2009年12月30日水曜日

ワールドシリーズ第6戦の松井秀喜がMLB過去10年の中でベスト・パフォーマンスに選ばれた~NJ.comによるThe best of the decade: MLB~

NJ.comがThe best of the decade: MLBという記事を掲載し、MLBの過去10年間を振り返り
色々な視点でランク付けを行っている。

その中に松井秀喜の名前があった。


GREATEST INDIVIDUAL PERFORMANCES
Single Game

1. Hideki Matsui ties a World Series record with six RBI in Game 6 (Nov. 4, 2009)
2. Randy Johnson throws a perfect game; strikes out 13 (May 18, 2004)
3. Mark Buehrle throws a perfect game (July 23, 2009)
4. Shawn Green goes 6 for 6 with four home runs (May 23, 2002)
5. Carl Crawford ties a modern major-league record with six stolen bases (May 3, 2009)


1試合での個人のパフォーマンスに関する評価だが、なんと松井が堂々の1位なのだ。
2位、3位にはR・ジョンソン、バーリーの2人の‘完全男’が名を連ねる。
4位には6打数6安打4HR、19塁打のショーン・グリーン。
5位は1試合で6盗塁を記録したクロフォードだ。

このメディアが普段から伝えているヤンキースに偏りやすいこと、
10年と言いながら近年の方が対象になり易いことを勘案しても
こうして1位に選出されたことは素晴らしい。

やはりレギュラー・シーズンではなくMLB最高のステージであるワールドシリーズの
しかも‘決定戦’だったことが大きく貢献しているのだろう。

10年間のMLB全体の試合数と言えば膨大でまさにごまんとある。
そんな中で見事1位になった松井の神がかり的な活躍。
TBSの例の番組でメジャー2009年の総括を行ったNPB老人2人の価値観が
如何に異様なものか改めてわかる。

2009年12月26日土曜日

日本人メジャーリーガーの群像「松井秀喜 魂のフルスイング」~NHKがくれたクリスマス・プレゼント~

クリスマスと言っても特にノー・イヴェントだが、NHKが少し時間差でプレゼントをくれた。
25日深夜にBS1で放送された‘日本人メジャーリーガーの群像「松井秀喜 魂のフルスイング」’
という50分番組だ。
2009年の松井秀喜の軌跡を見事に凝縮して描いている。
私はMLB中継の実況や解説には不満があり、基本的には現地の音声で観戦しているが、
NHK独自のカメラとエンディングで流れる編集映像には敬意を払っている。

今回のこの番組もまさにそのふたつのウリが活かされていた。

これほど完璧な結末のシナリオで終わった1年を編集するのは担当者も楽だったかもしれない。
この手の番組では無理な演出で盛り上げようとして白々しくなり、興醒めになることはよくあるが、
今年の松井に関して言えば単に‘事実’を追いかければ壮大なドラマが成立するからだ。
食材が優れていればそれだけで十分美味な料理が完成するのと似ている。

誇張ではなく、今まで恐らく1000回以上見たゲーム6でペドロから奪った先制の2ランHR、
8球の球筋も完全に頭に入っている。
流石に我ながらやや食傷気味の感もあったが、こういう番組の中で見ると新鮮さが蘇り、
また身体が震えてしまった。
そしてその震えが心地良い。
ワールドチャンピオン決定直後、ジーターと長い時間ハグする松井の姿も感動的だが、
あれは現地映像には無いNHK独自のものだ。

イヴェントに溢れた有意義なフライディ・ナイトを過ごした人、番組の存在を知らなかった人、
見逃した人達も結構いるだろう。
間違いなく再放送はあると思われるので是非見てもらいたい。

2009年12月17日木曜日

Hideki Matsuiの形容詞は‘clutch’‘productive’‘professional’~日本にクラッチヒッターという言葉を浸透させたのは松井秀喜~

松井秀喜のエンジェルスへの入団が正式に決まった。
松井を失うヤンキースだがファンの書き込みが止まらない。
一部のマスコミの中にも惜しむ論調があった。

膨大な量の英文を読んでいてはっきりしたことがあった。
Hideki Matsuiを形容する単語として頻出するのが‘clutch’‘productive’‘professional’だということだ。
これらは普段から言われていたことだが、松井がそういう印象を与えていることを再確認した。
現地のヤンキースファンの中に熱狂的な松井ファンがそう多くはいるとは思えないが、
この‘3要素’を備えた戦力が失われる現実に直面して、或いはその戦力をキープするコストが
実は十分に賄えるものだとわかって、予想以上の喪失感に襲われている感じだ。

勿論その大きな原動力になっているのはワールドシリーズでの鮮烈な活躍だ。

Matsuiが9年振りのワールドチャンピオンに導いてくれた・・・(^。^)

clutch・・・耳タコだがかつて9回一打同点、逆転の場面で打席に立たせたい打者に選ばれたことがある。
今年の8月の実績に対してはClutch Performer賞が与えられた。
宿敵BOS相手に良く打つ。
ここぞというビッグ・ゲーム、ビッグ・シチュエーションで真価を発揮する。
この辺が松井がクラッチとされる所以だ。

妙な話だが松井の大ファンとしては、松井がクラッチ・シチュエーションで
失敗した時の失望感も何度も味わっているので実は世間の評価の方が高すぎるような
気がすることもある。
チーム内にメジャー屈指の大打者でありながら非クラッチ系の権化のような
A-Rod(最近は解消)がいたのも好対照になって松井の存在を浮き出させてくれたかもしれない。

productive・・・run producerとかRBI machineとも呼ばれるように基本的には打点を稼ぐ能力がある。
あとはproductive outと言われる打撃ができる。
今年はイマイチだったがrunner on 3rd less than 2 outでの成功率はメジャー1,2位を争う。

professional・・・野球選手としての能力は当然だがそれ以外の面でも松井らしさが評価されている。
2006年の長期離脱の時の謝罪、審判に抗議しない、メディアに対する姿勢、起用法その他に関して
不平を言わない。
いつでもチームの勝利を最優先させる徹底的な姿勢も勿論そうだ。
プロとして欠落しているのは遅刻癖ぐらいか。

これらの三つの形容詞を使えるのは松井を至近距離で見てきたヤンキースファンならではのことだ。

敵の指揮官として松井を知っているソーシア監督も同様の印象を持っているからこそ、
今回の松井獲得の中で積極的に露出していたのかもしれない。

松井とソーシアの野球観、野球スタイルは相思相愛になれそうだ・・・(^。^)

入団会見に同席したソーシアは‘ヒデキはプロフェッショナル’‘ヒデキはクラッチで打てる’
‘体調を維持すれば素晴らしくプロダクティヴな打者になるだろう’
何のことはない、早くもこの三つの形容詞を使って賛辞を送っているのだ。

但し、エンジェルスファンはそう単純ではない。
公式のフォーラムを見ると逆風が吹いている。
根底には松井加入で残留の可能性がほぼ無くなった人気者ゲレーロへの愛着があるようだ。
同じ故障持ちならゲレーロと2年契約してやれよ、という論理だ。
面白かったのはNYYファンがこっちのフォーラムに遠征してきて、
松井の価値を説明し‘いい買い物’だと主張していたことだ。

しかし、言葉でいかに過去の素晴らしさを語ったところで限界がある。
これこそまさに百聞は一見に如かず。

現時点では松井に関して懐疑的な連中も松井が‘clutch’‘productive’‘professional’な
活躍を見せれば次第に納得し応援したくなるだろう。
逆に真価を発揮できなければ、勢いを増してバッシングに走る可能性もある。

クラッチヒッターという言葉は今や日本の野球ファン、中でもMLBファンには十分に浸透した。
NHKのMLB中継のオープニング映像にも現れる。
シルエットなので特定はできないが松井秀喜を念頭に置いていると思われる。

前にも書いたがクラッチヒッターと呼ばれるのは打者として最高の名誉だ。
この言葉の伝道師が日本人でいえば松井秀喜なのだ。

赤いキャップを被った新生・松井秀喜が引き続きクラッチヒッターとして、
本領を発揮することを心から願う。

2009年12月15日火曜日

松井秀喜がNYYからLAAへ~こんなに偉大な‘一巻の終わり’は無い、あとは二巻目に期待しよう~

来季の松井秀喜はエンジェルスでプレイすることになった。

ヤンキースが9年振りにワールドチャンピオンになり、松井秀喜がその立役者として
WSのMVPになった直後のニューヨーク・ディリーニューズの記事を思い出す。

もしこれでマツイがヤンキースを離れるようなことがあったら、NFLのJohn Elway以来の
‘the greatest exit’になるだろうと書いていた。
この人物がどんな選手かどうか知らなかったが調べてみて何となくその意味がわかった。

何れにせよこの記者がMLBとともに国民的スポーツであるNFLを含めて、
松井秀喜の去り方は歴史的なものだと認識していることに意義がある。

これぞ松井秀喜の偉大なる‘一巻の終わり’なのだ・・・(^。^)

一巻の終わりの本来の意味はネガティヴなものだが、敢えてそれを意図的に‘誤用’するのは、
松井秀喜には二巻目があると信じているからだ。

ヤンキーとしてワールド・チャンピオンになる悲願を達成し、
自らもMVPのタイトルを手にする第一巻の結末は完璧だった。
松井自身はヤンキース残留を果たし2連覇を果たす形で第一巻が続くことを願っていた。
しかしヤンキースは当初のチーム編成の構想を崩すことなく、
DH専任の松井に対しての熱意を示さなかった。

そこで登場したのが、名実ともに名将ソーシアが率いるエンジェルスだった。
他にもホワイトソックス、アスレチックスあたりの名前が挙がっていたが、
エンジェルスという選択はチームの能力を勘案するとベストだ。
松井が打ってもチームが勝てなければファンとしても満たされない。
松井のWS変則2連覇、連続MVPのチャンスも期待できる。

単年契約、年俸半減というのを屈辱的と見る向きもあるが、そもそもプロならば1年勝負。
再びチームメイトになるアブレイユの良い見本もある。

松井のLAA入りを伝えるNY紙を読むと、過去7年間の功績を大いに讃えたうえで、
今回の判断はヤンキースにとっても妥当だとする大人の論理が目立った。

但し、ファンの書き込みは一味違った。
マツイがいなくなることを心から悲しみ惜しむ声、GMの判断ミスと激怒する声、
残念に思いながらも今までの貢献に感謝し今後の活躍を祈る優しい声。

正直、読みながら胸が熱くなり堪らなくなった。

確かに本人が残留を希望していながら、ヤンキースでも条件提示できそうな単年、低年俸で
他チームに持って行かれると突然勿体ないと感じる面もあるだろう。

水面下でどういう遣り取りがあったかわからないが、ヤンキースの正式オファーが明らかになる前に
決断したのはより多くのゲームに出場したいという意向を優先させたのだろうか。
妙な駆け引きに使わなかったのはLAAへの敬意とも考えられ松井らしく好感が持てる。

一方エンジェルスのファンの反応はやや微妙で大歓迎という感じでもなさそうだ。
フィギンズが抜け、ラッキーも獲られて苛立っているせいもあるし、
何だかんだで人気のあったゲレーロの影響もあるかもしれない。
それは仕方がないことで、今後実戦で信頼を勝ち取っていくしかない。

2010年4月13日、ヤンキースタジアムの開幕戦は何の因果かエンジェルス戦だ。
試合前にはチャンピオンリングの贈呈式も行われる筈だ。

これを単なる偶然と考えるのか。
私には松井秀喜の一巻から二巻への引き継ぎの儀式となる‘必然’のような気がしてならない。

敵のユニフォームを着た松井秀喜に対してヤンキースファンからスタンディング・オベーション、
期せずして蘇るMVPコール。

これはさすがに夢を見すぎのシナリオか・・・(>_<)

ヤンキースは失った松井の‘非存在による存在感’を味わい、
エンジェルスは獲得した松井の‘存在感’を味わう。
そんな試合展開になれば美しいが別に焦ることは無い。
ファンとしてはまた1シーズン松井秀喜を堪能できる、これが大事なことなのだ。

2009年12月13日日曜日

MLBの試合数を2週に渡って間違えた張本勲が御意見番の笑止千万~番組スタッフも訂正できないのがTBSクオリティ~

TBSのサンデーモーニングの中のスポーツコーナーについては過去にも苦言を呈したことがあるが、
またまたやらかした。

先週の放送中、張本がメジャーの試合数を163と言うと隣の大沢が164とのたもうた。
それを真に受けたのか今日の放送中に張本は164試合と臆面も無く言い放った。

MLBのレギュラーシーズンの試合数はいくつか?
別に通でもなくオタクでもなく普通にファンならば162試合だと知っているだろう。

それを何とスポーツ評論、おまけに野球がメインの男ふたりが知らないのだ。
そんな奴らが勝手に「喝だ!」「あっぱれだ!」と騒いでいるのがこの番組のクオリティ。
張本は自らメジャーの試合は殆んど観ないと抜かしていたが、それでどうやって評論するのだろう。
いや、評論なんかしていない。
週刊番組なのに毎週、毎週「イチロー以外はダメジャー」と、
まるで何かに憑かれたように唱えているだけだ。

2週間に渡って間違いを犯して、周りのスタッフが誰もそれに気付けないのも
何ともTBSクオリティらしい。
番組中何か間違いがあれば、メガネの女子アナが訂正したりスタッフからカンペが出たりするのだが、
どうやらMLBに関しては無知集団らしい。

いつになったら張本は正解が162試合だとわかるのだろうか・・・(?_?)

NPB出身者ふたりがMLBをろくに知らずに事あるごとに難癖をつけ、
まるで日本のプロ野球が優位であるように誘導する。
その根拠は何故か偉大なるスプリング・トレーニングと揶揄されるWBCなのだ。

MLB志向の選手達を非難し、実際に渡った選手には早く戻ってこいと怒鳴りつける。
特に張本にこの傾向が顕著だ。

まるで脱北者を非難する某国の人みたいだな・・・(-_-;)

恣意的に集められたとも思われる凡プレイを集中的に垂れ流し、
「喝!」とやるのもまるで世論操作のようだ。

しかし残念ながらMLBの醍醐味を味わってNPBに戻れない人々はさらに増殖中だ。
そういう人から言わせればこの御意見番達はまさに笑止千万。
NPB脳しか持たない価値観は電波で流すには不適切だろう。
野球以外の分野ではまさに門外漢のふたりだが、お構いなしに好きなことを言い放ってご満悦だ。
その競技の関係者からすれば堪ったもんじゃないだろう。
同情を禁じ得ない。

《関連記事》

2009年7月5日日曜日
MLB蔑視の張本がイチローにツンデレの滑稽~「サンデーモーニング」で‘みんなダメジャー’発言~

2009年7月26日日曜日
頑迷固陋な張本に喝!~松井秀喜のサヨナラ弾を評価しないことで自らMLBを語る資格が無いことを証明~

2009年11月28日土曜日

新型インフルエンザワクチン接種→風邪の症状→検査陰性→症状悪化→再検査で陽性→タミフル服用→治癒~初期症状だと検査キットで陰性になることがある~

新型インフルエンザの患者数も1000万人を超えたと言っているから、
珍しくも何ともないだろうが実は私もやられた。

心臓疾患を理由に20日にワクチンを接種した。
リスクが高いから優先されるだけなのだが、人間は優先されると悪い気はしない。
ところがそんな助平な心を見透かしたように23日の夜から喉にかなり強い痛みを感じ始めた。
24日の夕方になると熱が37度まで上昇した。
心臓の方で通っている病院は先進医療に特化するために新型インフルエンザの診療は行っていない。
風邪で過去に2度お世話になった近所の内科医に電話で相談したところ、
翌朝まで待って熱が7度5分までなっていたら来院しなさいと指示された。
その夜は喉の痛みに加えて頭痛も加わった。
そして朝起きて検温すると、まさに7度5分。
早速電話をして病院へ向かった。
2階の個室に案内され、そこで検査を行った。
鋭い綿棒のようなものを鼻の中に打ち込まれ、カトちゃんなみのくしゃみをしてしまった。
15分で結果が出たが陰性だった。

本来は喜ぶべきことなのだろうがやや拍子抜け。
消炎剤と抗生物質を処方してもらう。

地獄はその夜から始まった。
咽頭痛、頭痛、鼻水、くしゃみ、悪寒に襲われた。
朝起きて熱を計ると38度チョイ、身体もだるい。
ただ前日陰性と言われたから流石にまた病院に行く気は無い。
そこで市の発熱相談センターへ電話をした。
経過を話して実は罹患している可能性は無いかと質したところ、
初期症状の検査ではあり得ると言われた。
日中はやや熱も下がったので結局病院へは行かなかった。

そしてまた恐怖の夜。
弱っていると何時間でも寝られて、その間は苦痛を感じないこともあるが、
今回はそうではなかった。
頭痛や熱っぽさで寝られないのだ。
明け方近くになってやっと2時間ぐらい寝たただろうか。

起きて検温すると38度8分。
すかさず病院へ電話をして出向き、同じ検査をした。
医者がやや申し訳なさそうに‘陽性でした’と言う傍で、私は小さくガッツポーズ。
また陰性で対処方法がわからない不安に比べたら陽性の方が遥かにマシだ。

タミフルを処方されて帰宅。
ウィルス相手に既に私が素手で戦っていたところに強力な援軍の登場だ。
1日2錠だが、昨日の2錠に加え今朝の1錠でウィルスどもも敗走したようだ。
熱は6度台に落ち着き、こうしてブログを書こうという状態までに快復した。

これだけ新型インフルエンザの情報が溢れていると
ワクチンを接種してもその効果が発現するまでには一定期間が必要なことや、
発症を完全に防げないことは承知していた。

但し、実際は感染していても初期症状だと検査で陰性になる可能性については
自らこうして経験するまでは全く知らなかった。

ググってみるとこんな記事を発見した。

新型インフルエンザ重症例で目立つ発症初期の「簡易検査A型陰性」

陰性認定されることで重症化を招くと言うことだ。

という訳で、ワクチンの優先接種でいち早く安心を手に入れられたと思ったのに、
結局は罹患してしまい、しかも早期発見のつもりでいち早く行動したらそれが裏目に出て
誤反応を招き、対処が遅れて苦しむ時間が増えただけの男のお話でした。

でも、これで今季は新型インフルエンザについて罹る不安からは解放されたとも言える。

2009年11月22日日曜日

松井支持派は9%にとどまっている~アンケートの全容に触れず数字を一人歩きさせる日刊スポーツの無能記者~

先ずはこの日刊スポーツの記事を読んで頂きたい。

FOX予想は松井ホワイトソックス移籍
 
全米ネット局FOX電子版は20日、注目FA選手の去就を予想し、ヤンキース松井秀喜外野手(35)はホワイトソックス移籍と予想した。理由として「左の大砲を必要としており、ウィリアムズGMは金銭的に難しいと言いながら興味を示している。両者とも常識的な条件で歩み寄るのでは」とコメント。他のヤ軍勢ではデーモン、ペティットとも残留と予想した。また「ヤ軍に残留させるべき選手は?」とのアンケートも実施しており、ペティットの31%、デーモンの13%に対し、松井支持派は9%にとどまっている。


独自取材の記事ではなく今やド素人でも簡単にアクセスできるネット記事を
安直にパクっているだけだ。
思わず読み流してしまいそうだが、賢明なる読者諸氏ならば最後の一文の数字に反応する筈だ。
この31、13、9と言う数字は所謂百分率だがもとにする100が何なのか判然としない。

そこで早速この記事のソースになっているFOXの記事を探してみた。
簡単に見つけられた。
Where will the top MLB free agents end up?
肝心のアンケートだがこれだ。

FOX SPORTS POLL

Which star of the postseason should the Yankees bring back?

Johnny Damon 13%
Hideki Matsui 9%
Andy Pettitte 31%
All of them 29%
None of them 18%


なんと選択肢は5個だ。
ポストシーズンで活躍した3人の中で松井の残留を望む声が最も少ないことは確かだが、
3人とも残留させろという声も29%ある。
そもそも3人のうち1人しか残留できない事情でもあれば話は別だがそういう訳では無い。
ペティットに投じた人の中にもデーモン或いは松井の残留を支持する人はいる筈だ。
このアンケートの全容を説明せずに9%という数字を取り上げることが、
数字の一人歩きを招き、ミスリードになるということに記者が気付いていない。
案の定、松井嫌いの輩はネット上で‘松井残留支持はたったの9%’と
まるで91%が反対しているようにコピペを貼りまくっていた。

自分の書いた記事が読者にどのように理解されるか想像できない。
それは記者のファンダメンタルズがおおいに欠落していることに他ならない。

スポーツ新聞の記者なんてそんなもんよ、と言われればそれまでだが、
こんな記事が上席のチェックも受けずに活字となり、それが商品として販売される。
明らかに欠陥商品だと思うのだが、どうだろうか。

2009年11月20日金曜日

週刊ベースボールのロバート・ホワイティング氏に注目~ガツン度満点の‘松井×イチロー比較論’に快哉を叫ぶ~

松井秀喜がワールドシリーズのMVPを獲得したことでマスコミも忙しい。
各テレビ局の特番や特集はすべて網羅したつもりだが、基本的には無難な作りが目立った。
松井の7年間そのものが十分にドラマであり、今回の活躍が偉大であることに依存すれば、
それだけでそこそこの内容にはなる。

そんな中、今週18日に発売になった週刊ベースボール 11月30日号(400円)は中々面白い。
何の因果か第55号だ。

松井秀喜に関してのコンテンツとしては下記の通り。

#[特集]ワールド・シリーズMVP
松井秀喜 世界の頂の、その先へ―
# インサイド・リポート
想いはただひとつ 世界一になるために
# [シリーズMVP、その価値とは?]
ニューヨークで、そしてメジャーで「真のヒーロー」となった松井
# 2003-2009 HIDEKI MATSUI CHRONICLE
# 2009ゴジラ解剖
(打撃=大島康徳、守備=本西厚博、メンタル=槙原寛己)
3人の解説者が徹底分析
松井×イチロー比較論
ロバート・ホワイティング氏[作家]に聞く

# 動き出した移籍市場と松井の去就 ゴジラよ、どこへ行く―
千葉功の「記録の手帳」
連載2500回記念拡大版スペシャル
松井秀喜が日本人史上初のMVP獲得!
2009「ワールド・シリーズ」総括


これらの中で最も注目すべきはロバート・ホワイティング氏による‘松井×イチロー比較論’だ。

そもそも野球観も打撃スタイルも大きく違うふたりの日本人メジャーリーガーを、
アメリカ人の目で分析している。
日本ではWBCユーフォーリアとも呼ぶべきスタートをした2009年、
途中ではイチローの200本安打狂騒曲に明け暮れていた。
しかし、やはり本場では最高のステージであるワールドシリーズが最大のイベントだという
当たり前のことを極めて自然に説明し、そこでMVPを獲得した松井の価値について
歴史的な視点を踏まえて解説している。

正論を吐いているのにガツン度満点だ。

私のような松井秀喜ファンにとってはまさに快哉を叫びたくなる内容なのだ。
基本はNPBメインの雑誌なので他の記事には特に興味を感じなくても、
個人的にはこの4ページに400円を払う価値がある。

400円を払う気が無い人は立ち読みをするか、
ネットで‘松井×イチロー比較論’で検索すれば抜粋したものはヒットする。


《追加》この価値ある記事の全内容を完全掲載




ロバート・ホワイティング氏が語る
松井・イチロー比較論


記憶に残るイチロー、記憶に残る松井秀喜
松井は日米関係の新しい扉を開けた!!


