私の体調を十分理解しているメンバーは勿論タバコを吸わないし、場所を決める時も考えてくれる。
近年では一般化してきた、個室系の居酒屋だった。
個室系というのは、完全な個室ではなく空間の3面は閉ざされているが、1面は開いている。
それでも、傍の個室には誰もいなかったので、快適に過ごし、
いつもなら2時間余りで失敬するのに話も弾み長居をした。
ところが3時間を過ぎた頃、隣の個室に4人客が登場し、3人が喫煙者、
そのうちの1人がチェーン・スモーカーだった。
無遠慮な煙が一番奥に陣取っていた私を容易に襲った。
程なく、店を出て帰宅したが、帰宅後も気分が優れず、頭も痛かった。
病気になって、間もなく6年になるが、心臓の状態は小康を保っているのに、
タバコの煙への‘耐性’は年々確実に弱っている。
今日の環境は、飲み屋としては比較的良好な方だとも言えるのだが、
それでも数人の‘ニコチン依存症患者’の登場で、あっという間に‘辛いガス室’と化した。
改めてのタバコの煙害について実感していたら、タイミングよくふたつの記事を見つけた。
ひとつは今日の日経新聞の社説だ。
安すぎないか日本のたばこ(11/18)
たばこが健康をむしばむのは、もはや医学の常識。本人はもとより、家族など周りの人が煙を吸ってしまう「二次喫煙」の健康被害も考えるなら、政府は喫煙者を減らす方向へ誘導すべきだろう。
禁煙誘導の有力な手段は増税による価格の引き上げである。財務省はこれに慎重だが、与党内で、たばこ税増税論が浮上してきた。真剣に検討してほしいものである。
日本のたばこ税は欧米に比べ低くそのため小売価格は著しく安い。20本入りのたばこ一箱にかかるたばこ税は日本では157円で、標準的な製品の小売価格(マイルドセブン)は270円。これに対し英国はたばこ税が611円で、日本の消費税にあたる付加価値税も17.5%と高いので小売価格は約1000円になる。日本の約4倍だ。ニューヨーク市はたばこ税が370円で価格が735円。ドイツ、フランスも日本より税金、価格とも高い(財務省調べ、今年1月現在)。
20年前、民営の日本たばこ産業が誕生してから一昨年までに、たばこ税を3回増税したが、いずれも小幅だった。このため、この19年間の消費量の減少は約6%で、なお年に約2900億本が煙になる。
たばこは肺気腫、肺がん、心筋梗塞(こうそく)などの原因になる。その治療に税金が使われている現実も考えれば、たばこ増税は税収増と医療費抑制の両面から財政収支改善に役立ち、人々の健康に資する。
仮にたばこ税を英国並みの水準まで増税し、当面は消費量が減らないとすれば国と地方のたばこ税収2兆2000億円弱は8兆8000億円になる。マイルドセブンは約740円となるが英国より200円以上安い。家計への影響が大きいので一気にそこまで増税するのは無理としても、毎年の増税規模全体をみながら、例えば年々数千億円程度ずつ増税するような方針を決めるべきではないか。
一方、医師会などの一部にある「たばこ税を増税し税収を医療費に充てる」案は、医療費を抑制しにくくなる恐れもあるなど問題が多い。
財務省は所管のたばこ生産者に配慮しがちだが、それより優先すべきは第一に国民の健康であり、次に国・地方の財政難の緩和である。
内容的には、私が以前書いた
‘大増税、大賛成!あぁ、たばこ税限定だけどね~1箱1000円で一石三鳥~’で書いたものと変わりが無く、新鮮味は無いが、こういう社説が頻出することにより、
実際の議論が活発化し実現に向けて拍車がかかることを希望する。
もうひとつの記事は日経BP MedWaveにあったものだ。
◆喫煙禁止条例の施行後に急性心筋梗塞が30%近く減少--コロラド州
米コロラド州プエブロ市では、全面的な喫煙禁止条例の施行後に急性心筋梗塞の患者が30%近くも減少したことが分かった。現在、コロラド州では州として喫煙禁止法の立法化を検討しているが、ブエブロ市での成果は大きな影響を与えそうだ。同市のCarl Bartecchi氏らが11月14日のセッション「Prevention: Health Policy and Outcomes Research」で発表した。
研究グループはまず、ブエブロ市がSmoke-Free Air条例を施行した2003年7月1日の前後3年間の急性心筋梗塞の発生件数を調べた。その結果、2002年1月1日から2004年12月31日の間に、ブエブロ市内の病院に入院した急性心筋梗塞の患者は1112人だった。このうち、市内在住の患者は690人、市外在住の患者は165人だった。
喫煙禁止条例の施行後の2003年7月1日から2004年12月31日までの期間と、施行前の同じ期間に分けて、市内在住の患者数と市外在住の患者数を比較したところ、市内在住の患者は399人から291人に大幅に減少していた(施行後に対する相対危険度は0.73、95%信頼区間0.63-0.85)。これは施行後に、27.1%も急性心筋梗塞の患者が減ったことになる。
一方、市外在住の患者は、89人から76人に減少していた(相対危険度は0.86、95%信頼区間0.63-1.16)。だが、市外在住の人が急性心筋梗塞で入院するオッズ比(対市内在住の人)は、1.76(95%信頼区間1.37-2.24、p<0.001)と有意に高かった。
なお、同様の禁止条例を施行していないエルパソ郡についても同様の期間で調べたところ、984人から955人と、ほとんど減少していなかった(相対危険度は0.97、95%信頼区間0.89-1.06)。
これらの結果から研究グループは、「公的な喫煙禁止制度は十分な効果を挙げている」と強調、「(喫煙禁止禁条例は)公衆衛生の政策上、重要な意味を持っている」と指摘した。
この記事のキーワードは、私の心臓を今の状態にした急性心筋梗塞、
その危険因子だった喫煙になるが、実は極私的には‘コロラド’もそうだ。
私のプロフィール
☆ほしいもの☆
健康な心臓(期間限定可)
コロラドのアスペンに行ってスキー三昧したい。
アスペンに行ったのは、1990年と1995年、いつも一緒に行っていた友人と
2000年はどうしようか、なんて話していた矢先に急性心筋梗塞を発症したのだ。
アスペンに行くには、先ず西海岸のサンフランシスコかロサンジェルスに行き、
そこからデンバーへ飛び、アスペンには小型機に乗る。
95年にデンバーの空港に到着すると、新空港になっていて全館全面禁煙になっていた。
当時、最も禁煙が進んでいた西海岸でも、空港の建物の外に出れば、吸える場所があり、
日本人が群がっていた。(私もひとりだったが)
デンバーで係りの人間に喫煙場所を訊いて、何処にも無いと言われた時は、
ひとりで憤慨していたものだ。
‘ったく、コロラドは何を考えているんだよ、吸える場所くらい確保しろよな’
いまや立場は‘真逆’で‘煙害’を‘憤慨’する人間になった。
‘ったく、コロラドはあれから10年も経つのにまだ州として禁煙にしてないのかよ’
話を本筋に戻すと、喫煙を禁止にして、こんな短期間にこんなに顕著な即効性が
あるなんて素晴らしいことではないか。
逆に言えば、禁煙化が少し遅れるだけでそれだけ多くの人間が従来通りに、
死のリスクに晒されるということになる。
日本も躊躇なく、禁煙化を加速化し‘タバコ後進国’の汚名を返上するべきだろう。
ところで、自民党が新人議員につきつけられた、会議での禁煙化はどうなったのかね。
こんな簡単なこともできずに‘改革’でもあるまい(笑)
0 件のコメント:
コメントを投稿