2005年5月6日金曜日

マスコミの‘暴走’に倣って、ブロガーも暴発~JR脱線事故~

JR西日本の風土が問題になっているが、一方で記者たちの‘暴走’も止まらない。
4月28日マスコミ人の傲慢~あの記者だってオーバーラン~でも書いたが、
いったいマスコミとは何様なのか。

夕方から行われた、記者会見、JR側は幹部が出席していたが、社長の姿はなかった。
話が、ボウリング大会の話に及び、幹部が返答に窮すると、

「とんでもない会社や」
「舐めてんのか」
「ちゃんと仕事してるんか」
「「覚えてないことはないだろう」
「社長だせや」


私が関西弁に不慣れなせいかも知れないが、この‘語気’には知性も品性も無い。

結局、「社長出せ」コールに応じる形で日が替わってから、社長が登場。
主役登場でさらにヒートアップ。

「あー、もう泣くのはいいから」
「あんたらは107人、殺したんやぞ」
「どの面下げて、遺族に会ったんや」


社長を引っ張り出したのはいいが、本質に触れるような質問は無く、
記者たちが勝手に罵詈雑言を浴びせてお仕舞いである。
これだと社長はマスコミ対策に忙殺され、被害者対策、安全対策に裂く時間も作れないだろう。

悪いのは、JR西日本である。
ただ、‘徹底的な悪人仕立て’に奔走するだけのマスコミの姿勢は如何なものか。
前にも書いたが、妻は遺族の報道になるとチャンネルを替える。
それは遺族が鬱陶しいのではなく、遺族に付きまとうマスコミ、妙に美談を作り、
無理矢理悲しみを増幅させるような無遠慮なマスコミに辟易としているからだと思う。

TBS系列、「朝ズバッ!」ではボウリング大会の後、一次会で使った居酒屋のシーンがあった。
鳴り物入りで始まった新番組だが、そこで、件のみのもんたは、独自に入手した重要な
証拠があるとし、居酒屋の領収書が映し出された。
料理8品、飲み放題の3,500円、16:30まで飲んで10万8,486円。

はぁ?
これって報道する価値があるのか。
他局や新聞もこぞって、3500円の飲み放題だったことを報道していた。

だが、自称‘独自’に入手した領収書を大写しで報道したのはTBSだけだった。

この領収書って、どうやって入手したんだろ?
素朴な疑問が頭をよぎった。

で、色々と調べてその居酒屋が何処かを突き止め、実際に電話してみた。(←なんて暇なんだろう

電話にでた店の人間(どのポジションかは不明)に、「あの領収書は店が見せたのか」と尋ねた
「放映しないことを条件に見せたのに放映されて困っている。
報道各局に訂正(?)と謝罪を要求している」との返事。

訂正の意味は不明だけど、困っているのは事実らしい。
店側も脇が甘かったのかも知れない。

そこで、TBSに電話をしてみた。(←おいおい、ほんとに暇すぎ

何故ここまで行動したか、自分なりに分析すると、矢張りあの怒鳴り散らす報道の姿勢に
かなりの憤りを感じていたからだろう。
その憤りの中で、ターゲットとしてTBSが‘代表’に選ばれた形になった。

朝ズバッ!の担当者が出るも、朝の放送は知らないので担当ディレクターから折り返し
電話をさせるとの返答。
私は、あの‘領収書の映像’は店側の許可を得たものか、
店側は報道されて迷惑だと言っていた、と告げ電話を待った。

1時間後にM氏から電話が架かってきた。
先ず、番組で放送した事実を確認、その際、みのもんたが独占入手である旨を
言っていた事も確認。

オレ「3,500円のコースとか領収書を晒すことの報道意義は?別に公金で飲んだ訳でもないし、事故の本質とは無縁だと思うが・・・」

M氏「領収書によって、実際に宴会があったこと、コースの値段によって凡その人数の裏が取れる」

オレ「なるほど、それはある種、メイク・センスですね。ところで、あの居酒屋に実際に電話をしたが、店はあの報道で営業上困っているので報道各局に抗議していると言っていたが、放映の許可は店から取ったのか」

M氏「取材した担当者から、許可は取ってあると確認している」

オレ「自分の部下を信頼するのは、あるいはしたいのは分かるが、取材に長けた記者がマスコミ対応素人の人間相手に上手くやったと可能性もあるのでは」

M氏「それは互いの理解が違う可能性もある」

オレ「店は迷惑していると言っていたが・・・」

M氏「それは報道された後で、そう感じているのかも知れない。実際、今後報道しないようにとの申し入れがあったことも聞いている」

オレ「なんだ、やっぱり店からあったんだ」

M氏「あなたはいったい何がしたいのか。店と局の問題だが・・・」

オレ「私は一介の微力なブロガーです。まあ、あなた方マスコミが第4の権力なのにブロガーは第5の権力なんて言う人もいますがね。私が言いたかったのは、‘独自に入手’とするために店の迷惑も考慮しないのは、JR西の利益優先とちっとも変わらないってことです。」

M氏「だからあなたは何をしたいのか、そもそも店の実名は報道してないが」

オレ「ああやって、店内を映し出したら、分かる人には分かるでしょう。テレビチャンピオンって知ってますよね、居酒屋オタがいたら秒殺でしょ。誰かが分かればそんな情報あっという間ですよ、今の時代の伝播力は。
私がやっていることは、今回の事故で被害者の‘代弁’をする意気込みでJR西日本を‘糾弾’しているあなた方マスコミと構図的には同じですね。規模は全く違うけど・・・。
で、この一件はブログに書かせてもらいますから・・・あなたの実名だしていいですか」

M氏「どこのブログですか、実名?我々はあなたの名前を出していない」

オレ「そりゃ、私の名前を報道する状況にはないですよね。ブログですか、そんな気にする事ありませんよ。ここでの会話に反する事は絶対書きませんから。」

M氏「そりゃ、取材姿勢として失礼でしょ。我々はいつもTBSと名乗って取材している。」

オレ「まあ、いいじゃないですか、こうして私の電話番号と名前は確認できてるんですから・・・。実名は止めときます。長い時間有難うございました。」


実際、M氏は40分くらい電話で付き合ってくれた。

電話で自説を展開している時は(勿論飽く迄も声も冷静にだが)、あの罵声を浴びせている
記者連中と似たような、‘ええ気持ち’だったが・・・。

今、こうして文に纏めていると、一気に白けてしまった。

あの大阪の記者たちも怒鳴ったあとに、こんな虚しさを感じたりしないのかね。
それとも、どっかで飲みながら今後の更なる‘作戦’を練っているだろうか。


鳥インフルエンザ騒動の際、厳しい取材、或いは糾弾まがいの異常な取材攻勢に屈したのか、
会長夫妻が自殺を遂げてから、まだ一年ちょっとしか経っていない。
あの時と同じ記者が、今また今回の事故を取材をしているのだろうか。

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