日本人メジャーで活躍する野手の中で特別な存在になっている
マリナーズのイチローとヤンキースの松井秀喜。

1歳違いの彼らは日本でプレーしているときからさまざまな比較をされてきた。
今回のワールドシリーズMVPにより、2人の関係はますますクローズアップされるはず。

そこで、野球を通して日米の文化の違いなどを論じ、『和をもって日本となす』などの
多くの著書があるロバート・ホワイティング氏(作家)に、イチローと松井について
アメリカでの評価の違いなどを語ってもらった。

球界の盟主の座を取り戻した伝説の英雄になる

―松井選手のワールドシリーズMVPは、アメリカにおいて
どれくらいすごいことなのでしょうか
(ホワイティング) 第6戦の第4打席で「MVP!MVP!」のコールが起きましたよね。
ファンは、日本人メジャーの松井選手として見ているのではなく、
「ヤンキースの英雄」として見ていました。
数年後、ヤンキー・スタジアムで行われるオールスターにほかのスターたちと
ともに松井選手も招待されると思います。彼はヤンキース伝説の英雄になったと思います。

―9年ぶりにチャンピオンの座を手繰り寄せたのが松井選手。
(ホワイティング)そうです。
多くの人がヤンキースは常にチャンピオンでなければいけないと思っている。
松井選手はヤンキースいるべきところに復活させた立役者。
MVP表彰式では英語でスピーチをしませんでしたが、それは関係ない。
阪神の助っ人・バースだって、日本語は話せないでしょ?
でも多くの阪神ファンが彼の虜になり、今も人気は高い。
松井選手もそれと同じだと思います。

―ところで、マリナーズのイチロー選手は01年にリーグMVPを獲得しています。
―それと、今回の松井選手のシリーズMVPとではどのぐらい差があるのですか?
(ホワイティング)松井選手が今回のワールドシリーズでやったことは歴史に残ること。
なぜならば球界の盟主をチャンピオンの座に戻したのですから。
しかし、リーグMVPは毎年必ず1人選ばれる慣例です。

―イチロー選手は9年連続200安打のメジャー記録も打ち立てました。
―イチロー選手と松井選手のアメリカでの評価に何か違いは?
(ホワイティング)イチロー選手が9年連続200安打のメジャー記録を作ったときには、
アメリカ・メディアはあまり大きく取り上げなかった。
多くのファンは、それまでそういう記録があることすら知らなかった。
ジョージ・シスラーの記録を破った04年のときと同じ現象でした。

―なぜアメリカのファンはそういう記録をあまり知らないのでしょう?
(ホワイティング)多くのファンは打率4割、年間最多本塁打、通算最多本塁打、
年間30勝以上、防御率2点台以下のような記録にしか興味がない。
もちろんイチロー選手に対して尊敬の念は抱いていますが、
多くのファンは「野球はパワーゲーム」だと思っています。
だから単打だけだと満足しない。
亡くなってしまいましたが、ニューヨークの友人はイチロー選手に対して、
「あれは野球ではない。ゴロを打つだけだ」と(笑)。
でも松井選手のことは大好きでした。

―なぜ松井選手が大好きだったのでしょうか?
(ホワイティング)松井にブルーワーカー(肉体労働者)的な雰囲気を感じるから。
文句を言わず毎日しっかりと仕事をこなし、ケガをしても必ず試合に出場し、
お金のことは気にしていない、と彼は言っていました。
それと松井が3年前の骨折のときファンやマスコミに向けて謝罪しましたよね。
あれに多くのファンは驚かされました。
今までお詫びの声明を出した選手はいなかった。
ニューヨーク・タイムズ紙やロサンゼルス・タイムズ紙などが
松井の行動にすごく品があった、と評しています。

―今までにそういう選手はいなかった?
(ホワイティング)プレースタイルで似た選手は、ヤンキースには同じようなタイプの外野手が2人。ひとりは40年代に活躍したトミー・ヘンリック。
もうひとりは、50年代に黄金時代で右翼手を守ったハンタ・バウアー。
彼は毎年20本近い本塁打を打ち、100打点を挙げ、
さらには、ここぞの場面でよく打ち、体も強かった。
無口なタイプで無礼なことは一切言ったことがない。
無口の英雄としては松井選手に似ています。

―イチローと似ている選手とは?
(ホワイティング)・・・・・彼はユニーク(唯一)の存在です。
ヒットを打つことを考えればピート・ローズ(元レッズほか)ですが、アメリカのファンには、
イチロー選手は「生意気」でどこかエゴイスト(自己本位な、利己的な)のイメージが強い。
もちろん、彼のプレーを見るのは楽しいんですよ。打席に入る前の仕草なども楽しいし、
肩、足の速さなど選手としては尊敬すべきプレーヤーだとは思っているんです。

紳士的なイチローにフレンドリーな松井

―ホワイティングさんご自身の2人への印象は?
(ホワイティング)イチロー選手とは一度、一対一でインタビューをしたことがあります。
ホテルのスイートで。
何かエルビス・プレスリーを取材するような緊張感でした(笑)。
しかし、実際に話していくうちに私は彼のことが好きになっていきました。
彼は本当に頭が良い。質問の意味を深く考え、
すばらしい答えを返してくれました。とても紳士的という印象が残りました。

―松井選手は?
(ホワイティング)彼は、冗談混じりの質問にもフレンドリーに答えてくれました。
すごく親切な人だと思いました。
毎年、キャンプ中にニューヨークの番記者を食事に誘います。
これもヤンキースの歴史では初めてのことです。
03年の入団直後に不調に陥り「ゴロキング」などと言われましたが、
高い年俸で入ってきた選手であれだけ不振が続けば、ニューヨークのメディアはもっと叩いたはず。
しかし、そこまでしなかったのはやはり松井選手の人柄がそうさせたのだと思います。

―松井選手がそういう選手だとは日本人もわかっています。
―しかしイチローに引かれる日本人ファンももっと多い現実があります。
(ホワイティング)私はWBCの影響もあると思います。イチロー選手は2大会連続出場、
日本の2連覇に貢献しました。
しかし、松井はどちらも辞退。それ以前、2人が日本にいたとき、巨人は毎日のように試合が放送され、
一方でイチロー選手が所属したオリックスの試合はほとんど見ることができなかった。
だから一番人気は松井選手でイチロー選手はいつも2番手。しかし、メジャーに行きリーグMVPを取り、
メジャー記録を塗り替えてそれが逆転し、WBCの活躍でそれが確実になった。
でも、今は松井選手が一番に戻ったと思います。

―もしイチロー選手がヤンキースに移籍していたら……。
(ホワイティング)ファンは尊敬しますが、彼は単打の打者。
ヤンキースはルース以来、本塁打を打てる打者が本物のスターになっています。
しかし、イチロー選手は別のカテゴリーの選手。
スターになるかどうかはジーターのようにチームに貢献する打撃ができるかどうかなのです。

―アメリカの野球はベーブ・ルースが出現してから大きく変わったと言われています。
(ホワイティング)もしイチロー選手が19世紀にプレーしていたら一番人気のスーパースターになっていたと思います。1890~1915年くらいまではタイ・カップ(元タイガースほか)などイチロー選手のようなスタイルの選手が多かったですから。
しかし、ルースが20年に年間54本塁打を打って野球の内容を変えたのです。
そして、ジョー・ディマジオとテッド・ウィリアムズ(元レッドソックス)も出てきて、
アメリカのファンは「パワーがないとスーパースターになれない」という考えに変わっていったのです。

―本塁打中心の野球に変化したということですね。
(ホワイティング)ピート・ローズがタイ・カップの4000安打の記録を塗り替えたときも、
「シングル=つまらない」と。
レッズの同僚で50本塁打を放ったこともあるジョージ・フォスターは
「僕が一振りでできることを、ローズは4打席も必要だ」と言ったことがある。
それだけ評価が低いという証です。

イチローが日米関係を近くし松井が新しいページをめくった

―個人タイトルは持っていないけれどシリーズMVPに輝いた松井選手と、チャンピオンになっていないけれど
―個人タイトルやメジャー記録を持つイチロー選手。選手としてどちらが幸せだと思われますか。
(ホワイティング)どちらも幸せだと思います。ただ、イチロー選手は現状のまま活躍すれば野球殿堂に入る選手です。
その一方で松井選手は多くの野球ファン、ヤンキースファンにヤンキース復権の象徴、
09年ワールド・チャンピオンの立役者としていつまでも記憶に残り、
ワールドシリーズ名場面のDVDにも入るような大仕事をしました。
つまりイチロー選手は記録に残り、松井選手は記憶に残る選手だと思います。

―その違いは大きいですね。
(ホワイティング)バラク・オバマ大統領のキャンペーンを手伝ったロバート・オア(元東大教授)氏が言った言葉があります。
「現在ではアメリカと日本の関係は貿易などの面でほぼ同等になった。そして今、ヤンキースのスーパースターが新しい扉を開いた。アメリカ人がニューヨークの真ん中で、国籍も何も考えず「MVP!MVP!」のコールを叫んだ。この瞬間、明治時代から始まった日米の歴史のどの政治家も成し遂げることができなかった日米間の関係が出来上がったのだ。彼により日米関係は新たな段階に入ったといえる。日米の関係を密接にしたのは、貿易でなく、外交でもなくそれは野球だった。政治指導力よりも人としての力が一番だったのだ」と。
私も松井秀喜が日米関係の新しいページをめくったと思っています。

―それはイチロー選手にはできなかったのでしょうか。
(ホワイティング)それは違います。シスラーの記録を抜いたときに、シスラーの家族が祝福した。あの経験が日米の関係をさらに近くした。日本にアメリカ人監督が増えたのも、たぶんイチローの活躍が影響していると思います。そういう意味ではイチローは十分に貢献しています。

―野茂英雄氏から始まり、イチロー選手が縮め、松井選手が新しいページをめくった。
(ホワイティング)その通りです。野茂氏が来た15年前は大きなギャップがあった。
それが今では日米間はすごく近い関係が出来上がっていますよね。

PROFILE
ロバート・ホワイティング Robert Whiting
1942年、アメリカ・ニュージャージー州生まれ。カリフォルニア大から上智大に編入し、
卒業後、出版社勤務を経てフリー・ジャーナリストに。ユーモアを交えた日本文化比較に定評があり、『菊とバット』『和をもって日本となす』『イチロー革命』などがある。
ベースボール・マガジン社から芝山幹朗氏との対談をまとめた新書『新・イチロー伝説』が好評発売中。

2009年11月9日月曜日

NY紙DailyNewsが来季のヤンキースの人材に関する投票を実施中~松井秀喜キープ派は63%でデーモンと同率~

NY紙のDailyNewsが2010年のヤンキースにとって必要な人間、不要な人間について
オンライン投票を実施している。

単なる数字のコピペだが興味がある方はどうぞ。
松井秀喜キープ派は63%だ。
MVPを取った後に同社が行った投票では3択でキープ派58%、不要10%、
そんな無粋なこと言わずに優勝を楽しむ32%だったが、今回は2択になった分保留派はいない。
因みにある意味ライヴァルとも言えるデーモンもまったく同じ63%。
勿論これらの数字はライブで変化している。

昨シーズンは当然、今季も序盤でもたついていた時に起きたジラルディ不要論、トーリ待望論。
結果を出せばこうなるってことだ。

If you were in charge of the Yankees, what would you do with xxxxxx?

Joe Girardi

Keep him 94%
Dump him 6%

Hideki Matsui

Keep him 63%
Dump him 37%

Xavier Nady

Keep him 36%
Dump him 64%

Derek Jeter

Keep him 96%
Dump him 4%

Chien-Ming Wang

Keep him 55%
Dump him 45%

Nick Swisher

Keep him 76%
Dump him 24%

Melky Cabrera

Keep him 72%
Dump him 28%

CC Sabathia

Keep him 98%
Dump him 2%

Mark Teixeira

Keep him 98%
Dump him 2%

Brian Cashman

Keep him 89%
Dump him 11%

Jorge Posada

Keep him 83%
Dump him 17%

Andy Pettitte

Keep him 92%
Dump him 8%

Johnny Damon

Keep him 63%
Dump him 37%

Alex Rodriguez

Keep him 95%
Dump him 5%

Joba Chamberlain

Keep him 80%
Dump him 20%

A.J. Burnett

Keep him 83%
Dump him 17%

Brett Gardner

Keep him 68%
Dump him 32%

Brian Bruney

Keep him 28%
Dump him 72%

Jose Molina

Keep him 48%
Dump him 52%

Sergio Mitre

Keep him 19%
Dump him 81%

David Robertson

Keep him 90%
Dump him 10%

Damaso Marte

Keep him 86%
Dump him 14%

Phil Hughes

Keep him 91%
Dump him 9%

Phil Coke

Keep him 62%
Dump him 38%

Chad Gaudin

Keep him 54%
Dump him 46%

2009年11月7日土曜日

9年間のニューヨーカーの渇望を潤したヤンキースの優勝パレード~MVP松井秀喜は風格溢れる花道を飾った?~

ヤンキースがワールドチャンピオンの優勝パレードを行った。
LIVEで見たくてググったら直ぐにヒット、実に便利な世の中になったものだ。
FOXはパレードが始まる数時間前から沿道に続々と集まるファンの姿を映し出していた。
空からのヘリ映像だと護送車のように見えるバスが次々と到着し関係者が登場し歓声が沸く。
そしていよいよパレードのスタートだ。

松井秀喜は選手の中では先頭車両に乗車。
ヒンスキーをボディガードにして、一段高いお立ち台に立ちファンに手を振る。
実況も松井の雄姿を追い続け、しきりにマツイ、ゴァッジラを連呼する。
期せずしてMVP、MVP、MVPの大合唱が起きる。

改めて松井が大仕事をした実感が沸いた。
いまだにあのゲーム6の映像を見ると込み上げてくるものがある私だが、
パレードは余裕を持って晴れ晴れとした気分で見ていた。

次々と選手を乗せた車が現れるが組み合わせが中々面白い。
バーネットはやっぱりモリーナーを指名した。
デーモンとスウィッシャーはちびっこギャングのようでもあり、
ロッカーのようでもあった。
ジーターはポサーダと一緒で生え抜きコンビ。
そして最後の車に乗っていたのはリヴェラ、流石クローザーだ。

ドレスコードがどういうものだったのかわからないが、各人の服装はかなり微妙。
A-Rodの格好を見て実況はCHAPEAU 、CHAPEAUと散々冷やかしていた。

パレードの終点のシティ・ホールに到着しセレモニーが始まった。
簡潔なスピーチの後‘Key to the city’と呼ばれる鍵が3選を果たしたばかりの
ブルームバーグ市長から選手、コーチ、スタッフに手渡された。
松井もマイケル・ケイの紹介で立ちあがった。

おおぉ、さすがMVPだけあって歓声、拍手もいい感じだ。
その後、なんと松井の通訳で現地ではロジャーと呼ばれている
Rogelio Kahlon(ロヘリオ・カーロン)の名前も告げられた。
しかもかなりの声援を受けていたのには驚いた。
最後はジラルディ、ジーターの順で授与された。

パレードが始まってから3時間、その前も含めると5時間以上付き合ってしまった。
マンハッタンの紙吹雪の舞うパレードと言えば私が子供の頃白黒の映像で見た記憶がかすかにある。
それが何のパレードだったのかも全く覚えてないが、地方住まいの少年には
何かとてつもないスケールのものとして心に刻まれた。

今回実際にLIVEでパレードの全容を目の当たりにした。
事前の期待が大きすぎたせいかトイレットペーパーを使った紙吹雪の感じがイマイチで
やや拍子抜けした。

それでも沿道の数多くのファンの歓声やインタヴューを聞いていると、
やはり熱気や興奮が伝わってきた。
松井軸で言えば7年という歳月だが、ヤンキースファンやニューヨーカーにとっては
もっと長い9年の年月が流れていた。
まさにヤンキースのワールドチャンピオン、それを祝福するパレードを渇望していたのだ。

そんな人達の喉を潤すことがやっと今年出来た。
しかもだ、その最高の立役者として活躍したのがMVPの松井秀喜なのだ。
2年に1回優勝していたら優勝自体が‘ルーティン’になっていただろうが、
9年の空白が‘スペシャル’なものにしたのは間違いない。
そう考えるとHideki Matsuiの名は極めて名誉あるものとして
ヤンキースの歴史に刻まれるに違いない。

去就問題が盛んに云々されているが、今日の松井の姿をみてこの1マイル足らずのパレードが
或る意味ヤンキーとしての花道になるのではないかという思いがある。
松井の悲願の世界一、しかもMVPのタイトルも獲得するという完璧な形での結末。
本人は残留を強く希望しているが、この結末は今までの松井の努力だけではなく、
残留できないことへのコンペンセーションを含めて野球の神様が仕組んだような気がするのだ。

2009年11月5日木曜日

ヤンキースでの‘最終年’に自らMVPに輝き、夢のワールドシリーズ制覇を叶えた松井秀喜~こんなに泣ける悲願達成はない~

ヤンキースがゲーム6でフィリーズを降し2009年のワールドシリーズを制した。
この日がやって来ることを前提に推敲を重ねて予定稿を用意することも可能だったが、
そんなことをすれば徒にマーフィー君を刺激しそうで自重した。
松井秀喜&ヤンキースネタがメインのブロガーとしてはビシッと決めたいところだが、
思いがいっぱいあり過ぎてどんなに言葉を選んでも足りない感じが否めない。

素直に大いに喜ぶべきことなのに、松井は笑顔なのに涙しか出ない。
これほど1日中イモーショナルになることも少ない。

松井秀喜が2003年からヤンキースでプレイを始めた。
もしあの年のワールドシリーズを制していたなら単純に大喜びしていたと思う。
ところが、あれから6年の月日が経っているのだ。
この通算7年の歳月が悲願という言葉の‘熟成期間’となり味わい深いものにしている。
おまけに松井にとってはヤンキースでの‘最終年’に巡ってきたチャンスだ。

松井がピンストライプに拘っていることは昨年の旧ヤンスタの最終試合に先発出場するために
珍しく我が儘を通したことでもわかる。

松井はピンストライプを着てワールドチャンピオンになりたいのだ。

もしこのシリーズがゲーム5で決まっていたなら、松井はラインアップに名を連ねることもなく、
ビジターのユニフォームを着て1打席限りの代打でヤンキーとして野球人生を終えていただろう。
それが運良く順当負けして、ホームに戻ってのゲーム6が実現した。
マスコミは‘Godzilla returns.’と題して松井がDHとして出場できるヤンキースが有利だと書きまくった。
チームメイトのコメントも載せ余りの期待の大きさにこちらが委縮してしまった程だ。
しかし、そんな私の弱気の虫を松井は完全に無視した。

いきなり先制の2ランHR,続いて2点タイムリー、さらに2点追加するダブル。
7得点のうち6得点を叩きだしたのだ。

この大舞台で松井の一人舞台だな・・・(^。^)

自然発生した場内のMVPコールでもわかるようにヒデキマツイは衆目の一致するMVPに選ばれた。
チャンピオンリングだけではなくMVPのトロフィーまで手にしたのだ。

ヤンキースはWSを制覇し、松井はポストシーズンで爆発、ALCSとWSで
MVPに選ばれる。
それでもヤンキースは再契約をせず、それが逆に松井伝説を生みヤンキースの歴史で、
記録より記憶に残る選手として深く名前を刻まれ未来永劫語り継がれる。

これは私がシーズン当初、描いた理想的なシナリオだったが、
これとほぼ同じ形で実現するとはまさに壮大なるドラマトゥルギーを感じる。

ところでテレビのインタヴューやその他で‘誰それの活躍を見て元気を貰いました’という人々がいるが、
個人的には余り好きな表現ではない。

個別にはわからないから単純には言えないが、大半は、特に街頭で答えている連中は
一方的に元気を奪い取っているだけに見えてしまうからだ。
本当のファンは自分のエネルギーも大いに消耗して対象に向かい合っている。
私も松井秀喜に関しては筋金入りのファンとしての自負がある。
自分が注ぎ込んだものも無いくせに安易に元気を貰う奴等の元気なんてその場限りに過ぎない。
まあ、こんな目出たい時に何もここまで熱くなる必要も無いと言われそうだが、
それがなりぽんらしい心の狭さであり拘りなのだ。

そういう意味ではこのブログの読者は松井秀喜あるいはヤンキースに寄せる思いに
溢れた人達が大半だろう。
松井が何か活躍した日のアクセス数が如実にそれを物語っている。
姿は見えないが確実に松井を愛する人達と何かを共有できている感覚は、
基本はベッド暮らしの私にとって実に有り難く頼もしいことだ。

一時期は数多くのコメントを寄せてくれたのに、
いつの間にか完全に姿を消してしまった常連さん達が相当数居る。
ブロガーとしては残念なことだが、それはこのブログに魅力を感じなくなっただけで、
松井秀喜は引き続き応援し続けているに違いない。

何れにせよ松井を愛する我々にとって今日は最良の日になった。
他人事ではあるが私の人生の忘れられない1日となったと言ってもよい。
このメジャーリーグ最高のステージで驚異的な活躍をして主役を演じ、
MVPに名を刻んだこの男を改めて誇りに思う。
特に近年はWBC不参加のせいで珍妙なナショナリズムが台頭し、
松井もファンも微妙な立場に置かれていた分、
私と同様に溜飲を下げた人もいるだろう。

さあ、みんな、溜飲を下げてきれいになった胃袋で祝杯を挙げよう。
私はこの日のために冷蔵庫で待機していた最後のキャヴィアとウォッカだ。

冷蔵庫といえば今日の朝食は予告通りに決勝弾を放ったゲーム2と同じ北菓楼のシュークリーム。
このゲン担ぎが大当たりだった。
ここのシュークリームは何種類もあるが、私が食べたのは『夢不思議』という商品だったのも、
何かの暗示だったのかもしれない。

それにしてもこれだけの大きな‘置き土産’をした松井に対してヤンキースは
本当に今年を‘最終年’にするのだろうか。
新ヤンスタの歴史の1年目をチャンピオンでスタートさせたヒーローに2年目は無いのだろうか。
FOXのMVPインタヴューの最後では松井もあの場に相応しい言葉で賢くアピールしていたが・・・。
何れにせよFAの松井の就活としては訴求力十分だった。

2009年11月2日月曜日

デーモンが勝ちを盗みワールドチャンピオンまであと1勝~松井秀喜のヤンキースのキャリアが代打で終わる可能性も~

昨日のゲーム3で勝ち越し打を打ったのは誰か覚えているだろうか。
ジョニー・デーモンだ。
ところが地元紙の1面を飾るどころか見出しにも登場しない。
一番驚いたのはDaily Newsが実施しているオンライン投票で選ぶヒーロー(5択)にも
名前が無かったことだ。
因みに代打HRの松井は有った。
‘WPA’という勝利への貢献度を数値化した指標があるが、ゲーム3ではデーモンが1位だった。

今日のゲーム4でもデーモンは大活躍。
8回裏にジョバが同点弾を浴びた直後の9回の攻撃。
代打の切り札の松井秀喜がポップフライに倒れ、ジーターも三振を喫して、
白タオル軍団が狂喜する中、この日3本目のヒットで出塁する。
誰もが予想したように2塁へのスティールを試みる。
それは楽勝でセーフなのだが、何を思ったかそこから3塁に一目散。
テレビの前の私も唖然としたが、それ以上に呆然としたのが虚を衝かれた相手チームの内野陣だ。
打席のテシェイラに備えて大きく右にシフトしていたために3塁ベースが無人状態だったのだ。

これでマウンド上のリッジは大いに動揺し、ナーヴァスになったに違いない。

この後、A-Rodがクラッチ・ダブルを放ち、続くポサーダも2点ダブル、
2アウト・ノーランナーから一挙に3得点し7-4。
最後はリヴェラがあっさり1-2-3イニングで片づけヤンキースが3勝1敗とし、
ワールドシリーズ制覇まであと1勝となった。

今日もデーモンの扱いは小さいが個人的には今日のヒーローは彼だ。

さて、ホームで鬼のように強い筈のフィリーズだがこれで2連敗。
明日はエースのクリフ・リーが先発するが、最近5年のWSはゲーム5までで決着している。
そうなると松井秀喜は2度とピンストライプを着ることも無く、
ビジターのユニフォームを着て1打席限りの代打出場で、
ヤンキースでのキャリアを終える可能性も出てきた。

う~ん、明日は順当負けして、松井がDHで先発できるヤンキースタジアムの2試合で
決めるのも手だが、勝てる保証も無い。
やはりここは一戦必勝で明日のゲームに臨むのが正攻法だろう。
松井の夢は飽くまでもリングなのだから・・・。

私はゲーム1でLeeに歯が立たなかったのを見て或る物を妻に用意させた。
明日はグリコのLEE(辛さ10倍)の朝カレーにする。

かみさん曰く‘そういうのって今まで効果あった試しがあるの?’

