松井、藍ちゃん、アイスクリーム (2005年10月12日)
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1960年代前半、子供たちの絶対的な支持を獲得していた「巨人、大鵬、卵焼き」の2005年バージョン。『朝日新聞』の「天声人語」が名づけ親。スポーツや娯楽の種類が増え、勝利と人気を独占する絶対的なヒーローが登場することがむずかしくなっているが、総体的にみて子供たちの支持を得ていると思われるのが、この三者。ヤンキースの松井秀喜、ゴルフの宮里藍、そしてアイスクリームである。松井のかわりに同じくメジャーリーガーのイチローがあげられることもあれば、同じアイちゃんでも卓球選手の福原愛だったり、さらにはアイスクリームのかわりにハンバーグやから揚げ、回転ずしなどをあげる子供もいる。絶対的人気とはいえないところが、現代のヒーロー像なのかもしれない。
報道機関として不祥事続きで、組織がガタガタの朝日新聞の‘価値観’に基づいた新語だが、
アイスクリーム以外は、納得だ。
そもそもナリポンは、ほぼ時代的には‘巨人、大鵬、卵焼き’の世代だ。
ただ、当時の私には巨人しか当っていなかった。
大鵬はきれいな相撲取りだという印象はあったが、相撲にはそれほど興味がなかった。
卵焼きも弁当のおかずだったら、赤いウィンナーのタコ君の方が好きだったし、
卵料理だったら、圧倒的に目玉焼きが好きだった。
卵焼きに、惚れ込むのは、大人になって蕎麦屋で一杯やるようになってからだ。
ところで、この新語のベースになっている「天声人語」を探し当てたら、面白い部分を発見した。
作詞家の阿久悠の説によれば、そもそもは‘長嶋、大鵬、卵焼き’だったのが、
王貞治の出現で‘ON砲’と言われるようになり、1963年に長嶋ではなく巨人に
変更された、というのである。
‘まあ、これは長嶋の大ファンの作詞家の創った世界かもな’
2005年、この朝日のコラムニストが選んだものは
‘松井、藍ちゃん、アイスクリーム’である。
この大好きなモノは基本的にはその時代の子供にとってという前提だと思うが、
だからと言って、このコラムニストが何かの調査に基づいて、
この3つをピックアップしたとは、思えない。
今はわからないが、昔のイメージで言えばコラムニストはそれなりに年季の入った人だろう。
どう考えても‘松井’‘藍ちゃん’を選んだのは、現代の子供たちの感覚というよりは、
これを書いたオッサンの感覚に基づいているような気がしてならない。
そして、頭の中で考えた結果、最近のガキの嗜好など知らないままに、
好きそうな食べ物を‘アイスクリーム’にしたのではあるまいか。
オッサンの一人であるナリポンが‘松井’と‘藍ちゃん’にベタ惚れであるように、
この人もそうなのだろう。
子供レベルでは、やはりゴルファーよりはサッカー選手でも入ってくるのが自然だろう。
まあ、何れにしても、イチローではなく松井を選んだところは、
朝日の‘最後の良心’を感じる(笑)
問題は昔の御三家の現在の存在だ。
V9を達成し、常勝巨人といわれたのが、今や人気、実力とも凋落一途。
大鵬も一代年寄を与えられていたが、この春に定年(まあ、これは仕方ない)
卵焼きは一応、王道メニューとして残っているが、玉子は物価の優等生ゆえ、安くみられ、
昨今では鳥インフルエンザなる病気も懸念され人気を落としたりしている。
アイスクリームは時間が経てば‘溶けてしまうが’松井や藍ちゃんの人気、実力は
この先どう持続するだろうか。
2週間前の週末は、松井、藍ちゃんのダブルオメデタになったが、
今週は、週初に松井の夢が破れ、藍ちゃんも賞金王を狙う上で試練の戦いとなっている。
‘やはり、ふたりの調子のサイクルはシンクロしているのか’
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