2005年4月27日水曜日

職業別平均寿命~パイロットは早死に?ディーラーの方がもっと?~

子供の頃将来の夢をきかれて‘パイロット’と答える男の子は多かった。
私は小学校の卒業時には、なりたい職業に‘大学教授(数学)’と書いた筈だ。

中学の時だと思ったが、ラジヲを聴いていて、パイロットの平均寿命は全体の平均から10歳位
短いと知った。
平均で10歳ということは凄いことだ、収入が高いのも納得できると少年の記憶に残った。

そして、自分がディーラーになり、24時間、張っているいるポジション(売り買いの片持ち)に
心身ともに振り回されながら、こう思ったものだ。
『そのうち、ディーラーが職業別寿命で短命の1位になるに違いない』

で、その話を誰かにする時、いつも少年の時に聞いたパイロットの短命振りを引き合いに
したものだ。

実際、ディーラーの世界では30代、40代で亡くなった面識のある人が何人かいた。
他には、ディーリング中に、ブンデスバンク(ドイツの中央銀行)の為替介入のニュースが流れ、
そのせいでロスしたディーラーが心臓麻痺を起こしてその場で死亡した例とかもあった。

そして、なによりも自分自身、死ななかったが45歳で急性心筋梗塞、今は身障者である。

実際のところ、パイロットをはじめ職業別の平均寿命はどうなっているのか。
散々検索してみたが、残念ながら日本ではまともなデータが無いようだ。

それでも、「パイロットは早死にする」とする‘風評’は実際数多くヒットした。
原因としては、宇宙線(放射線)を浴びる、時差のある生活で免疫力が劣る、そして何よりも、
多くの旅客の命を預かることからくるストレスをあげている。

現役パイロットのホームページで、平均寿命は67歳と書いていた(私は未確認)と
する記事もあった。
奇しくも、一般の平均から約10年短いということになる。


文献としては、森一、工藤倫夫の「職業と寿命の研究」というのがあった。
その中で「各職業集団平均寿命」を見ると、10の職種に分かれ、高い順に次の職業があげられている。(括弧内は平均寿命)。
宗教家(75.6)、実業家(73.2)、政治家(72.8)、医師・医学者、大学教授(67.7)、俳人(67.6)、歌人(66.9)、芸術家(64.7)、小説家(63.0)、詩人(57.7)。
これは1926年~1979年の資料によったものであり、この期間の職業全体の平均寿命は68.6歳である。


せっかくの研究だが、如何せんこの10の職種が浮世離れしすぎだ。
ただ、同研究によれば、宗教家の寿命が長いのは奈良時代から顕著で、理由には、
節食や読経による精神の安定を指摘している。


詩人に憧れて、ディーラーになったナリポン、どのみち長生きはしそうにないか。
『憎まれっ子世に憚る』だけが、せめてもの頼みかも(笑)

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