確かに大した効果があったとは思えないが、
そこはほら‘気は心’と言うではないか。

2009年11月1日日曜日

‘外圧’に負けずに本来の布陣で勝ったヤンキース~代打、松井秀喜は一発回答の2試合連続弾~

ゲーム2の決勝弾を放った松井秀喜は派手に1面を飾っただけではない。
DH制の無い敵地での3連戦を前に、松井をどう起用するかマスコミが大騒ぎを始めたのだ。
‘クラッチ・マツイがラインアップにいないなんて’と
アウトフィルダー:ヒデキ・マツイの実現性について書きまくった。

おまえら、数日前には松井が不調ならDHヒンスキーもあり得るとか言ってたよな・・・<`ヘ´>

マスコミ人の節操の無さはデフォだが、それにしてもこれだけ少ないサンプル数で
ここまで論調が変わるのは、超特大の松井ファンの私が読んでも気恥ずかしい程だった。
背景にはライト、スウィッシャーが絶不調なこと、レフトのデーモンもイマイチなことがある。
特にスウィッシャーに関しては風当たりが強い。
ジラルディに対する質問でも激しくその辺が追及された。
昨日の時点でレフト、デーモンは言明していたので、
可能性としてはライトに松井を先発で持ってくるかどうか。

個人的には有り得ないと思いながらも今朝は早起きしてスタメンの早刷りをチェックした。
ライトはスウィッシャー、特に失望も驚きも無かった。

スウィッシャーに関してはひとつだけ期待できる好材料があった。
レギュラーシーズン中、YESのマイケル・ケイがしきりに口にしていたが、
彼は完全に‘外弁慶’なのだ。
通算で松井より1本多い29本のHRを打っているが、ホームで8本、ロード21本。
最後の5本がホームだったが24本の時点ではホームで3本、ロードで21本だったのだ。
マイケル曰く‘新ヤンスタはHRが出やすいというがスウィッシャーを見ろ’

実際今日の試合では同点、逆転の起点になるリードオフ・ダブルの他に、
レフトスタンドへ文句無しの一発をぶち込んだ。

デーモンも勝ち越し打となるクラッチ・ダブルを決めた。

松井ファンとしてはなるべく多くの出番を観たいというのは本心だが、
レギュラーシーズンをメジャー最高勝率で終えたチームらしく、
最高のステージでも本来の布陣で戦うのが王道だと思う。

恐らくメジャー史上例を見ない、ワールドシリーズでそのシーズンの守備デビューというのは
やはり奇策と言わざるを得ない。

さてそういう意味では松井にとっての王道はピッチャーの打順での代打起用になる。
得点は7-4とヤンキースが3点リードの8回表、2アウト、ノーランナーで登場した。

なんとここでレフトへソロホームランを放つのだ。
ヤッター!というよりポカーンとして笑うしかなかった。

まさに一発回答の2試合連続弾だ・・・(^O^)/

リヴェラを温存するためにはナイスなHRだと思いきや結局ヒューズが被弾し守護神登場となったが、
チームは8―5で勝利し2勝1敗とした。

結果的にはジラルディが‘外圧’に負けずに本来のメンバーで臨んだことが奏功した。

WS初ヒットがカメラ直撃、ビデオ判定2ランHRとなったA-Rodだが、
あれはきっと第1打席のデッドボールで覚醒したに違いない。
問題は第4打席にまたまたぶつけられてさらに目が覚めたか、
ふりだしに戻ってないかどうかだ。

野球はチームスポーツ。
当たり前のことだが今のヤンキースにはそれを一層強く感じさせる良い雰囲気がある。

ベンチの松井がヘルメットかぶり準備を始めるとテシェイラが近づき肩を叩いた。
キャプテン、ジーターも寄ってきて頭をコツンとやった。
何か結果を出した後ならよく見る光景だが、事前には余り記憶が無い。

1打席しかチャンスを与えられない松井を激励したかったのだろうか。
我ながら滅茶苦茶臭~い表現だがそういうチームメイトの思いも通じて、
シーズン中にも滅多に無いレフトへのHRが生まれたのかもしれない。

結果が出た後に大喜びしていたエロも今日はいい奴に見えた。

因みに松井が打ったのは夜の12時を過ぎていたから、
ミスター・ノーベンバーになるための資格としてカウントされる・・・(>_<)

2009年10月30日金曜日

2009 World Seriesのヤンキース‘初勝利’をもたらした松井秀喜の決勝弾~チームにモメンタムを与えシリーズの流れを変えるかも~

2009年のワールドシリーズ、ヤンキースの‘初勝利’は
松井秀喜ファンには堪えられない展開で実現した。

1-1の同点で迎えた6回裏の攻撃、2死ノー・ランナーで松井の打席。
マウンドに立っているのはヤンキースと因縁浅からぬペドロ・マルチネスだ。
カウントは1ボール、2ストライク、5球目は内角低めにグニャリと曲がってきたが、
それを松井のバットが捉えた。

なんとボールはヤンクスファンの待つライトスタンドへ・・・(^O^)/

無表情が売りのペドロの顔もやや歪んだ。

それから後は松井の一撃が‘決勝弾’になることをひたすら祈った。
7回に1点を追加し、8回からはリヴェラ投入。
1アウト1,2塁のピンチになるがゲッツーで凌いだ。
あの瞬間、テレビの前の私は今日一番の拍手を送った。

これで勝てそうだ・・・(^。^)

結局3-1でヤンキースが勝利し1勝1敗のイーブンにした。

ゲーム1は相手のクリフ・リーに手も足も出ず、観ているこちらも溜息すら出ない完敗だった。
PHIとしてはまさにこのシリーズのトーンを決める1勝。
一方、今までポストシーズンではホームで1敗もしていないヤンキースとしてはエース、
サバシアで落として、たったひとつの負けなのに実に嫌な感じだった。
もしゲーム2も負けていたら更に追い込まれファンもチームも自信を喪失しかねなかった。
そう考えると松井の決勝弾は単なる1勝をたらしただけでなく、チームにモメンタムを与え、
シリーズ全体の流れの中でもターニング・ポイントになる可能性がある。

常連さんとの遣り取りの中で、私はヤンキースの4勝(←勝手に決めてる)の内1勝でいいから、
松井がNY紙1面ジャックをすることを願っていると書いた。

1勝目でノルマ達成か・・・(^。^)

と思ったが、どうやら1面はバーネットや打たれたペドロになる公算が高い。

ゲーム2のMVPに関してのDaily Newsのオンライン投票ではバーネットが断然の1位(81%)で、
松井は2位(13%)だ。

Who was the hero of the Yankees' win over the Phillies in Game 1 of the World Series?

A.J. Burnett 81%
Jorge Posada 0%
Mark Teixeira 2%
Hideki Matsui 13%
Mariano Rivera 4%

ジャックと言うからには全紙が文句無しに松井を持ってこないと満たしたとは言えない。
ということで、まだ松井はノルマを達成していない・・・(>_<)
ゲーム3以降で是非とも達成して欲しいものだ。

ジラルディは敵地のゲームで外野手松井秀喜の可能性を否定していない。
個人的には実際は実現しないと思っていたが、今日の一発でダブルスイッチを絡めて
複数打席立たせることがあるかもしれないと思い始めてきた。
或いは大胆に先発もあるかも・・・。

あの白いタオル回しが邪魔くさいよな・・・<`ヘ´>

ところで、絶好調だったA-RodがWSになってからはさっぱりで三振だらけだ。
ALCS優勝決定の翌日は完全オフディだったが、エロがガールフレンドのKateとその親戚とランチをした。
どういういきさつか知らないがそこになんと松井も参加したのだ。
あちらでもすっかり‘a good luck charm’扱いされているKateだが、
あのランチをきっかけに幸運を運ぶ相手が松井に変わった???

2009年10月26日月曜日

ヤンキースがALCSを制し6年振りのワールドシリーズ進出~大きな時の流れの中で喜びも感慨も一入~

ヤンキースがゲーム6でエンジェルスを降しALCSを制覇した。
誰もがゲーム5のあの怒涛の逆転劇のまま勝利して決めることを望んでいただろうが、
結果的には3日遅れてホームで決めた。

戦評、戦犯探し、監督批判は高邁な識見を有するマスコミ関係者、一部ブロガーにお任せする。
今の私は完全な応援モードで結果が良ければ喜び、悪ければ悲しむ。
実に単純な男になっている。

2003年以降、ヤンキースにどっぷり嵌っているが最も忘れられないのが2004年のBOSとのALCS、
例の3連勝4連敗だ。
ヤンキースファンとしてはまさに悲劇的な出来事だったが、選手達にとっては屈辱的だったに違いない。

あの時も今もヤンキースに在籍する選手はジーター、ポサーダ、リヴェラの生え抜きの他に
松井秀喜、A-Rodの5人だ。
当時敵方にいて悪魔のような存在だったデーモンが味方になって今日も殊勲打を打った。

試合終了直後抱き合う歓喜の輪、聴き慣れたフランク・シナトラのニューヨーク・ニューヨーク♪
喜びも一入だったが、大きな時の流れを考えると感慨も一入だった。

さて、これでヤンキースは2003年以来のワールドシリーズ進出になった。
このシリーズではロースターを外れているが、WSジャーニーマン、ヒンスキーを
獲得した効果はあったようだ。
相手は個人的にはナ・リーグ勝率1位、トーリのドジャースが理想だったが
現実は去年のチャンピオン、フィリーズでまた赤ヘルだ。

ワールドシリーズの松井秀喜は敵地では代打要員になるだろうが、
何れにせよクラッチ松井の本領を発揮し自らのバットでリング獲りに貢献して欲しいものだ。

ポストシーズンはホーム全勝だから○○●●●○○が良いかも・・・(^。^)

これでヤンキースは今季3度目のシャンパン・ファイト。
私は今夜、今年2度目のキャヴィア&ウォッカの予定だ。
冷蔵庫には勿論あと一瓶、次の出番を待っている。

それにしても初めてのポストシーズンの指揮で6勝2敗(今日で7勝2敗)の結果を
出しているジラルディをあれだけバッシングする連中って一体何なの?

2009年10月21日水曜日

ヤンキースが前日のストレスを解消する快勝でALCS制覇まであと1勝~A-GodもCC-Godも凄い~

昨日のゲーム3の‘不快敗’から一転、ゲーム4は中3日の先発サバシアの好投、
A-Rodをはじめとする打撃陣の爆発(除く松井秀喜)で10-1と快勝した。
これでALCS3勝1敗、あと1勝で待望のファイナルステージに進むことができる。

昨日の試合も今日の試合も書こうと思えば材料は尽きないのだが、
昨日は観戦疲れ、今日は松井の不出来で意気消沈してやややる気が無いので勘弁。

監督の采配も選手のプレイも審判のジャッジもかなり粗雑な感じだが、
善意に解釈すれば、これもある意味プレイオフの醸し出す雰囲気のせいなのかもしれない。

それにしてもCCは頼もしい。
A-Rodも相変わらずの活躍だ。
マスコミは早くもMVP争いの議論をしているが、
残りゲームにもよるが野手の分A-Rodの方がやはり有利か。
ふたりともポストシーズンでの脆弱性を完全に克服した。

A-Godに続きCC-God誕生だな・・・(^。^)

ALDSではダメダメだったデーモンも得意のALCSになって真価を発揮してきた。

さて松井秀喜だが残念ながらこの2試合はどうも機能していない。
昨日は鬼出塁で再三チャンスを作ったが、後続が誰もホームまで還してくれなかった。
今日は逆に松井がランナーを還すべき場面でまったく力にならなかったし、
その後の打席でも覇気が無いように見えた。
サバシアの時はラン・サポートをする松井のジンクスも通じなかった。

ところで、これだけ長いこと数えきれない野球の試合を観ていると、
数字的な裏付けは無いが自分なりのいくつかの‘法則’を発見する。

実は昨日の試合、ジーターの先頭打者HRで先制したと時にヤバイと思った。
人間は負の印象の方が残り易い、特に私は性格的にそれが顕著なせいもあるが、
先頭打者HRは負け試合になる確率が高いような気がする。

よく延長戦でサヨナラ勝ちをすると勝ったチームは次の試合も乗って行けると言うが、
あれもダウトで、寧ろ逆のような気がする。
実際このシリーズでもそれは2度とも裏目に出ている。

2桁得点で大勝した後はロースコアの接戦を落とす。
これも一般的に言われることだが、これは素直にワークするような気がする。

ということは、ゲーム5はマズイ?

第5戦の先発ピッチャーはバーネットだから恐らくキャッチャーはモリーナになる。
相手ピッチャーは第1戦のラッキー(R)だからDHは松井で良いと思うが、
或いは打撃(だけ)は好調なポサーダに奪われる可能性も否定できない。

ワールドシリーズに進むとDH無しの試合が2~3試合ある。
不動心の松井は‘出られる試合でベストを尽くすだけ’と言い切るだろうが、
こと松井に関しては直ぐに動揺してしまう自分としては大いに気になる。

最終的にはチームがワールドチャンピオンになれば松井の悲願達成となるが、
その過程でも松井が立役者になるシーンを拝みたいのだ。

2009年10月18日日曜日

ヤンキースが‘行き詰まる’接戦を制しALCS2連勝~ベスト・ショットは‘A-God’の同点弾で吠えたゴジラ~

普通は息詰まる熱戦というが、ALCS第2戦は途中から‘行き詰まる’接戦となった。
お互いチャンスを作るが決め手を欠くというか、良く言えばピンチを凌ぎ合うというか、
決着がつかない。
冷たい雨が降り続く中での延長戦突入。
11回表に絶不調のフィギンズの初ヒットが勝ち越しタイムリーになりLAAが3-2とリードする。
そしてその裏、またまたやってくれましたA-Rod様、
いや、もはや土壇場での強さから‘A-God’と呼んでもいい。
同点弾がライトの最前列に飛びん込んだ瞬間のヤンキースのベンチは大騒ぎ。
特に普段は控えめな松井秀喜が両手を高々と上げゴジラの雄叫び。

個人的にはあのガッツポーズが本日のベスト・ショット・・・(^。^)

ALCSの松井はあの歴史的な‘ゴジ・ジャンプ’でもわかるようにマジで気合十分だ。

最後は延長13回LAAのタイムリー・エラーでヤンキースがサヨナラ勝ちを決め、
ホームで首尾よく2連勝した。
一方、エンジェルスは‘守備悪く’2連敗・・・(-_-;)

今日の松井は9回2アウトからヒットで出塁するがそこで代走を送られて、
その後の戦いに参加できなかった。

だからこそ、あのエロの同点弾では感情を思いっきり出したのだろうか。
本当はその後に自らのバットで決勝弾を打ちたかったのだろうが、
それはまた3戦目以降に仕事をすればいい。

さて1日お休みで敵地での3戦。
寒冷地で委縮してしまった天使達が30℃を越える暑さの中で蘇生するかもしれない。
せっかく‘強盗犯カノー’の姿にも慣れてきたのにそれを見られなくなるのはやや残念。

でも、マスクをしながらガムなんか噛んでいるから2個もエラーをするんだよ・・・<`ヘ´>

テシェイラ、デーモン、スウィッシャーが採用していた耳あて付きキャップは
子供の頃、牛乳配達のおじさんがしていたのと似ている。

因みにサヨナラ勝ちの儀式のパイはヘアストーンJr.が浴びた。

2009年10月17日土曜日

ヤンキースがALCSの初戦を制す~松井秀喜は‘文句有り&無し’の2安打2打点~

ALDSの決着が早かったせいもあって随分と間延びした感じだが、
やっとALCSが始まった。
ゲーム1はあっさりと4-1でヤンキースが苦手なエンジェルスを降した。

心臓を患ってからは勿論一切ゴルフをやってないが、
素人ゴルファーにはスコアを大きく崩し辛い状況に似ていた。
気温が体感ではゼロ℃近くと低く、雨が降り、風も強い。
おまけにALCSまでの日にちがあったことでいわゆる‘待ちチョロ’も出やすい。

そんな悪環境の中でもNYYは普通に普段通りの力を発揮した。
一方LAAは持ち味の緻密で機動的な野球が出来なかったどころか、3個のエラーをする守乱。

松井秀喜は第1打席、ドーム球場なら天井にぶつかりそうなフライを打ち上げたが、
何とこれをショートとサードがお見合いもせずに譲り合って地面にポトリ。
記録の発表まで時間がかかったが、幸運にも打点つきの内野安打になった。

内野安打で2塁ランナーを還すなんて松井にしかできないな・・・(>_<)

まあこれは‘文句有りの打点’だったが第3打席ではランナーを1,2塁において、
左中間に‘文句無しのタイムリーダブル’を放った。
1塁ランナーの‘暴走-Rod’は本塁で‘激突死’したが、2-0から2-1にされた後、
3-1にする貴重な得点になった。

先発のサバシアはLAAとの対戦成績は良くないが、
今日はピッチングだけでなくフィールディングも北極グマのように軽快だった。
寒さが脳天からひしひしと伝わってくるリヴェラは先頭打者を歩かせたが後続をピシャリ。

個人的にはDSではスランプだったデーモンの復調傾向に注目。
2004年のALCSでヤンキースファンを地獄に落としたあのグランドスラムの‘落とし前’を
つけてもらおうじゃないか。

因みにDailyNewsが実施中のGame1のMVP投票では、松井は4%の票を集め堂々の2位だ・・・(>_<)

Who was the MVP of Game 1 of the ALCS for the Yankees?

CC Sabathia 94%
Derek Jeter 2%
Alex Rodriguez 1%
Hideki Matsui 4%


明日の天候はかなり怪しい。

2009年10月12日月曜日

ヤンキースがALDSをsweepで突破~A-Rodとポサーダがパヴァーノの野望を砕きファンの願望を叶えた~

ヤンキースが2連勝で場所を敵地に移してのゲーム3。
試合前、世界中のヤンキースファンからMINの先発パヴァーノだけには絶対負けたくないという
切なる願望が聞こえてきた。
ヤンキースにとって世紀の不良債権扱いされているパヴァーノをファンも債権者気取りで憎んでいる。

そんなファンの意に反して今日のパヴァーノは手強かった。
こちらの先発ペティットも流石と思わせる好投をするが6回の裏に1失点リードを許してしまう。
7回表の攻撃はテシェイラ、A-Rod、松井。
中継画面にはこの3人が今季7回以降どれだけHRを打っているか数字が示された。

A-Rod ver.2があっさりと同点HRを決める。
松井に続いて欲しかったが残念ながら空振りの三振に倒れた。
しかしその後のポサーダがレフト最前列へ勝ち越しHRを放り込んだ。

8回、パヴァーノが降板した時点で彼の勝ちになる可能性は消滅。
‘よっしゃー、これでもう負けてもいいぞ’という屈折したファンの声も聞こえてきた。

実際は8回裏のピンチも凌ぎ、9回には2点追加。
結局4-1でヤンキースがsweepで超苦手だったALDSの壁を突破した。

昨日のLAD,今日のLAAに続き‘sweepの連鎖’にNYYが加わった。
この3チームは3勝のうち1勝は9回の土壇場で同点、或いは逆転して勝ちとった。
ホームで連勝後敵地で決めたのも共通する。

1,2戦はまったく精彩を欠いていたBOSもフェンウェイに戻ってきて生き返ったと思いきや、
パペルボンが打ち込まれブーイングを浴びる結末。

良い意味でも悪い意味でも熱狂的過ぎるBOSファンが言葉を失い呆然とする姿は、
少し‘ザマ―みろ’と思いながら本当はALCSでヤンキースが演出するのが個人的理想だった。

メトロドームの最後の試合になってしまったMINのファンの姿にはやや同情的だ。
ドームの外はほぼゼロ℃、実は18年前の私もその寒さを体感したことがある。

ミネアポリスへ弾丸ツアー~ナリポンは何をしに行ったのか~

今となってはそれも人生のひとつのイヴェントに過ぎないが、
当時はやはりひとつの悩ましい挫折だった。
空港の売店では生まれたばかりの息子のために、
その年ワールドチャンピオンになったMINのタオル型のヨダレカケを買った。

さて、相性の良さもあって無事ALDSの壁を破ったヤンキースだが、
今度は相性の悪いLAAが相手だ。
best-of-sevenになるから実力比べになると思うが、今日の逆転勝ちは強かった。
特にアブさんの仕事ぶりが目立った。

松井秀喜の3試合は1勝1敗1分けといった感じだろうか。
正直やや物足りないが、幸いにも今シーズンはまだまだ真骨頂を発揮する機会はある。

2009年10月10日土曜日

ヤンキースがALDSで2連勝~ポストシーズン・ダメダメA-Rodが2009年はclutch~

私のワードでは‘A-Rod’と‘clutch’と言う単語を並べると‘要検討’という警告が出る。
ポストシーズン中は警告がもっと強烈で確定しようとすると‘Are you sure?’とメッセージが出る。
勿論全部ウソだがGoogleが情報連動型のワードを開発したらそうなってもおかしくない。

但し、2009年のポストシーズンのA-Rodは‘一味’いや‘七味’ぐらい違う。
レギュラーシーズンの後半からそういう傾向があったが、ポストシーズンになると
‘人が変わる’から当てには出来なかった。

それがゲーム1で2度のタイムリーヒットを打った。
今日のゲーム2でもチームの最初の得点を叩きだした。
ここまでの3回はすべてシングルヒットによる1打点だった。
そして2点ビハインドの9回打った瞬間HRを確信した同点弾を放ったのだ。
試合は延長に突入し、最後はテシェイラのサヨナラ弾でヤンキースが4-3で勝利した。
テシェイラがパイを浴び、チャンピオン・ベルトはロバートソンがゲットした。
しかし、個人的には今日のヒーローは文句無しにA-Rodだ。

一体何が変わったのだろう。
よく冗談で‘何か悪いものでも食ったのか’と言うが・・・。

昨日は笑顔でスタンドにいた‘彼女’は今日はその姿が映し出されなかったが、
俗に言う‘あげまん’なのだろうか。
現地の書き込みにも‘Kate Hudson must be a performance enhancer.’と言うのがあった。

理由は何にせよ、ポストシーズンに関してはチームのライアビリティだった男が
アセットに変貌することは、まさにダブル・イフェクトになる。
彼本来の実力にclutchという要素が加われば目標達成に欠かせない大きな戦力だ。

チームの勝利は色々な問題も洗い流してくれる。
相性を尊重して正捕手なのにベンチスタートを強いられたポサーダ然り、
今日のゲームの中で貢献できなかった選手達(松井も含む)然りだ。
全員がホームでテシェイラを迎え歓喜のジャンプをする。
今のヤンキースにはチームとしての一体感が感じられる。

ところでしばしばNYYにとってLAAは天敵だと言われるが、
MINにとってのNYYはその比ではない。
子供の頃から‘相手の立場にたって考える’ことを教育されてきた私だが、
ツインズのファンの心中を察してみよう。
2点リードで守護神ネーサンが打たれ、大ピンチを凌いだ後の大チャンスもいかせなかった。
何のためにいるのかわからない外野審判の明らかな誤審もあった。
これで今年のヤンスタでの試合は通算で0勝6敗、そのうち4試合がサヨナラ負けという異常さだ。

明後日、0勝3敗の地元で一矢報いることができるか。
ヤンキースとしては勿論‘2009年完全スウィープ’を目指す。

2009年10月8日木曜日

ヤンキースが鬼門のALDSの初戦を制す~勝利を確実にした松井秀喜の2ランHR~

実は今年のポストシーズンは期待でわくわくする余裕も無いほど緊張し痺れている。
幾つかの要因がある。
ヤンキースとしては‘超久々’になる2年振りのポストシーズンになること。
2004年を最後にそれ以降3回ともALDSで敗退していること。
レギュラーシーズンで勝率1位なのが逆に妙なプレッシャーになっていること。
そして何より松井秀喜にとってヤンキーとしての最後のチャンスになる可能性が高いことだ。

