2005年10月6日木曜日

ヤンキース連勝・王手はならず~エラーをしたら取り戻そう、チーム一丸となってカバーしよう~

ヤンキースの先発、王建民はとにかくゴロを打たせるピッチャーだ。
球質が重いシンカーということで、そうなると言う事なのだが、
観ていてもある種のマジックに思える程だ。

ただ、ゴロを打たせると言うことは、そのゴロを処理する内野手の‘確かな腕’が不可欠だ。

少年野球では指導者が、口をすっぱくして‘ゴロを打て’と言う。

フライだとそのフライを捕ると言うひとつの動作でアウトになるが、
ゴロを打てば、ゴロの処理、送球、捕球の3つの動作が必要であり、
未熟な少年野球では‘3度のチャンス’があるという論理だ。

トーリはその辺も考慮して、先発で守備の良いチノを1塁に起用した。

しかし、ヤンキースは3つのエラーを犯した。
カノーのエラーは王が踏ん張り、失点に結びつかなかったが、エー・ロッドと王自身のエラーは、
失点に結びつき、結局はそれらが敗因となった。

エー・ロッドのエラーは解説の大島も試合後のソーシア監督も‘ライトにでも入ったのでは・・・’
と庇っていたが、当の本人が‘なんでもないゴロ、捕ったつもりがグラブに入っていなかった、何故かわからない’と言っている。

一方のLAAの守備は冴え渡っていた。
5回には、2アウト3塁で松井の3塁線の強烈な当たりをフィギンズがバックハンドで好捕、
さすがに送球が乱れるが、これをまた1塁のアースタッドが掬い上げてアウト。

6回にも、1塁線を抜けそうなポサーダの当たりをアースタッドが押さえ、
ラッキーのベースカバーも完璧でアウト。

結局攻守で2失点を防いだ。

ディフェンスが駄目ならオフェンスで補えばいい。

但し今日のヤンキースは昨日と違って、チャンスで1本が出ない。

2回に松井とカノーの連続ダブルで先制するが、その後はスコアリング・ポジションで8タコだった。

‘守れない、打てない、守られる、じゃ勝てないわな’

エラーを犯したエー・ロッドは打撃も不振だ。
今季のPO突入後、四死球はあるが、まだ5タコだ。
昨年からの6試合でも22-2と言うから、MVP候補が泣く。

人々が戦犯探しをする時に、最も簡単にA級に指名できるのは、直接的、間接的に得点に
結びつくエラーをした選手だ。

特に今戦っているような短期決戦では、敗戦に結びつくエラーはまさにフェイタルだ。

この試合の前に行われた、CWS-BOS戦。
井口の値千金の3ランHRでCWSが連勝し王手をかけたが、
あの3ランも実はBOSのセカンド、グラファニーノのエラーの‘産物’だった。

ウリーベのゴロを普通に処理すれば、明らかにダブルプレイでイニング終了だったのだ。

そのグラファニーノだが、9回の打席で1アウト後ダブルを放った。
1点差だから、デーモンかレンテリヤにタイムリーが出れば同点だ。

‘勝ち越しは嫌だが、ここで同点も悪くないな’

ヤンキース戦が始まるまでは間があったので、
単に試合がもつれるのも面白いという安易な考えの他に、
エラーを帳消しにしようと懸命にダブルを打ったグラファニーノへの‘微かな同情’もあった。

ナリポンは何事につけ‘他人の責任追及’をさせたら、
その‘辣腕振り’には定評があるイヤな奴だ。

ただ今日の敗戦後の心境はチョッと違った。

‘エラーした奴はそれを取り戻せ、でなかったら周りの人間がカバーしてやれ’

どうしたのだろう、この‘不似合いな優しさは’・・・(^。^)

約2週間前、松井が痛恨のエラーをして敗戦。
あのひとつの負けのせいでプレイオフ進出が無くなるのではと、真剣に心配した。

しかし、結果的には松井も汚名を返上する活躍をし、チームも一丸となって、
奇跡的な地区優勝を果たした。

今も同じ事をすればいいのだ。

どんなに‘適正な戦犯指定’より、先ずはこの短期戦を勝ち抜くことが大切だ。

敗戦を観戦して40分後には病院にいた。
実は今日の午後は定期的な通院の日だった。

もし延長戦にでもなったら‘仮病’でもして明日にしようと考えていた。
敗戦のショックは心電図にも血液検査にも特段認められなかった。


The day after tomorrow is another day.

Grind it!

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