2005年12月16日金曜日

名将、智将というより‘一緒に酒を飲みたい人’仰木彬氏逝く~日本人メジャーリーガーの父~

私が仰木さんの訃報を聞いたのは、昨夜の報ステの中だ。
悲しいお知らせがありますと言う、前置きの後で、顔写真が映し出されて驚いた。
死因が癌だと聞いて二度驚いた。

以前から癌に冒されていたのは知らなかった。
というか、つい数ヶ月前までユニフォームを着て監督を務めていたのだから、
そんな想像もできなかった。

急性心筋梗塞とか突発的な病気なら考えられるが・・・

記憶が思いっきり曖昧だが、今年の春、開幕前の仰木監督をどこかの女子アナが屋台で
酒を飲みながらインタヴューする番組を偶然観た。

最初はビールでスタートして、途中で日本酒にチェンジ。
本当に美味そうに飲んでいるし、女子アナが隣でご機嫌だ。
で、屋台のオヤジが次の一品を出した時の一言が素晴らしい。

‘ああ、これはやっぱりビールだな、もう一回ビールに戻ろう’

その一品が何だったのか、もう忘れてしまったが、観ていた時には私もビールに合うなと
思った料理だったのは覚えている。

テレビの収録中だと普通は遠慮しがちだろうが、彼はおかまいなしだった。

‘う~ん、一緒に酒を飲むならこういう人だな’

しかし、今考えてみれば、これぞ仰木さんのデフォなのだろう。
どのつまみにはどんな酒が合って、美味さを引き出すかと言うことを真剣に考えることは、
選手の育て方、起用法にも通じる。

選手の個性を尊重し、それを伸ばすことが得意だった。
そのためには、つまらない既成概念には拘らなかった。

彼の元から育ったメジャーリーガーが多いのも偶然ではないだろう。
パイオニアの野茂をはじめ、長谷川、イチロー、田口、吉井・・・中村紀はOrz
日本人メジャーリーガーの父と呼んでもいいのではないか。

‘あの’イチローも仰木さんには心から敬意を払い、感謝し、心を開いているような気がする。

シアトルで訃報を聞いて、コメントできないくらいショックを受けているらしいが、無理もないだろう。

私が一緒に酒を飲みたい仰木さん、飲みたくないイチロー
その二人が美しい師弟関係にあるだけでも、仰木さんの懐の深さがわかる(笑)

報ステで訃報を知ったが、前身のニュース・ステーションの本番中に、
小宮悦子を口説こうとしたのは有名な話だ。
彼女もいまなら口説かれても良かったかな,と思っているかもしれないね。

安らかに眠って下さい、と祈ってみても
‘酒はうまいし、ねーちゃんはキレイだ♪’と天国でも‘本領’を発揮しそうだ。

思わぬ訃報に動揺した今日、私は予定通りに、CTスキャンの検査を受けた。

《追記》
マスコミを含め、他のブログ記事を読むとイチローの名付け親としているが、
登録名の変更のアイデアを出し、進言した実質の名付け親は新井宏昌コーチであり、
それを認めたのが仰木さんと言うのが、事実らしいですよ。

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