2005年6月25日土曜日

松本幸四郎の‘王様のレストラン’~すばらしぃ、実にすばらしい~

昨夜の報道ステーションにゲストコメンテイター?として、松本幸四郎氏が出演していた。
途中から観たので、何故彼が出演していたか理由は不明だが、恐らく現在上演中の
‘ラ・マンチャの男’で、千秋楽の29日には通算上演回数が2000回を達成することの
‘前祝’か・・・。

15歳の事件、親子関係、税金の無駄遣い(野球のユニフォーム)、サッカー、松井秀喜等々の
話題に、コメントをしていたが、どれも如才のない新鮮なもので哲学もあり好感が持てた。

その話し方や話の内容を聞きながら、あるドラマを思い出した。

‘王様のレストランの千石さんみたいだ’

世の中の、真っ当な松本幸四郎ファンの人には全く申し訳ないが、
ナリポン的には、松本幸四郎といえば、この‘王様のレストラン’の千石武役なのだ。

と言うか、‘勧進帳’も‘王様と私’も‘ラ・マンチャの男’も観た事がないのだ。

スペイン系の銀行に居た訳だし、帝劇の直ぐそばの洋食屋には、何度もメンチカツを
食べに行っていたのに・・・すべては後の祭り。
元気な時にやっておかないとこうなる。

それにしても、あのドラマも松本幸四郎も

‘すばらしぃ、実にすばらしい’

その後、文字通り‘台頭’する‘三谷幸喜軍団’の魅力を、ストーリーと同じで、
ヴェテランの松本幸四郎が見事に引き出している感じだ。

そうそう、エンディングテーマ‘Precious Junk’を歌っていたのも当時は無名の平井堅だ。

劇中に流れるオリジナルサウンドも実にイイ。
その後も、グルメ番組とかでも良く使われているのも納得できる名曲だ。

オープニングとエンディングにナレーションをやってる森本レオの声もセリフもイイ。

余りタイプではない、女性シェフ役の山口智子も、弾けていてテンポがイイ。
他の脇役勢もキャラが明確で好演していてイイ。

料理の盛り付けや、サーヴの時に、突然、役者以外のプロの手がアップで登場するのも、
あの人形特撮‘サンダーバード’みたいでイイ。

ギャルソンという言葉に少年以外に、ああいうポジションの人間を指すことを知ったのも
初めてだったし、何気に使えそうなフレンチの薀蓄を学べるのもイイ。

でも、矢張り、千石の立ち居振る舞い、含蓄のあるセリフが最高にイイ。
エプロンを締める時の、衣擦れの音がイイ。

(おまえは‘イイ’しか言えないのか?)

イクナイのは、ディレクトール(西村雅彦)が‘カラーひよこ’の詐欺に騙され大金を投じるという
設定の非現実性と、彼の愛人がバルマン(鈴木京香)という不釣合いな事ぐらいかな。

他は、全部、すばらしぃ、実にすばらしい。

オープニングで森本レオが語る、‘ミッシェル・サラゲッタ’という架空のフレンチ・シェフの
言葉なんか、もうサイコーにイイ!


    
人生で起こることは、すべて、皿の上でも起こる。

    人は皆、神が作ったギャルソンである。

    人生で大事なことは、何を食べるか、ではなく、どこで食べるか、である。

    人生とオムレツは、タイミングが大事。

    奇跡を見たければ、レストランへ行け。

    トマトに塩をかければ、サラダになる。

    歴史は、鍋で作られる。

    最高のシェフは、恋をしたシェフ。

    まずい食材はない。まずい料理があるだけだ。

    若者よ、書を捨て、デザートを頼め。

    人生で起こることは、すべて、皿の上でも起こる。



円周率を小数点50桁まで暗記するくらいなら(←じつはオレのこと)、
この11個の‘箴言’を覚えた方が、はるかに有意義な人生を送れるだろう。

役者とかスポーツ選手とかは、経験を重ねる事によって、より‘高い境地’に至る事ができるが、
何かモノをクリエイトする職業の場合は、意外に初期の作品が生涯を通じての代表作に
なることがある。

‘王様のレストラン’が三谷の生涯ベストかどうかはわからないが、上位に位置する事は
間違いないと言っていいのではないか。

ところで、このドラマの最終回のラストシーンは思わせぶりだ。

まるで筒井康隆のように、三谷幸喜が変装して現れる。
ナレーションは勿論、森本レオ。

‘その紳士が、やがて、Belle Equipe始まって以来の、
とんでもない災難をもたらすことになるのだが・・・それはまた、別の話’

とんでもない災難とは何か教えてくれよ。
別の話はいつしてくれるんだよ。

ところで、ナリポンは昔、超側近筋から得た、
松本幸四郎、松たかこ、松井秀喜に関する面白いネタも知っている。

でも、それは、また別の話(笑)
つーか、やっぱ非公開かな。

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