対戦相手が前日まで決まらないという異常事態の中で、
あの死闘を見せられるとそれだけで気圧される。
過去の対戦成績がいくら優位でも短期決戦ではそれがものを言わないケースを想像してしまう。

そして今日の初戦。
嫌な感じで先制されるが、すかさずキャプテンが同点弾を放ち、
何気に仕事をするお調子者スウィッシャーが勝ち越し打。
ポストシーズンのRISPでは暗黒の歴史を持つA-Rodもついに打った。
そしてシーズンの終盤は悪いイメージしかなかった松井秀喜が4点差に拡げる2ランHRを
風に乗せてモニュメント・パークに打ち込む。

あそこで私はやっと安堵してわくわくした(順番が逆だけど)・・・(^。^)

その後再びCluch-Rodで1点加えて7-2。
ヤンキースは疲労困憊のツインズを相手にエース・サバシアで落とせないゲーム1を無難に制した。

但し、なにひとつ決まっていない。
‘シリーズを制した時に初めて価値あるホームランになる’と締まった表情で語った
松井の一言がすべてだ。

ツインズのガーデンハイヤーは中々味わいのある顔をしているが、
もつ煮込み一筋40年の飲み屋のオヤジに見えなくもない。
一方ジラルディは豆絞りの似合う寿司屋の2代目といった感じか。
それぞれの客単価は2000円対20,000円とケタ違いだが、
どちらが‘良店’なのかは一概には言えない。

近年のヤンキースにとってALDSはまさに鬼門なのだ。
個人的には地区シリーズで去る敗北感は、プレイオフを逃す無念さに等しい
或いはそれ以上のものがある。
先ずはこの関門を突破しよう。
そこに今日のように松井が重要な役割を演じれば申し分無い。

2009年9月28日月曜日

ヤンキースの地区優勝なんてどうでもいい!?~決めたのがクラッチヒッター松井秀喜なのが堪らない~

いやはや我ながら大人気ないタイトルだがこれが実感だった。
日本時間の朝5時6分、短パン、Tシャツ姿ではやや肌寒いが、別の意味で私は震えた。

2-1とBOSに1点リードされた6回裏2死2,3塁のチャンスで松井秀喜が
ライトに逆転2ランとなるタイムリーヒットを打ったのだ。

クラッチヒッター松井の‘値万金’の一本だな・・・(^O^)/

今日はJスポーツESPNで観戦していたが、解説のデニー友利がしきりに
‘ビッグゲームに強い松井’を強調していた。
そしていまだにBOSとの繋がりがある彼の恐れたことが起こったのだ。
打たれた斎藤のことも気遣っていた。

松井の逆転打で3-2となったが、あとはひたすらそのリードを守るように念じた。
最近は‘ブローニー’といった感じのブルーニーは恐怖だったが今日は大丈夫。
8回にテシェイラがインシュアランス・ランとなるソロHRを放ち、
最後はリヴェラがピンチを招きながらも何とか凌いで歓喜の瞬間を迎えた。

注目度抜群のNYY-BOS戦、それも優勝がかかった一戦、しかもESPNの全米放送。
そこで松井が放ったクラッチ・ヒットは‘就活’の上でも大きな意味を持つに違いない。

普段、ひとつの試合でもダラダラと駄文を重ねるのが私だから、
2006年以来の地区優勝ともなればもっと書いておかしくないのだが、
今日はこの辺で終わりたい。

だって今日の‘本文’はタイトルに集約されてるんだもん。

なりぽんブログの主な読者である松井秀喜ファンにとっては、
この‘大人気ない’タイトルが案外‘大人気’だったりして・・・(^。^)

2009年9月27日日曜日

ヤンキースがボストンとの最終戦に勝てば全て解決~地区優勝、100勝、なりぽんの御託宣~

今シーズンのヤンキースはボストン相手に地獄の8連敗。
やっと1勝した時に私が歴史的な数字をベースに結果的にはイーブンになる可能性を
指摘したことを覚えているだろうか。

今日勝ったとはいえまだ1-8だ。
これをイーブンに持っていくためには今後8-1が必要。
さすがにそれは無理っぽいと考えるのが常識的だが、
こういう歴史的に裏付けのある数字は思わぬ帳尻合わせを演出することもある。


ナニ?全然覚えてない・・・(>_<)

まあ、世の中そんなもんだ。
自意識過剰とかを云々する以前に、他人の意識なんて想像以上に低い。
派手なネクタイを買って少し照れながら会社に行っても見事にスルーされるし、
髪型を変えたのに旦那にも気付かれなかったりする。

さて、ヤンキースは地区優勝までM1、100勝まであと1勝。
これらが達成されるのは時間の問題だろうが、なりぽんの御託宣が的中するためには
明日のBOSとの最終戦を制するしかない。
明日勝てば全てが解決する。

神でもないなりぽんの御託宣がどうなろうが知ったことではないと言うなかれ。
藍ちゃんの悲願達成の時に書いた‘もうひとつの御託宣’が現実になるためにも、
実績を積んでおいたほうがいいじゃないか。

えっ、もうひとつの御託宣ってな~に・・・(@_@;)

いや、もういい・・・<`ヘ´>

2009年9月22日火曜日

ヤンキース内のHR,RBI部門の熾烈な争い~PAが8番の‘ゴバンマツイ’が2着を確保できるか~

レギュラーシーズンの最終局面を迎えてヤンキースの走りっぷりが良くない。
まあ、最後の直線でヨロヨロになっても何とか1着を確保しそうだが、
10月以降の‘本番’に向けてはやや不安がある。

面白いのはチーム内の打撃成績(HRとRBI)での争いだ。
1着は大差をつけてテシェイラがぶっちぎり状態だが2着争いはまさに熾烈。

‘ヨバンマツイ’という競走馬がいることはだいぶ前に記事にしたことがあるが、
2009年の‘ゴバンマツイ’は2着を確保できるのか。

シアトル戦を終えた時点での順位は

HR

1.テシェイラ 37
2.スウィッシャー 27
3.松井 26
4.A-Rod 25
5.デーモン 24
6.カノー 23
7.ポサーダ 21

RBI

1.テシェイラ 118
2.松井 86
3.A-Rod 85
4.スウィッシャー 79
5.ポサーダ、カノー、デーモン 77

打点で松井が2着に浮上してきた時に記事を書こうとも思ったが、
書くと‘マーフィー君’が出動しそうで様子見をしていた。

今日から始まったLAAとの3連戦。
松井は相手が左ピッチャーという‘大義’で先発を外された。
これは率ではなく絶対値を争うレースでは圧倒的に不利なことだ。

案の定、松井の‘留守’を狙ってA-Rodが26号ソロHRを放ち打点を86にして並んだ。
ところが松井も意地を見せる。
8回1死ランナー無しの場面に代打で登場し、センターのハンターの頭上を越えるソロHRを放ったのだ。
キャリア初の代打HRだが、打った相手が先発のソーンダースというのが皮肉だ。
いや、皮肉というより左をまったく苦にしないという数字通りの結果だ。

この一発で松井はHRで2着タイとなり、打点では単独2着を確保している。

松井が‘無事是名馬’であればこれらの数字は驚くに足りないが、
昨今の起用のされ方を考えると単純比較はできない。
そこで登場するのが‘打席数’PA(Plate Appearance)だ。
スタッツを見ると‘打数’AB(At Bat)は簡単に見つかるし、そこに目が行きがちだが、
絶対値を語る時には打撃機会が問題になる。

では、松井の打席数はチームで何位か?

なんと8位だ。

1位はジーターで678、2位テシェイラが667、3位カノー637、
で松井は491に過ぎない。
ジーターはタイプが違うがテシェイラと比べて176も少ないのだ。
こういう数字を引き合いにしてジワリと松井の得点能力の高さを評価する声も
聞かれるようになってきた。

ジラルディは事あるごとに、松井をインターリーグ(ナ・リーグ主催)で先発させなかったことが
良い休養になってその後の好調さに結びついたと‘自画自賛’している。

その因果関係は永遠に謎だが、ここにきて松井の打点やHR数を論じる時には、
むしろあの‘代打専門’が追い風になっているのだ。
そもそもインターリーグで強い松井が先発出場していたら確実に数字はもっと伸びていた、
という論調になり易いからだ。

或るヤンキースの番記者は
‘来季マツイがヤンキースにいるとは思わないが、ゴジラの得点能力はきっと惜しまれるだろう’
と書いていた。

まあ、そう言いながらも来季になればなったで誰かが穴を埋めて話題にもならないのが
ヤンキースというチームなんだけどね・・・。

去年NYYで100打点、今年もLAAで既に96打点を挙げている外野手がいるが、
彼が今年もいたらな~、なんて声は一切聞こえてこない。

何れにせよ、就活の一環としても‘ゴバンマツイ’の2着確保を願う。

‘マーフィー君’は自重するように・・・(^_^)

2009年9月14日月曜日

日本中がイチロー一色の中HRを含む5打点の活躍をした日本人メジャー・リーガーがいる~自分を含め多くの戦犯候補を救った~

昨日、イチローが9年連続200本安打に‘あと2本’となった時点で、
日本列島は熱狂していた。

なにしろNHKの定時ニュースの冒頭で‘日本のためにがんばってもらいたい’と
珍妙なコメントをするオバサンが登場する始末。
‘200本安打’は‘政権交代’同じくらい国民に浸透している感じだ。

‘あと50本’の頃から狂騒を始めていたメディアも必死だ。
因みにアメリカでジーターの記録を騒ぎ始めたのは‘4 to Go’からだった。
今日のマリナーズはダブルヘッダーだから、安打製造機のイチローの達成確率は極めて高い。

中継もNHKだけでなくJスポーツ、それにTBSまで乗り出した。
ところが現地が雨で試合開始が遅れ文字通り水を差された。

私はヤンキース戦をMLB.tvで観戦していたので後まで知らなかったが、
JスポとTBSは急遽ヤンキース戦を中継したらしい。

まるでイチロー様の‘前座’扱いだな・・・(-_-;)

ジーターの記録達成に酔ったのはいいが、そのハングオーバーでBAL相手に連敗をしたヤンキース。
今日も中盤まではフラストレーションが溜まりまくる展開だった。

戦犯候補がぞろぞろ。
ランナー3塁(1アウト以下)で悉く失敗する。
松井もダメ、テシェエラは3度もしくじって流石に大ブーイング。
守備ではレフトのデーモンがアウトカウントを間違えて‘第2のレイサム’をやらかしてしまう。
2死満塁で見逃がしの三振に倒れたA-Rodは守備を終えた後‘時間差抗議’を始め、
それを守ろうとしたジラルディ共々退場処分になった。
ジラルディ退場は‘勝利の方程式’だが4番が居なくなるのはなんとも軽率だ。
その直後、松井はリードオフ・シングルを放つが‘さっき打てよ’と言いたくなる
チグハグな攻撃。
試合後に判明したが、チャンスで2打席凡退した後、ケヴィン・ロングコーチが
アドヴァイスを与えて‘一変’したとのこと。

デーモンのボーンヘッドで‘オー・マイガッド!’状態だったサバシアだが、
キレずに投げ続け3-3で迎えた6回裏。
2アウト満塁で打席には松井。
1塁ランナーのヒンスキーを直撃しそうな鋭い当たりはライトへの勝ち越し2点タイムリー。

それまでのヤンキースはRISPで15-3という拙攻だったから、まさにビッグヒットになった。

松井自身を含め数多くの戦犯候補が救われたな・・・(^。^)

サバシアは17勝目を挙げ、サイ・ヤング賞争いに生き残った。

2点差でインシュアランス・ランが欲しい8回裏、1死1,3塁で再び松井の登場。
ここはしっかり‘最低限の仕事でいいぞ’と思ったら、なんと初球を叩き3ランHR。
出迎えのジーターを相手に‘俺ってすごい!?’とおどけた表情を見せた。
久々に登板機会があると準備をしていたリヴェラはのけ反った。

8得点のうち松井が5打点か、完全にヒーローだな・・・(^。^)

よせばいいのにその後もボンバーズは手を緩めず、松井の価値が希薄化する。
最終スコアは13-3と大勝だったが、6回裏のあの松井の勝ち越し打までは
決してそんな感じではなかった。

あ~、こんな活躍しちゃったらブログも書かなきゃいけないな・・・(-_-;)

その後マリナーズの試合が始まった。
この段階になって‘らしくない’長打が目立っていたが200本目は‘イチローらしい’
ショートへの内野安打で見事達成。

これで日本中が狂喜乱舞、イチロー一色になるな・・・(・o・)

‘イチロー以外の日本人選手はメジャー・リーガーとして認めない、眼中にない’
まるで‘一億総張本化’している中で5打点挙げるメジャー・リーガーがいても
日本ではニュースにならないだろう。

まあイチローの‘一件落着’で世の中のMLB報道が‘正常化’することを期待しよう。
ってそれはしょせん無理な話か・・・(-_-;)

2009年9月12日土曜日

ジーターが安打数でゲーリッグを越えた~それでもヤンキースの伝説的な打者という実感が湧かないのは何故?~

ディレク・ジーターがルー・ゲーリッグの持つヤンキース最多安打の記録を塗り替えた。
2,722本目は一塁手の脇を抜く彼らしい右方向の打球だった。
一塁に到達したジーターに雨具に身を包んだスタンドのファンはスタンディング・オベーション。
チームメイトが駆け寄りひとりひとりとハグをした。
いつも饒舌なマイケル・ケイもここは沈黙が金であることを知っていた。
遠慮深い松井は最後に抱き合った。
今日は2001年の9.11に因んで赤いキャップが義務付けられていたが、
それが誰よりも似合わないことを知っている松井はかぶっていなかった。

偉大な瞬間を演じたジーターの顔は普段に増して凛々しい。
しかしこの記録更新で将来ジーターがヤンキースの歴史で伝説的な打者として語り継がれるかと言うと
そういう実感が何故か湧かないのだ。

ZIPHITなんて怪しげな商品の通販のCMに出ているからだな・・・(>_<)

恐らく最大の理由はジーターをリアルタイムで見ているせいだと思う。
ベーブ・ルース、ルー・ゲーリッグをはじめミッキー・マントル、ジョー・ディマジオは
リアルタイムでプレイを見ていない。
白黒のフィルムや映画化された中で既に伝説化された存在となっているのだ。

ジーターが‘大打者’という印象が無いのは長打が少ないからだろう。
ホームランと打点では歴代10位に過ぎないし、SLGでは30位だ。

ジーターの初グランドスラムが‘難産’だったのは有名な話だ。
2005年に‘136度目の正直’に恵まれたが、それ以来2本目が生まれていない。
じゃあ、満塁で弱いかと思いきや打率は3割5分ぐらいあるから鬼と言ってもいい。

私は2003年以降なら誰にも負けないくらいヤンキースを追いかけているが、
それ以前、特に90年代後半の4度のワールドシリーズ制覇を知っている人達の
ジーターの印象は異なるかもしれないと思っていた。

ところがそうでもないらしい。
YESがこの前やっていたジーターの印象深いシーン4択アンケート。
ダントツの1位(44%)は2004年のBOS戦でファウルボールを追いかけて
内野スタンドにダイブしたプレイだった。
ジーターの真似をして顔にバンドエイドを貼った少年の姿を覚えている人も多いだろう。

同様のアンケートをDailyNewsが6択でやっていたが1位を分け合っていたのは、
あのダイブと2001年のALDS(対OAK戦)で見せた絶妙な中継プレイだった。
どちらも打者としてのジーターではないのだ。


What is your favorite Derek Jeter moment?

The Jeffrey Maier home run 3%
Winning the 2000 World Series MVP award vs. the Mets 9%
The flip play vs. the A's in the 2001 ALDS 37%
His Mr. November blast in the 2001 World Series 11%
Being named 11th Yankee captain in 2003 4%
His dive into the stands against the Red Sox in 2004 36%


ジーターはヤンキースの歴史の中でどう位置づけられるのか。
或るヤンキース番記者の個人的ランクでは6番目になっている。

The list of greatest Yankees

1. Babe Ruth
2. Lou Gehrig
3. Joe DiMaggio
4. Mickey Mantle
5. Yogi Berra
6. Derek Jeter
7. Whitey Ford
8. Mariano Rivera
9. Bill Dickey
10. Lefty Gomez


これに関するコメントを見ても、1~5に関しては異論が殆んど無い。
実際あと100年経っても変わらないのかもしれない。
伝説は時の経過とともにさらに伝説化が進むからだ。
6位以下についてはBernie WilliamsやDon Mattinglyを推す人もいるし、
あと将来的にはJorge Posadaも入ってくるのではと予想する向きもあった。
まあこのランキングに私が口を挟む資格は無い。

ジーターに関して私の個人的な印象は‘The Great Yankees’ Captain’だ。
数多くの大物選手が来てはいなくなるチームの中で見事なリーダーシップを発揮していると思う。
色々なコメントを聞いてもウィットに富み如才無い。
ユーモアのセンスも持ち合わせている。

Derek is a team guy.

チームの勝利こそが最優先という姿勢にブレが無い。
だから他の個性の強いチームメイトにも受け入れられ、数多くのファンからも愛される。

2009年のジーターにとって今日の個人記録達成は大きな意味を持つことは確かだが、
彼の本望はキャプテン就任以来一度も手にしていないチャンピオン・リングにあることは
言うまでもないだろう。

松井が何かいいことをしてベンチに戻ると、ジーターが頭をナデナデしてくれる光景を見るのが好きだ。
それが来年以降見られなくなると思うとやはりそれはそれで淋しい。

2009年9月10日木曜日

野球選手に‘クラッチ’は最高の賛辞~松井秀喜が8月のMLB Clutch Performerに選ばれたぞ~

ヤンキースの松井秀喜が"Major League Baseball Clutch Performer of the Month Presented by Pepsi" for Augustに選ばれた。
何とも長たらしい名前の賞だ。
今日はNHKの中継で観ていたが、イニング間に否応なく聞こえてきた主音声では、
失格解説者高橋直樹が不勉強を露呈していた。
あれだけ論議を呼んだ‘ニュー・ジョバ・ルール’についても詳細を知らないのには驚かされた。
この賞についても‘初耳’と抜かしていたが2007年から始まっている。
月間賞と年間賞がある。
月間賞は両リーグ合わせた30チームの中から6人の候補者がノミネートされ、
その中からファンがオンライン投票で選ぶ。
当選するのはオンリー・ワンだからまさにMLBのベストということになる。

8月の候補者は以下の6人だった。


Hideki Matsui, OF, Yankees: After a lukewarm first half of the season, Godzilla reemerged in August, dialing in eight jacks and plating 25 runs. Four of those dingers came in an Aug. 21-23 series at Fenway Park against the Red Sox. Of course, any big-time effort notched under the spotlight of Yankees-Red Sox is immediate grounds for clutch consideration. In addition to that heavy hacking against his team's arch-rival, Matsui was even more fearsome in close-and-late situations, batting a staggering .400 with two homers and four ribbies in those moments. As if that wasn't enough, he became the first Bomber since Mickey Mantle in 1966 to rack up three multi-homer performances in a seven-game stretch, adding an historical twist to an undeniably clutch month.

Miguel Cabrera, 1B, Tigers: Finished the month with a .343 average, seven long balls, 25 RBIs and a .611 slugging percentage.

Kendry Morales, 1B, Angels: Had a red-hot August batting .576 with runners in scoring position while collecting 27 RBIs.

Carlos Pena, 1B, Rays: Hit 12 homers with 29 RBIs and a .685 slugging percentage last month. Delivered a walk-off single on August 22 to beat the Rangers.

Ubaldo Jimenez, SP, Rockies: Won five of his six outings in August while posting a 1.77 ERA - including a must-win Aug. 23 start against Tim Lincecum and the Giants.

Cliff Lee, SP, Phillies: The southpaw is 5-1 with a 1.80 ERA and 44 strikeouts against only six walks over 45 innings of work since joining the National League.


野手4人の比較でいえば数字だけを見るとやや微妙だが松井が‘勝者’になった。
3度のマルチHR,特にフェンウェイでの爆発はインパクトがあったのだろう。

過去に何度も書いたが私は松井秀喜が‘clutch hitter’と呼ばれるのが、
彼のファンとして最も快感であり、誇りでもある。
この感覚は‘記録の王’より‘記憶の長嶋’の方を圧倒的に好きだったことに通じる。
ここ一番のチャンスで打つ、これぞピンチという難局を切り抜ける。
野球選手に‘クラッチ’は最高の賛辞だ。

かつて松井秀喜はアンケートで‘ワールドシリーズの最終戦、9回2アウト一打同点・逆転のシチュエーションで打席に立たせたい打者ナンバー・ワン’になったことがある。
その後は怪我を含め劣化したのは否めないが、今年まさにその舞台が現実化する可能性がある。
そしてそこで結果を出す松井の姿を夢見る。

ここをみると過去のMLB Clutch Performerが見られる。
受賞者はヤンキースの選手が圧倒的に多い。
ファン投票で決まるから全国区の強みを発揮するのだろうか。
日本からも投票できる。
今回は私も参加した。
1度クリックして、試しに2度目をしてみた。
どうカウントされるかは別にして特に警告も無く受け付けられた。
この受賞には私の‘清き2票?’も貢献している。

因みに完全な無駄知識だが、ヤンキースのブルペンに実力的にも名前的にも
この賞に最も縁遠いPhil COKEというレフティがいるが、彼はPEPSIを愛飲しているそうだ。

2009年9月9日水曜日

ディレック・ジーターのデビュー戦は?その夜父子で食べたのは?初ヒットを打った時の一塁手は?

