各地を転戦中のヤンキース松井だが、直近ではミルウォーキーからセントルイスへ。
どちらの街にも共通するのが、ビールだ。
ミルウォーキーではミラー、セントルイスではアンハイザー・ブッシュ社のバドワイザーが
生産されている。
どちらのスタディアムも冠はこのビールに因んだものである。
アメリカは勿論、海外では、ビールを注文する時に、銘柄を特定するのが普通である。
スキー場の山頂付近の小さな小屋でも、何種類ものビールが用意されている。
日本では、入った店で‘とりあえずビール’と頼む客がいまだに多い。
そうやって頼むと、その店のデフォのビールが出てくる。
ビールはどんな銘柄でもビールだから良しとしているのだ。
いまや強力な禁煙推進者である私が、こういう例を出すのはある種、変な話だが、
喫煙者達は、それぞれ自分の好みの銘柄を決めてそれを吸う。
‘取り敢えずタバコ’とは言わない。
ところが、ビールの場合、家で飲む場合は自分の好きなブランドを用意しているのに、
外ではなんとも‘従順に’、店の言いなりになっているのである。
勿論、接待で使うような店やホテルでは、様々な取引関係を鑑み、国産の全銘柄を
揃えているところも多い。
ただ、注文する客は無頓着に‘みなさん、とりあえずビールでよろしいですか’とやっているのだ。
特に銘柄指定が無い場合は、そこのデフォがサーブされる。
私は、18歳で飲み始めた頃から、銘柄に拘りがあった。
キリンラガーが好きだった。
初めて入る店を物色する時は、店内を覗いたり、裏口のビールケースまで調べるタイプだった。
銀行に就職すると、グループ企業の絡みで、飲むべきビールが‘強制’された。
だが、プライベートではキリンを飲み続けた。
その後、シンガポールに転勤。
シンガポールではTiger(タイガー)とAnchor(アンカー)という銘柄が支配的だった。
タイガーはキリンと同じラガー系、アンカーはピルスナー系。
ここで私の嗜好が変わった。
常夏の国で、年中気温が20~36℃のゾーンで一定の国では、ピルスナー系のアンカーの方が
旨いと感じるようになったのだ。
5年間、あの味に慣れた舌は、帰国後、もうキリンラガーには合わなかった。
私のマブダチが当時、アサヒに勤めていたのがきっかけで、我が家の定番になったのが
‘アサヒ生’
「コクがあるのにキレがある」のコピーで、ゴルフの青木とジャンボ尾崎を起用していた。
そして、それをベースに開発されたのが、‘アサヒスーパードライ、辛口、生’だ。
このひとつの商品が、ビールの勢力地図を大きく変える大ヒットになった。
当初、特に老舗の名店では相変わらず、キリンラガーしか置いてない店が多かったが、
自然な流れとして、スーパードライも普及していった。
個人的には私も、行く先々で「あぁ、スーパードライは置いてないんですか・・・」
店の人も「最近、そうおっしゃるお客さんが増えてますね。」
そうして暫くして、再訪するとしっかりと置いてあったりした。
私のスーパードライ‘偏愛’は仲間内でも有名で、何度かイタズラされたことがある。
「はい、スーパードライね」と言って、別のビールを渡されるのだ。
それが一杯目ではなく、ある程度飲んだ後に仕込まれたこともある。
ただ、私の舌は直ぐにそれが‘別物’であることを感知、
‘なんだよ、このマズイビールは・・・’
但し、こういった目隠しテストでわかるのは、ビンビール、缶ビール。
生ビールだと、途端に判別不能になる。
あのモルツでもわからない時がある。
外国ビールで好きなのは、緑のデブッチョ栓付ボトルのGrolsche(グロルシェ)
今はわからないが、帝国ホテルのオールドインペリアル・バーのランチタイム、
サンドイッチやハンバーガーを頼むと、このビールが一本サーヴィス。
飲まない人と行くと凄くお得(笑)
ビールならなんでもOKという、‘積極的な無頓着’なら、もちろんそれでもいい。
でも、ある種の惰性で‘とりあえずビール’と言っている人々が多いような気がする。
私は必ず‘ビールは何がありますか’と訊くようにしている。
ところで、今日6月12日は松井クンの誕生日。
カーディナルズ戦第3戦に勝って、個人的にも勝利に貢献して、
すっきりとした気分でtoshiyoriを祝って欲しいものだ。
彼にとっては、一番旨い酒は銘柄がどうこうよりも、‘勝利の美酒’に違いない。
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