利用しているだけで、面白みがないと思っていたら、
ニューヨーク・タイムズのジャック・カリー記者が独自の記事を書いている、
それを、スポニチが報じている。
松井秀“WBC出場”へプレッシャー?
来年3月に行われる国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)への出場要請を受けながら態度を保留しているヤンキース・松井秀喜外野手(31)に関して、10日付のニューヨーク・タイムズ紙が注目記事を掲載した。
同紙では「秀喜はWBCには出たくない。ただ彼は日本でとても人気のある選手なので、王監督や日本のメディア、さらに(1次リーグをMLBから業務委託されている)読売からプレッシャーをかけられている。もし彼が今“自分はWBCに出場しない”と言えば、裏切り者扱いされるだろう」とのヤ軍・広岡勲広報のコメントを掲載。さらに代理人のアーン・テレム氏の「秀喜は大会でのケガの可能性と、WBCに出場したうえで公式戦162試合に全試合出場できるかということをとても心配している」との談話も紹介している。
“側近”ともいうべき2人が出場に否定的な見解を示したように、松井自身も当初から出場には強い難色を示してきた。その背景には当初から開催時期、さらに商業主義が見え隠れするWBCの大会趣旨に全面的に賛同していないことがある。
ただ、日本代表チームの指揮を執る王監督からの熱い出場要請、さらにファン心理なども考慮した上で現在は再考中というのが実情で、松井も苦しい決断を迫られている。
ニューヨーク・タイムズ紙のオリジナルの記事はこれだ。
Matsui Not on Japan's Roster
Hideki Matsui was not included on the initial roster for the Japanese team in the World Baseball Classic, and there were indications he would rather not play in the tournament. Matsui is concerned that the timing of the event will detract from his preparations with the Yankees in spring training.
"Actually, Hideki doesn't want to play for the W.B.C.," Isao Hirooka, who handles Japanese media relations for the Yankees, said in an e-mail message.
Because Matsui is such a popular player in Japan, Hirooka said, he is being pressured to participate by the Japanese news media; Sadaharu Oh, who is managing the team; and the Yomiuri Giants, his former team.
"If he says, 'I don't play for the W.B.C.' right now, he will be a traitor," Hirooka said.
Oh told The Associated Press that he was "100 percent sure" that Matsui would agree to play and left a roster spot for him.
Arn Tellem, Matsui's agent, said Matsui had still not made up his mind about whether he would join Ichiro Suzuki on the team. Although Tellem said Matsui would "probably like to play," he cited the possibility of injuries and how Matsui "wants to come back and play 162 games for the Yankees."
Matsui signed a four-year, $52 million contract last month. The Yankees were against the idea of having their players play, but Derek Jeter, Alex Rodriguez and Robinson Cano have agreed to compete.
先ずは、スポニチの記事とオリジナルの記事で、ややニュアンスが違う。
テレム氏曰く‘松井は多分出場したいのだろうが’と言う部分が省略されている。
それでも、私が昨日の記事で書いたように、松井自身がこの大会の‘価値’を余り認めていない、
大会出場によって、本来最重要だと考えているシーズンへの悪影響を懸念している、
ことは事実のようだ。
しかし広岡広報は何故取材に応じたのだろうか。
ニューヨーク・タイムズはニューヨーク・ポスト紙が松井にかなり辛口イメージなのに較べると、
是々非々な評価で松井の記事を書いている印象がある。
‘だからと言って、なぜ一紙だけに、このような核心に触れるようなことを打ち明けたのだろうか’
松井と広岡氏の緊密な関係から察するに、このメールを送ったことを松井も承知しているだろう。
もっと言えば、動きの取れなくなった松井を支援する‘意図された作戦’とも取れなくない。
こういう記事が、海外というフィルターを通して届くことにより、世論をタッピングできる。
辞退しても、その理由が既にこういう形である程度説明されているし、
結果的に参加となれば、悩んだ挙げ句よく決意してくれた、ということになる。
しかし、私はこういう‘手口’に不満だ。
松井秀喜の魅力のひとつは、試合後必ず自分の言葉で語ることだ。
チャンスで凡退したり、致命的なエラーを犯して‘戦犯’扱いされるような場合でも、
欠かさず真摯に語る。
ところが、このオフの再契約交渉からの松井は、
常に誰か‘代理人’の影に隠れているような印象だ。
‘裏切り者扱い’を恐れるなら、自分で正直に語ればいい。
2002年、FAでメジャー挑戦の意思表明をした時だって、苦渋に満ちた顔で
‘巨人ファンからは、裏切り者と呼ばれるかもしれないが・・・’
と自ら語ったじゃないか。
そりゃあ、今回辞退したら、失望するファンはたくさんいるだろう。
でも、それは1回だけのことだ・・・。
むしろ、最近のような微妙な‘変節’が‘本格化’する方が恐い。
まあ、私のドタ勘では、広岡氏のメールが記事が‘露払い’になり、
松井が態度を明らかにするのも、案外早い時期に実現するような気がする。
断れば‘グッド・ガイ’の称号に傷がつく?
‘なあに、かえって免疫力がつく’
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