今のヤンキースにはふたつの‘時間の問題’がある。
ひとつはチームの地区優勝、もうひとつはジーターの安打数でのルー・ゲーリック越えだ。
ジーターはあと4本のヒットでヤンキースの歴代安打数でトップになる。
昨日はレイバー・ディのダブルヘッダーで大いに期待がかかった。
お馴染の両親の他に一部で婚約騒動があったガールフレンドのMinka Kellyさんも観戦していた。
チームは2試合とも勝利したが‘肝心’のジーターはノー・ヒット。
一面も‘EVERYBODY HITS…exept Jeter’

今日のヤンスタにはティノ・マルティネスの姿があった。
このブログの常連(女性)さんにもファンがいるが相変わらずのイケメンだ。
そこでニューヨーク・タイムズの記事で読んだことを思い出し、
‘今日のトリヴィア’として久々にブログでも書こうと思った。

が、さすがYESである。
しっかりとその映像を流されてネタバレされてしまった・・・(-_-;)

でも見逃した人もいると思うし他にも‘因縁’があったので今日のタイトル通りに
書くことにした。

ジーターがデビューしたのは1995年5月29日、場所はシアトル、相手はマリナーズだった。
ジーター・パパは朝3時に起きて急きょミシガンから駆けつけたそうだ。
結果は5タコ。
試合は延長戦に突入し、ランナーを3塁に置いて一打勝ち越しのチャンスもあったが三振。
試合後、親子で食べたのはMcDonald’sだった。
本人は他に開いているところが無かったと‘言い訳’をしているが、今のジーターでは考えられないことだ。

20歳のルーキーがデビュー戦でタコって父と子でマックで食事をする。
そのチープ感や哀愁が逆に素敵だ。

翌日の試合、通算7打席目で三遊間に初ヒットを放った。
1塁に辿り着いたジーターに一塁手のティノ・マルティネスが言葉を掛けた。

‘the first of many hits’

この段階でティノが翌年にはジーターとチームメイトになるとは思っていなかっただろう。
そしてその‘many’が自分の成績を遥かに上回るとは想像できなかったに違いない。
ティノは通算安打1925本、ヤンキーとしては1039本だ。

さて、今でも親交の深いティノが観戦していたのはそのものズバリだが、
他にも‘因縁’があった。
ヤンスタのバックネット下の回転式の看板がMcDonald’sだった。

そしてマリナーズにも因縁が・・・。
NHKともあろうものが9回2-2のヤンキース戦の中継を終了し、
マリナーズ戦に切り替えるという暴挙に出たのだ。
まるで第1打席で5本のヒットを‘まとめ打ち’されたら大変といった感じだった。

私は直ぐMLB.tvを起動させ、便利屋スウィッシャーがこの日2本目となるHRを放ち、
ラッキー13となるサヨナラ勝ちを収めるのを拝めたが、
NHKのやり方に不満を感じた真のメジャーファンも多いだろう。

ジーターはこの試合3三振を喫し、今季自己ワーストの連続12タコとなった。
驚くべきことだが彼らしくなく試合後の取材に応じなかったらしい。

冒頭で‘時間の問題’と書いたが、まさかもうひとつの方が
先に達成されたりするようなことは無いよね。

2009年8月26日水曜日

本日のトリヴィア~1回のロードで3度のマルチHRを打ったヤンキースの選手は2人いるが松井秀喜の他に誰?~

このトリヴィアは実際に今日の試合の中で出題されたものだ。
1回のロードと言っても試合数はまちまちだからやや乱暴な話だが、とにかくヤンキースの歴史上
松井を含めて2人しかいないということだ。

答え:ミッキー・マントル

時空を超えた‘MM砲’だな・・・(^_^)

この前フェンウエィで1試合7打点の記録はルー・ゲーリックと松井だけだと紹介したが、
大物がうじゃうじゃいるヤンキースの歴史の中に何気にHideki Matsuiの名前を刻んでいる。

このところHR以外のヒットを打てないのかと一部の関係者から問題視(笑)されていたが、
今日はやっとダブルとシングルを打った。
但しどちらもタイムリーで3打点を稼いでしまった。
つまり最近6本のヒットはすべてRBIがらみという‘問題’は解決されていない。

そもそも今日の試合は爆発した後はタコる法則が心配されたが、昨日試合が無かったので、
そこで法則が‘空発動’してしまったのかもしれない。

試合は9回裏10-5と5点ビハインドだったが、そこから‘日本文理魂’を発揮し、
1点差に迫ってなおも無死1,2塁。
クリーム係のバーネットが準備を覚悟したが、送りバント失敗、遊直ゲッツーでゲームセット。
一部のボストンファンからはため息が漏れた・・・(>_<)

2009年8月24日月曜日

マルチHRの鬼になった松井秀喜があのベケットから2発~ヤンキースがシリーズを制しほぼ決まった?~

先ずはこのボストンとのシリーズの第1戦の7打点についてだ。
あの後色々なところで紹介されていたので知っている人も多いと思うが、
この対決で7打点というのは過去2人いてフェンウェイでやったのは1930年のルー・ゲーリック。
松井はそれ以来ということになるらしい。

‘The happiest man in Fenway’だった訳だ・・・(^。^)

で、翌日はもはやお決まりになっている‘5タコ’に終わった。
それは思い切り想定内だったのだが、あのJapanese Kid相手にチームが負けたのは想定外だった。

3連戦の前は最悪でも1勝すればいいと思いながらも、こうなるとどうしても今日の試合をモノにしたくなる。

マッチアップは最多勝を争う、サバシアとベケットという文句無しのエース対決だ。

ジラルディになって松井がスタメンを外されるのは基本的にレフティのことが多いが、
例外的にベケットの時もしばしば外されていた。

まさか今日も・・・という不安もあったが5番DHで出場。

1打席目、初球を叩き右中間のブルペン越えに22号ソロHR。

へぇ~、やるじゃん・・・(^。^)

と思いながらもHR1本ぐらいだとチームが勝っても、サボり癖がついた私としては
ブログのお休みを決め込んでいた。

試合は1,2戦のワンサイド馬鹿試合とは違って、緊迫感が漂う。
BOSは昨日の14得点の内13点が2アウトからという妙な勝負強さが出てきたので、
2点ぐらいのリードではまったく覚束ない。
5回のA-Rodの2ランHRで4点差になったところで一息ついたが、
その後再び3点差にされるとまたムズムズしてしまう。
そういう流れで逆転された経験をこの対決では何度も味わっているからだ。

そこで再び松井が仕事をする。
この前の2本目とほぼ同じ通称“Pesky Pole”の傍に落下する23号ソロ・ショットだ。

その瞬間ヤンキース関係者のふたりの男が天を仰いだ。
ひとりは4点差になってセーヴ機会でなくなったリヴェラ。
もうひとりはこれでまたブログを書かざるを得なくなったナリポンだ・・・(>_<)

ベケットの1試合5被弾はキャリア・ワースト、その内の2本が松井だ。

今年の松井のマルチHRは4度目だが最近出場した7試合で3度とまさに‘マルチHRの鬼’と化している。

23本のHRを奪った相手にはサンタナ、ハラディ、今日のベケットと錚々たる名前が並んでいる。
最近のHRは‘イッタ~~~~’というよりは‘いっちゃうのか~~’という感じで、
無造作に打っている感じがする。
これだと逆に30本越えも現実味を帯びてきたか。

エース、ベケットで落としたレッドソックス。
試合後、ジラルディやロングは明言しなかったが、
今日は‘早いカウントで狙え指令’が出ていたらしい。

確かにジーターも松井を初球HRだった。
リーグで四球が2番目に多いチームが今日はゼロという‘珍事’もそのせいだろう。

これでBOSとNYYのゲーム差は7.5となった。
常識的には‘ほぼ決まった’と言っていいだろう。
あさってからのTEX戦ではBOSファンもNYYを応援するに違いない。

それにしてもこの好カードはまさに‘全米的イヴェント’だ。
第2戦はFOXがそして第3戦はESPNが中継した。
松井的には‘7打点試合’をやって欲しかっただろうが、今日のベケットからの2発も
十分に‘訴求効果’はあるだろう。

2本目は帳尻と言う人もいるだろうが、実は貴重な1点だったのだ。

このシリーズの‘得失点’を計算すればその‘価値’が分かる・・・(@_@;)

2009年8月22日土曜日

乱獲歓迎、帳尻上等、就活大変~松井秀喜がBOS戦で2HRを含むキャリア・ハイの7打点の活躍~

今日からヤンキースはレッドソックスと敵地での3連戦。
6.5ゲーム差とほぼ安全圏にいるがそれでも直接対決は独特の緊張感がある。
そんな中、先攻のヤンキースは早速1死満塁のチャンスを迎える。
ここで打席に松井秀喜だが2ストライクと追い込まれる。
実況のケン・シングルトンが松井はこのシチュエーションは強い男だが
今シーズンは失敗が多い、とコメントした直後、見逃しの三振に倒れる。
今日の球審のJoe Westはストライクゾーンが広くコールが遅い。
広くてもゾーンが一定していれば文句は無いがそれも怪しいから評判が悪い。
松井の最後の外の球も実況はしきりにボール臭いと騒いでいたが、
どうなるものでもない。

いきなり松井が戦犯候補だな・・・(-_-;)

そこを救ってくれたのが2アウトから先制の2ラン・シングルを放ったポサーダだ。
ある意味この試合の最大の殊勲打といってもいいかもしれない。

しかしヤンキースはそれを忘れさせてしまうくらい得点を重ねる。
パーティーに乗り遅れていた松井も5回の(1度目の)打席で3ランHRをBOSのブルペンへぶち込む。
そして同じ回に(2度目の)打席が満塁で回ってくる。
マイケル・ケイだけでなく誰でも思い描く1イニング7打点の夢は叶わなかった。

7回には先頭のA-Rodが2006年5月以来のトリプルを放った。
そこで松井は本来の得意技のゆるい1塁ゴロで1打点追加した。

よしよし、大技と小技で4打点か・・・(^。^)

しかし今日の松井にはさらなるドラマが・・・。
9回の第6打席、ランナーを2人おいて初球を叩くと、ライトポール際に飛び込み、
今日2本目の3ランHRとなった。

3+1+3=7

1イニング7打点は夢に終わったが、1試合7打点を達成、これはキャリア・ハイだ。

2本のHRで節目の20本をクリアして21本。
打点は一挙に66打点に跳ね上がった。

この試合のスコアはESPNがまるでNFLみたいだと揶揄した20-11。

終始リードを保った展開での松井の7打点はよく私がエロを批判する時に使った
帳尻っぽい印象がある。
まあ全部なければ13-11の接戦になるから単純に帳尻とも言えないが・・・。
しかし、今の松井は来季に向けての‘就活’もしなければならない。

乱獲歓迎、帳尻上等、就活大変なのだ・・・(^。^)

この前の4安打2HR5打点を記録したSEA戦の時にこんな記事が有った。

The series against Seattle could be an audition for Matsui. The Mariners have used Ken Griffey Jr. and Mike Sweeney as their designated hitters this season. Griffey has hit only .226 with 12 home runs and Sweeney .228 with four homers. Both are on one-year contracts.

今日の2本目のHRはまさにフェンウェイのライトにある‘スウィート・スポット’だったから、
少しは売り込みになったかも・・・。

帳尻とはいえここまで派手に乱獲すると完全にヒーロー扱いされる。
NHKの映像で試合終了後松井が呼ばれて、通訳のロヘリオもスタンバイする姿が見えた。
そこでNHKの映像が切れたのですぐさまMLB.tvで確認したが、今日のYESのインタヴューは
松井ではなく、密かなスランプ状態から脱したエロだった。

但し試合後の記事や写真、ビデオハイライトでは‘Matsui’‘Godzilla’が文句無しの主役だ。

出場機会が制限されている松井だが、もしかして30HR、100打点の夢が叶う
チャンスもゼロではなくなってきた。
ただ、チームが独走態勢になると9月の途中からは若手を起用したりするかもしれない。

な~んて期待しすぎるとまた大反動がくるので程々にしましょうか。

2009年8月18日火曜日

イチローの記録はすべてまやかし?~米ウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)が指摘~

イチローが間もなく9シーズン連続の200本安打を達成しそうだ。
これに関してBen Austenという人が8月15日付の米ウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)で
こんな記事を書いている。


Are Ichiro's Stats All Smoke and Mirrors?

Some time in the next few weeks, Ichiro Suzuki of the Seattle Mariners will likely outrace a second baseman's throw or guide a low line drive into right field to collect his 200th hit of the season, making this the ninth consecutive year he has reached the milestone.

Mr. Suzuki already holds the record for most base hits in a single season (262) and is a hair behind the Cardinals' Albert Pujols for the highest career batting average among active players (.333).

But as prolific as he's been, Ichiro is a significantly less productive hitter than other players with similar batting averages. Of his 1,974 hits with Seattle, an astounding 81% have been singles, a higher proportion than any modern-era player with at least a .320 average. More remarkably, nearly one in four of his hits never left the infield. The problem: singles don't translate into runs as well as other kinds of hits. And when he's not hitting, he very rarely walks. Despite leading all batters in hits this season, Ichiro ranks No. 25 in on-base percentage and No. 39 in runs scored.

Thanks to a combination of formulas created by statisticians like Gary Gillette and Pete Palmer, it's possible to compute how many extra wins a hitter creates for his team per season. By that measure, Ichiro has averaged two "batting wins" a year during his career. Mr. Pujols, who leads the majors in on-base percentage, averages six.

We're not saying it's Ichiro's fault that the Mariners have lost more than 90 games in three of the last five full seasons. But maybe the wizard of the one-bagger isn't quite as valuable as he seems.
—Ben Austen


私が理解できる範囲で内容を要約してみる。

イチローはシーズン最多安打の記録も持っているし、
現役選手の中では通算打率もプホルスに迫る。
但し、ヒットは量産しているがその生産性は低い。
1974本のヒットのうちなんと81%がシングルヒット、おまけに4本に1本は内野安打。
フォアボールを選ぶことも稀だ。
だから今シーズンも打率で首位争いにいながら、出塁率では25位、得点でも39位だ。
打撃での勝利への貢献度を数値化する"batting wins"というのがあるが、
プホルスは1シーズンで6なのに対し、イチローは2に過ぎない。
マリナーズが過去5シーズンで3回も90敗以上しているのが、
それがイチローのせいだという気はない。
ただ‘シングルヒットの魔法使い’はそれほど役立っていないのかもしれない。


記事のタイトルにある‘Smoke and Mirrors’というのはマジシャンが客の目を誤魔化すために
使うことから、‘人の目を欺くような行為・物、まやかし’という意味。
‘the wizard of the one-bagger’と呼応させている感じだ。

一方で日本のマスコミは相変わらず‘200安打カウントダウン狂騒’を続けている。
‘あと49本となりました’
‘今日はノーヒットで足踏み状態ですが大丈夫でしょう’
‘ついにあと25本となりました’

こんなことを毎日やっているのである。
勿論あちらでもマイルストーンに関しての報道はある。
歴史が長い分より多くの記録がある。
但し、カウントダウンは精々あと1~3個に迫ってからだ。
特に通過点に過ぎない記録の場合は達成された時にその事実を伝えるだけだ。

別にあちらが常に正しくてこちらが間違っていると言うつもりはないが、
私からみれば異常としか思えない。

‘イチローが連続試合安打を‘4’に伸ばしました’
テレビのニュースの限られた時間のスポーツコーナーでこんなことを平気でやる神経がわからない。
安打製造機のイチロー様に対して‘4’だよ、たった‘4’だよ。

'If a dog bites a man, that's nothing, but if a man bites a dog, that's news.'

100年前のイギリスの新聞王Northcliffeの言葉だが、
中学?の英語の教科書で読んだような記憶がある。
かつてはマスコミ論の巻頭にでもあって、一般人でも知っている有名な話だが、
昨今のマスコミ関係者はそんな古臭い発想には興味が無いのだろうか。

上で紹介したWSJの記事をどこかの日本のメディアが取り上げるか待っていたが、
今のところ発見できなかった。
日経新聞でもやればいいと思うのだが・・・。

かつて現役ディーラーの頃は、WSJの早刷りの記事で相場が大きく動き翻弄されたものだ。
今回の記事の影響?
まったく無いだろうな。

奇しくもこの記事の指摘はいまやイチローに気味が悪いほどのデレデレ振りを見せる張本が、
かつてイチローを批判する時に言っていたものと似ている。
何とも皮肉な話と思えるが、安打数、打率という‘単純な数字’は単純な一般大衆の心を
捉えるには有効な武器となるということなのだろう。

確かに今のマスコミの手口は‘単純化’かもしれない。

2009年8月14日金曜日

4番松井秀喜に盆と正月が一緒に来た~4安打、2HR,5打点、4得点、YESのお立ち台~

ヤンキースは今日からマリナーズとの4連戦。
昨日の延長サヨナラ勝ちの後、ロングフライトでシアトルにやってきてお疲れモード。
おまけにA-Rodやポサーダ、ジーター、リヴェラが軽い故障を抱えている状態だ。
その故障とは関係なく予定通りにディ・オフになったエロに代わって
今日は久々の4番を務める松井秀喜。
昨日は今季初の3番だったが、結果も散々、表情にも覇気が無かったように感じた。

しかし今日は一転した。

1打席目はリードオフシングルをレフトに打ち、先制のホームを踏んだ。
2打席目は3塁にランナーをおいてライトへ弾丸ライナーの2ランHR。
3打席目は一塁ゴロに倒れるが、4打席目はライト前にRBIシングル。
そして5打席目は右中間にぎりぎり飛び込む2ランHR。

5打数4安打、2HR,5打点、4得点という文句なしの結果を出した。

かつての日本のメディアではNYY-SEA戦を松井とイチローの日本人直接対決という、
アホな表現が横行した。
わたしは機会が有ることにそれを批判していたが、連中もさすがに打者同士に使うのは
おかしいことに気付き、最近は減ってきたように思える。

しかし、敢えて言おう。
松井秀喜とイチローの‘直接対決’は存在すると・・・。

それは松井のヒッティング・チャートに関係する。
今日の4安打のうち3本がイチローのエリアだ。
弾丸ランナーは彼の頭上を越え、ライト前は文字通りイチローが処理。
圧巻は2本目のHRでイチローが忍者のようにフェンスに駆け登り、
あわやキャッチというプレイになった。

これぞ‘直接対決’だろう・・・(>_<)

勿論松井は左打者だから自ずとライト方向への打球が多くなるのは必然だが、
イチローがセンターを守っていた時はセンターを狙い打ちしていた記憶がある。

試合は11-1のスコアでヤンキースが圧勝した。
10点差の試合で2HR,5打点の荒稼ぎはまるでかつてのA-Rodのようだが、
まあたまにはこういう数合わせで存在感を示すのも必要だ。
‘かつての・・・’と書いたのは実は最近のエロ、特に今年は終盤の僅差のゲームで、
同点弾、勝ち越し弾が多くクラッチ・ヒットが得意になってきているからだ。

松井は試合後のYESのインタヴューにお呼びがかかった。
今季2度目だが、前回はあのサヨナラ弾ではなく、5月のTEX戦で2打席連続弾を放った時だった。
以前書いたことがあるが、松井やカブレラ、王建民を呼ぶには通訳が必要になるので、
局側としてはできれば避けたいらしいが、今日は松井しかいなかった。
サバシアの好投も資格十分だが先発投手は基本的にほとんど呼ばれない。

因みに去年と今年、松井のお立ち台が実現したのは、なぜかマイケル・ケイがオフの時で、
実況がケン・シングルトンの時に限っている。

記事の見出しにも‘Matsui’‘Godzilla’‘#55’の文字が躍る。

時あたかも世界中?で‘Obon’の真っ最中だが、
今日の松井秀喜にはまさに盆と正月が一緒に来た感じだった・・・(^。^)

こうなるとNY紙の1面登場にも大いに期待したいところだが、ロード、特に西海岸の場合は
締め切りの問題もあってか軽く扱われることが多い。

‘盆と正月・・・’の表現は奉公人が休めるのがこの時期しかなかったことに由来する。
松井秀喜が来季シアトルで‘奉公’していても驚かないと書いていた番記者がいた。

ナリポン的には絶対嫌だよ。
この時間帯の試合だと数少ない楽しみである外での昼飯が難しくなる。

2009年8月8日土曜日

メジャー・デビューの田澤には荷が‘重いで登板’~自己ワーストのホーマー・レスA-Rodにサヨナラ弾を浴びBOS連敗~

BOSベケット、NYYバーネットのマッチアップは両者スコアレスの好勝負。
その後のリリーフ陣もその空気を引き継いでなんと延長14回を終わっても0-0のまんま。
YESのマイケル・ケイが‘大変だ~、スコアシートが15回までしかない’と
騒いだのが効いたのかどうかはわからないが15回裏に2アウトランナー1塁で
A-Rodがサヨナラ2ランを放って試合が決着した。

14回から投げていたメジャー・デビューの田澤が負け投手。
今日メジャーに緊急昇格したばかりで10日の先発要員の可能性があったのだが、
延長突入で‘最後のひとり’になって登板となった。

14回もピンチを迎えたが、好守備とギリギリのファウル・ボールに救われた。
但し運もそこまでだった。
15回、自己ワーストの72打数ノー・ホームランのエロが格の違いをみせる一撃。
打球が飛びこんだのが文字通り‘無人のブルペン’だったのが象徴的だった。

まあメジャー・デビューには荷が‘重いで登板’だったな・・・(>_<)

田澤は名前しか知らないが、ここで思い出したのが桑田真澄のメジャー・デビューだ。
その時にはこんなことを書いている。
試合展開は違うが似ている部分も多い。

桑田真澄

かつて熱狂的な巨人ファンだった私は‘さすが桑田’も‘どうした桑田’も数え切れないほど
味わってきた。
グラウンド外での言動には疑問を感じることもあったが、
フィールドの中の桑田は好きだったし、ある種の敬意を払っていた。
ピッチングが駄目でもフィールディングやカバーリング、
そしてバッティングで煌く野球センスは抜群だった。
その桑田が巨人を戦力外になりメジャーに挑戦。
実現性には疑問を感じながらも密かに応援していた。
その桑田がメジャー昇格を果たし、そのデビューをヤンキース戦で飾った。
ヤンキースファンの‘驕り’と思われるかもしれないが、デビュー戦がヤンキース、
それもヤンキースタディアムというのは桑田にとっても‘夢舞台’だったのではないだろうか。

大差のついた負け試合、これが桑田登板の条件だと思っていたし、
それは私の利害とも一致する。
だからボンバーズが爆発すればいいのだ。
そうやって桑田真澄(実況はマシュミ・クワァタ)がマウンドに現れた。
1イニング目は下位打線で見事に三凡、但し2インニング目はトップからだ。
2アウトをとったあと、アブレイユを歩かせるとエー・ロッドが2ランHRを浴びせた。

悔しいだろうが美しい・・・(^_^.)

日本のマスコミは相変わらず、桑田と松井の対決に興奮しているが、
そんなものは昔の巨人の紅白戦で観られたものだ。
ジーターを三振に仕留める。
現在のHRキングのエロの一発を浴びる。
それがメジャーリーガーになった‘実感’だろう。

桑田が将来自分の野球人生を振り返る時には‘価値ある一発’として蘇ると思う。


桑田の場合はまさに‘思い出登板’になった。
田澤も長い目でみれば‘良い思い出’になるかもしれないが、
BOSファンにしてみればそんな悠長なことを言ってはいられない。
ベケットで落としたのは痛いだろう。
昨日は‘Red Alert’の見出しがあったが、今日は‘Pushed to the limit’になっていた。

因みに今日勢いで観戦した3試合(ヤンキース戦、マリナーズ戦、巨人戦)は
すべて延長サヨナラHR決着だった。

A-Rodがサヨナラの主役になれたのは前回の松井のヘルメット・トスを
カブレラから強奪したからだな・・・(^O^)/

2009年8月7日金曜日

ヤンキースが‘9試合に1勝を得る’~今年の鬼門‘靴下(赤)’を克服~

今年のヤンキースにとって‘靴下’は鬼門だ。
‘赤’相手に8連敗、‘白’相手にも3連敗した後やっと1勝しただけだ。
今日から始まった‘靴下(赤)’の4ゲームシリーズ。

名実ともにライヴァルを相手に8連敗は悲惨なことだが、
これでもヤンキースが2,5ゲーム差で地区首位を確保しているのは逆に素晴らしいとも言える。

数学は零点なのに総合点では1番だ・・・(^。^)

そして今日ヤンキースは今季初勝利を挙げた。

これが‘9試合に1勝を得る’ってやつだね・・・(>_<)

別に数学が不得意なわけではない。
両チームの最近の対戦成績だが、NYYが負け越したのは1回だけ、
あらためて見ても惚れ惚れするほどの好勝負をしている。

2008 9-9
2007 10-8
2006 11-8
2005 10-9
2004 8-11
2003 10-9
2002 10-9


今日勝ったとはいえまだ1-8だ。
これをイーブンに持っていくためには今後8-1が必要。
さすがにそれは無理っぽいと考えるのが常識的だが、
こういう歴史的に裏付けのある数字は思わぬ帳尻合わせを演出することもある。
卑近な例を挙げると、5回終了時点で1時間しか経ってない試合が終わってみれば
いつも通りに3時間を超えることはしばしばある。

因みに現地実況my9の今日の視聴者アンケートは



観たいのはどっち?

