2005年9月2日金曜日

ある特定郵便局のお話~世襲制であんな奴でも?~

先週、妻が近所の郵便局にいた時、ちょうど偶然にローカルのテレビ局の取材陣がいて、
撮影をお願いされたらしい。

己を知っている妻は勿論、固辞したが‘それでは後ろ姿だけでもいいので’と言われ、
それはそれで逆にカチンときて、とっとと用事を済ませて帰ってきた。

特に何かインタヴューをしている様子はなかったらしいが、妻の‘勘’では、
衆議院選の公示を前に、特定郵便局に関しての映像が欲しかったのではないかと言っている。

その郵便局は、我が家から700~800m位しか離れていない。
但し、ナリポンはこっちに移住してから殆ど訪ねたことは無い。

基本的にはそういった用事は、妻に頼むからだが、それ以外に
4年半前の‘事件’のせいもある。

母親の相続の手続きを巡って、局長と揉めたからだ。

揉めたと言うよりは、あまりにも‘無能な局長’相手に、あらん限りの罵詈雑言を
浴びせてしまった過去があるのだ。

具体的にどんな問題で揉めたのか詳細は忘れてしまったが、
逆に言えば忘れてしまうほど‘単純な事’だったのだ。

相続がらみの話と言う事で、窓口の女性は、態々、私を局長に紹介してくれたのだが、
この男が‘業務知識’に乏しい。

乏しいだけならまだしも‘そういうことはできない’と断言した。

一応、ディーラーになる前は普通の銀行業務もしたナリポンとしては、
‘不可能な筈はないと思う’と迫った。

その遣り取りを、耳にしていた女性がもう1人の女性に何か呟き、呟かれた女性が男に向かって、
‘それは、これこれの手続きをとればできますよ’

それを聞いた私は、皮肉たっぷりに言った。

‘なんだ、やっぱり出来るんじゃないか。あんたが知らないだけだったんだ。
あんたの部下の女性の方が、余程知識があるじゃないか。’

すると、その男がこう言った。

‘そうなんです、僕は何にも知らないんです。’

ハァ?私は、自分の耳を疑った。
確かに、私の物言いも実にいやらしいものであったのは認める。

しかし、この発言はなんだ。
もはや‘病的な世界’ではないか。

私は、逆にそれ以上責める意欲も失って、窓口の女性を相手に要件を無事済ませた。

‘君たちも、あんなのが上にいたら苦労するね。’

彼女は、声を発して答える訳でもなく、首を振って頷く訳でもなかったが、
目は明らかにYESと言っているように感じた。

まあ、こうやって今思い返しながら書いてみると、自分の発言を含めて、
美しくないと思う。

やはり議論とか遣り取りとかは、それなりの‘強者’を相手に論破したりして、
初めて、美しさや達成感がある訳で、あの局長を相手にしたことは、今こうして読み返してみると、
まるで‘弱者虐待’のようでもある。

ただ、そういう‘弱者’でもそのポジションを確保できるのが、特定郵便局の世襲制なのである。

特定郵便局でググると、最初にヒットするのは‘辛坊のコラム’だ。
そこに、こう書いてある。

 “特定郵便局について一般的に言える”特徴はいくつかある。

 1)郵便局の土地、建物は、郵便局長の所有物であり、
   国が、局長に家賃を払っている。
   自宅=郵便局の場合でも、この家賃は支払われる。
 2)局長には給料は勿論、公務員としての待遇が保証される。
 3)公務員としての定年はあるが、妻、子に世襲制的にその地位が
   受け継がれる。
 4)給料とは別に、年数百万円の経費(渡切経費・わたしきりけいひ)が
   支給される。
 5)局の営業成績が悪いと、局長会などで肩身が狭い思いをするが、
   公務員なので収入が減ることはない。

一説には、平均年収920万、他に上記1にある家賃収入が430万あると言われている。
合計で1350万。

都市部なら、まだしも、地方でこの収入は極めて魅力的だろう。

おまけに、それを‘かわいい我が子’に譲ることが可能となれば、
この利権に固執する連中がいるのも、むべなるかなと思わせる。

因みに、ノンポリ・ナリポンは自分の卑近な例に基づいて、
この記事を書いているだけですので、その点は悪しからず。

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