2006年1月19日木曜日

相場で損切り出来る人、出来ない人、holdとheldは違うよ~ポジション張っても命は張るな~

昨夜もライブドアについて書いているブログを読み漁った。

そこで、注目したのは実際にライブドア株を持っている人達だ。

‘不安でしょうがない’‘もうパニックで頭が真っ白’という風に
素直に動揺している人がいる。

一方で‘絶対売りません、ホールドします’‘塩漬けにしておきます’
‘200円以下で買い増しします’と平静を装っている人達もいる。

中にはなんら根拠なく‘わたしはホリエモンを信じます’と書いている人もいたが、
何とも虚しく響くポジショントークだ・・・(-_-;)

私は過去に20年近く、ディーラーとしてメシを喰っていた。
二流ディーラーではあったが、たったひとつだけ秀でていたものがある。
そのお陰でなんとか長い期間続けられたといってもいいだろう。

それは‘損切りの上手さ’だ。

まあ、生来の小心者、典型的なA型体質のせいで、単なる‘根性ナシ’と
言われればそれまでだが、職業としてのディーラーを続けるための知恵でもあった。

もちろんディーラー仲間には色々なタイプがある。
すべては結果次第だから、それぞれが自分のスタイルでやればいいと思う。

モニター画面を見ながら、ドンドンと含み損が拡大していくのに耐え切れず、
ディーリングルームを逃げ出して行くタイプが居る。

アゲンストのポジションを抱えながら、平気で飲みに出掛けたり、
布団をかぶって寝て‘果報’を待つタイプも居る。

私はまったく逆のパターンで、逆風になっても情報を集め続け、チャート分析も続ける。
現実から逃げず‘Face reality.’を旨としていた。
ロスカット・オーダーも必ず出していた。

どのタイプが優れているかなんて議論は単純にはできないだろう。

陳腐な言い方は好きではないが、人間は逆境ではやはり弱い存在なのだ。

弱いからこそ、目を背けたくもなるし、目を背けることもできなくなるのだ。

ディーラー仲間で、お互いのポジションを話す時ナリポン流の表現があった。
‘keep’と言えば、含み益の出ているポジションを引き続き持ち続ける能動的な意味。
‘kept’と言えば、含み損の出ているポジションを切れずに持ち続ける受動的な意味。

今日は、ライブドアのポイズンを‘隔離’した形で、日経平均は急反発した。
但し、ライブドア株は今日も取引成立せず。

これじゃ‘hold’ではなく‘held’だ。

自分が積極的に保有する気持ちがあるなら‘hold’で構わないが、
‘held’されている状況を曖昧にして‘hold’と強がるのは、少なくとも私の美学ではない。

相場のロスカットなら、一応金で済む。
それが人生そのものになってしまう場合は悲劇的だ。

今回の事案のキーパーソンのひとりと思われていたホリエモンの元側近が自殺した。

命を懸けてまで避けたかった‘含み損’とは一体なんだったのだろうか。
もしかしたら‘良心の呵責’に耐え切れずに決行したのかも知れない。

それにしても、この自殺に関するホリエモンのコメントには失笑した。

‘死ぬような悪いことをする人物ではないと僕は信じている’

おいおい、これってまるで故人が悪いことをしたから死んだみたいに聞こえるんだが・・・(-_-;)
ホリエモン回路では‘自殺する人=悪い事をした人’になっているらしい(嘲)

私が人生ではじめて読んだペーパーバックは、映画‘ある愛の詩’の原作‘Love Story’だ。

その中にこんな一文があった。

Part of being a big winner is the ability to be a good loser.

くれぐれもbig loserにはならないように!

~ポジション張っても、命は張るな~

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