2005年5月25日水曜日

極私的競馬小史~馬主席からみた感動のターフ~

昨日書いたが、あの一回の馬券購入で終っていたら、一生の‘競馬の収支’はプラスのままだった。
だが、あれから多分ほぼ2年後、様相は変わる、1976年のことだ。
大学生の身分になり、仕送りは相変わらず多くはなかったが、塾講師や家庭教師でのバイト収入で、
財布の中も随分と豊かになっていた。
学生ではあったが、年齢も20歳を超えていた。
(今は学生でも20歳以上は馬券をかえるみたいだね。)

でも、最大の理由は、初めて競馬場に行ってみたことにある。
中学以来の友人のS君に誘われて、東京競馬場に行ったのだ。

なんのレースの日かは忘れたが、緑のターフの美しさが輝いていた。
200円の入場券で、ほぼ30~40分置きにレースという10個以上のドラマが見られる。
レースによって登場する馬たちの格が違うし、舞台も芝やダートと違うし、走る距離も違う。
障害物を克服するハードなレースもある。
今はなくなったアラブのレースもあった。

パドックにいくと間近で、馬を見ることができる。
実際に見る馬は、思っていたよりずっと大きく、太陽光を浴びてキラキラと光っている。

初めて競馬場にいったその日の、馬券収支は記憶に無い。
恐らく、数千円の負けだったのだろう。

ただ、負けた事より、競馬場で見る競馬の魅力に圧倒された。
アパートの14型テレビで観る競馬とは全く違うものだった。

で、ある時、S君からお誘いがあった。
実は、S君のオヤジさんが中央競馬の馬主で、週末に上京するとのこと。
そこで、家族章というのがあって、馬主本人の他にふたり、馬主席に入れるが行かないか、との誘い。
勿論二つ返事でYES。

実際馬主席は違う空気だった。
初めて、ビジネスクラスを利用する人間みたいに、やや圧倒されながらも、気分は上々。
窓口も勿論、専用。ただ、200円券で3点買いするのは逆に勇気がいる(笑)

実際、カバンに現金を大量に詰め込み、何百万単位で自分の馬の単勝を買う御仁も見かけた。
すぐ横には、テレビの実況席があり、人気競馬評論家の顔も見えた。

しかし、どこにどんな有名人がいようと、飽くまでも、鮮やかな緑のターフとそこを疾走する
馬たちが主役。

ナリポンはこうして、1976年、奇しくも史上最強とも言われる3強の
TTG(トウショウボーイ、テンポイント、グリーングラス)が揃った年に、競馬に魅了されて
しまうのである。
さて、どう魅了されたか、どんなエピソードがあったか、それはまた別のお話
(王様のレストランの森本レオ調で・・・)(←昨日と同じじゃん)

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