1.BOSとのALCS
2.LADとのWS


ん、これって両方観るのがベストじゃん
と突っ込みたくなったが・・・(^。^)

ただ、もし私がBOSファンだとしたら生来の弱気の虫が騒ぎ始めて
そもそもポスト・シーズンに進めるかどうかもかなり心配な状態に陥っているに違いない。
下からレイズが迫ってきているし、それ以上に少し前までは東地区で決まりと思われていた
ワイルドカードが西地区の台頭で混沌としてきたからだ。

今日の試合は‘打たれるピッチャー’と‘歩かせるピッチャー’の戦いで
途中からはグダグダになったが、やっぱりボストン戦はテンションが上がる。
ポサーダの本塁憤死のシーンではひとりテレビの前で
‘ったくポサ公は・・・’と舌打ちしていた。

松井秀喜は1安打だったが打点3はお見事。
ああいうレフトへのアタリと引っ張ってHRというのを器用に
打ち分けることができれば鬼に金棒なのだが・・・。

嬉しいことに今日のNY紙2紙が松井の‘背中’を採用した・・・(^O^)/

松井秀喜が好投手ハラディから奪った通算4号HR~その雄姿がNY紙DailyNewsの1面を飾っていた~

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松井秀喜が現地8月4日の対TOR戦で放ったセンターバックスクリーンのテレビカメラ直撃弾。
9回表4-3とリードする中で2点差にする一撃だった。
試合の流れ的には1面を飾るほどのものではないと思ってチェックを怠っていたが‘甘かった’。

なんとその雄姿が堂々とNY紙DailyNewsのスポーツ1面を飾っていた。
この1本で対ハラディからは通算4号となったが、これはヤンキースの中では最多となる。
あのA-Rodでさえ実は1本しか打っていない。
打率は0241と良くないのだが何故かこの好投手相手にHRを‘量産’しているのだ。

松井秀喜のメジャー人生が始まったのも彼が相手だった。
7月末が期限のトレードの目玉だったが結局成立しなかった。

さて、来年このふたりの対戦はどういう形で実現するのだろうか・・・(>_<)

2009年8月4日火曜日

焼き鳥のハツモトが美味すぎる~自宅で焼けば安い、美味い、数量限定なし~

飲みに行く時に焼き鳥屋というのはひとつの有力な候補だ。
貧乏学生しかり、サラリーマンしかり、お洒落系の店ならばカップルもアリだ。
私もそれぞれの人生のステージで数多くの焼き鳥屋に通った。
憧れの人、故・林美雄と一回だけ飲んだのも六本木の焼き鳥屋だった。

それが心臓を病んで東京を離れ当地にやってきてからは、飲みに行くという習慣がなくなった。
一時は1週間に4~5回は飲みに行っていた男が今や年間で4~5回しか機会が無い。
タバコの煙が漂う空間に耐えられないのだ。
但し家では毎日‘浅酒’を楽しんでいる。
当然、自宅が居酒屋化するが妻の負担は案外軽い。
食べる量や種類が以前とは比較できないほど減った。
それ以上に彼女を楽にするのは昼飯を食べに行った後に、運動のためにスーパーとかに一緒に行って、
そこでメニューを決めてやることだ。

先月の或る日、私が選んだのが鶏のハツだった。
昔は、うなぎ屋に行くと‘肝焼きありますか’と訊くように、
焼き鳥屋では‘ハツありますか’と訊く癖があった。
特に大好物というほどではないが、どちらも数が限定されていることが殆んどなので、
これを注文するすると通を気取る事ができるような錯覚をしていたのかもしれない。
或いは‘すみません、おわっちゃいました’と相手に言わせることで、
ある種の負い目を感じさせられるという打算があったのかもしれない。

ハツは心臓のことだ。
英語のheartsが語源だと思っていたが、一部にはドイツ語のHerzから来ているという説もある。

私の人生を激変させたのは2000年の心筋梗塞、それによって心筋の約70%が壊死したが、
これが再生する可能性は無い。

そんな欠陥心臓を抱えていると否応なく心臓という言葉に関心は高まる。

‘ハツを食べると心臓にいいぞ’とベタに誰かに言われても、
‘おっ、わかってる、常識だよな’と返事をしたくなる。

だが焼き鳥屋に最後に行ったのはもう5年前ぐらいで、ハツには縁遠かった。
そこで急に食べたくなったのだ。

実は大昔、健康だった頃一度家でチャレンジしたことがあったが、
あの時はぽっこりしたあのまんまを焼いて大失敗、全然美味しく感じなかったことがある。

そこで今回は私が検索して焼き方を調べた。
本当に便利な世の中になったものだ。
何個か読んだが、このサイトが簡潔で写真も鮮明で気に入った。
問題の下処理についても分りやすく書いてある。
プリントしてかみさんに渡そうとしたが、そこであるものが目に留ったのだ。

ハツ元
ハツをきれいに切りそろえた際の切れ端を一体どうするつもりなんだ。 
もしかして捨てる気かっ!
そんなもったいないことしません。 それも串に丁寧に刺して焼き上げます。 
酒飲みにはたまらないハツ元という串が出来上がるわけです。

ハツモトというのは過去に聞いたことが無かったが、こんなキャッチーなことを書かれたらやるっきゃない。
というか気分的にはこの謎のブツの方が突如主役になった。

ハツの元の方で、白い脂身がまとわりついている。
調べても確信は得られなかったが、心臓に繋がる大動脈らしい。

そしていよいよ夕食。
ハツは捌いたことにより、プロの店のようなハート型になっていた。

う、うまい・・・(^。^)

そして件のハツモトだ。

なにこれ、超うめ~、美味すぎる・・・(^。^)

脂分が実に良い感じで、食感も独特だ。
ハツと交互に食べると変化が有って良い。

砂肝大好き、レバーは駄目なかみさんと息子もこの‘初物’は気に入った様子だった。

ここ2週間で昨夜は4度目の‘ハツ・パーティー’になったが、
ブログで取り上げるのなら自ら経験してみようと、久々に厨房に入った。
ハツを上下に切り分け、ハツの方は包丁を入れて裂き、水で洗って血抜きをする。
その後氷水に入れた。
血といっても実は‘血栓’だった。

これを取り除かないと、また梗塞系の病気を発症しそうだな・・・(>_<)

ハツモトの方も同様に水洗いする、細かい血管が見える。

思いの外あっさりと仕事を終えたが、久々の厨房は楽しかった。
これでも学生時代は時に手料理を女性に振る舞う腕が有ったナリポン。

この‘ハツ・パーティー’の材料費は約150円。
店によってはレバーと一緒にモツとして売っているが、ハツやハツモトを堪能するには
ハツ単体のパックを探した方がいい。

鶏一羽から1個しか取れない心臓だけに焼き鳥屋では貴重なハツ、ハツモトはもっと稀少だ。
一部店で提供しているところもあるようだが勿論数量限定。
メニューには載せず‘裏’で常連だけに出しているところもあるみたいだ。

それが自宅でやると、安い、美味い、数量限定なし。
前に紹介したふぐ白子焼きと違って通年で簡単に手に入るのも勝手が良い。

味付けはやっぱり塩だ。
これだけ何度もやってるから1本ぐらいタレにして‘試食’してもいいのだが、
そんな気がまったく起きないほど相性が良い。
一味や七味も不要。
強いて言えば、ハツの方には柚子胡椒か。
ハツモトの方は先ずは絶対素の味を楽しむべし。

2009年7月27日月曜日

宮里藍の悲願(仏)の米ツアー初優勝が達成された舞台は(仏)~再び松井秀喜との波長シンクロ説に期待~

宮里藍がエビアン・マスターズで優勝した。
マスコミ各社がこのニュースを報じる時にまるで談合したように使われた言葉が
‘悲願’の米ツアー初優勝だ。
‘悲願’をそのまま読むと‘悲しい願い’なのでやや妙な感じもする。
調べてみると‘悲願(仏)’とあるように本来は仏教上の言葉から転じて、
今のような意味で使われるようになったらしい。

私はこの(仏)に反応してしまった。
この大会はあくまでも米ツアーだが、開催されたのはフランス(仏蘭西)⇒(仏)なのだ。

悲願(仏)が達成された舞台は(仏)というのも洒落ているではないか・・・(^。^)

私が文句無しに強く応援している3大スポーツ選手と言えば、松井秀喜、宮里藍、浅田真央だ。
だから今回の藍ちゃんの優勝は実に嬉しいことだが‘スポーツ観戦はライヴに限る’が信条なのに、
それができなかったことが惜しまれる。
リアルタイムで観戦していたら1打毎に一喜一憂して優勝決定の瞬間は、
素直に涙するくらい感動できたと思う。

いつも笑顔が魅力の彼女が見せる泣き顔。
いつも意志の強さを感じさせる彼女が見せる涙。
いつもはきはきとした口調で語る彼女が感激の余りに陥る無言。

自分では遠回りではなかったと振り返る4年間だが、やはりそれらを凝縮させた感情が伝わってくる。

個人競技であるゴルフ、ライバル意識も高く嫉妬の世界になりがちだろうが、
今回の優勝を水を掛けて祝福する上田桃子や他の日本人選手たちの表情も実にいい。
これも藍ちゃんの人徳なのだろう。

昔は‘巨人、大鵬、卵焼き’、今は‘松井、藍ちゃん、アイスクリーム’ ~朝日新聞の‘最後の良心’~

これは2005年の秋に書いたものだが、この朝日のコラムニストの‘新語’は定着するどころが、
その後の展開を見ると完璧に滑ったと言っていいだろう。

かつては‘藍ちゃんと松井秀喜の調子はシンクロする’と唱えていた波動アナリストのナリポンも、
近年はその分析をする気も起きないほどだった。

しかしここは再びそのシンクロ説に密かに期待してみよう。
そう、松井秀喜の‘悲願達成’だ。
去年はその権利取りにさえ失敗したヤンキースだが今年は今のところ順調と言える。

11月の初めにでも‘ほら、言った通りになったでしょ’と書きたいものだ。

問題は(仏)が文字通り‘仏’になった時だね・・・(-_-;)

2009年7月26日日曜日

頑迷固陋な張本に喝!~松井秀喜のサヨナラ弾を評価しないことで自らMLBを語る資格が無いことを証明~

今日も「サンデーモーニング」ネタを取り上げてみた。
3週間前にこんな記事を書いた。
MLB蔑視の張本がイチローにツンデレの滑稽~「サンデーモーニング」で‘みんなダメジャー’発言~

このブログの読者は基本的に松井ファンが多いせいもあるが、
コメントを書いてくれた人達からも張本は大不評だった。
あんな奴相手にしちゃダメというおとなの意見もあったが、
何故かこの件に関してはガキになってしまうのだ。

松井が歓喜のサヨナラ弾を打った時から、‘イチロー以外は全員ダメジャー’だと
大見えを切った張本がどう出るか注目していた。
別にこんな低レヴェルの男の‘あっぱれ!’が見たい訳ではない。
寧ろ逆だ。
ニューヨーク紙の1面を派手に飾っただけでなく、
全米の各紙にもHideki Matsui、Godzillaの名前が躍った価値あるWalk-Off HR。
それを評価しないことで、張本が単なる頑迷固陋*なオヤジで、
MLBを語る適性に欠けた人間だということを証明した方が面白い。
私の事前予想は張本がスルーして、親分が‘あっぱれ!’といったつまらないものだったが、
その親分が夏休み。
これで全責任が張本になる理想的な展開。

そして‘ダメジャー’‘エエジャー’のコーナー。
勿論、松井のサヨナラHRは取り上げられたが‘あっぱれ!’は無し。
期待通りにこの男の価値観がMLBの本場と乖離していることが露呈した。

先週ミニ・張本化したことを親分に揶揄された関口がネタフリすると

いやぁ、イチローだけですね
あとはシーズン終わるまでこの程度の成績で終わると思いますよ


松井の連続HRは‘たまにはそんなこともありますよ’で切り抜けたが、
さすがに今回はそれでは乗り切れない。
何しろ松井よりもメジャー歴が長く、2000本近い安打を製造しているイチローが
サヨナラHRどころかヒットも打ったことが無いのだ。
イチローの失策はスルーしていたし‘イチロー以外は全員ダメジャー’の自説を
死守するためには何でもするようだ。
逆にそこまで張本をツンデレにさせたイチローはスゴイとも言える。
しかし、日本人メジャーリーガーが毎週、毎週いろいろなことをやっても、
この張本にかかると結論はいつも同じ。
毎週やる番組でこれは無いだろう。

最後、再び関口に松井に関してネタフリをされて
‘頑張ってほしいですね’と言った時の白々しさは笑止そのものだった。

TBSはいつまでこんな男を起用し続けるのだろうか。
メンバーの入れ替え無しの長寿番組はマンネリ化するだけでなく、権力と同じで腐敗する。

実は前回番組のKディレクターと電話で話をした時に、恣意的にMLBの凡プレイ映像を流して、
張本が嬉々として‘喝!’を入れるのは偏った作り方だろうと指摘した。
その意を汲んでかどうかは分らないが翌週以降、ファインプレイも平等に流すようになった印象がある。
製作者の努力にも拘わらず張本は相変わらずだ。
なにしろ凡プレイはMLBの程度の低さの証明に使い、
ファインプレイは‘民族の違いだからしょうがない’と言ってのける。
何がしょうがないのかも不明だし、何と戦っているのかも理解不能だ。
アメリカは多民族国家だし、MLBプレイヤーがアジアを含む多国籍なのは常識。
そもそも‘民族’という概念を持ち出すことに違和感がある。
やはり日本人には理解しがたい特殊な感情があるのだろうか。

というわけで、今回も最後はハリーチックにこの一言で総括しよう。

所詮、張本なんてその程度ですよ・・・(>_<)

頑迷固陋*
がんめい-ころう
頑固で視野が狭く、道理をわきまえないさま。また、自分の考えに固執して柔軟でなく、正しい判断ができないさま。頭が古くかたくななさま。

2009年7月21日火曜日

松井秀喜のヘルメット投げサヨナラHRでヤンキースが首位に並ぶ~白いパイは成功者の味~

ヤンキースの観戦記を書かなくなって久しい。
実は、ヤンキースが地区単独首位になるか、松井秀喜が地元紙の1面を飾るまで
‘ブログ断ち’をしようと考えてのことだった。
というのは‘真っ白なウソ’で他に時間を取られることがあるのが主たる理由だ。

但し冒頭で書いた‘願掛け’がほぼ今日現実になった。
松井秀喜が対BAL戦で9回裏にサヨナラとなる15号HRを放ち、
チームも単独ではないがア・リーグ東地区の首位タイになったのだ。

オールスター前の対LAA3連戦でスィープを喰らい、前場の引け味は最悪だったが、
後場の寄り付きは良い感じだ。
何れも接戦だが終盤でのHRが勝利を呼び込んで3連勝していた。
HRを放っているのは3番テシェイラと4番のA-Rod、お日柄的にはそろそろ松井の出番だと思っていたが、
それが今日実現した。
それもサヨナラだから感激も一入だ。
2003年の7月17日以来のキャリア2度目になる。

松井本人は‘甘い球’‘ラッキー’‘完璧’のインタヴュー‘3大必須単語’を使っていたが、
今日はそれ以上に満足し自分でも喜びを隠しきれない様子だった。

喜びの表現としては驚くべき光景が有った。
ホームプレートでは他の選手やコーチ達が松井を待っていたが、
松井がその手前でヘルメットを脱ぎ高々と空中に放り投げたのだ。

へぇ~、松井がこんなことするのか・・・(^。^)

現地のファンの書き込みにも
I have never seen Matsui ever show that much emotion.
↑こいつは例のゴジ・ジャンプを忘れてるけど・・・。

その後VTRを良く観ると、エロ、カブレラ、ポサーダが脱げ脱げと煽っているのがわかった。
放り投げたメットをキャッチしたのはカブレラだがそれをエロが強奪。
観客席に噂の女優のKate Hudsonがいたので張り切ってしまったのかもしれない。

まるで結婚式のブーケ・トスだな・・・(^。^)

試合後の松井は初めてのヘルメット投げについて‘ヤンキース流’に従ったと言っている。

同じく‘ヤンキース流’と言えば今年からバーネットが始めた顔面パイ攻撃がある。
過去8回他の選手たちが餌食になるのを見ていた松井もいざ自分がその主役になると、
すっかり忘れていたようだ。

これまた現地の書き込みにあったが、
That pie’s gonna have to be extra large!

日本ならわかるがあちらでは松井の顔なんてマイケル・ケイに比べれば‘小顔’に見えるのだが、
やはりデカイという印象を持たれているようだ。
実際今日のバーネットはコントロールも悪かったのか顔の1/4も白くなっていなかった。
何れにせよこのパイはサヨナラを演出できた成功者だけが味わえる。

それにしても、もう何度映像を観なおしたかわからない。
HR打球もいいが、それを懸命に追うチームメイトやファン達の眼差しが素晴らしい。
そして歓喜の輪の中心で会心の笑みを浮かべる松井がいい。

来年のことなど考える前に、今のチームで今日のようなシーンを何度見せてくれるか、
やはり応援し甲斐のある男だ。

ヤンキースが勝利した時点ではBOSは2-1とリードしていたが、その後TEXに大逆転を喰らい敗れた。
これでまったくの相星になったのだ。
この流れを生んだのも松井の一撃と言いたいところだが、ナリポン的にはすべての流れを作ったのは、
実はヤンキースの山口ことアセヴェスのような気がしている。

さて、もうひとつの願掛けのNY紙の1面ジャックだが、Newsdayの裏1面、
DailyNewsの表1面の1/3は確認できた。

2009年7月17日金曜日

日本がMLB.TVのblackout規制の対象外になったぞ~これで串刺し無しでライブ視聴が可能に~

4月にMLB.TVに関して記事を書いた。

MLB.TV Premiumの魅力と問題点~MLB視聴環境は自分で整える時代~

グーグルのアクセス解析を見るとそれなりに読まれている感じだが、
今日はその記事のフォローアップだ。

Live-game blackout lifted in Japan

オールスターのどさくさに紛れて飛び込んできたニュースだが、
日本がblackout規制の対象国から外れた。
オールスターだけかと思ったが今年のポストシーズンまで有効だという。

今までは規制の対象になっていたので、対象になっていない国のプロキシ、
通称串を刺す必要があった。

コレデ、ワタシ中国人ニナリスマス必要ナクナッタアルヨ・・・(^。^)

今日から始まった後半戦、ヤンキースは試合が無かったが早速試してみた。
確かにプロキシを使わずに視聴が可能だった。
今日の試合の一覧から次々とサーフィンしてみたが問題無く観られた。

私は規制下でも既に慣れていたのでそれほど大きな支障なくライブ視聴できていたが、
通信の安定性からいっても串を探す煩わしさが無くなる点でも大きな改善といえる。
或いは、MLB.TVに興味や関心が有りながらもプロキシに関してやや不安を抱いて今一歩
踏み切れなかった人達には朗報だろう。

今からだとMLB.TV Premiumで残りのシーズン全部で$69.95、1か月更新だと$19.95だ。
ノーマルヴァージョンだとそれぞれ$49.95、$14.95となる。
応援しているチームによっては既に‘圏外’になって今更という人もいるかもしれないが・・・(-_-;)

私のような捻くれ者だと、この改善によって‘今日もメシウマ、串刺し成功!’といった
喜びを味わえなくなることも懸念されるが、それも最初のうちだけだろう。
不必要なハードルを越えるエネルギーを無駄に使う必要は無い。

恋愛はそういうエネルギーも大事だけどね・・・(^。^)

2009年7月13日月曜日

まだ・林美雄を忘れない~元気なミドリブタに会える映画2本「太陽を盗んだ男」「ザ・レイプ」~

今年も巡ってきた林美雄の命日。
去年はアナウンサーの場合、役者や歌手と違って生前を懐かしむソフトが無いことを嘆いたが、
実は元気なミドリブタに会える映画が少なくとも2本はある。

「太陽を盗んだ男」(1979年)

昔観たことがあったが今回再び観てみた。
‘隠れた名作’として定評がある。
しかし、この言い方はかなり‘曲者’だ。
商業ベースで成功した作品、誰もが異口同音に誉める作品を貶すのは
捻くれ者や通を気取る輩には逆に快感になることもある。
一方で‘隠れた名作’を批判することは、自分の理解力や感性が実は劣っていることを
証明するようでやや恐怖がある。
そんなひとつのプレッシャーを割り引いても中々の作品だと思う。
実際ウィキで調べたら、
「1979年度キネマ旬報 日本映画ベストテン第2位、キネマ旬報読者選定邦画ベストテン第1位、映画芸術誌ベストテン第3位、映画人が選んだオールタイムベスト100(キネマ旬報/1999年)日本映画篇では13位に選ばれた。」
とあった。

肝心の林美雄の出演シーンだが、これは自分で目を凝らして見つけてください。
ヒッチコック作品でヒッチコックを探すよりは簡単だ。

「ザ・レイプ」(1982年)

この作品は今回初めて観た。
リアルタイムでは日本に居なかったし、田中裕子という女優が余り好みでなかったこと、
あとはタイトルがやや生々しくて手が出なかった。
何しろ高校生の頃平凡パンチやプレイボーイを書店で購入するのが恥ずかしくて
友達に頼んでいたナリポンですから・・・。
田中裕子といえば「火火」(2005年)で演じた陶芸家の役が最も印象深い。
そこから20年以上時間を‘逆走’して観る彼女は文字通り若々しく、裸体も瑞々しく、
井上陽水の‘青空、ひとりきり’に合わせて踊る姿もしなやかだった。
実際の自分の人生ではすべてのものが時の経過とともに枯れて衰えていくのが現実なので、
妙に新鮮に感じられた。
原作は落合恵子で彼女の著書なんてろくに読んだことが無いのに
何故か彼女らしいといい加減に感じてしまった。
監督は東陽一、他の作品も数多く観ているが、これまた安易に彼らしいと思った。

この映画での林美雄はしっかり役をもらっている。
オープニングのクレジットにも名前が出てくる。
田中裕子の上司で秋山という役だ。
登場シーンは、25分、43分、74分の3つある。
3つめが最もミドリブタを堪能できる。

ヴォリュームたっぷりの髪型、茶色の大きなメガネ、あれが80年代前半のファッションだった。

誰かに似ていると思いながら余りにもマイナーな人なので思い出せず、突き止めるのに苦労したが、
大木凡人(オオキボンド)というレポーターだった。
普通は答えに辿り着くと達成感を味わえるものだが、
これに限っては永遠の謎にしておいたほうが良かったと反省した。
じゃあ、わざわざ書くなよとミドリブタファンに言われそうだが実際にそう思ったことだから仕方ない。
因みに彼は古田敦也の従弟だそうだ。

アナウンサーという職業柄しゃべるのは得意な筈だが、やはり俳優として台詞になるとやや勝手が違う。
それでもどこか素の男としての林美雄を感じさせる部分もある。

ところで2本の映画の主役は沢田研二と田中裕子。
あれっ、このふたりって夫婦だよね。
陽水と石川セリはミドリブタのお陰で結ばれたが、もしかしてジュリーも・・・。
な~んてことはなく同じ年の「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」(1982年)での共演がきっかけらしい。

さて、今年は幸いはっきりしたネタがあったが来年の7月13日は何を書こうか。
まあ、1年じっくり考えましょう。

林美雄を忘れない~あの夏の光と影は何処へ逝ってしまったの♪~

続・林美雄を忘れない~愛はいつも束の間、今夜遠く旅立つ♪~

続々・林美雄を忘れない~それは小林千絵ちゃんのお陰だった~

又・林美雄を忘れない~あれから5年、命日には線香一本、花一輪~

又々・林美雄を忘れない~年に一度はミドリブタの美声と懐かしさに浸る~

2009年7月5日日曜日

MLB蔑視の張本がイチローにツンデレの滑稽~「サンデーモーニング」で‘みんなダメジャー’発言~

TBSの「サンデーモーニング」のスポーツコーナー「週刊 御意見番」は人気がある。
大沢啓二と張本勲が1週間のスポーツシーンを振り返りながら‘喝!’と‘あっぱれ!’を出す。
妻は欠かさず見ているようだが、私は今朝久々に見た。

そもそもNPB出身のジジイ二人がスポーツ全般を語ることに無理がある。
大沢は勉強不足だし、張本はどこかでコネタを仕入れてきてはいるが、
それ以前に独断と偏見に満ちている。

広角打法が売りの男だったのに、今は視野の狭い男に堕した・・・(-_-;)

張本のMLB蔑視は昔から有名だ。
但し蔑視する根拠は希薄で具体的な論理は聞いたことが無い。
恣意的とも思える凡プレイ映像を流しては‘所詮メジャーなんてこの程度です’が口癖だ。

NPBの優秀な選手がMLB移籍を希望した時点で‘悪人’扱い。
甚だ語弊はあるが、敢えて刺激的な表現を借りれば‘脱北者’を批判する彼の国の人と同じだ。

メジャーで安打を確実に積み上げるイチローに関しても、
‘試合数も違うし飽くまでも参考記録’
‘いわゆる逃げ打ちだから’
‘内野安打が多く単打ばかり’
‘数は多いがいいところで打ってない’
等々、認めていなかった。

