アメリカではFOMCが開かれ、フェッドファンズの目標値が0.25%引き上げられ4%になった。
市場でも広く予想された通りで、全くのノー・サプライズで為替相場も膠着した。
それにしても、さすがグリーンスパンのやり方という印象だ。
去年の6月に、ほぼ1年間1%という超低水準に据え置いていた金利を0.25%引き上げたが、
それ以降、年8回開かれるFOMCすべてで0.25%の利上げを実施、
今回で12連続という事になる。
どこがグリーンスパンらしいかといえば、先ずはこのジリジリとした上げ方だ。
FOMC開催時に一度もスキップもしなければ、逆に上げ幅を0.5%とかにもしなかった。
就任直後のブラックマンディの教訓を活かしてなのか、彼は典型的なgradualist(漸進主義者)だ。
もうひとつは、市場に対して、FRBが何をどう考えているのかよく説明することだ。
金融政策の変更もFOMCのスケジュールに合わせて行われるし、
なぜそうしたのか、そして今後はどういうスタンスで行くのかまできっちりと説明してくれる。
彼の前任者のボルカーは、市場環境の違いもあったが(FF金利が20%の時もあった)、
市場にサプライズを与えるような政策をすることが多かったし、
自分達が何を考えているかについても、謎めいたことしか言わなかった。
だからこそ、いわゆるFEDウォッチャーなる専門の職業も花形だった訳だ。
その点、グリーンスパンは市場にわかりやすい形でメッセージを送るから、
どんなアフォなエコノミストでも次の政策を予測する事ができる。
‘まあ、ディープ・インパクトの単勝100円元返しみたいなもんだ’
投資家にとっては安心感があるだろうが、短期的な混乱を望むディーラー達には面白みは無い。
ハリケーン・カトリーナという予期せぬ出来事があったのに、
やや無理矢理、当初の規定通りのアクションを取った感もある。
来年1月末の退任までは、12月13日と、1月31日の2回、FOMCが開催される。
まあ、ゴルフに例えるならば、過去12ホールは全部パーだった。
残りの2ホールも‘グリーン’にきちんとオンさせて‘スパーン’とパーを決めて、
引退の花道とするつもりかもしれない。
インフレ・ターゲティングを推進する後任のバーナンキを必ずしも、
最大の適任者と考えていない節もあり、
その前に自分の手で、やりたいこと、やるべきことをやるのではないだろうか。
すると、FF金利は4.5%、歴史的に見ても、まあ中立的な水準と言えるのではないか。
ナリポンの個人資産は、ビル・ゲイツには及ばないが(笑)、その一部は米ドルで持っている。
証券会社のMMFだが、ここ1年半のような金利上昇局面では、
それが直ぐ利回りに反映されるのはメリットだ。
約0.4%という外貨としてはミゼラブルな時もあったが、今回の利上げで3.4%位になるだろう。
日本は日銀が‘緊急避難的’にゼロ金利政策を採用してから、もうすぐ7年目を迎える。
7年間も‘緊急避難’している異常さに、そろそろ気付いてもいい環境が整ってきたのではないか。
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2005年11月2日水曜日
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