2008年5月26日月曜日

ヤンキースは‘ビタミンSEA’のお陰で元気回復、5割復帰~松井秀喜が‘非存在’でみせた存在感~

案の定、松井の名前はラインアップに無かった。
それはそれで淋しいが、逆にチョッと嬉しいこともある。
松井が先発を外れるとそれを惜しんだり監督批判をする書き込みが現地のファンからもあるのだ。

・いくら対戦成績が悪くても絶好調のマツイのほうがダンカンよりはいいだろう。
・マツイが中軸にいないと打線が繋がらない。

松井がいなくても今なら勝てるだろうと思っていたが、終始リードされる展開。
7回に2点失って3点差になると、さすがに真夜中の観戦はしんどくなった。
それでも寝なかったのはA型体質と松井の代打待ちのせいだ。

そして8回裏のヤンキースの攻撃で目の覚めるようなことが起こる。
四球で出たジーターがアブレイユのダブルで先ず1点。
エロが歩き、ジオンビが際どい判定で三振に倒れると代打松井の登場だ。

状況が状況のせいか、松井が好調なせいか、或いは単に私の‘贔屓耳’のせいか、
観客の歓声が今日一番の大きさに聞こえる。

ここで3ランHRを打ったら間違いなくカーテンコールだな・・・(^。^)

そんな夢もあっという間に砕かれた。
プッツの初球をひっかけてゴロが転がった。
私だけでなく恐らく観客も溜息をついたに違いない。

YESのマイケル・ケイは‘could be a tough play’と冷静だった。
ソフト・グラウンド・ボールが余りにもソフトだったために、
プッツの‘死のダイブ’を呼び、慌てた彼は1塁へナックル悪送球をする。
記録は内野安打、送球エラーで1点が入りなおも1アウト1,3塁のチャンスが続く。

おお、なんというラッキー・トシヨリ・・・(^。^)

ここでヒットは打っても‘最低限の仕事’は下手なカノーがセンターへ文句無しの犠牲フライ。
3塁のエロは勿論だがここで1塁の松井がタッチアップをする。

普段はセーフティな判断しかしない松井が何とも果敢な走塁だ。
イチローにとっても全く想定外だったに違いないが、実はエロも慌てた。
自分がホームインする前に松井がアウトになると得点にならないから急遽加速した。

勝ち越しのランナー松井が2塁へ進んで、外野は浅目の守備を取らざるを得ない。
モリーナの打球はそのイチローの右を襲うダブルになり、松井が楽々と生還し勝ち越した。
イチローが定位置にいれば捕れた可能性は高かった。

イチローは不用意に松井の2進を許してしまったことで、若干混乱していたかもしれない。

1点のリードをリヴェラがいとも簡単に守り、このシリーズ‘4度目’のニューヨーク、ニューヨーク♪
が場内に流れた。

鮮やかな逆転劇だったが、7回以降ひっくり返したのは今季初だそうだ。
そう言えば、この前の初サヨナラ勝ちも松井のウイニング・ランだった。

私がよく口にすることだが‘存在しないことで存在感を出せる人は少ない’

人は自分がいなければ会社は困るだろうと考えたがるが実際は何とかなる。
自分がいない飲み会は盛り上がらないだろうと考えたがるが実は普段より盛況だったりする。

‘非存在’による存在感といってもいいだろうか。

今日の松井は‘非存在’によって存在感を示し、かつ途中出場で文字通りの‘存在感’を示した。

あんなショボイ当たりでそんな風に考えるのは松井ファンの妄想だと思う人もいるだろうが、
そうでもないのだ。

昨日の記事で紹介した松井に辛口の記者は今日はオフだったが、試合後ひとつだけ記事を書いていた。
タイトルは‘Matsui plays a key role in win’

Matsui is not very fast. But he’s one of the smartest players in the game.

人間変われば変わるもんだ・・・(^。^)

私は‘取りこぼし’という言い方に潜む安易さが嫌いだ。
勝率が6割あれば御の字のスポーツで絶対的優位なんて当てにならない。
ましてや今のポジションにいるヤンキースにとって‘取りこぼし’を口にするのは驕りそのものだ。

それを承知のうえで敢えて言うが、今のSEAに負けるのは‘取りこぼし’だ。

昨日の勝利でスウィープを確信した私はある言葉を思いついた。

‘ビタミンSEA’だ・・・(^。^)

ビタミンは人を元気にするものの比喩としてよく用いられるが、
まさにヤンキースはこの‘ビタミンSEA’のおかげで元気を回復して、勝率を5割に戻した。

問題はOAKにスウィープされたBOSが明日からこのビタミンを服用できることだが、
是非‘取りこぼし’を願いたいものだ。

最近のNY紙の一面は毎日がランドルフのFIREネタばかりでヤンクスファンにはつまんない。
SEAの監督はどうなのだろうか。
まだ1年経っていないから議論の対象になっていないのか。
勝ち越し監督を解任するという暴挙が結果としても証明されたかたちになっているが、
その裏にいたとされる説も根強い鈴木君はどうも情緒不安定に見えた。

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