2005年3月10日木曜日

右つめでお書き下さい~ある帰国子女の場合~

外資系には素直に帰国子女が多い。
彼・彼女等は外国語に堪能な分、逆に日本語や日本の習慣に不慣れでそれが笑い話を生む。

私が耳にしたことがある話しとしては・・・

・至る所にある「月極駐車場」を見て、月極さんという人は全国に土地を持っている超リッチな
 人に違いないと真剣に思っていた奴

・アニメの巨人の星で♪思い込んだら~♪と言う歌詞を聴いて、グランド整備に使うローラーを
 重そうに引いている絵と重ね、「重いコンダラ」として、あのローラーは「コンダラ」と言うに違いない
 と信じていた奴


しかし、私が最も気に入っているのは実際に私の友人の弟君がやった以下の話だ。

その弟君は銀行に行って初めて自分の口座を開設しようとした。
伝票の住所、氏名欄等をボールペンで記入していったが、金額欄のところで手を止めた。

(金額欄は右つめでお書きください。)

右つめ?
暫く悩んだが、彼にはひとつの答えしかなかった。
おもむろにボールペンを置き、右手の人差し指の爪を思いっきり立て、10000と書いた。

正確には掻いたというべきかも(笑)

必死に爪を立てたものの勿論、金額欄は真っ白。
当然、彼も「こんなんでいいのかな」と疑問に思ったが、伝票の2枚目を見て大いに納得。
カーボンのお陰で、2枚目以下の伝票の金額欄にはくっきりと10000の数字が・・・。
「そうか、これは何かセキュリティー上の問題で1枚目は金額が見えないようにしてあるんだ」
彼としては自分が自信なく行った行為が、実に理に適ったことだと感動したらしい。

残念ながら、その感動は長くは続かなかった。
なんとも‘無粋’な窓口のテラーが
「金額欄の記入をお願いします。」と言って、彼にボールペンを渡したのだ。

この話を聞かされた私達は大爆笑。
と同時にすかさず友人にこう尋ねた。

‘弟君って、右利き?’

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