
カノーの2打席目は2アウトランナー2塁、RISPではあるが2アウトだから、
打ってくれれば有難いといった状況だ。
ここでカノーはライトスタンドに2ランHRを放った。
1-0で膠着していた試合をグッと勝ちに引き寄せる価値ある一発だった。
カノーは典型的なフリー・スゥインガーだ。
とにかくどんなボールでも振る。
物干し竿があれば夜空の星でも落とそうとする
野人ゲレーロ様には叶わないが・・・(-_-;)
四球で歩く位なら死んでも絶対振ってやる。
バットがボールに当たれば打球の速さもあり結果を出せるが、
逆にとんでもない糞ボールにも手を出す。
いわゆる最低限シチュエーションでそんな三振を目にすると
‘おまえ何を考えているんだ’と怒鳴りつけたくなる。
でも、ほとんど考えていないのが事実だろう。
或いは‘最低限’のことをしようと無理矢理考えるから、いわゆるフリー・スゥインガーの良さが
失われてしまうのではないか。
昔観ていた巨人戦でこんなシーンがあった。
その日のお立ち台は決勝打を打った中畑だった。
アナ
‘打席に入る前にわざわざ長嶋監督自ら何か告げていましたが,
どんなことを言われたのですか。’
中畑
‘はい、何も考えずに思い切って行けと言われました。
お陰で何も考えずに思い切って振ることができました。’
さすがミスターだ。
普段から何も考えずに‘気持ち’だけで打つタイプの中畑に対して
‘何も考えるな’と念を押すとは・・・(>_<)
カノーの守備もある意味‘フリー・グラバー’だ。
難しいプレイをしなやかにやってのけるのに、逆にイージーミスも多い。
エー・ロッドもポップフライの捕球に難があるが、いつかのマイケル・ケイの話だと ボールが落ちてくるまで時間がありすぎて‘色々と考えてしまう’のが苦手らしい。
6回のヤンキースの攻撃。
先頭のポサーダがセンター前にヒットを打つと名手ハンターがこれを後逸。
ポサーダは‘マジかよ’と3塁まで走った。
いよっ、待ってました、ノーアウト3塁で松井の登場だ。
超スランプ状態にあるが、ここできっちりと‘仕事’をしてみせてくれ。
ところがここでなんとワイルド・ピッチ。 ポサーダはマジかよ’とホームイン。
ベンチで迎えるキャプテンは‘足で稼いだポサーダの1点’に苦笑い。
ここで困ったのは松井だ。 折角得意の仕事をしようと考えていたのに・・・(-_-;)
ここでポールが言う。
‘もう劇的に状況が変わったんだから、マツイは リードオフマンのバッティングに切り替えだ’
するとどうだろう。
一塁線を破るダブルだ。
松井はシチュエーションに応じたバッティングをすることで自分の価値を保とうとしている。
それが一種の信頼感を生んでいることは確かだが、いつでも‘考える’ために生じる‘窮屈さ’が、
何かを奪っているのも事実かもしれない。
まあ、どっちも上手くやるってのは難しいことだ。
因みに打率は松井が0.270、カノーが0.269とやや低レヴェルの‘鍔迫り合い’を演じている。
今日先発の王は4回以降は危ない場面もあったが、必殺ゲッツーでしのいで7回を無失点。
8回は‘放火投手’が登板しこれまたゼロに抑えたが、見ものは9回に登場したラミレスだ。
今日がメジャーデビューだったがAAAでの成績が素晴らしい。
ERAが0.67も凄いが26・2/3イニングで奪三振47個が目立つ。
見た目は超スリムで迫力は無いが手は長い。
8-0という気楽な状況とはいえ、なんと三者連続三振をやってのけたのだ。
彼もドミニカ出身。
どうせ何も考えないタイプだろうから(笑)、もっと緊迫した場面でも通用するかもしれない。
2007年7月4日水曜日
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