2005年12月10日土曜日

29人のWBC代表選手より目だってしまった松井秀喜の躊躇と優柔不断

第1回「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)の日本代表の29人が発表になった。

ところが、何故か話題の中心は代表の29人ではなく‘選ばれなかった一人’である。

その一人とはヤンキースの松井秀喜である。

本来30人の発表を予定した訳だが、松井のために1人分の枠を空けておくという変則事態だ。

私はトップページにもあるように、自他共に認める‘超’のつく松井ファンだ。

しかし、今回のような形で、松井が‘主役の座’を占めているのには、激しく違和感を覚える。

ギリギリまで粘ったヤンキースとの契約交渉の時も感じて書いた・・・。

松井秀喜は‘変節’したのか、人間らしくなったのか~ヤンキース残留交渉での印象~

松井は何度も態度を保留しながら
‘さまざまな要素を総合的に判断して決めたい’と繰り返しているが、
もう9月に日本が正式参加を決めた時から、いくらでも考える時間はあった筈だ。

実際、今月2日には出版社の企画で、王と飲食店で対談しているし、
その場でも直接ラブコールを受けている。

今までの私の人生経験から言えば、
‘じっくり考えたいので、時間を下さい’と2度言われたら、
それは実質的には‘NO’と言われているのと同じだ。

一体何が彼を躊躇させているのだろうか。

ヤンキースの‘無言の圧力’を指摘する声も多いが、それはどうだろうか。

キャッシュマンGMも早い段階で、こう言っている。

『WBCに関しては我々は何もコメントしたくない。
ただ、ヒデキが出たい、と言えば、それは彼自身が決めたことだ。
チームとしては何も言わないのがポリシーだ。』

まあ、それは規約上WBCに関しては、チームは選手を拘束することができないことに
なっているから、当然の発言なのだが・・・。

オーナーのスタインブレナーが出場を好ましく思っていないという説もあるが、
実際、ヤンキースの選手でもキャプテンのジーター、MVPのエー・ロッド、お騒がせのカノーが、
出場の意向を明言しているから、特に問題はないだろう。

むしろ、ワタツネが偉そうに
『松井君が来れば大成功だ。何とか頼まなきゃいけないな。
(ヤンキースのオーナー)スタインブレナーに電話でもするか』
と、勘違い発言をしている方が問題だ。

そもそも、WBCの主催者はMLBと同選手会であって、だからこそ、ボンズ、プホルス、
オルティス等一流の選手を含む177人が既に参加の意思を表明している。

そうなると、松井自身が、単にこの大会に価値を認めていないのではないか。
本人も『日の丸を背負って野球をすることへ実感が無い』と言っているし、
投手の投球数が制限される(可能性あり)ことについても、
『そういうものを、果たして野球と呼べるんだろうか』
と首をかしげていた。

そして、帰国後、番記者と野球をした後にも冗談とは思えない本音をポロリ。

『草野球とはいえ勝つと最高に気分がいいね。
でも右ひじが痛い。こりゃWBC辞退だな』

年俸が大幅にアップした1年目に、どんなことがあっても良い成績を残したいという気持ちが強く、
そんな中、WBCというような未体験の‘不確定要素’を排除したいのかも知れない。

もしそうだったら、その気持ちを素直に世間に伝えれば良いのではないか。

少なくとも、私は、このまま態度を保留し続け、優柔不断と言われても仕方が無い松井より、
明確に自分の考えを明らかにする松井を支持する。

ほら、お見合いだって(経験はないが)、断りの理由が言いにくかったり、
あまりに早く断るのはとためらいがちだが、
断る場合こそ早くするのが‘礼儀’だとされるじゃないか。

しかし、ふと考えるのだが、もしミスターが脳梗塞に襲われずに元気で、
このチームが王ジャパンではなく、長嶋ジャパンだったら、松井はどうしていたのだろうか。

個人的には、快諾していたような気がする。

因みに戸田菜穂の誕生日が3月13日で、それが大会日程と重なるのが
最大のネックだとする説得力ゼロの説もある(笑)

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