2008年6月16日月曜日

ヤンキース大勝で呵呵大笑するはずが王建民故障で騒然~チャート的には貯金4で上抜けか~

ヤンキースはアストロズ相手に13-0と大勝、シリーズのスウィープに見事に成功した。
オフェンス陣はカブレラ以外大当たりで呵呵大笑だった。

ところが6回の攻撃中に大変な事件が起きたのだ。
1アウト1,2塁で打席にはピッチャーの王建民、そうDH制のないナ・リーグホームならではの風景だ。
当然送りバントを試みるが、素直すぎたのと2塁ランナーがポサーダのため3塁で余裕の封殺。
1塁でゲッツーになるかもと思われたが王もよく走ってセーフ。
続くデーモンの内野ゴロで終了かと思ったが、テハダが落球し、半ば諦めていた王が2塁でセーフ。
2アウト満塁でジーターが彼らしい右打ちでライト前へタイムリーヒット。

3塁ランナーカノーに続き、王もやってくるが3塁を回ったところで動きがおかしくなり、
途中からは右足を引きずりながらのホームイン。
なんとも痛々しい‘生還’となってしまった。

カノーが王を支えながら手招きするが、ジラルディとトレーナーが直ぐに駆け寄り、
王はふたりに両側を支えられてベンチへ戻る。

ちょうど3年前、私を半ベソにさせたカーディナル戦の松井秀喜の負傷とかぶる。
メジャーはああいう場面で必ず監督が出てくるのは素晴らしい文化だと思う。

試合はその後も加点して勝利が確定したこともあって、王の故障のショックがファンたちにとっても
最大の関心になった。

私も早速フォーラムを覗いてみたが、あるある、あるある。
王を3塁で制止させなかったコーチャーを解雇しろという‘暴論’もあれば、
ナ・リーグがDH制を採用していないからこんなことが起こったという‘そもそも論’まで噴出。

そして次の土曜日には誰が代わりに投げるのかという議論になり、
‘死んでもKei Igawaはやめて’という叫びもある。
王の長期離脱を予想する向きはサバシアを獲得するしかないと騒いでいる。

今年はムースの予想外の頑張りで‘実’は譲っているが、王は過去2シーズン19勝で
‘名実’ともにヤンキースのエースと呼ばれるピッチャーだ。

その王を欠くことは当然深刻な問題だ。

王はニューヨークに戻って検査を受ける。
松井の時も負傷した翌日はオフで、結果的には連続出場記録をキープするどころかHRをぶっぱなす
離れ業を見せてくれたが、王が何もなかったように次の登板が出来るとは考えにくい。

ところでヤンキースは今日勝って貯金を4にした。
まだまだ貯金の数として‘中流’の域に達しただけだが、
いわゆるチャート的には上抜けしたと見ることができる。

今年のヤンキースは本当に5割近辺をウロチョロするだけで、4月23日に貯金2を記録して以来、なかなかそれを抜けることができなかった。

例えば高騰した原油価格で言えば、1バレル70ドルとかをやっている時の目標が100ドルだとする。
それに向けて上値トライをするがそこで抵抗にあい反落を繰り返したとする。
但し100ドルをいったんクリアーに上に抜けると今度は100ドルが下値のサポートになる。

要するにヤンキースは貯金2の壁をクリアーしたことにより、上昇トレンドが鮮明になり、
今後何かで下落しても貯金2は‘死守’されるという解釈だ。

もちろん王の長期離脱のような‘ファンダメンタルズ’を揺るがすような要因があれば、
そのインパクトの方が大きいが、逆に言えば王の穴を埋めるような救世主が現れて、
チャートが守られるある意味‘本末転倒’なことも少なくとも相場の世界ではよくあることだ。

ベンチで泣きを見る野手がひとりいて、慣れないバッターとして登場する投手にアクシデントが発生する。
普段DH制に慣れているチームにとっては辛いことだが、まあその分勝ち星を稼げるという現実もある。

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