巷では、原辰徳の巨人軍監督復帰の話が持ち上がっている。
先日、報道ステーションにコメンテーターとして出ていた、元検事、‘カミソリ堀田’
と言われた同氏が、古館の質問にキッパリと答えた。
‘以前は、ずっと巨人ファンをやっていましたが、おととしの8月の原解任騒動で
ファンをやめました。’
東京地検特捜部時代にロッキード事件で田中首相の捜査に当たり、その辣腕振りから
未来の検事総長間違いなしといわれながら、突然ボランティア活動に身を投じた男の言葉だ。
まるで、昔の検事としての血が騒ぎ、あの時解任に動いた読売首脳を‘断罪’しているようだった。
実は、私もあの8月を最後に、30何年続けた、それも熱狂的なファンをやめたひとりだった。
私の場合は、そもそも松井の抜けたジャイアンツに興味を失っていたせいもあったが・・・
原辰徳の選手時代の印象は、正直あまり良くない。
整った顔と爽やかな雰囲気で‘若大将’と呼ばれていたが、
巨人の4番として史上4番目の試合数に出場しながら、通算打率0.279、HR382本、
個人タイトルも打点王1回だから極めて平凡だ。
私は1989年の日本シリーズ(巨人―近鉄)の第5戦を観戦していた。
実は、私にとって初めての東京ドーム観戦だった。
巨人がいきなり3連敗し、例の‘ロッテより弱い発言’(加藤)があったシリーズだ。
第5戦のチケットをN生命のオバサンから貰っていたのだが、あのまま4タテを食らったら、
フイになるチケットだった。
そもそも3連敗の戦犯に原が上げられていた筈だ。
そして、私が観た第5戦で、原がレフトギリギリの満塁ホームランを放った。
大歓声の中、私の右後ろにいたかなり年配の女性が、涙をボロボロ流していた。
長嶋監督時代でもなかったし、原にも特に思い入れはなかったが、その女性の涙に思わず、
つられてしまったのを覚えている。
原の引退セレモニーは、いかにも彼らしかった。
‘夢の続き’発言もまさに若大将イメージだ。
HNKのコメンテイターをしていた時も、余り印象は良くなかった。
栗山ほどではないが、与田並みに、人のことを悪く言わない。
解説そのものも、サッカーの井原並に陳腐でつまんなかった。
1999年、ヘッドコーチとして長嶋監督の下で務めるが、なんせ太陽の元では、
存在感を感じさせるにはことはできなかった。
2001年、長嶋監督が勇退し、後任に原監督の就任が決定。
2001年といえば、私が穢土を離れて、当地に‘下野’した年だ。
その年末、古くからの友人から声がかかり、原辰徳のチャリティートークショーに誘われた。
同期で元全日本ラガーとの‘友情’で現役引退後から続いているそうだ。
ノーイベントな人生の中、喜んで出席。
なかなかのしゃべりで、突然の質問に対しても、洒落もありウイットも有りの返答で、
NHK時代のイメージとはかなり違った。
翌年、いよいよ、監督としての1年目。
原が掲げた‘ジャイアンツ愛’は、長嶋が1年目に掲げた‘クリーンベースボール’と
同じ臭いがしたので危惧したが、結果はペナントも、日本シリーズもぶっちぎりの勝利だった。
その年は、日本一監督だし、もう来ないだろうと思ったが、忙しい中をさいてやって来てくれた。
彼のしゃべりも、結果を伴っているから、益々滑らかになり、出席者も賞賛の拍手を惜しまなかった。
そして、翌年、あのなんとも醜悪な解任騒ぎの結果、原監督は‘辞任’した。
さすがに、‘今年は来ないかな’と思いきや、そういう下世話な予想を嘲笑うように登場した。
2001~2003年、どの年も、こられないグッド・リーズンがありながら、あの男はチャリティーをするために、やってきたのだ。
そういう、コミットメントの仕方にはある種の‘男の美学’さえ感じてしまった。
実質解任された年の彼のトーク。
‘みなさんが、いま何を聞きたいかは承知しています。
正直、わたしも話したいことはいっぱいあります。
しかし、わたしは、その話したいことは全部墓場に持っていくと決めました。’
確か、こんな内容だったと記憶する。
この記事のタイトルで、なんとも思わせぶりな引っ張り方をしたのは申し訳ないが、
これが、原辰徳なのだ。
その物言いからは、巨人と断絶する意思は感じられなかった。
監督を経験した原の野球解説は聞いていても、まるで監督気分で面白い。
とにかく、ディサイシヴなのだ。
選手としては一流とは言えなかった原だが、監督として一流になる可能性は充分にあると思う。
考えてえみれば、原辰徳は、常に父であり監督である原貢氏をみて育ってきたのだ。
環境的にもDNA的にも、監督としての素養はあるのではないか。
選手としては一流だったが、ベンチの中で、まるで‘他人事’のような顔をしている堀内。
‘今日はよくないですね’の超マイナス思考の江川、‘気合だ~’一辺倒の中畑。
原が次期監督候補として浮上するのに不思議は無い。
原も自身のホームページ‘ファンのみなさんへ’で否定している。
相場の世界でも、通過の切り下げ・切り上げ、公定歩合の変更の可能性を訊ねられて、
まともに答える要人はいない。
逆に否定されれば否定されるほど、その可能性が高まるのが通り相場だ。
去年はスキップした、原のトークショー、今年は出席したくなりそうだ・・・(^。^)
そうそう、明日は原辰徳の誕生日だ、結婚なら誕生日に‘入籍’なんてこともあるが・・・(>_<)
2005年7月21日木曜日
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