2005年9月19日月曜日

うまい資産運用話に簡単に騙される連中って被害者なの?~強欲と不勉強と自己責任~

以前、俳優の渡辺裕之が広告塔になっただとか、彼自身1億2千万円の被害に遭ったとかで
話題になった投資勧誘話があった。

その‘被害者達’が、立ち上がった。

投資勧誘し破綻のGPJ、顧客が被害者の会結成
 
7月に破産手続き開始が決定した東京都千代田区の投資会社「ジェスティオン・プリヴェ・ジャポン(GPJ)」に「投資金をだまし取られた」とする顧客約40人が18日、京都市内で被害者の会を結成した。同会は今後、詐欺などの疑いで同社社長(42)らを警視庁に告訴する方針で、民事訴訟を起こすことも検討している。

 同被害者の会によると、同社は2002年9月に大阪市西区で設立され、GPJに社名変更して今年1月に千代田区に移転した。「約27%の収益が短期で実現する」などとうたい、海外の為替レートで高利回りが狙えると勧誘。これまでに全国で約1600―1800人から350億円以上の投資金を集めたとされる。

 この日は東京や大阪、名古屋在住の顧客計38人が参加し、「知人の紹介で投資した」「信頼していた人にだまされ、精神的なダメージが大きい」などと訴えた。

 警視庁にもこれまで100件以上の被害相談が寄せられているが、GPJ社長の行方は分からなくなっているという。


お気の毒だとは思うが、他の詐欺事件と違って、こういった投資話に絡む事件には
正直なところシンパシーは無い。

>知人の紹介で投資した
>信頼していた人にだまされ、精神的なダメージが大きい

ハァ?ってな感じである。
大きいのは経済的なダメージだろ。

この事件、過去の記事を調べてみるとこんな感じだ。

社長、遊興費に流用か/有名俳優も被害
 破格の高利回りをうたって富裕層を中心に投資を募っていたコンサルタント会社「ジェスティオン・プリヴェ・ジャポン(GPJ)」=東京都千代田区=が七月、東京地裁で破産手続き開始の決定を受けた。「為替レートを駆使した運用法」などとPRしていたが、投資金を社長(42)らの遊興費などに流用していた疑いもあるという。債権者は約千人、負債総額は百億円以上とみられ、警視庁は大規模な詐欺事件に発展する可能性もあるとみて、情報収集を進めている。
 
◆豪華ツアー
 中世ヨーロッパの貴族のようなカツラや衣装を身にまとった中年の男が、豪華客船のダンスホールで優雅にステップを踏むと、周囲から拍手が沸き起こった。
 GPJが顧客約百五十人を集めて二月に開いた「カリブ海クルージングツアー」の一場面。男は社長で、「皆さんの資産も増え、不満を持っている方はいらっしゃらないと思います」と自信たっぷりに言い放った。
 しかし四カ月後、事態は急変する。配当が滞りだしたのだ。さらに社長が七月上旬、都内のホテルで手首を切る自殺騒動を起こし病院へ運ばれ、退院後は行方不明に。
 投資者へ何の説明もないまま、七月二十日に破産手続き開始が決定。俳優の渡辺裕之さんも一億二千万円を投資したが、返ってきたのは四百七十万円だけ。「(GPJの)広告塔ではなく、僕も被害者。三十年近くかけてためた金だった」と話している。

 ◆破格の収益率
 GPJは平成十四年九月設立。ドルやユーロの為替レートを駆使して運用することで、「約二カ月で二割以上の収益率」とうたい、富裕層を中心に投資者を募ってきた。
 当初は期待以上の額を配当したこともあるといい、同社が今年六月に作った再投資の案内書には「見込み通り約41・5%の収益を実現しました」と記されている。
 こうした“成果”が口コミで広がり、投資者、投資金額も急増したが、運用は社長が一手に担い、「具体的なことは何も知らされていなかった」(GPJ元社員)。
 「新たな投資金を別の会員への配当に回す自転車操業を続ける一方、社長の個人的な借金返済や遊興費に流用していたようだ」との指摘もある。

 ◆セレブ狙い
 高利をうたい出資を募る巨額詐欺事件は後を絶たない=表。六月にはNPO法人(特定非営利活動法人)「やまびこ会」の元代表理事らが警視庁に逮捕された。
 所得格差が開く方向にある日本だが、GPJの被害者は高額所得層、いわゆる“セレブ”が多く、これまでの巨額詐欺事件と異なる。
 警視庁に相談が寄せられた被害金額も一千万円級が少なくないが、セレブなど社会的信用の高い知人が“勧誘役”となったことも被害拡大につながっている。民放の元女子アナが紹介したケースもあったという。
 投資者の一人は、「外資系企業で社長秘書を務めていた女性から紹介された。この人が勧めるならと信用してしまった」と打ち明ける。
 巨額詐欺の被害者弁護団長を務めた経験のある宇都宮健児弁護士は「投資先が悪質かどうか個人で調べるには限界がある」と指摘。米国ではマルチ商法などを調査する連邦取引委員会を設けて監視しており、「日本にも同様の機関を早急に整備すべきだ」と訴えている。
(産経新聞) - 8月28日2時58分更新


>ドルやユーロの為替レートを駆使して運用

まあ、勿論元ディーラーの私に言わせれば、笑止千万を超えている。

同社商品には通貨オプションを活用した金融商品などがあり、通貨オプションを活用した投資スキームでは(ドル売り/円買い)と(ドル売り/ユーロ買い)のオプションを組み合わせた商品で一定の条件が整うと27%の収益が短期に実現できる。また別の商品では予定利率が6カ月で約50%とするなど高利回りを謳っていた。


‘そんなスキームがあったら、世界中の投資家が勝者になってしまうよ’

結局は自分が知識を持たないから、
‘スイスの銀行’‘外国為替’‘通貨オプション’‘投資スキーム’等の言葉に踊らされ、
何かそれらが‘魔法の杖’のように感じてコロっと騙されているのである。

少しの知恵があれば、少し勉強すれば簡単に不自然と思える筈だろう。
そもそも‘世の中そんなうまい話があるはずが無い’という‘心のリスク管理’ができていれば、
簡単に付け込まれることはない。

テレビのニュースで、何人かの被害者が後ろ姿で取材に応じていた。

或るOLはコツコツと貯めた200万を投じてそれを失い
『信じていたのに裏切られた』

‘有り得ないような話を勝手に信じた軽率さを棚にあげて、裏切られたもないだろう。’

もう1人のオヤジは
『この怒りの矛先をどこに持っていったらいいのか』

‘そりゃあ、自分だろ。自業自得だよ。投資は自己責任だよ。’

世の中にはいかにも人の弱みに付け込む、様々な悪質な詐欺が横行している。
基本的には、悪いのは詐欺師である。

ただ‘簡単にボロ儲けしたい’と言う‘弱み’に安易につけこまれる人にも問題はある。

自分でファイナルアンサーを出して、常識的では無いリターンを
独り占めしようと目論み、それが叶わぬ絵空事だと分かると、責任を他人に転嫁する。

‘どう考えても、美しくないな’

連中は、
‘食べたい物をどんなに好きなだけ食べても、3ヶ月で確実に10%は減量できます’
なんて謳い文句の減量方法があったら真っ先に飛びつきそうだ。

実際、一回騙される人は、何度も騙されるらしい。

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