松井秀喜は2006年のWBC不参加で完全に嫌われた。
人格批判ともとれる極端な発言をして、逆に江川紹子が噛みつく‘事件’があった。

そんな張本がイチローに関しては態度が豹変する。
彼はいわゆる‘張本越え’の瞬間をセーフコで観戦していた。
記録達成の直後電光掲示板で張本が紹介されたが、その時の顔がなんとも気持ち悪い。
普通の人なら単に微笑ましい光景だが、あの‘喝!’を連発していた張本がやるから問題だ。

なにこのツンデレ・オヤジ・・・(・o・)

その後はイチローを礼賛するだけは飽き足らず、相対的にイチローの価値を高めようとしてか、
他の日本人メジャーリーガーを貶めにかかる。
代表格の松井秀喜は格好の餌食だ。

今日の放送でもはっきりこうほざいたのだ。

みんな‘ダメジャー’でしょ
イチローぐらいのもんですよ
偶には良いところもありますけどね
大体全体的にダメで・・・
それは偶にはありますよ
何十回も、何百回もやるんだから
イチローだけですよ
そしてメジャーの放映長いよ
日本国内ちょっとこれからやりましょうよ
(関口:いやいやこっちで十分やりましたよ)
全然少ないよ


イチローが松井の‘直撃弾’を落球したエラーには‘喝!’どころか一切言及しなかった。
番組の大半をNPBに充てている現実があるのに、最後の一言にはさすがに関口をはじめ
スタジオ内が呆れた様子だった。
もしイチローがサイクル安打を達成でもしようものなら、それを繰り返し流しても
何も言わないような気がする。

ツンデレを通り越して‘張本、必死だなw’状態に突入、滑稽でさえある・・・(^<^)

昔はもっと是々非々のバランスがあった筈だが、今の張本は単なる暴走オヤジだ。
その暴走をどことなく‘歓迎’している感のある他の出演者にも問題はあるし、
番組製作担当者にも責任はある。

という訳で、久々に電凸を試みた。

大体上に書いたような趣旨のことを言ったが、丁寧に話を聞いてくれた。
折角、スタッフがその週の‘ダメジャー’‘エエジャー’を振り分けても、
張本がいつも‘あの総括’をしていたら意味が無いのでは・・・。
ある程度の辛口はいいが、今の張本はハバネロを一瓶打ち込んで料理そのものを
破壊している感じに思えるが・・・。
この辺の指摘には頷いていたような気がする。

‘張本氏の渡米費用、いわゆるアゴ、アシ、マクラはどこが払ったんですか?’
という不躾な質問には、当然の如く‘お答えできません’
さらに‘それが答えと考えていいですか’という下品な切り返しにも同じ答えだった。

およそ20分経ったところで、他にもじゃんじゃん電話がかかってきているということで話を終えた。
私が名乗ると先方も名乗ってくれたが、相手をしてくれたのはKというディレクターだった。
昔もそうだったが、TBSの場合は或る意味‘無防備’で、直接担当者と話ができる。

さて、来週の放送で松井が名投手ハラディから放った3本目のHRをどう伝えることか。

な~んてね、勿論、何も変わらないだろう。
放送局なんて、特に民放には数々の‘おとなの事情’があるに違いない。
TBSはWBCの中継に関係しているし、この番組のスポンサーにはユンケルもいる。
そうでなくてもTBSと言えば何かに局を挙げて集中投下することで悪名高い。

そう言えば、ググっていて目にしたが、あの亀田家騒動の時も張本は‘喝!’を入れなかったそうだ。

所詮、張本なんてその程度ですよ・・・(>_<)

2009年6月23日火曜日

映画「おくりびと」で一番おいしいシーンは77分からの3分半~食の主役、ふぐ白子焼にも‘雄かー’をあげたい~

オスカー映画‘おくりびと’のみどころは随所にあるだろうが、
一番おいしいシーンは77分からの約3分半だ。


何ですか、これは?
ふぐの白子
炙って塩で喰うとうまいんだ
女房だ
9年前にな、死なれちまった
夫婦ってのはいずれ死に別れるんだが
先立たれると辛い
きれいにして送り出した
俺の第1号だ
それ以来この仕事をしている
これだってさ
う~ん、これだってご遺体だよ
生き物は生き物を喰って生きてる、だろ?
こいつらは別だけど
あ~あ~・・・
死ぬ気になれなきゃ喰うしかない
喰うんならうまい方がいい
うまいだろ
うまいっすね
うまいんだよなぁ、困ったことに

本木の台詞は‘何ですか、これは?’と‘うまいっすね’だけで
他は全部山崎だ。

初めて食す本木の方が断然美味そうな喰い方だ。
アツアツのハフハフが実にいい感じ。
喰い慣れている山崎の方のチュ~・チュ~はあまり美しくない。
本木という俳優は天賦の才に恵まれているというより、
自分で努力を惜しまずとことん演技を探究するタイプに思える。
この白子焼を喰らうシーンも例外ではない。
扇子を片手に美味そうに蕎麦を食べる芸を毎日研鑽して会得した落語家のようだ。

ほぼ週に1回は通う馴染みの蕎麦屋の傍に中小の料理屋が食材を求めて通う食品専門店がある。
偶に寄ってみるが実は2月の末に一度、‘まふぐ’の白子を見つけて焼にして大満足だった。
但しそれっきり。
忙しく魚を捌いている職人に訊ねると、シーズンも終わりだし、
本来はプロ相手にしか売らないと素っ気なかった。

仕方がないと諦めていたのに、その後この映画のシーンを観て堪らなく食べたい衝動に駆られた。

そして先月、同じ店で‘再会’を果たす。
フグ白子としか書かれていなかったが、質すと‘しょうさいふぐ’だった。
詳細は不明だが早速購入。

ふぐといえば養殖でも構わないから‘とらふぐ’に拘るのがナリポン流。
これはその昔浅草の老舗店で同時に食べ比べた時の‘トラウマ’によるものだが、
どうやらそれは鍋や刺身、あとは皮に関してかもしれない。
白子焼や唐揚げなら‘まふぐ’や‘しょうさいふぐ’でも十分に許容できる。

映画の中では、炭火で網焼きをした白子を皿にとって少し冷まして、
素手で掴んで口に運んでいる。
自称‘猫手’‘犬舌’のナリポンには到底無理な芸当なので箸を使う。
その分まさに焼きたての熱々を堪能できる。

塩は‘カンホアの塩’というベトナム産の物をつかっている。
7年前に或る飲み屋で食べた‘塩むすび’が大いに気に入って主人を通して出処をつきとめ大量購入した。
肉系にはイマイチなので使ってないが米と魚介類には実によく合う。

ところで魚介類の世界では雌の方が雄に比べて遥かに価値がある。
キャヴィアしかり、鮭しかり、上海蟹しかりだ。
鮭の白子は一度札幌で天婦羅をウリにしている店に行ったことがあるが、
喰えたシロモノではなかった。
雄が頑張っているのは真鱈ぐらいだろうか。

この‘おくりびと’の脚本を書いたのは小山薫堂という人で、映画の脚本は初めてだそうだ。
かつて、フジTVの‘料理の鉄人’の構成を担当していたとのこと。
そのせいか食を活かしたシーンが目立つ。
新鮮な鶏一羽を鍋にしようとする絵はかなりグロい。
お礼の気持ちが込められているのはいいが、干し柿は全然うまそうじゃない。
クリスマスを祝いながらフライド・チキンにしゃぶりつくが食べ方が雑過ぎる。
バケットにマグロの刺身とマヨネーズで変則ツナマヨにするが別に惹かれない。

ピンク映画で監督デビューした滝田洋二郎がこの‘おくりびと’でオスカーを手にした。
映画の評価は色々あるだろう。

個人的には食の主役、ふぐ白子焼に‘雄かー’をあげたい・・・(^O^)/

実はこの1ヶ月半で5度も白子焼を食べている。
100グラム250円と手頃だし、例の素っ気ない職人にはいつまで入るかわからないと、
脅されているせいもあるが、要するにその頻度で食べても飽きない魅力があるということだ。

オスカー効果で映画の興行収入同様、ふぐ白子焼の需要が伸びているかどうかは定かではないが、
もしチャンスがあったら試してみたらいかが?

但し、ふぐ調理師のライセンスの関係からか一般スーパーで扱っていることは少ない。

2009年6月20日土曜日

5時間半も待たせてMLB最弱球団に連敗したヤンキース~Newsdayの裏1面は絶好のチャンスに三振した松井秀喜~

ワシントン・ナショナルズの弱さはMLB全球団の中でも際立っている。
各地区最下位と言っても勝率4割ある中、唯一勝率2割台だ。
インターリーグのスケジュールの中では明らかにボーナス・ステージでSWEEP必至、
最悪でも勝ち越しはするだろうと思っていたら、何と負け越してしまった。

雨の中なんとしても試合を敢行する決意は固く、当初の予定より5時間26分も遅れてfirst pitch。
球場に我慢強く残っていた1万人ぐらい?の観客は空いている席に移動できる特権を与えられたが、
負け試合をみせられたんじゃ堪らない。

前日同様、相手の初物ピッチャーに手を焼いた。
3点差で迎えた7回の反撃、1アウト、2,3塁のチャンスで松井が登場する。
アウトになっても最低限1点は当然入るものと思ったが、何と空振りの三振に倒れてしまう。
結局この回も0点で3-0のまま敗戦。
前の試合では9回1点差に迫って1アウト1,3塁。
同点にはなるだろうと思いきやカノーがショートゴロを打ってゲッツーでゲームセット。

ヤンキースの面々の‘最低限シチュエーション’での体たらくは年々際立っているような印象があるが、
一時はMLBの中で最も強いと言われた松井までも同病に襲われつつある。

負け試合で松井の活躍も無く、当然ブログの更新は無し。
ところがさっきニューヨーク紙の1面チェックをしていたら、何とNewsdayの裏一面が松井だった。
数少ない絶好のチャンスだったから戦犯イメージで使ったのだろう。

今までは松井がヒーローになるような活躍をした時に懸命にチェックしていたが、
逆のケースもあるということだ。
アーカイヴを調べたらBOSに7連敗目を喫した後の6月11日の裏1面にも松井が登場していた。

いたずらに松井を晒す気はさらさらないが、ニューヨーカーの世論形成上は影響があるので
敢えて取り上げてみた。

因みにマイケル・ケイが放送中にまるでヤンキースの広報のように何度も説明していたが、
5時間半遅れで試合を敢行するかどうかを決めるのはMLBと審判団であって、
ヤンキースは関与しないそうだ。

まあその雨のお陰でBOSがコールド負けしたのがせめてもの救いか。

明日からは、松井ファンには手持無沙汰なナ・リーグ主催の試合が9試合続く。


《追記》
昨日の試合実施に関してヤンキースの関与が無いとしきりに主張していたマイケル・ケイが、
今日の放送中にあれは自分の間違った思い込みだと謝罪していた。
リスケジュールを含めてヤンキースが関与している。
だよね~。
私も意外感があったのでわざわざ紹介したが・・・。
因みに昨日のチケットは使った人も使わなかった人も今季か来季、代替観戦できるみたいだ。

2009年6月15日月曜日

サンタナが松井に打たれにやってくる♪~ヤンキースが滅多にない滅多打ちでメッツ(滅)に大勝~

朝ご飯を運んで来たかみさんとの遣り取り。
‘ヤンキースがバーネット、メッツがサンタナ、スコアは15-0、勝ったのはどっちだ?’
‘えっ、わざわざ質問するってことはヤンキースなの、ありえない~、で松井君は?’
‘2ランホームラン、あれがサンタナに引導を渡したな’
‘ふ~ん、やるじゃん’
‘ほら、クリスマスソングにもあるじゃん、サンタナが松井に打たれにやってくる♪’
‘・・・・(-_-;)’

朝一番でオヤジギャグ炸裂。
確かに上機嫌だったが実は余りにも大味過ぎて途中からはやや白けて観ていた。
サンタナが3.0/3で9失点というのはキャリア・ワーストらしい。

ヤンキースが滅多にない滅多打ちでメッツ(滅)に大勝・・・(^O^)/

一方最近は全然ピリッとしないバーネットだが、無死満塁のピンチを審判達の強いサポートを
受けて乗り切ると、あれよあれよで7回無失点。
結局完封リレーに成功した。

これだけ点数を取っているんだから先発全員安打かと思いきや、エロとスイッシャーはノーヒット。
でも今日の試合を決定させたのはナリポン的にはスイッシャーのG.J.なのだ。
メッツの先頭打者の当りは右中間に飛んだが、これをランニング・キャッチした彼はフェンスに衝突した。
そこには新球場になって登場した?フェンウェイ風のレトロなスコアボードがあるが、
ぶつかった時の衝撃で‘METS’のボードが外れて傾いたのだ。

あれでメッツのdownが暗示された・・・(>_<)

それだけでも見せ場十分のシーンだが、それで終わらないのが奴の魅力だ。
足で引っ掛けて外してしまった青い緩衝材は自分で嵌めて蹴って修復したのに
メッツのボードは放置した。
実況のマイケル・ケイが‘よろずやスイッシャーがグランド整備員になりました’

確かに外野も内野も時には投手にもなるし修理もする便利屋だな・・・(^。^)

ヤンキース負け、ボストン勝ちで禁断の4ゲーム差になることも覚悟していたが、
ベケットも7失点して負けて2ゲーム差になった。
明日のオフを前に最高の結果だ。

さて松井だが‘完璧ホームランの後はタコる法則’にそろそろ決別しようぜ。

2009年6月13日土曜日

Birthday boy Hideki Matsui~カーテンコール級の3ランHRでもヒーローになれなかったがヤンキースは喜劇的勝利~

松井秀喜は去年の34歳の誕生日にグランドスラムを打って大ヒーローになった。
あれから1年、フラッシュバックでそのシーンが流される。
2打席凡退して迎えた第3打席、2点ビハインドだが1死1,2塁のチャンス。
YESのマイケル・ケイは‘Birthday boy Hideki Matsui’と紹介した。

35歳でboyかよ・・・(>_<) しかし、その紹介の直後にboyは見事に期待に応えた。 軽~く打った感じだったがその瞬間HRとわかる逆転の3ランをセカンド・デッキへ運んだ。 サブウェイ・シリーズならではの光景だが両チームファンが混在するスタンドで、 ヤンクスのファンが一斉に打球を目で追い入った瞬間狂喜乱舞する。 これはカーテンコール級の一発だろう・・・(・o・) 私は去年同様試合後のYESのインタヴューに松井が呼ばれ、 ニューヨーク紙の1面を独占する近未来を想像した。 いつもは両チームの話題性によってどっちかしか取り上げない地元紙も このシリーズはどう転がってもその試合のネタが1面になる。 しかし現実はそう甘くは無い。 1点のリードをホールドすることはできずにあっさり同点にされた。 まあ、仕方がない、また松井が勝ち越しを決めればいいだけだ。 ところが8回、昨日のBOS戦で懲りたのが2アウトランナー無しでリヴェラを起用するが、 これが裏目って1点の勝ち越しを許してしまう。 あ~ぁ、結局松井のバースディー・アーチは‘空砲’になるのか・・・(-_-;) 8回の裏は松井を含めて1-2-3イニング。 1点差のままでメッツは新戦力のK-Rodが登場する。 2アウト2塁で対戦成績19打数2安打のテシェイラを敬遠して、14打数1安打のA-Rodとの勝負になる。 セカンドへのポップフライで万事休すと思われたが、カスティーヨがこれを落球。 ジーターに続き、基本に忠実にしっかりと走っていたテシェイラがサヨナラのホームイン。 ‘retake合戦’の結末はヤンキースの喜劇的勝利で終わった。 YESのヒーロー・インタヴューに呼ばれたのはエロだった。 セカンド・デッキへの3ランHRよりセカンドへのポップかよ・・・(>_<)

まあ、エロは今回は‘Hah’と奇声を発した様子は無かったが、
打ち損じてバットを激しく地面に叩きつけた震動が影響したかもしれないし、
ポップの落球では定評があるエロ・インフルエンザ菌のお陰かもしれない。

松井秀喜のバースディ3ランが一面を飾るベスト・シナリオにはならなかったが、
空砲になるワースト・シナリオを回避できたはなによりだ。

サヨナラの瞬間の松井の喜び方や笑顔がそれを物語っている。

さて、チャート的には来年の誕生日に松井が2ランHRを打つことは‘明白’だが、
どこのユニフォームを着ていることやら・・・。
着てないとかはやめてくれよ。

2009年6月8日月曜日

Hustling Hideki~松井が今季初のNY紙1面登場を果たしたしょっぱい‘決勝2ゴロ’~

nypost-06-08-09


昨日の試合から現地の実況はしきりにゴージャスとかビューティフルを連発していたが、
確かにハイヴィジョンで観ると惚れ惚れするような天気で芝生が輝いている。

天気とは裏腹に暗いのは松井ファンだ。
そもそも松井自身の表情が冴えない。
昨日はスタメンを外れ、8回の裏勝ち越しのチャンスで登場したが三振に倒れた。
YESでも相当問題視したチェック・スウィングの判定だったが、
クラッチ・ヒッターを標榜していた頃だったら(←過去形)その前に何とかしていたかもしれない。

今日はスタメン出場したが、2ゴロ*2+センターフライで相変わらずヒットレスだった。

8回の4打席目は名誉挽回には絶好の場面。
既に2点入れて同点、しかも1死満塁だ。

かつてはキングとも呼ばれた最低限シチュエーションだが、
今の松井には昔ほどの安定感、信頼性は無い。

初球をバットの先に引っかけてしまいこの日3つめの2ゴロ。
しまったと思う余裕もなく必死に1塁に走った。
マイケル・ケイが絶叫する・・・‘NOT IN TIME’
エロが生還しヤンキースが逆転に成功した。

狙ってもなかなか打てない絶妙のソフト・グランウダーだった。

何としょっぱい勝ち越しRBIなんだ、まあ3度目の正直だな・・・(>_<)

いいんです、兎に角何とかする、これが実に大事なこと。
一歩いや半歩間違えばゲッツーでイニング終了、A級戦犯扱い必至だった。

因みに、デービッド・コーンが厳しく非難していたが、
1塁ランナーのポサーダの漫然とした走塁は頂けない。
打球処理をした場所からいって、あそこは一旦ストップして、
確実に併殺を防ぐことを考えなければいけない。

昨日は代打でしかも2アウトだったが、決め切れなかった松井が今日はしょっぱい方法だが、
逆転を演出した。

そしてもうひとり、昨日苦杯をなめたリヴェラが登場する。
今日は快調に2アウトを取り、迎えたのは代打ロンゴリアだ。
昨日はジラルディに敬遠を指示され、本人は勝負したかったのに結果的にはそれが裏目となった。
‘チーム内不一致’をマスコミは騒ぎたてていた。
そう言えば、去年もムースとの間で同じようなことがあった。

そのモンゴリアが2ゴロで試合終了。

結果論と言えばそれまでだが、形の上ではリヴェラ自身が‘自説’の正しさを証明した事にはなる。

今年のヤンキースは今日で33勝目になるが20個目の逆転勝ちというのは驚異的だ。
そして、ほとんどどうでもいいがジラルディの監督としての200勝目になるそうだ。
松坂が投げたBOSが負けたので単独首位に返り咲いた。

松井の2ゴロが‘決定打’になったんだから、もっと起用方法を考えろよ・・・(^。^)

というのは冗談で、今日で4試合ヒットレスという状態では何かと厳しい。
但し、試合終了後の表情にはやや明るさも戻っていた。

松井にとっては単にヒットを打つことではなく、チームの勝利に貢献できることが最大の良薬だ。
この決勝2ゴロが何かのきっかけになってくれれば嬉しいが・・・。

いやはや、驚いた。
NY紙をチェックしたら、あの松井来年不要説を展開したNY Postの裏1面が松井だった。
今季初登場だ。
WINNING the RACEの見出しで
Hustling Hideki helps Yanks rally past Rays, move into first

これは流石と言っていいのかお目が高い・・・(>_<)

2009年6月3日水曜日

松井秀喜よ、身の振り方も気になるだろうが先ずはバットの振り方だ~止めを刺した8号3ランにテシェイラ大興奮~

NYポストに松井がヤンキースと再契約するのは‘ZERO CHANCE’と報じられた。
ソースは‘several Yankee executives’とされている。
個人的には何を今更という感じで、相場的には‘織り込み済み’だろう。
このニュースに反応しているのは一部の情報弱者達だが、
世の中はこういう弱者の方が圧倒的に多いのも事実だ。

‘織り込み済み’は余り有能とは思えないエコノミスト達が多用する陳腐な言い回しのひとつだが、
同様に奴等が好む表現に‘影響は限定的’というのがある。
実は何も分析できない、予想できない連中が専門家の振りをするには極めて便利なフレーズだ。

松井の場合も‘影響は限定的’かと言えば、そうではないだろう。
松井を相応の条件で欲しがる球団が無ければ、失業の危機だ、
それは即ち選手生命の終焉を意味する。

私が現役ディーラーだった頃も、実績を残せずにfireされた人々を数多く目にしてきた。
自分がその候補になりかけたこともあったし、最後の方はfireする立場になって
彼(女)等の人生に影響を与えてしまったこともある。

松井も当然のことながら来季以降、或いは今季中に起こり得ることを考えないことはないだろう。
しかしである、自分の身の振り方も気になるだろうが、先ずはバットの振り方だ。

それほど単純でも容易でもないだろうが、今こそ松井流の目の前の試合でチームのために全力を尽くす、
いつもの姿勢を崩さずに頑張って欲しい。

そういう姿を誰かが必ず見ているし、それが何らかの形で報われることもあるだろう。

今日の松井のバットは良く振れていた。
第1打席は実質ダブルの当たりだったが1塁ランナーのポサーダの判断が悪くシングル。
ポサーダはアウトになったがガードナーのタイムリーで先制点に繋がった。

圧巻は4回の第3打席だ。
チームは2-3と1点ビハインドだったが、4点入れて既に逆転していた。
そこで止めを刺したのが松井の3ランHRだ。
いつものことだが何度見ても完璧な当り。
この打球が飛んでいった時に観客の歓声とともに最も興奮していたのは、
いまや打って守れる頼りの人、テシェイラだ。

このイニング2度目の死球を受けてfired upしていたが、彼がショボの2ゴロで2塁へ決死のスライディング。
ゲッツーを免れて、勝ち越し点になったのだ。

ベンチに戻る時のオベーションはジーターのキャリア1500得点よりも
テシェイラのガッツに対するものだった。

普段はディズニーのアニメに出てくる犬のような顔をしているが、それがHRの瞬間吠える、吠える。
松井が打ったピッチャーは既に代わっていたが、
それでも‘ゴジラ、よくぞ叩きのめしてくれた’といった感じだったのだろうか。

テシェイラの熱気はベンチ内に伝わっていたから、松井がベンチに戻るとハイ・ファイブで大盛り上がりだ。

今季でお別れになるチームメイト達だが、チームメイトは野球をやっている限り必ずいる。
どこでプレイしようが死ぬまでついていくファンもいっぱいいる。

2009年5月28日木曜日

ヤンキースは首位に立ち、松井秀喜は連続弾でお立ち台に立った日~一応ダブルおめでただが相場観はbearish~

松井秀喜の‘不動心’も流石に揺らいでいたのではないだろうか。
自分がタコって負けて、代打出場すると三振。
7番に降格され、自分が一本打っていれば勝てたチャンスのある接戦を落とし、
完全休養するとチームの打線が爆発して大勝。
先発復帰して一応マルチヒットは記録したがチームは勝てず。

自分の不調もそうだが、チームの命運が自分と関係の無いところで決まっている。
チームの勝利が最優先の野球観を持つ男にとってはかなり堪える状況だったと思う。

昨日の試合の2本のヒットで打撃が修正されたとする日本のマスコミの浅はかさを証明するように、
今日は三振スタートで2打席目はお決まりの2塁ゴロだ。

素人目には何も修正されていないし、スランプが長引きそうな印象しか持てなかった。

ところが第3打席は、初球をぶったたくとライトへ一直線。
‘No doubt’のHRだった。
前の日のダブルもフェンス直撃で、あとほんの少しでスタンドに入りそうだったが、
打撃フォームも打球もまったく比較にならない。
試合の流れで言えば3-0でリードしている中でのソロ・ショットだった。

本来HRは誰でも殆どの場合そうなのだが、何度見ても完璧だ。
ただ今年の松井の場合、スランプの中でも突然飛び出すから実に奇妙に感じる。
そしてHRを打った後はまた低迷する傾向にあるから復活宣言もできない。

言葉は悪いが一種の‘徒花’のようなもので満開には繋がらない。

勝てそうな試合展開の中で出たHRを喜びながらも、私は直ぐに次の心配をしていた。

松井の第4打席、YESの番組内では協賛しているLand RoverのDrive of The DAYに
松井の第6号HRが選ばれたことが紹介された。

するとフル・カウントからまたまたHRを放ったのだ。
無死2塁だったからRBIがあればいいなと思っていたところで出た2打席連続弾。

ヤンキースの得点なのに場内の歓声がかなり大きい。
実際、アウェイなのにNYY関連のものを身につけている人達も結構目立つ。

私の心配を余所に松井は‘のうのう’と打ちやがった・・・(^。^)

ベンチに戻った松井を3-3で自分が主役だと思っていたジーターがややジト目で迎える。
ジラルディが手を伸ばしてくるが、松井がそれを華麗にスルー(これホントの話)。

ジラルディと言えばスランプに悩む松井に直接叱咤、激励の言葉をかけたらしいが、
松井のように組織に対してロイアルティの高い人間には一定の効果があったかもしれない。

試合は最後王建民がパーフェクト2イニングでしめて終了。
選手を迎えに出てくる松井をカメラが捉え、監督以下多くの連中が松井に握手を求めてくる。

松井を主役にしたカメラワークを証明するように、
YESのキム・ジョーンズのヒーロー・インタヴューに呼ばれたのは松井だった。

私の記憶では去年のバースディ・グランドスラム以来の‘お立ち台’(台は無い)である。

以前書いた
松井秀喜の‘perfect English’~オフに広岡勲氏に提言したYESでの‘単独’ヒーロー・インタビュー~

は実現しなかったが、言い方をかえれば通訳を使うハンディを考慮しても今日の試合は
松井をヒーローにしたかったということだ。
そういえばサヨナラ男、メルキーもスペイン語通訳を介して応じていた。

今日の勝ちでヤンキースはBOSと並んで地区首位にたった。
TORが9連敗するという‘暴落’にも恵まれたが、2.5週間でまさかここまで這い上がるとは・・・。

ヤンキースは故障者が多い割に健闘している。
14試合連続ノー・エラーだそうだ。
このまま首位争いに絡んでいけそうだ。

チームが首位に立ち、松井秀喜は2連発で今季初のお立ち台に立った。
ファンとしては‘ダブルおめでた’で何とも嬉しい1日、いや明日はオフなので余韻にも浸れる。
ひたすら、試合のあるBOSを‘逆応援’していればよいだけだ。

但し、松井秀喜に関しては今日の2発で完全復活などと言える気分ではない。
基本的に、今年の松井に対する相場観がbearish(弱気)なのだ。

まあ、ナリポンがヘボ相場師であることを願っている・・・(>_<)

因みに、ロードに出る前に髪を切れという私の進言は通じた。
松井がインタヴューで言っていた‘アジャスト’とは髪のことだったかも・・・(^。^)

う~む、残念
密かに期待していたNY紙の一面は、ビデオ判定勝利のメッツが独占だった。

2009年5月24日日曜日

果報は寝て待て?~4時間差録画観戦で興奮したヤンキースの大逆転サヨナラ劇byドミニカン・ブラザーズ~

ヤンキースはフィリーズとの初戦を落とし連勝は9で止まった。

破竹(8、9)の連勝はあっても10までは難しい・・・(-_-;)

第2戦はFOXのサタディ・ベースボールで全国放送なのはいいが、時間が日本時間の5時過ぎだ。

基本的にヤンキースの試合開始時間は2-5-8―(9)-11の筋待ちだ。
病人の強みでいつ寝ても起きてもいい生活なのだが、一番好きなのは8で2も大丈夫。
5は弱い。

今日は2時過ぎに松井がラインナップから外れることを確認し、ライブ観戦をやめて寝ることにした。
後でMLB.tvのアーカイブでも観られるし、今日はNHKで9時過ぎから録画放送がある。

勿論一切の関連情報を遮断するから、一応4時間遅れで始まる‘LIVE観戦’とも言えなくは無い。
但し、不思議なものでどこか‘生’ほどのめり込めない。
淡々とした試合展開で、8回に代打出場した松井も三振に倒れ、寒々しい感じ。

ところが2点差のまま迎えた9回裏に‘録’でも大興奮する事態になった。
松井からDHの座を奪ったA-Rodがライトへ同点2ランHR。
打率は2割だがHR率が7割というのは流石である。
おまけに今季は帳尻でなくゲームの中で価値あるものが大半だ。

続くカノーがシングルで出塁し、すかさず2塁へスティール。
打席にいるのはカブレラだ。

RISPになった途端、突然こいつがまた決めそうな気がした。
予感は的中、今季だけで3度目のサヨナラタイムリーを放つのである。
4番、5番、6番のドミニカン・ブラザーズで一気に演じたサヨナラ劇だった。

しかし、hot とかdelivery とかmilkを使った一面の言葉遊びも限界だな・・・(>_<)

正直カブレラは能力云々ではなく見ていて、あまり好きな選手ではない。
生意気というか目立ちたがりというか妙に気に障るのだ。
まあそういう感情になる一因には、松井とポジション争いをしていたこともあるが・・・。
ただ今やチーム随一のサヨナラ男、超クラッチ・ヒッターと認めざるを得ない。

実は今日のように‘生’ではなく時間差観戦したことが、今季もう1回あったが、
その時もサヨナラで勝ったのだ。

果報は寝て待てか・・・(>_<)

実際松井がラインナップから外れるディ・ゲームが増えるとそうなりそうだ。

因みにTORもBOSも1点差で連敗、あんなに遠かった地区首位が直ぐそこに見えてきた。

2009年5月21日木曜日

ヤンキースが連勝中なのに‘一人負け’の松井秀喜~最終打席でやっと一本出た時のベンチの迎え方~

ヤンキースファンとしては連勝を素直に喜ぶべきだろうが、
松井秀喜ファンとしてはかなり落ち込んでいる人が多いのではないだろうか。

松井以外の主力が大当たりなのに松井が冴えない。
昨日の試合ではひとりだけ出塁もなく、1イニングで2度アウトになる珍記録。

みんなで打てなきゃ怖くないが、他の連中が派手にやらかすから、
松井の‘一人負け’が一層際立つ。

守備の人と揶揄されていたテシェイラもA-Rod復帰後は絶好調だ。

そして今日は不調仲間と思われたスウィッシャーにも見放された。
なんと6番、7番、8番が3連続HRを演じるのだ。
あのシェフ、エロ、松井以来だ。

麻雀の役で言えば一気通貫で五萬のカンチャン待ちをしている間に2,3,4の一盃口が
出来て聴牌はしたが、引き続き五萬が地獄待ち状態といった感じだ。

今日も併殺打に始まって3タコ、直近で17打数3安打のスランプで臨んだ第4打席。
1アウトでwalkのエロが1塁にいる。
2球目をバットを折りながらライト前シングル。
ここから猛攻が始まり一挙に6得点、プチCrazy 8thになった。

1点入って3塁ランナーになった松井には代走が送られた。

先ずは次打者のカブレラとハイタッチし、ベンチに戻ってきた時だ。
次から次へと選手やコーチが松井を迎えに出てきたのだ。
巨漢のイメージで尻も重そうだが実はサバシアはこういう時いつも素早い。
最後はキャプテン、ジーターが得意の頭ナデナデだ。

確かにあの時点で2点差を3点差にするインシュアランス・ランのきっかけになったのは事実だが、
総出の価値があるかは疑問だ。

そこで私はある種の‘深読み’をしたくなった。
松井の‘ひとり蚊帳の外状態’を気にしていたのは、本人とファンだけでなく
チームの連中全員だったのではないか。

かなり情緒的な解釈かもしれないが、そんな温かさを感じさせる光景だった。
まあ、それだけ今のチームの雰囲気がいい感じなのもあると思うが・・・。

8回2点差で4アウト・セーブをする筈のリヴェラは9回8点差という不慣れな状況で、
ソロHRを浴びるがゲームセット。

松井も勿論ベンチから迎えに出てきたがジラルディの前のポジションを確保。
これまた珍しいが出迎えが終わると流れ的にジラルディとボディータッチをした。
顔にもやや明るさが戻ったような気がする。

たった1本のヒット、それもシングルでここまで想像を巡らすのは、
まさにファンならではの‘愚の骨頂’と言われればそれまでだが、
開き直って言い返すならば、これこそファンとしての‘真骨頂’だ。

チームは8連勝で地区首位のTORとのゲーム差も2.5になった。
明日以降チームや松井がどうなるかはわからないが、松井はロードに出る前に
髪を切ってスッキリした方がいいと思う。

2009年5月18日月曜日

ヤンキースが驚異のサヨナラ、サヨナラ、サヨナラ~同点には貢献できてもヒーローにはなれない松井秀喜~

はい、みなさん
驚きましたね、びっくりしましたね。
なんとあのジラルディ監督の率いるヤンキースが3試合連続のwalk off winですね。
今までこの監督になって駄作が多かったから意外でしたね~。
そこでわたし、しっかり調べました。
1972年の8月以来だそうです。珍しいですね。
まだ松井選手もジーター選手も生まれていませんね、古いですね。

おまけにヒーローは日替わりですね、これも面白いですね~。
カブレラ選手は今年だけで2度目ですね。
英語ができないので通訳をつけてインタヴュー受けてましたね。

次の試合はあのA-Rodでしたね。
お金たくさん貰ってる人ですね~。
いったい何に遣っているのか気になりますね。
他にもいろんなスキャンダルがある人ですね~、お騒がせですね~。
エロいですね~。
ところでドミニカ出身が連続でヒーローですね。
そこでわたしは今日はてっきりカノーがヒーローになるかと思ったら違いました。
予想は難しいですね~。

今日はデーモン選手でした。
この前審判に文句を言って退場になった人ですね~。
あれ、実は長打の連続試合の記録がかかっていたんですね。
惜しいことをしました。
でも今日は決めてくれました、見事でしたね~。
2004年のレッドソックスの頃の恐さがありましたね~。
この人は契約の最後の年には良く頑張る癖があるんですね~。

契約の最後と言えば我らの松井秀喜選手もそうですね。
昨日は8回に代打で出場して、同点に追いつくきっかけとなる
貴重なダブルを打ちましたね。
あともう少しでホームランでした、惜しかったですね~。
でもあっちの方向はホームランになりませんね、最後のひと伸びが無いですね。
今日も7回、エロのホームランで1点差になった直後にライトへダブルを打ちました、はい。
ボールがコロコロ、コロコロ転がってSONYの看板に届きました。
隣にはあの読売新聞の看板があるんですね~、漢字で書いてたらアメリカ人読めませんね~。
その松井選手は1アウト3塁でレフトフライがあがって、一生懸命に走りました。
炎のランナー顔負けの走りで同点になったんですね、良かったですね~。
でも野球は相手より点数取らなきゃ勝てないんですね、当然ですね~。
そこで8回にチャンスが来るんですね。
2アウト満塁でバッターは松井。
ヤンキースタジアムにはベートーヴェンの運命が流れるんです、盛り上げますね~。
そう誰でも知ってるジャジャジャジャ~ン♪
代わったばかりの相手のピッチャーが3球続けてボールを投げて来たんですね~。
きっと松井選手が怖かったんですね。
わたしはここで押し出しで1点入ると思ったんです。
球場の観客もそう思って一生懸命拍手してたんですね。
でも、実際は1球ストライクを見逃してから2球連続でボール球に手を出して
三振しちゃったんですね。
予想は難しいですね~。
観客も大きな溜息でした。
一寸先は闇ですね~。恐いですね~。
あそこで決めてくれれば大ヒーローになれたのに惜しいですね~。

でもあのナリポンさんの名言にあるように‘勝ちゲームに戦犯無し’で
良かったですね~。

今日の勝ち投手は昨日に続いてアセベスという人でした。
日本の巨人軍にも山口という投手がいて、リリーフなんですが
彼が投げると不思議と勝ちが転がりこんでくるんですね。
洋の東西を問わず運を持った人にはのった方がいいですよね~。

サヨナラ勝ちをするのは必ずしも強いこととは限らないんですが、
観客が興奮するのは間違いないですね~。
9回裏のガードナー選手の本塁突入とマウアー捕手のダイブは見ごたえ十分でした。
セイヤ!のおじさんは暴走だと怒ってましたが、紙一重のプレイでした。

ところで日替わりヒーローを襲う凶悪犯がいるんですね、恐いですね。
アメリカのコメディの定番のパイ投げで顔を真っ白にするんですよ。
デーモンは髭剃りでもするのかと思いました。
ま~、わたし驚きました。
凶悪犯はバーネットだったんですね~。
松井選手もヒーローになって狙われるようになるといいですね。

ヤンキースはこれで5連勝、貯金は3、全然少ないですね~。
ブルー・ジェイズも負けませんね、恐いですね~。
去年のレイズ、今年のジェイズ、発音も似てますね~、恐いですね~。

という訳で、時間きました。
それではみなさん、またお会いしましょ、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。

2009年5月15日金曜日

ファンの心配を‘糧’に大仕事をする男~出場不確定の松井秀喜が試合を決定する第4号HRを打った~

TORとの初戦、1打席を終えた松井秀喜がハムストリングに張りを感じてゲームを離れた。

2年前のヤンキースはハムストリング症候群に襲われて、新任のトレイナーが解任されたことがあったが、結構長引くのが悩ましい。

松井の比較的楽観的なコメントとは裏腹に私はDL入りの可能性が高いと感じた。

昨日の試合は先発を外れたが、代打出場はあり得るというジラルディの発言で、
それほどシリアスではないかもしれないという印象に変わった。
松井とジーターを故障で欠くチームは若手が溌剌とプレイし圧勝した。
勝ちを喜ぶ気持ちがある一方で、松井不在で盛り上がっているのをやや白けて観ていた。
私の狭量さの証明である。

今日は5番DHで復帰したが復調したかは別問題。
復帰前の4試合では12-1と大スランプに陥っていた。

今日も3打席では四球や良い当りはあったが、ノー・ヒット。
4打席目は2-2の同点で8回表の先頭で回ってきた。
カウント2-2からの6球目を叩くとボールは右中間へ・・・。
ヒットになるのは直ぐ分かったが、なんとこれがフェンスを越える第4号HRになった。
このTORシリーズにはマイケル・ケイが参加していなかったのでセイヤッ!は聞けなかったが、
実況のケン・シングルトンはそもそも入るとは思っていなかった感じだった。

現地の書き込みにはヤンスタのジェット・ストリームが
チームと一緒にTORにやってきていたというのがあった程だ。

いつもは表情を変えずにゆっくりと一周する松井も今日は3塁手前では思わず笑みをもらしていた。

その直後例の現地番記者がブログで最高の賛辞を贈る。
Godzilla does it again. The guy is a difference maker, always has been.

試合は松井の決勝弾を‘希薄化’する追加点も無く、サバシアからリヴェラに直接リレーで
追いつかれることもない理想の展開でヤンキースが3-2で勝利した。
ゲーム差はあるが地区1位のTOR相手に勝ち越し、勝率を5割に戻したことは大きい。

松井秀喜が打つか打たないかではなく出るか出ないかを心配していたが、
何のことはない、結果的には今季の松井が最も存在感を示したベスト・ゲームになった。

松井はファンの心配を‘糧’に大仕事をする男だな・・・(^。^)

故障上がりの松井は強い。
慣れないライトを守って捻挫した時も、次の試合では第1打席でHRを放った。
今日の4回の打席はすべて足に優しい内容だった。

さて、この一発で記事の見出しは勿論松井とサバシアが中心だった。
今季初のNY紙一面登場を期待したが残念ながら2紙はメッツネタ。
Newsdayだけがヤンキースネタで‘Well-Healed’とやったが写真は松井と同様に
怪我から復帰して同点タイムリーを打ったジーター。
TOR遠征だと極端に公式の写真が少なく松井の決定的なものがなかったせいもある。

まあ、同じ1974組だし、松井は次の文句無しの機会を狙えばいい。

今夜は絶品の鯨ベーコンとともに松井の活躍がいい肴になって旨い酒を楽しんだ。

という訳で、松井の活躍を期待してファンはおおいに心配しましょう・・・(^。^)
実際今年はHRを打った後に何故か低迷することが多い。

2009年5月9日土曜日

ヤンキースの4番A-Rodが今季初スウィングで連敗を止める~エロ効果でサバシアも完封~

日本の大型連休に合わせて‘大型連敗’をしていたヤンキースだが不振に苦しみ、
Boo攻撃を受けているテシェイラがこんなことを言っていた。

“We found another way to lose.”

まさか‘大発見’をして日々喜んでいる訳ではないだろうが、負けパターンは実はみな同じ。
攻撃陣で言えばRISPでのタイムリー欠乏症も酷いが、
さらに悲惨なのが‘Man on 3rd, < 2 outs ’での‘最低限の仕事’の成功率だ。

裏は取っていないが全試合観戦している私の記憶だと5月1日のLAA戦で
松井が犠飛を打って以来一度も成功していない。

投手陣で言えばスターターが持って6回、その後のブルペンが圧倒的に弱い。
そして終にはリヴェラまでもが連続被弾の‘珍事’を起こす始末。

5連敗して今日からは地区最下位のBAL3連戦。
ここで手術、リハビリ明けのA-Rodが今シーズンのデビューとなった。

私に‘理由は無いがエロは予定より早く復帰しそうな気がする。あいつはそういう奴だ。’
と書かれたがその通りになった。
4番サードで出場した第1打席、四球のランナー2人をおいて、初球を今季‘初スウィング’すると、
何と先制3ランHRという劇画も真っ青の展開。

彼の留守を守っていた3人の代役達は28試合でHRはゼロだったから、
まさに格の違いを見せつけたことになる。

その後は2三振を含め3度凡退するが、最初の一発が効いてチームは4-0で勝利、
‘大型連敗’を脱した。

エロ効果なのか女房役がピチピチの23歳になったせいか、
無駄遣いの権化扱いされていたサバシアが完封。
立ち上がりのピンチで2塁塁審が誤審で盗塁をアウトにしてくれたのも大きい。
因みに今日の球審はあのボブ・デービッドソン。

最高年俸の4番が打ち、年俸的には絶対エースのサバシアが完封するという流れになった。

はいはい、エロ様、あんたがいないと勝てない、勝てない・・・(>_<)

エロをどこかで好きになれないナリポンとしても今日は素直に認めざるを得ない。

実際YESのマイケル・ケイが実況の中である数字を紹介した。
自分でBALに向かう飛行機の中で調べたというのも少し驚いたが、
エロがヤンキースにやってきた2004年以降、エロが出場した試合の勝率は0.595で
出なかった時は0.465だそうだ。

代打出場の取扱いがどうかは不明。

そうそう松井の連続試合安打は案の定1打席だけの代打出場で途切れた。
その後はまた打ち続けているが未練がましい表現としては
‘Godzilla has a 16-game hit streak as a starter.’というのを見つけた。

松井シンパのケン・シングルトンは今日のエロの一発と松井のヤンスタ・デビュー戦の
グランド・スラムを重ねて、スターは何かを持っていると解説していた。

A-Rodの存在で勝率が変わるとしてもそれは本人の直接的要因だけではない。
特に前後を打つ打者には大いに影響がある。
5番に‘降格’になった松井は所定の位置で仕事をすればいい。

“We found another way to win.”

そんなコメントを是非聞きたいものだ。

2009年5月2日土曜日

2009年の松井秀喜はよく跳ねる~チームはアグリーなゲームを逆転サヨナラ劇で4連勝、自身は連続試合安打を死守~

今日のヤンキースは1回裏松井の今季初の‘最低限のお仕事’打点となったライトへの犠飛を
皮切りに一挙に4得点、今年好調な先発ウィーバーを攻略した。
一方こちらの先発ペティットはランナーを出しながらも何とか凌いで、5回を終わって無失点。
6回表も1死2,3塁のピンチで三振を取り何とかなるかと思ったが、
そこから2ランシングルを浴び、四球で満塁にした時点で降板。

おそらく世界中でジラルディ以外の全員が抱いた嫌な予感は的中し、
クリアリング・トリプルを打たれてあっさりと逆転される。

その3塁ランナーは実質ホームスティールのようなワイルドピッチでさらに1点、
このイニングで6点奪われる。

7回にも3点失い、4-9の5点差になり、あの屈辱のBOS戦の二の舞モード。

8回裏の先頭はまだノー・ヒットの松井だったがピッチャーゴロに倒れ、
YESの実況もヒッティング・ストリークの終焉を宣告した。
ところがそこから打線が繋がりなんと4得点、1点差まで迫ったのだ。

実は前日の試合で同点から勝ち越しに成功した8回の攻撃も、松井の凡退から始まった。
野球通の間では‘松井のきっかけ力’は定評があるが、自分が凡退してもチームは大量点を取る。
これを超野球通の間では‘広義のきっかけ力’と呼んでいる・・・(^。^)

このラリーで9回の攻撃で松井に5打席目が回って来ることが確定した。

1点差をキープしたまま9回の先頭は悩める3番、テシェイラだったが、自慢の選球眼でなんとか出塁。
さあ、松井の出番だ。

天国シナリオはサヨナラ2ランHRだが、地獄シナリオとしては2ゴロ併殺打もある。
ファンとしては共同責任を感じながら固唾を呑むのは当然の場面だが、
しぶとくレフト前にライナーで弾き返した。

よっしゃ~、繋いだぜ・・・(^。^)

絶好調男カノーのセンター前ヒットではランナーが還れず無死満塁。
2塁に進んだ松井には当然のことだが代走が送られた。

次の打者は1回に2ランHRを打っているポサーダ。
フルカウントから強振した当りは左中間へ。

やった~、サヨナラだ・・・(^O^)/

パソコンの前で手を叩いた私が見つけたのは松井の姿だった。

ホームインする二人のランナーに駆け寄って跳ねてる、跳ねてる。

その後は殊勲のポサーダをロックオン、またまた跳ねてる跳ねてる。
サラサラヘアーのCMに使えそうな感じで髪の毛が揺れている。

そういえば、今季最初のサヨナラ勝ちになったOAK戦の時も松井は跳ねていた。

2009年の松井秀喜はよく跳ねる、膝に問題が無い時より力強く跳ねている・・・(^。^)

今日の興奮をまた味わいたくてMLB.TVのアーカイブを観て驚いた。
サヨナラの瞬間、松井はベンチ前の柵に足を掛けて乗り越えジャンプして着地し、
バンザイをしながら駆け寄っているのだ。
良い意味でも悪い意味でも感情を表に出さない松井にしては実に珍しい。

チームは4点のリードを守れず逆に5点差にされたアグリーな試合を見事にひっくり返した。
松井は予想しなかった5打席目でチャンスを広げ、自身の連続試合安打記録を死守して11に伸ばした。

恐らく松井個人は記録を特に意識はしていないだろう。
私も重要視しないタイプだが、現地のメディア対策というか印象作りとしては
結構有効だということもわかってきた。

記録が自己目的化するのは疑問だが、結果として続くのは大歓迎だ。
最大の敵は先発を外れた時の代打出場か・・・。

ファンとしては跳ねる松井も悪くはないが、跳ねる人々の輪の中心になっている
松井の方が良いことは論を待たない。